このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年1月13日(金曜日)11時23分~11時49分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)恵方巻のロス削減の取組について
  • 高病原性鳥インフルエンザへの対応について
  • 鶏卵の需給状況について
  • アフリカ豚熱の発生に伴う豚肉等の一時輸入停止措置等について
  • JA共済事業について

冒頭発言

大臣

  私から1点、御報告とお願いがございます。農林水産省では、食品ロスを削減するために、食品小売業者に対して、季節食品の需要に見合った販売を呼びかけております。2月3日の節分の日には恵方巻が販売されますが、多くの食品スーパー・コンビニでは、当省からの呼びかけに応じ、本日時点で65の事業者が予約販売に取り組んでおります。今月下旬に期限となる事業者も多いので、消費者の皆様方には、食品ロス削減につながるよう予約をして、恵方巻を愉しんでいただきたいと思います。私から以上です。

質疑応答

  • 高病原性鳥インフルエンザへの対応について(1)

記者

  鳥インフルエンザについてお伺いしたいのですが、今朝も関係閣僚会議が開かれて、官房長官からの指示もあったと思うのですが、農林水産省として、卵や鶏肉の安定供給に向けてどのような取り組みをするお考えか、また今回の閣僚会議の受け止めも併せてお願いします。
  あともう1点。生産者等からは、一つの農場単位での殺処分をすると、大規模な養鶏農家では処分数も大きくなることから、一つの鶏舎単位での処分とかの方法も採れないかという現場の声も聞くのですが、農林水産省として、そのように対応を変える考えはあるのかも併せてお願いします。

大臣

  卵の安定供給については、毎回御質問があって、お答えもしているのですが、昨年の暮れには(卸売価格が)300円/キロを超えていたのですが、今年になって落ち着いて来るということを皆さん方に何回も申し上げたとおりですが、1月になって260円/キロになりました。しかし今日は275円/キロということで、昨年末からすると若干下がってきておりますが、これも、鳥インフルエンザ(の疑似患畜)が今日また発表になりますけれども、発生件数がやっぱり多いので消費者の皆さん方も大変不安に思っておられるし、また流通業界の皆さん方もそう思っておられると思うのですが、我々は家庭の消費者の皆さん方に御迷惑がかかるようなことにはならないようにということで、文書を日本養鶏協会の方に送って、それで飼い増しをしてもらおうと。1,000万羽を処分しているわけですから、その1,000万羽の代わりはまだ1億何千万羽おるわけですから、鶏を10日でも20日でも長く飼い増しをすればそれだけ卵を産みますから、ぜひ卵を産ませて、供給に支障がないようにしてくれというお願いを実はしたところでございます。ですから、安定供給という意味からは、我々が見込んだ価格よりも、また高くなって275円/キロということで、これがどうなっていくのかということは、やっぱり高い水準で推移していくのかなと思っております。それから、一つの農場ではなくて鶏舎単位で殺処分をした方がいいのではないかという御指摘ですが、鶏舎単位でということも考えられるのですが、必ずその隣の同じ敷地内に、例えば農場として10棟あって、それを鶏舎ごとに処分していくというのも、一つ考えられる方法だと思いますが、従業員の人達は行き来もしていますから、いろいろな形で隣の農場にも感染が拡大しているかもしれない。そういうことを考えると、豚コレラもそうですが、一つの農場として全部処分しないと、次から次へ出てきて、対策も大変になるということで、農場単位の殺処分をずっとやって来ております。これは他の国も同じです。韓国にしてもEUにしてもアメリカにしても同じで、同じような殺処分のやり方をしています。外国がそうだからということではないのでしょうが、今おっしゃったのは、気持ち的にはよく分かります。ただそれ(ウイルス)に色が付いているわけではない、(目に見える)形が付いているわけではないものですから、どんどんうつっていくだろうと、我々は想定していますから、そうなると作業も大変になってくるし、次から次へとうつってしまうので、もう一度にその農場として全部埋却をすると。元気な感染していない鶏も処分するのはちょっと乱暴ではないかというのは分からないでもないのですが、やはり感染を拡大しないという意味から一番、最もふさわしいやり方ではないのかということでずっとやって来ています。これは鶏だけではなく豚もそうです。それから牛のいろんな病気もありますけども、同じような形になっていると思います。


記者

  冒頭の鳥インフルエンザの今回の対策の方では、養鶏協会に対しても緊急で通知を出されたりと、農水省としても対応されているということでよろしいですか。

大臣

  日本養鶏協会の方に、1月10日付けで「鶏卵の安定供給について」という、畜産振興課長、食肉鶏卵課長の両名の名前で「安定的な生産の確保と家庭商品向けへの優先供給に特段のご配慮をお願い申し上げます」という文書を1月10日付けで出しております。ですから、そういう意味で、生産者にも御努力してくださいということは、できるだけもう少し飼い増しをして、期間を長くして卵を産ませてくださいという意味にも取れるわけです。


  • 高病原性鳥インフルエンザへの対応について(2)

記者

  鳥インフルの関連ですが、今朝もまた新潟県内で高病原性の鳥インフルエンザの疑似患畜が確認されました。県内、年明けからも相次いでおりまして、業者数は全国的に少ないのですが、その中で発生が相次いでおります。こうした状況についての受け止めをお願いします。

大臣

  先日、農水省内でも対策本部を開いたのですが、これは農水省だけの問題ではなくて、関係閣僚会議、例えば、殺処分するときは、羽数が多いところは自衛隊を頼む、国交省の方でチェックポイントを作ってもらうとか、いろいろな形で各省庁にも加勢をいただいているものですから、閣僚会議を今朝開かせていただいたわけでありまして、その中でも今申し上げたような、蔓延しているというのは、専門家が言えば(環境中のウィルス)濃度が高くなっているという話ですから、濃度が高くなっているところは日本全国ですと。あるいは日本だけではなく、海外もそうですというぐらいに今、蔓延しているわけですので、みんな緊張感を持ってやる、飼養衛生管理をきっちりやる、マニュアルどおりにやるということしかないのです。どこから飛んで来るのか分からないし、鳥ですから。あるいはねずみだったり、小動物も関与しているわけですので、人間が抑えられれば抑えられるんですけども、どこから入ってくるのか分からない鳥や小動物が入らないようにするのが精一杯なところで、他に決め手がないものですから、大変心配しています。


  • 高病原性鳥インフルエンザへの対応について(3)

記者

  鳥インフルで1点だけ。関係閣僚会議で何か決まったこととか、御指示みたいなのはあったのでしょうか。

大臣

  今日のところは報告をさせていただいて、決まったことというよりは、何をしようとかいうこともそうなのですが、とにかく高い緊張感を持って対応に万全を期すことを確認したと。もう一つは、先ほど質問もありましたが、鶏卵の安定的な生産の確保と家庭消費向けの優先供給を要請をいたしましたと御報告をさせていただき、ぜひそれは続けてくれというお話がございました。最終的には、発生予防と蔓延防止に全力で、関係閣僚が一生懸命取り組めという確認をしたところでございます。


  • 鶏卵の需給状況について

記者

  この間の緊急の防疫対策本部では、マヨネーズの不足感があるというような趣旨の御発言がありました。加工卵についてはいわゆる粉状のものとか、液状のもので輸入すると思うのですが、そういうものが確か2年前は少し輸入が増えたと思うのですが、緊急輸入みたいな対策はどう見ていらっしゃいますか。

大臣

  まだ業界の方からそういったことは言って来ていません。マヨネーズが少し不足気味だという話は、マヨネーズ業界の方から聞いておりますが、だからといって液卵を輸入してくれとか、具体的な話は来ていません。


記者

  分かりました。卵の供給量は今のところちゃんと確保して十分にあると。

大臣

  生卵での流通というのが、一番、国民にとっては毎日食べられる代物ですから、ここは途切れないようにしなければいけないと思っております。


  • 高病原性鳥インフルエンザへの対応について(4)

記者

  鳥インフルエンザについて2点伺います。今シーズンの殺処分が過去最多1,000万羽を超える羽数となっております。その中で、100万羽を超える大規模農場での発生も処分数が増えた要因の一つに考えられると思います。経営の効率化などを背景に大規模農場は増加傾向にありますが、こうした大規模経営体が増えることによる発生のリスクについて、大臣のお考えをお聞かせください。またもう1点、大規模農場での発生防止にはどのような対応が必要なのか、その点についてもお聞かせください。

大臣

  経営規模の大小を問わずに発生のリスクはあるわけで、大きいから鳥インフルエンザが感染するとか、小さいから感染が全くないかというとそうでもないということで、規模の大小にとらわれず発生のリスクはあるということが一つ。それから、規模の大小を問わずに飼養衛生管理を徹底していただくことが基本です。大きいところは管理が行き届いて、小さいところは行き届かないかというと、これも大小によって差はないのですが、要はそこを管理してもらわないと、どこから入ってくるか分からないので、防疫措置をきちっとやっていくということです。ただ、大きなところ(農場)の問題は、殺処分をしたときに、穴を掘ってそこに埋めていくのが大体一番多いやり方ですが、そういった対応計画を事前に策定をしてもらうようにしています。ある知事さんからも、施設を持ってる農場からは、(現場対応に)あんまり人を出さないと。むしろ、県の職員とか、自衛隊に頼まざるを得ないので、その辺は考えてくれないかというような御要望もありますので、鳥インフルが発生し、殺処分をしなければならないときには、どこに頼むかというところを、農場の方には、相手、カウンターパートを必ず探して見つけておいてと。例えばガードマン会社でも別の作業してくれるところでもいいし。そこと契約を結んでおいてくれというのは、この指針の中に入れてあるんですよ。だから今朝もそれを言ったのですが、各県、チェックをかけて、契約を結んでいるかどうか点検をしてみてくれと指示したところです。そうしていかないと、今おっしゃった大きいところ、茨城で100万羽ずつ失くなっていますが、これは県外の養鶏業者の方なんですね。自分の目の届かない県外で発生すると、さっと工場の人たちを連れて行って処分するとはならないので、その時あなた方はどうしますかと。例えば労力を提供してくれる会社と契約していますかというチェックをかけていかないと、県や自衛隊に過剰な負担をかけてしまうと思いますので、(規模の)大小でいけばそういうところがあると思います。


記者

  大小ということで、今後も増加傾向というのは変わらないと思うのですが、その経営の効率化というところで。そう考えたときに、例えば先ほどの質問の中で、その鶏舎ごととお話もありましたけれども、例えば分割するとかしていかないと殺処分数が増えてしまう状況になると思うのですけれども、その点についてはどのようにお考えですか。

大臣

  私の地元・鹿児島でも発生し、鹿児島の出水市、鶴が来るところで9例出ているのですが、これは一つの(地域の)農場なんです。ずっと繋がっているわけです。経営者は9件ですから、経営者は全く違うけれども、どんどん転移して、最終的にその鶏舎ごとといえば鶏舎ごとですけども。次から次にうつってしまって9ヶ所、殺処分をしたところがあります。これは一つの農場とみなすというぐらいやらないと。ただ、経営者が全然違う人たちですから、あなたのところも危ないからもう殺処分をしようというのは、なかなか合意を得られません。同じところの経営者だったら、殺処分をした方がいいと。鹿児島でも最初からやっておけば9例にはならなかったでしょうが、1例目から9農場を殺処分してしまうというのは無理があったので、次から次へと発生してしまったという事例があります。やはり農場単位でないと良くないなと思います。


  • アフリカ豚熱の発生に伴う豚肉等の一時輸入停止措置等について

記者

  家畜伝染病のアフリカ豚熱の関連でお願いします。イタリアからの豚肉等の輸入が一時停止されてから今月で1年となりましたが、その前から続いていたドイツについても同様の措置は続いております。この措置が解除される見通し、現状の見通しについてお聞かせください。そして新型コロナ禍での入国規制が緩和される中で、空港等での検疫の体制について、現状に対する認識もお聞かせください。

大臣

  イタリア、ドイツは、アフリカ豚熱の発生がイノシシではなく、豚から発生しています。例えばイタリアで1事例。これは令和4年6月9日、豚に出ています。それからドイツでは7事例(豚に)出ています。こう見ていきますと、ワクチンがないだけにこれを抑える手立てがないのです。アフリカ豚熱のワクチンはありません。これは輸入をストップしておかないと、万が一日本に入って来たときが大変だと、検疫も厳しくしています。(輸入件数が)大した数でもないと言っても、どこに潜んでるかが分からないので今、検疫では、非常に厳しくやっているわけです。(入国時の持ち込みについても)検疫(を行う防疫官の)人数も増やしたり、検疫(探知)犬も増やしたりしながら、何とか水際で止めようということでやっています。したがって、少ないからといって開けるわけにはいかない。これは相手国も一緒です、日本にもし出ていれば。日本はアフリカ豚熱は出てないわけですが。


  • JA共済事業について

記者

  ちょっと話変わりますけれども、JA共済、JA職員の間で、販売についてノルマが課されてて、自爆営業も相次いでいるということについて、大臣の御認識をもう一度よろしくお願いします。先月もどこかの社がお聞きしたと思うのですが、その際は、「目標を達成できない職員ほど、こういうことを言う」というふうに大臣はおっしゃっていたのですけれども、その御認識について改めてよろしくお願いします。

大臣

  JAというところは全体で推進目標というのを立てていて、皆さん方のところで記事を何本書けとかいうのも一つのノルマなのですが。JAはいろいろな事業をやっています。信用事業、共済事業、それから経済事業をやっています。例えば、今だと牛乳が非常に余っていて、消費が不足しているから、みんなノルマとして、1人当たり何本ずつ買ってくれとかということもあります。我々も実際ありましたが、ブロイラーが非常に安くなったので、1人当たり5キロぐらいずつ買ってくれとか、それは農家のためにもなるのですが、そんなに鶏を食べる家庭というのはないので、買って隣近所に分けたりとか、そういうやり方もしてるんです。そのくらい、共済だけではなくて、いろいろな事業もそういう形で、全体で推進目標を立てて、このぐらいの肉は消化しようじゃないかとか、みかんが余ったときもそうだったんですが、我々はジュースを10箱ずつみんなで買おうといって買ったんです。そういうのも、各農協とも全部の職員の人達にも全員買ってもらうというような推進のやり方を、全体目標立てて、各事業毎にそういうものはあります。だから共済も全く一緒なんですよ。ですから、共済だけがなんか悪者扱いされているというか、共済の推進についてやりづらいので、やり玉に上げろとかいうような人たちもいますけれども、そうではなくて、農協というのは、全体推進、推進目標というのを立ててやるものですから、なかには苦手な人たちもいる。豚肉だったら食べればいいんですが、共済の場合は自分が入ることはできないので、入ってもいいのですが、他の人は何とか推進をして、目標を立ててやっているということで、苦手な人たちもいるということなんだろうと思います。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上