このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年3月3日(金曜日)10時22分~10時34分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 輸入小麦の政府売渡価格の激変緩和措置について
  • 諫早湾干拓事業に係る請求異議訴訟の最高裁決定について
  • 高病原性鳥インフルエンザによる鶏卵需給への影響について

質疑応答

  • 輸入小麦の政府売渡価格の激変緩和措置について(1)

記者

  先日の会見の中でも言及があったと思いますが、輸入小麦の政府売渡価格について、現状の対策の効果について伺います。昨年10月からは実質据置きが実施され、4月からの激変緩和策も現在検討されています。一方で農水省が参考として出している数字では、例えば、外食のうどんや中華そばの小売価格に占める小麦の割合は1%で、昨年4月の改定での影響額は1杯当たり1円程度となっています。小麦以外の食材やエネルギー価格も高騰している中で、現在行っている実質据置きや検討されている激変緩和策の効果は限定的であるとの見方もできると思いますが、まず対策の効果についてどうお考えでしょうか。

大臣

  (輸入小麦の政府売渡価格は)令和3年10月期が19%、そして昨年4月期が17.3%(の引き上げで)、昨年10月期は据え置きましたが、(その前)2回連続上がったことによってパンも値上がりしました。昨年10月期は据え置きという総理の指示でしたから、少しそれで(価格改定は)沈静化したと思います。しかし、輸入小麦は年2回の価格改定をしますので、今度の4月期はどうなるのかというのは、業界の皆さん方も大変注目していると思います。どういう影響があったかというのは、国際的な価格は上がっているけれども、日本は(輸入小麦の価格を)据え置いたということで、一時的な沈静化はあったのではないかと思っています。


記者

  関連なんですけれども、こうした政府による価格への介入というのは、輸入小麦から国産米粉などへの起こり得た需要シフトの阻害ですとか、市場を歪めているという指摘も一方であります。こうした対策の弊害について、有無などを含めてどう考えていらっしゃいますでしょうか。

大臣

  市場を歪めているというのはどういう意味ですか。


記者

  本来であれば、安い方に消費者の需要が移るけれども、輸入小麦(の政府売渡価格)を抑えることによって、それが阻害されているという指摘もあるのですけれども。

大臣

  (市場を)歪めているという点が、ちょっと意味が分からないのですけれども、できるだけ消費者にストレートに、国際的な小麦価格の上昇の影響が及ばないよう、昨年10月期(の政府売渡価格)は据え置いたということです。今度の4月期はどうするかは、今検討中です。ストレートに国際価格に沿って上げていけば、国が一括で買って、一括で売るわけですから、国の財政的な負担はなくなるわけですけれども、消費者にストレートに影響が行ってしまうということですから、できるだけ激変緩和していこうということで、総理も昨年10月に指示を出されましたし、今度の4月期改定においても、激変緩和措置をするようにという指示をいただいています。小麦の国際価格(の高騰の影響)が消費者にストレートにいかないようにという、僕は総理のお気持ちだと思います。


  • 諫早湾干拓事業に係る請求異議訴訟の最高裁決定について

記者

  昨日に引き続き、諫早湾干拓事業についてお尋ねします。協働のために、話し合いの場を設ける用意があるということでしたけれども、今後、国の方針を理解・賛同してもらうために、大臣自らが開門を求める漁業者や弁護団と面会される御予定はありますか。もし予定がない場合、要望があれば応じるお考えはありますか。2点目です。2010年の開門確定判決について伺いたいのですが、当時の福岡高裁判決に対して、上告しないと判断した当時の民主党政権・菅直人元首相の対応についてどのように評価されますか。

大臣

  これまでもそうだったのですけれども、絶対に開門、いや開門反対というような形での話し合いは、ただその場でお互いの主張をするだけになります。歩み寄るというお気持ちがあれば、それは国としても、その話し合いには関与したいと思います。ただもう自分たちの主張を通すだけだという一方的な話であれば、どちらからもそういうような話し合いは(望みませんし)、話し合いというのは、お互いに寄ってこないと話し合いにはなりませんので、そういう雰囲気が醸し出されるかどうかです。国としても今回の決定が出た以上は、もう最後という意識でやらないと(いけません)。(潮受堤防の閉切りから)もう26年経っているわけで、これではお互いのためにも良くないし、昨日も言いましたように、豊かな海を取り戻していくためには、早く話し合いの上で、そして基金を活用されて、(有明海の)再生に向けて動いていただきたいと思いますので、前向きな方向での話し合いでしたら、いつでも国としても出ていけると思います。


記者

  2点目は開門確定判決に上告せずと判断した当時の民主党政権の判断についての評価をお願いいたします。

大臣

  もうあの時はびっくりしました。最高裁までいかないうちに菅総理がもうストップをかけたわけですから、私はまだその頃は党の方にいたのですけれども、非常にびっくりしたというのが率直な気持ちでした。最高裁までいって結論が出れば、それを互いに認めなければなりませんけれども、まだ途中で(裁判を)打ち切ってしまったのはどうなのかと。今回、最高裁の決定が出ましたが、そういったことで長引いてしまったという思いがしてなりません。


  • 輸入小麦の政府売渡価格の激変緩和措置について(2)

記者

  冒頭の小麦の価格の件ですけれども、昨日開かれた自民党の総合農林政策調査会では、出席議員から、国産小麦とか、主食としての米の活用を推進する中で、輸入小麦の価格を抑えることは、国産(農産物)の振興とのギャップがあるというか、矛盾するのではないかという御意見も出たようですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。

大臣

  昨日の部会の報告も読みましたけれども、いろいろな考えがあると思います。ただ、どういう方向が一番いいのかというのは、その結果というか、どのぐらいのアップ率になっていくかは、総理の方から激変緩和(措置を講じてください)と指示をいただいていますから、その(前提となる買付価格の)数字を見ながら検討させていただきたいと思っています。ですから、まだどうするかは決めていません。


  • 高病原性鳥インフルエンザによる鶏卵需給への影響について

記者

  物価の値上がりに絡みまして、卵ですが、鳥インフルエンザも絡み値上が続いています。これまでの最高額ということで、消費者の間からは不安の声、いつまで続くのだろうかという思いも上がってきています。そのことについて受け止めと今後の見通しについてお聞かせください。

大臣

  昨日、福岡で(鳥インフルエンザ感染農場が)出て、非常に残念な思いです。ある程度止まったと思っていたのですけれども、今回また出てしまい、まだ(発生は)終息していません。去年は5月までかかったんです、最終終息が。だからぬか喜びは駄目だと思いながら、昨日(報告を)聞いていました。鳥インフルの殺処分数は既に1,500万羽を超えたわけですから、卵の値段は、また影響が出てくるだろうと思っています。前から何回も言うようですが、大体半年から1年ぐらい(供給が)復活するのにかかります。それを期待する以外にありません。また(新たな感染農場が)出て来ればどうなっていくか分からないのですけれども、その時はその時点でどんな方法がいいのか、考えていかなければならないと思います。今のところは静観しながら、何か対策をといえば、農家の皆さん方に、発生予防と蔓延防止に全力を注いでくださいとしか言えないのです。我々も気付いたのですが、ウィンドレス(鶏舎)で全く密閉してあるにもかかわらず、(ウイルスが)入ってきたという事例の感染経路が分からなかったのですが、(よく調査すると)天井の方に穴が空いてるとか、天井に隙間があったということもありますので、もう一遍チェックをよくして、発生を防がなければならない。もう今のところはそれしかありません。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上