江藤農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和6年11月15日(金曜日)10時31分~10時41分 於: 本省会見室 |
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主な質疑事項 |
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冒頭発言
大臣
私から、一点報告があります。明日16日(土曜日)、石川県の奥能登地域に、滝波副大臣と山本政務官とともに、出張することにいたしました。
改めて、1月の能登半島地震及び9月の豪雨災害によりお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災されたすべての方々にお見舞いを申し上げます。
短い期間のうちに二度にわたる大きな災害を受けた奥能登地域の実態を直接把握し、現地の声を生でお聞きし、一日も早い復旧・復興に向けた取組に活かしてまいります。詳細については、この後プレスリリースします。私からは以上です。
質疑応答
記者
石川出張について、先月、小里大臣が視察された際は、農作物の収穫時期が近かったこともあり、収穫不能になった農作物の処理に対する助成などを決めましたが、今回、特にどういったところを重点的に視察したいかお聞かせてください。
大臣
被災地の方々におかれましては、たびたび閣僚がお邪魔し、また国交大臣も計画され、ましてや農水省は、この短い期間に大臣が変わり、たびたびお邪魔することに、まずはお詫びを申し上げます。しかし、私自身は大臣という立場では、まだ生の現場の空気に触れていませんので、それを知ることがまず大事と思います。どのようなものが求められているか、坂本大臣、小里大臣から引き継いでいますが、時間は経っていないといえ、季節の移り変わりとともに、求めるものは変わっているかもしれませんので、引き継いだ上で新たなご要望があれば承り、対応できるものについては対応していきたいと思います。
私の地元も台風がよく来るところで、一昨年の台風災害からもまだ復旧できてない。宮崎はそういうところです。被災された方々のご苦労はよくわかるので、お話をしっかり聞いてまいります。
記者
経済対策について、政府原案では食料安全保障の確保や物価高の対応に向けて農林水産業への支援も盛り込まれましたが、どのような支援をしていくのか、対策のねらいと、特に重点となる項目についてお願いします。
大臣
理念法である食料・農業・農村基本法の改正はできました。いよいよ基本計画(の策定)に移り、これに基づいて予算の肉付けをしていく。その一番最初の段階が今回の経済対策になるので、次に繋がるものにしていかなければならない。経済対策という以上は、現下の緊急的な事態に対応するものでなければならないと思います。
自分のところが畜産県だから言うわけでありませんが、枝肉価格、仔牛価格の低迷が、畜産業だけではなく地域経済にとって大変なダメージになっています。そういったことにもしっかり配慮しなければなりませんし、これから5か年の構造転換を進めていく上で、林業、水産業、食品産業について、目配せした経済対策にしたいと考えています。
記者
国営の諫早湾干拓事業について、国は潮受堤防排水門の非開門を前提として、有明海再生に取り組むとし、大臣談話でも明示しています。大臣は2019年に現地視察や関係者との意見交換などを通じ、状況をよくご存知だと思いますが、有明海の状況はさらに悪化しており、タイラギなどの二枚貝のみならず、佐賀県が全国一を誇っていた養殖ノリも不作が続いています。
衆院選では、公約で開門を掲げた立憲民主党の議員が小選挙区で勝利するなどの結果も出ていますが、この問題に対する認識と非開門前提で有明海再生を図るという姿勢を堅持されるのか。加えて、再度の現地視察や関係者との意見交換の実施見通しについて伺います。
大臣
令和5年3月、開門によらない有明海再生を目指す大臣談話は、有明海沿岸4県の漁業団体の方々からご賛同いただいていますので、しっかり必要な支援をやるということを前提に、(令和5年3月の大臣談話を)継承することは当然だと思っています。
明日、能登に行きますが、本当は今週中か来週中にでも有明に行きたいと希望していました。ちょうどノリのシーズン最盛期ということもあり、ご迷惑がかかるということであれば本末転倒になりますので、できれば手が空いている時にしっかりと意見交換をしたいという現場の要望もあります。決して私から先送りにしているわけではなく、受け入れ体制のあるときに行った方がよいということで、今のところ時期は決定していませんが、副大臣の時、大臣の時も、私はこういう性格ですので、かなり現場の方々と膝詰めの話をさせていただいて、くだけた話もできた経験があります。私は門川町生まれで漁港育ちですから、漁場が荒れていくことに対する辛さはよくわかりますので、海底耕うんやさまざまなこと、現地では基金もご要望されていると聞いています。これについて今日はコメントしませんが、現場でなるべく早く、先方のご都合がつけば色々な話を伺いたいと思いますし、もし、ご上京いただけるのであれば、大臣室でもしっかりお話を伺えればと思います。
記者
鳥インフルエンザについて、今シーズンのペースについての考えと予防策について、必要な点はどうお考えですか。
大臣
何度か申し上げましたが、私の地元でも入りました。日本で最新鋭の鶏舎、完全ウィンドレスで外から虫も鳥も入りようがない。そこで働いている人たちも完璧な防疫体制を敷いても入りました。そういう現実がありますので、うちには入らないだろう、大丈夫だろうというのが一番危ない。どこで起こってもおかしくない。今年の発生ペースは一番最悪だった時とほぼ同じペースですので、来ると思って対応していただきたい。来たときに慌てるのでなく、来たか、ではこれをやらなければいけないと。家畜伝染予防法の指針に則って、しっかり予行演習もしているはずですから、殺処分、埋却処分、防疫措置をできるように。できれば初発の1か所で止める。人の流れ、経路等がありますから、しっかり把握した上で、人の流れで伝播している可能性あるところはすぐに調べる。そういったことは農水省主導ではできませんので、ぜひ、各都道府県単位、市町村単位でしっかりやっていただきたいと思います。
発生した後は殺処分して一度経営が止まりますから、国の指針に則って、しかるべき支援をして、経営再開ができるように。前回はとんでもない値段まで卵の値段が上がり、クリスマスシーズン前の今は280円ぐらいですが、それでも卵の飼養に対して、非常に経営を圧迫しているとのご指摘も聞いています。
国民生活にも、非常に密接に影響を及ぼす鳥インフルエンザですので、省としては、とにかく都道府県の皆様方にしっかりやっていただくことをお願いするとともに、来週、ウェブで、各県の皆様方に防疫体制、発生した後の初動体制の確立についてお願いする会議を設ける予定です。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上