江藤農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和6年12月17日(火曜日)8時40分~8時50分 於: 参議院議員食堂 |
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主な質疑事項 |
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質疑応答
記者
価格形成について、来年、農水省が提出を目指している価格形成に関する法案の具体的な措置が、先週、自民党の部会で示されました。費用の明確化や、考慮を行うことを努力義務として認める内容になっていますが、法制化に向けた受け止めや意気込みがあれば聞かせてください。
大臣
これまで、生産、流通、販売、加工、そして消費者の方、そういった一連のサプライチェーンの中で闊達なご議論をいただいて、最終的に消費者団体の方々からも一定のご理解が得られ、努力義務をここまで書き込むことができたことは、理解の醸成が進んだ結果だと思います。そういった協議に参加し、結論を出していただいた皆様に、まずは感謝を申し上げたいと思います。これによって、価格交渉には一切応じないとか、補助金をいただいているから、その分は値引きをという無茶な要求を求めるようなことは排除できるのではないか、そういう効果を期待します。合理的な価格形成ですから、全てのサプライチェーンの中に属する人たちが納得し、どこか1か所がやたら儲けて、どこかが割を食うことがなく、全ての方々が利益を享受し、納得できる、そんな流れがこの法案で出来たらいいなと思います。今まで農家の方々は価格形成に一切参加できない。作ることは上手いけれども、売ることは苦手と。6次化とかさまざまな取組をしてきましたけれども、これによって、一定レベルは生産者の方々も、価格形成に参加できるとなれば、生産基盤が守られ、所得の向上も図られ、消費者の方々にもご納得いただくことができれば、良い方向に行くのではないかと。それを期待しています。
記者
水田活用の直接支払交付金について、13日の参議院予算委員会で見直しを考えていると明言されました。見直し方針についても、なるべく早い期間にまとめ上げるとおっしゃられましたが、どのように見直すのか、スケジュール感も含めて教えてください。
大臣
どのように見直すかは言えません。スケジュール感については、私も予算委員会が終わった後は役所に戻り、幹部職員全員集めて、フリーディスカッションだと言っています。局長、課長級だけではなく、農水省のあらゆる叡智を集めて。役所は所属が変わりますから、例えば、水活の議論を党内、国会で大いに議論していた時の人も、今は全く違う部署に異動したりするわけです。この政策に関わり、知識を持っている人を集めて、フリーディスカッションのような形をとって、どう思うか、どうしたら一番いいかと。水活を利用してきた方々が、新たな見直しを行うことによって、大きな不利益を被るようなことはあったらいけないだろうと。しかし、一部で批判があるように、3,500億のお金をかけて、作らないことに、金を使っているじゃないかと。それについては、納税者の方々に対して説明責任がありますので、見直しについては、しっかりとした方向性を出さないといけない。できれば年内にと思っていたのですが、正直まだ詰めないといけない点も残っていますので、もう少し時間かかると思います。今までは、政府与党、自民党、公明党にもお諮りという流れですが、今回、熟議の国会ということで、その辺の出し方についてもどうしようかと考えています。方向性は今日新たに言うことはできません。役所にも厳秘と。検討内容が外に漏れることがあったら大変だと。大体、途中で茶々が入るとろくなことがないので。出した後は党で揉んでもらい、各党でも揉んでもらい、最終的には委員会でも議論されることになるでしょう。現実には令和9年以降の見直しという形になりますから、すぐに結論を出すということではなく、熟議しないといけないと思います。慌てて決めて、煮詰まっていないのが一番良くないと。ですから、しっかりとしたたたき台を作り、提示させてもらうという作業をしているところです。
記者
今日、午後に農林中金の会議がありますが、有識者検討会の提言案を今後、示していくことになると思うのですけれども、その提言案や、農業分野への投融資をどう確保していくか、考えを聞かせてください。
大臣
農林中金は極めて大きな損失を出してしまった。農業者の中には、農林中金なのに変だという声は、正直かなりあります。名前と業務内容のずれがあるのではないかと。損失を出してしまったことについては、責任を問う声もある。そういうこともあって、有識者検証会が9月27日に立ち上がって、第3回が今日、行われる予定です。これは金融のことですから、金融庁の所管となります。農林中金といえどもです。しかし、リスク管理をしっかりやっていただかないと困ると思います。中には、責任を取るべきという声もありますが、民間金融機関ですので、役員についての退任とかを我々が言う立場にないので、コメントはしませんが、農林中金という名を冠している以上は、これから構造改革を進めていく大事な5年間が始まるわけですから、農林中金が農業政策について、金融面でどうコミットできるのか。それが議論できるような場がこれから増えたらいいなと希望は持っています。
記者
TPPについて、先日イギリスが加盟して12か国体制になりました。トランプさんがアメリカの大統領に返り咲くことで、保護主義への懸念が強まっていますが、TPPが拡大したことの意義や、日本国内の農業に与える影響について、どのようにお考えか伺います。
大臣
私は日英の2国間の経済連携協定をやった時の大臣なので、英国と日本の間にどのようなセンシティビティがあるかはよく知っています。英国がTPPに加入したことによって、一次産業に対する影響は極めて軽微であると理解しています。英国では、最近は米が大変人気で、即刻、精米については関税がゼロになる。これは輸出をしたい日本にとっては非常に良い話です。さらにはパックごはんも5年かけて関税が0になるので、非常に保存性があるし、おいしいということで、メーカー名は言いませんが、工場も国内フル稼働状態で、東京で一人の私自身もお世話になっている。週に3日ぐらいはパックごはんを食べている。そういったところへの国の支援も含めて考える必要がある。TPP加入で分母が大きくなることは、経済圏の拡大になるわけですが、消費も増えるし歓迎すべきことだと理解しています。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上