江藤農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和7年1月7日(火曜日)11時12分~11時23分 於: 本省会見室 |
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主な質疑事項 |
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冒頭発言
大臣
いよいよ年が明けましたが、今年の農政は、大転換の年にならなければならないと、かねてから申し上げてまいりました。基本計画を策定する年です。すべての農業政策を検討のテーブルに乗せるように、大臣就任以来、幹部職員にお願いして、年末ぎりぎりまで、幹部職員の皆さん方と政策について熱心に協議をしました。さまざまな検討結果が出ていますので、基本計画の中にしっかりと盛り込んでいこうと思います。特に、皆さまがご興味のある水田政策についても、水活をはじめ、根本的な見直しを行いますので、今日の段階ではお話ができませんが、できるだけ早期に、与野党、メディアの皆さまにも、方向性をお示ししたいと考えています。
これから5年間、集中的な構造転換を図ると申し上げて新年を迎え、これまでの殻を破る大胆な政策転換を図ってまいりますので、メディアの方々にも、正確な報道と、ご理解を賜りますよう、改めてお願いします。年頭にあたって、私からは以上でございます。
質疑応答
記者
(本日開催された)鳥インフルエンザ対策会議について、改めての注意の呼びかけなど、どのようなことをお話しされたのか教えてください。
大臣
最初に鳥インフルが出た時に、爆発的な蔓延にならなければいいが、と思っていました。昨年のうちは比較的抑え込まれていた。1か所出て周りに出たという例もないことはなかったですけれども。例えば、宮崎は1件で封じ込められて、移動制限も早期に解除された。そういう姿を見て、やはり現場の方々はしっかり努力してくださっているのだと。このまま今シーズンが過ぎてくれればいいかなと思っていましたが、今までで21件、新年明けて間もないですけれども、もう5件出ています。非常に集中的に出てきているので大変だと思います。
そして、(鳥インフルエンザ防疫対策)本部でも言いましたが、気持ちはわかるんです。鶏が死んでいても、普段も鳥フル以外で鶏が斃死することがありますので、違うのではないか、まだ大丈夫ではないかと思って、1日、2日通報が遅れることもあるかもしれませんが、たとえ間違っていてもいいんです。検査をしたら陰性だったのはいいことで、褒められるべきことであって、ちょっとでも怪しいと思ったら、まずは早期に通報していただく。それが自分の農場を守ることになります。今、分別(分割管理)することも可能になっています。全国的にはまだ広がっていませんが、可能になっています。そういうことも含めて、改めて緊張感を持っていただきたいと思います。
かつて(殺処分が)1,000万羽を超えた時は、卵の値段が今は220円ぐらいですが、350円まで値上がりして、消費者の方々も、スーパーで卵を手に取りづらいと。回復した後、卵を生産しても、輸入の液卵、粉卵にマーケットを取られてしまって、国産がマーケットを取り戻すのに苦労したことがありますので、とにかく最低限、最小の蔓延被害で、今シーズンを乗り切るために、省をあげて努力したいと思います。
記者
卵価の高騰を招くような殺処分数の低減のために、農水省では、令和5年に分割管理に関してのマニュアルを策定し、分割管理のための圃場の形成支援のための補助金等も用意していると思います。補助金の使用数や分割管理の農場が全国にどう広がっているのか。また、まだあまり広がっていないと聞きますので、分割管理が広がっていくことが殺処分数削減のためには必要となったときに、どういった支援をしていきたいか、考えがあれば聞かせてください。
大臣
分割管理は合理的だと思います。同じ経営者が持っているところでも、距離的に離れている。えさの搬入、管理者も別々で、人の流れも、分別して管理できるということであれば、同一農場の中でも、違う扱いをすることは合理的だと思います。1農場で発生したらすべて殺処分するというのが、これまでの家畜伝染病予防法上の定義でしたけれども、埋却するなり、焼却するにしても大変な手間ですし、経営に与える影響も大きいこともありますから、やはり分別していただきたいと思っています。
ただ全国では、16農場ぐらいしかできていませんが、分別をしたい、どうしたらいいという相談は、かなりの数が農水省(及び県)に寄せられていますので、そういった方々に、しっかり支援をしていきたいと思います。それには新たな設備投資や人の問題もありますので、国としてこれをもっと進めるということであれば、支援の内容についてもさらに充実強化する必要があるだろう。これは検討の課題の一つに入ると考えています。
記者
(1月)1日で発生から1年を迎えた能登半島地震について、現状の能登の農業の復興状況に対しての受け止めと、今後の復興へ改めて意気込み、方針を聞かせてください。
大臣
地震が起こった後、8割ぐらいは回復したのですが、そのあと大雨があって、400ヘクタールという広大な農地が耕作不可能な状態になって、土砂の堆積、水路の崩壊、水源地の崩壊、さまざまな複合的要素があり、簡単には営農が再開できないところがたくさんあります。しかし、まずは、できるところからやらなければなりませんので、決して、大規模災害のところを後回しにするということではありませんけれども、(今年の)春に間に合うと目途がつくところについては、優先的にやるべきだと思います。
建設業者の方々も全然足りないということで、農水省としても、他の省とも協力してできるだけ業者の方々が入っていただけるように努力し、最初は16社ぐらいしか見つからなかったのが、今は24社ぐらいまで増えています。ただ、建設業者も、2024年、25年問題で、人手が足りない、技術者が足りないなどさまざまあり、なかなか能登に入っていただけていませんが、他の省とも協力しながら、業者の方々も入れていただきたいと思います。
山腹崩壊につきましては、国直轄の部分は大体6月ぐらいで目途がつくということです。私も現地に行きましたが、すごい数が崩れていますので、国直轄以外の現場もたくさんありますから、特に、人家が近いところも崩壊しているところがありますので、生活圏を脅かさないように、優先順位をしっかり決めて、石川県と意思疎通を図りながらやっていきたいと思います。
製材所の再開も大事ですし、漁業の面でも、漁業者の方々のご努力で大分復活されておられます。私が行った時は、まだ港の荷揚げ場のところは壊れたままでしたが、回復する計画も立っているようです。とにかく発災前の水揚げ量に戻れるように、国としても支援しなければなりませんし、現場の方々が何を求めているのか、現場のご要望をしっかり承ります。日々現場の思いは変わると思うんです。1か月前に聞いたことと今が同じだと思いませんので、現場の方々のお気持ちを受け止められるように、意思の疎通を図っていきたいと思います。
記者
能登半島地震の農業の被害状況について、被害件数は公表されていると思うのですが、被害額の公表が1年経っても現状ないということで、災害としては異例と思うのですけれど、今後公表される予定等ありますか。
大臣
確かに、さまざまな災害を見てきましたが、大体被害総額はこれぐらいと公表してきました。大雨から3、4か月経っているわけですから、できるだけ早く、そういうご要望に応えていきたいと思います。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上