江藤農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和7年2月12日(水曜日)8時48分~8時56分 於: 本省会見室 |
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主な質疑事項 |
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質疑応答
記者
政府備蓄米の放出について、先週の記者会見で早ければ今週中にも売渡数量などの概要を示したいとおっしゃっていましたが、進捗状況を教えてください。
大臣
14日に公表を予定しています。対象者、数量、方法は、その時に発表します。これ以上のことは今日、お答えしません。
記者
アメリカのトランプ大統領が、相互関税の発表を近々に予定されています。農林水産業に対する影響の分析と、トランプ大統領の方針についての受け止めをお願いします。
大臣
総理も首脳会談時におっしゃっていましたけれども、仮の質問にはお答えをしないというのが、日本の国会の伝統ですので。まだ確定的なことが伝わっていません。ワシントンは大雪で行政手続きが(止まっている)という話もありますから。待ちの立場ですが、全く影響がないとは思っていません。個別具体的に、どの分野にどれだけの影響あるのかは申しませんが、関税自主権がありますので、アメリカ合衆国がどのような対応をとるのか、注意深く待つのが正直なところです。
記者
先週の国会の(衆議院)予算委の質問の中で、ミニマムアクセス米について、その枠を縮小するように関係国との意見交換を始めたと答弁されました。どういう考えでそうされているのかと、進捗状況、向こう側の反応をお答えください。
大臣
これまでの政府答弁をしてきた「多くの国との間で合意された」ということです。この見直しは極めてハードルが高いという答弁を、歴代の大臣や、私も5年前に同じ答弁をしました。しかし、今、米がこれだけ話題になっている中で、当時1,065万トン(※交渉当時の国内消費仕向量)を基準に決められた77万トンという数字です。しかし、あれから日本の消費量も700万トンまで下がりました。あの時の分母、前提が大きく変わったということは、各国にお伝えしなければならないと思います。そして、これを行うにあたっても、多額の財政負担を伴っているわけです。税金を使うということは、国民の皆様方からお預かりしているお金を使っているということです。そういうことであれば、国民の皆様方にも、前提が変わったのに、何も数字が変わらないということは、論理的におかしいのではないかとご指摘をいただいてもおかしくないと思います。これまで調整したことはありませんが、まず複数の関係国と事務レベルの意見交換をしようと。なぜ日本としては、そういう主張をしたいのか、700万トンまで国内消費が落ちて、前提の1,065万の時とは分母が違い、そして、財政の負担も大きいということを説明しました。反応としては、一定の理解はしてくれる国もありました。しかし結論として、(輸入米に対して)一定の需要はあるのだから、この水準は維持して欲しいというのが今のリアクションです。ハードルが改めて高いということはわかりましたけれども、あらゆる機会がこれからもあると思いますので、挑戦した方がいいと思います。財政負担も大きいということも鑑みて、あらゆる機会を捉えて、これからも事務レベルで、私のできることがあればもちろんやりますし、取り組んでみたい一つの課題にしたいと考えています。
記者
備蓄米の件ですが、放出によって価格がどのように変化するのか。また、先日の国会答弁でもおっしゃっていましたが、放出の遅れに対する指摘をどのように受け止めているか聞かせてください。
大臣
商取引ですから、あくまでも卸の方々が買って、出さないということについて、国がけしからんと言う立場にはないです。それぞれの方々がリスクを負い、商取引ですから期待もあるのでしょう。それ以上のことは国としては言えませんが、かつて2回、東日本大震災と大冷害のときに米が値上がりしたことはあり、少なくとも一部で言われるようなマネーゲームとか、投機といった対象に見られたことは、米の政策の歴史にはない。 何度も申し上げていますけれども、生産者の方々は、国内の需給に十分見合うだけの米を生産してくださったにもかかわらず、スーパーやそういうところに卸す集荷業者は、21万トンも米が集まらない。17万トンと言われていたのが、11月から12月になったら4万トンも数字が悪化してしまう。この数字を見て、あくまでも価格動向に着目したものではなくて、流通を円滑化するために備蓄米の放出を行うということです。もちろん市場価格に影響がないとは申しません。ただ、ターゲットプライスがあるわけではありませんし、価格操作は国がすべきことではない。価格は市場で決まるべきものだと思います。これは農林水産品に関わることだけではなく、すべてのものは自由経済のもと、市場で価格が決まるべきものです。米も例外ではない。しかし、国民生活にあまりにも大きな影響が出ている。この値上がりの仕方も、あまりにも急激なことを鑑みて、総理にも相談の上、このような決断をしました。詳細は、金曜日にお知らせしますが、価格がどうかは申し上げられない。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上