江藤農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和7年2月25日(火曜日)8時41分~8時46分 於: 本省会見室 |
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主な質疑事項 |
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質疑応答
記者
昨日、福島でスマート農業現場などを視察され、現場で感じたことなど、所感を伺います。
大臣
(スマート農業の導入は)非常に有効ということはわかりましたけれども、例えば、キャベツの収穫の機械などは、まだまだ改良の余地が大いにある。畝の高さは一定ではなく、それぞれのキャベツの成長の仕方も一定ではないので、よほど上手くオペレーションしないと、(キャベツ)本体を傷つけてしまう現実があります。一生懸命、技術開発をしているようですが、センサーをさらに改良するなどして、商品に傷をつけないように改良しなければと思います。私が数年前に視察したときとほぼ変わっていないので、この時代において、まだ改良されてないのはちょっと残念でした。決して吉野家ファームさんのせいではありません。これから農業従事者が減っていく現実においては、スマート農業の導入は有効ですので、進めていきたいと思います。しかし、経営上の話をすると、減価償却期間において、かなり利益を圧迫する現実が明らかになりましたので、普及することによって機械自体の値段を下げる工夫や、補助事業のあり方も少し考える余地があるというのが、私の率直な感想です。
記者
昨年の基本法の改正を受けて、次期基本計画では、食料自給率以外にも食料安全保障の確保に関する目標を定めることになりましたが、骨子案の中で、農業者の確保に関する目標が記述されていません。食料安全保障の確保の根幹としては、農業者と農地の確保が言われていますが、農業者の確保目標を今後盛り込む見通し等を聞かせてください。
大臣
お答えから申し上げると、未定です。食料・農業・農村政策審議会企画部会で、目標・KPIの例をお示しした上で、先週、全国11ブロックで意見交換会を行ったところです。(目標・KPIは)決まったものではありませんが、これから(基幹的農業従事者が)116万人から大きく減っていくトレンドの中で、基本計画でどのような数字を書き込むことが現実的なのか、さらに検討を進めてまいりたいと思います。
記者
令和9年度以降の水田政策に関連して、飼料用の作物について、飼料用米を中心とする現在の作物体系から、青刈りとうもろこしを中心とする体系にシフトしていく記述があります。それに関連して、飼料用米への支援について、生産現場から不安の声がありますが、令和9年度以降の飼料用米の位置付けについて聞かせてください。
大臣
飼料用米について、例えば熊本のようにしっかり実需者と結びついて、商流ができ上がっている。そういうところは、引き続き必要ですから、これからも将来にわたって飼料用米が生産されると思います。これについて阻害するような政策を打つつもりは全くありません。シフトするという言い方も、若干誤解があると思います。今までは飼料用米の一本足打法だったわけですが、これからは兼業農家を中心に、米農家が廃業して、農地を手放して、中間管理機構を中心に農地の集約化をして生産性を上げていく。そういった中で、水田を守り、農地を守っていくということであれば、なるべく実質労働時間が短い方がいい。収益率も高い方がいい。特にうまくいった場合は、(青刈りとうもろこし等の)労働時間は(飼料用米の)7分の1で済む。コストもです。実証実験で出ていますので、こっちをしっかりやろうと。飼料用米からこっちに移るという話ではない。シフトというのは移るという話ですが、そうではなくて、今まで一本足打法だったものを、飼料用米、青刈りとうもろこし、子実用とうもろこし、様々なものを組み合わせて、国内の飼料自給率を上げていくと理解していただければありがたいと思います。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上