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農林水産省

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小泉農林水産大臣記者会見概要

日時 令和7年5月27日(火曜日)10時39分~10時54分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • 随意契約による政府備蓄米の売渡しの契約状況と発表の意図について
  • 政府備蓄米の売渡しにおける物流面での課題について
  • 農政改革を進めるための関係閣僚会議開催の報道について
  • 随意契約による政府備蓄米の売渡しスケジュールについて
  • コメの統計における公表時間について
  • 適正な米価について

質疑応答

記者

  昨日、随意契約の詳細を発表されましたが、今の契約の状況と、それから今後発表されるご予定について、またその発表される意図、理由につきましてお願いいたします。

大臣

  まず昨夜、最新の状況は、出演させていただいた番組等でも、また、ぶら下がり等でも発表させていただきました。ただ、この夜中にも、更新がありまして、最速で9時時点、今朝です。5月27日の9時時点で、計19社。そして数量で言いますと、9万824トンということで、今まで大体1回10万トンということをやってきましたけども、このほぼ1日、昨日の説明会が4時ですから、24時間経っていない中で、すでに9万トンという形で申し込みをいただいています。そして早い事業者では、すでに昨日のテレビ番組等でも私も見ましたが、6月2日に、2,000円の備蓄米を店頭に並べるということが出てきました。我々としては、今速やかな手続きを進めて、早い事業者とは、今日もしくは明日、随意契約完了。そして明後日29日にも備蓄米の引き渡し。そのことによって、6月の1週目に店頭に並ぶと。そういった目途が見えてきたということであります。

記者

  今後の公式の発表のご予定、契約された事業者の契約の公表のご予定などがもしありましたら、お伺いできればと思います。

大臣

  この後、速やかに農水省ホームページで社名も発表させていただきます。

記者

  6月2日にも最速で並べる企業さんがいらっしゃると、大臣おっしゃいましたけれども、今回契約を検討している企業の中にも、委託先の精米が、これまでの備蓄米も含めて追いついていなかったり、ドライバー不足から物流のネック等から、6月上旬にも店頭に並べるのが厳しいという声も上がっています。この点については大臣どのようにお考えでしょうか。

大臣

  精米とドライバーの課題の対策ですよね。1つ目の精米については、これは今回手を挙げていただいている方々は、その精米も含めた目途をつけて、その上で6月の上旬にも出せるという事業者の方もいますので、まずは、これは再三申し上げているとおり、そういった形でスピードを持って、店頭に並べられる方々に手を挙げていただきたいという方針でやってきました。加えて、非常にありがたい動きが出てきたのは、「うちの精米工場空いているよ」という申し出が出てきました。例えば今、ひとつ具体的にいただいているのは、日本酒の業界。酒造組合の一部からは、日本酒の精米の稼働が、非常に稼働率が悪くて、空いていると。今回の報道を受けて、精米が課題だということを1つ聞いたので、何か協力できるのではないかっていうのを、今朝いただきました。ですので、早速、農水省の担当と打ち合わせをしてもらって、今後、我々が契約をした事業者さんの中で、どこか精米ができるところないかという問い合わせも、実際に事業者の中から上がってくると思うので、そこのマッチングを農水省も努力をすると。そういったことで、クリアするところはクリアをしていきたい。これは、これからも引き続きやっていきたいと思います。もう1つドライバーさん。ここについても、今回、我々農水省の経費負担で指定されたところに運んでいくと。この物流面の課題もこれからいろいろと進めながら出てくる可能性があると思います。今朝、官邸の中で、中野国交大臣ともお話をして、国交省のご協力もいただきたいと。今、具体的などういった協力要請をすべきかということを、担当同士でもやっていますので、しかるべきタイミングで正式に私からもお願いをさせていただきたいと。あらゆる、政府を挙げた総力を活用して、課題を乗り越えていきたいと思います。

記者

  関係閣僚会議について伺います。一部報道で、将来にも農政改革を進めるための関係閣僚会議を開く方向で調整している旨の報道がありました。石破首相はこれまでにコメ増産などにも言及されていますが、関係閣僚会議の事実関係と、農政改革の必要性について教えてください。

大臣

  関係閣僚会議についての報道があることは承知をしていますけれども、現時点で決まったものはありません。一方で関係閣僚会議があったとしても、そうじゃなくても、必要な見直し、そして点検、これはやらなければならないことは明らかですので、まず目の前、この国民の皆さんに、過度なコメの価格高騰が抑制できたという、この政治の力というか、我々の成果をしっかりとお届けをして、その上で、消費者、生産者ともに納得できるような一致点を見出すような、冷静で重要な議論ができる環境を作っていきたいと思っています。

記者

  備蓄米のスケジュールについて、改めて確認なんですが、今日か明日、早ければ、契約が完了すると。

大臣

  (契約が完了する)事業者も出てくると。この19社すべてではないですけれども。

記者

  早ければ完了した事業者は、29日にお米が実際に引き渡されて、6月の1週目に店頭に並ぶということで、1日なのか、何日なのかわからないけれども。

大臣

  これは事業者さんの準備ができ次第ということなので。ただ昨日、私も出演したテレビの中で、実際にお申し込みをされた事業者は、6月2日ということを発言されているところもありました。なので、そういった事業者は、2日に並べることができるということだと思います。

記者

  店頭に並ぶ、全国のエリアとしてはどの辺りとかは。

大臣

  これはこちらが指定することではなくて、事業者の皆さんの判断でどの店舗でということになると思うので、全国、そこは事業者の判断ということもあると思います。

記者

  昨日のぶら下がりで、1万トンの取引に満たない事業者さんの対応についても、お考えしていかなければならないということでしたが、そちらについてはいかがでしょうか。

大臣

  ここはやはり、1万トンに絶対限定をしているということではなくて、まずはスピード重視でやらなければいけない。そして、その精米能力や、パッケージングや、スピード感を持って対応できる能力は、まずは大手の小売さんという思いでやってきました。それで蓋を開けてみたら、24時間経たないうちに9万トン。かなり順調に、これからも大手小売さんへ名乗りを上げるところも出てくると思います。ですので、一方で、町のお米屋さんなど、小さな商店さん、スーパーさん、こういったところにきめ細かく、どのように届けるかというのが、次やらなければいけないことだと思っているので、農水省の米対応集中チームに対しては、「この1週間まずやってみる」じゃなくて、「1週間待たないで随契の形を変えることも含めて考えよう」と。あとは、やはりスピード重視ということと、現場の実感からすると、別に精米しなくても、うちに精米機があるから持ってきてくれれば、店頭で精米するからそれで売れるよというお米屋さんがあることも事実で、私が視察をさせていただいた東京の三河屋さんというお米屋さんは、まさにそういったお米屋さんでした。なので、今後、どういう形で、かなり数が多いので、そこの作業も含めて、玄米のままお届けをいち早くできるということのあり方は、1つの検討材料だろうなと思っています。それができてくると、今以上にきめ細かく、そして先ほどご指摘のあった、精米の施設が限られるじゃないかということを乗り越える、ある意味分散型供給のような、こういった形に持っていける可能性があると思います。ただ、今農水省は本当に、5日間、6日間、フル稼働でやってきてもらっているので、私からするとよくこの短期間で、このスピードと、この政策転換についてきてくれたなと、本当に感謝の気持ちしかないので、体制を増強しながら、みんなの健康管理も含めてしっかり考えながら進めたいというふうに思っています。

記者

  1つは冒頭の幹事社質問の中での確認ですけれども、今回、備蓄米の随意契約の申請19社があったということで、近く公表するということなのですが、改めて公表のねらいと公表のペースは、今現在9時現在ということを仰ってましたが。

大臣

  これは、9時現在。我々が確認したものですね。

記者

  これはつまり、今まで備蓄米の放出が始まってから、いろんなお米の統計について、農水省はいろいろ公表していますけど、公表の時間とか時期とかペースがばらばらで、非常に恣意的じゃないか、不透明じゃないかという指摘も出ていますが、今回それらについての指摘についても、改めて考えを教えてください。

大臣

  それらの指摘は、そういう指摘がどのような指摘だったのかというのを、これから事務方にも聞いてみたいとは思います。ただ、今回の随意契約に対する公表のあり方については、やはり透明性の確保ということが皆様に問われているところもありますので、これは、我々の方からできる限りオープンにお伝えをすることが、結果、この随意契約の方式に対する、また農政、政治行政に対する信頼に繋がると思うので、これは速やかに公開すべきだろうという判断でやらせていただいております。



記者

  これ、定期的に同じ時間に公表すると。例えば毎日10時とか、そういうことですか。

大臣

  それは申し込みの状況にもよると思うので、今回初日24時間経っていない中で、昨日までは6社、7社という形が、今朝出勤してみたら19社という。これ、ある意味マーケットとの向き合いもやっていますので、時間とかを定時とか、あとは1週間に2回の定例記者会見しかないのが発信の場というのは、毎日のマーケットの動きと合わないので、毎日どんな形だって、番組に出たときに発言することもあれば、自分のSNSを使って発信することもあれば、皆さんとコミュニケーションする中で発信することもあれば、本当にマーケットと向き合う中でマインドを変えて、本当に下がるぞと、こっちは本当に下げるぞと、そういう思いでやっているということを伝えるには、そういうやり方をする以外ないという判断です。

記者

  2点目ですが、まさにそのマーケットとの向き合い方とも関連することですけれど、このようにスピード感のある対応をされる理由として、今の米価の水準が異常事態だということを理由として挙げられています。では異常というのは、いくらの状態が異常で、正常になるのはどこら辺に境目があるのか。つまり、どのような価格になれば正常になって、通常の対応に戻るのかというのを教えてください。

大臣

  まず大事なことは、トレンドを変えるということだと思います。去年、1年前と比べて2倍、地域によっては2.5倍、お米の価格が上がっているのは間違いなく異常です。他の食品などで、この1年間でこれだけ上がっているのはなかなかありません。そして米はこれからも高いのだろうと。そして高いままなのだろうと。こういったところで、消費者マインドが冷え込んでしまっては「米を買うのを我慢しよう」「パンや麺やシリアル、小麦の方に行こう」と、こういった消費者のさらなる米離れを引き起こしかねない。そして日本経済全体にとっても、ようやくデフレからインフレ型の経済に回ってきた中で、水を差しかねない状況にある。その米について、やれることは徹底的にやって、まずは熱くなり過ぎているこのコメのマーケットを冷やす。その中で冷静に議論できていけば、私は生産者の皆さんと消費者の皆さんの一致する点を見出して、それが、適正価格という言葉なのか、納得価格なのか、そういった捉え方はあるとは思いますが、今これから参議院で審議が始まろうとしている食料システム法案の中でも位置付けられているような、関係の皆さんが集まる中での適正なコスト、こういったことに向けての前向きな環境整備ができるのではないかなと思っています。



記者

  マーケットが今、熱すぎるのが冷えたという具体的な水準、数字というのは念頭にありますでしょうか。

大臣

  このトレンドを見ても1年前の2,000円から、本当に右肩上がりにぐっと上がってきて、平均4,200円なんです。このトレンドが変わるという、この4,200円から下がってきたという、まず下がり始めたというところを作るのがまず第一歩だと思う。



報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上