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農林水産省

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小泉農林水産大臣記者会見概要

日時 令和7年7月22日(火曜日)10時37分~11時17分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • 第27回参議院議員通常選挙結果の受け止めについて
  • 参政党が参議院議員選挙で掲げた公約について
  • 農林水産省の情報公表の在り方について
  • 参議院議員選挙での農政の争点について

質疑応答

記者

  参議院選挙の結果に関してなんですけれども、目標としていた与党で過半数という議席に届かず、衆参両院で少数与党となることになります。これについての受け止めと、今後、ご自身が進めようとする農業政策にどのような影響があるか、若しくはこの今の状況の中でどのように農業政策を進めていきたいと思われるか、この点についてお聞きしたいと思います。

大臣

  まず参議院選挙の結果につきましては、比較第一党という、そういった表現を総理も幹事長もされていますけれども、私はむしろそこに胸を張るのではなくて、目標としていた50(議席)、この過半数を達成しなければいけないという、その目標を達成できなかったこと、このことを重く受け止めるべきだと思います。しっかりこの結果を国民の皆さんから突きつけられたことを真摯に向き合って、我々に足りないものは何だったのか。こういったことにしっかりと向き合った上で、前に進まなければいけないと思っております。 農水省の政策、また農業政策の今後につきましても、これは、だいぶ全国を私も回る中で、備蓄米の放出に対して各地で説明をしました。特に、だいぶご理解を得られることがあったなと思った点は、なぜ備蓄米の放出をしているのかということを、だいぶマーケットの皆さんとの向き合いがあったので、かなり激しくメッセージを出してきました。そういった中で、そこに対して生産者のことを見ていないのではないかという、こういった懸念が一部あったことは事実だと思いますし、私もそれを飲み込んだ上で、このマーケットを落ちつかせるためには、やらなければいけないことがあるし、メッセージの出し方も工夫をしなければいけないと。そういった思いを持っていましたので、そこに対しては、特に丁寧に説明をさせていただいて、結果今、外国から昨年と比べて120倍もお米が入ってきている。これを何とか食い止めるためにも、1回沈静化させなければいけないんだというその訴えは、私は響いたところがあると思います。そして、これからの政策について最も重要な1つは、総理も、安心して増産をできる体制を、環境をつくるということについては、今回与野党ともに、増産の方向性を否定する党は皆無だと思います。ですので、この方向性についてはむしろ、今後政策が揺らがないことが農家の皆さんの求めるものですから、毎年毎年変わってしまうような農政ではなくて、5年、10年、長期を見据えて、安心して次の世代も農業ができる。このことについては、この増産の方向性について否定をしたところがどこもないというのは、私は農家の皆さんとってものすごく安心材料に、なっているのではないかなというふうに思います。そして今後について、まさに安心して増産をできるかどうかの基盤となるのが、セーフティネットであります。このセーフティネットについても、これは参議院選挙の始まる前から、国会の中でも与野党の垣根を越えて議論をしていきたいというふうにお話をさせていただいていますので、そこについても、変わらない思いで向き合っていきたいと思います。

記者

  昨日、石破茂首相・党総裁は、自らだけではなくて党執行部も続投させる意向を示しました。前回の衆院選で過半数を割った際には、小泉大臣自身が(自民党の)選対委員長の職を辞すと表明されて、責任を明確にした経緯があります。内閣の一員として今回の対応で政権に対する国民の信頼を得られるとお考えでしょうか。 今の質問と関連しますが、いわゆる衆・参両院で過半数割れして、予算や法律改正を伴う、あらゆる政策で野党のご理解をいただかないと通らないという状況になります。農政改革についてセーフティネットの議論を言及されましたが、国民民主党や立憲民主党は、いわゆる昔の戸別所得補償制度に近いような発想の政策を言っています。一方で、日本維新の会は農協改革であるとか、新規参入の促進というところを重視していて、かなり与党も含めて各政党間でばらつきが大きいと思いますが、こういう中で一致点を見いだすことは可能なのかどうか、その辺どういうふうに議論に臨まれるのかお考えをお聞かせください。

大臣

  まず1点目の責任問題についてでありますが、これは最終的には政治家の責任のとり方というのは、政治家一人一人が向き合うべき、重い判断だと思います。そこについては、今ご指摘のとおり私が昨年の衆議院選挙の選対委員長のときは、厳しい結果を受け止めて選対委員長を辞するという判断をしましたが、これは政治家、私としての判断ですから、その状況、その環境において、その責任と向き合ってどのような判断をされるかは、まさに政治家としてのご判断だと思います。 そして2つ目、これについては、今これもご指摘のとおりで、何の政策を見るかによって、相違点と見るか、そして一致点と見るかが変わると思います。例えば、これから輸入の問題どうするんだという話をすれば、おそらく維新は突出した考えを持っていますよね。もうどんどん入れろという、そういう発想に近い。それがむしろ安全保障だという発想かもしれませんが、そういった主張をされている政党は今のところ他にはあまりないのではないかなというふうに思います。 そしてセーフティネットについては、特に突出しているのは、立憲民主党の「食農支払」(食料確保・農地維持支払制度)ですけども、1.2兆円はどこから持ってくるんだというのは全くわからない。こういったことを一つ一つ言えば、我々の収入保険の強化とか含めて違いはあるんですけれども、さっき言ったように、大きく構えて一致点どこかと言えば、安心して増産できる方向性だというのは、これは一致点なんですよ。なので、政治っていうのは世の中をこういろんな声がありながらも、それを受け止めながら前に進めていく。そういったことを考えると、この局面で衆参ともに与党で過半数がないというときに持たなければいけない視点というのは、やはり違いを見るのではなくて、一致点を見て、どこだったら前進ができるか、国民の皆さんの課題解決ができるかということを考えていけば、私は、自ずと何かこう政治の中での知恵が出てきて、政治の停滞、そして政策の漂流、こういったものは防げるのではないかなと、そこに私としても、今の職責を果たす中で、違いを見るよりも一致点を見いだしていこうと、そういった思いで取り組みたいと思います。

記者

  参院選では目標とする米5キロ3,000円台を達成して突入しましたが、結果として、与党は過半数割れとなりました。先ほど理解を得られた点もおっしゃられていましたが、一方で何が足りなかったと、今ご自身で評価されてますでしょうか。

大臣

  足りない点を申し上げればかなり多い、深い分析が必要だと思います。選挙というのは、かなり組織としての問題もあれば、個人としての足りなかったものもあれば、地域性もあれば、いろんな要素が絡みますので、よくあるような選挙の単純な分析というのが、政治の中にいる立場からすると、そんな単純じゃないよって思うことは多々あります。その中でも、例えば北海道、ご地元からすれば、当初なかなか2議席自民党はきついなと思われたところ、最後岩本さん頑張って、最後の議席をとったわけですよね。これで(自民党が)2議席。あの中で、私も現場に入って、そしてまた地元の生産者の方とも意見交換をさせていただく時間をいただきました。大臣就任した直後の最初の訪問地は北海道でした。こういったことも含めて、おそらくどういう方向性で(記事を)書きたいかによって何を見るかって、だいぶ変わるんじゃないですか。こういうことも含めて、いろんな分析があると思うんですけど、我々に足りなかったものがいっぱいあるのは事実です。やはり参政党、そして国民民主党を見ていると、我々に欠けているなと思うところをだいぶ学びましたね。明確なメッセージ、わかりやすい。そしてこのわかりやすいメッセージと、今の時代のSNSの選挙ってのはものすごく親和性が高い。一方で、我々自民党っていうのはある意味、総合商社みたいな、もうなんでもやりますという、全方位あらゆる分野で、この国家の舵取りをやっていきますという、こういった責任感というか、そこっていうのが非常に訴えとしてなかなか響きにくい。尖らせるところが、どこを尖らせるんだっていうところにおいて、このコミュニケーション戦略も含めて課題があったことも事実でしょうし、そして、例えば私みたいに全国回っていますと、一人一人の議員、候補者を回るときに、その候補者の情報を、SNSなどでも私も学習します。そうすると、候補者によってSNSに力を入れている候補者とそうじゃない候補者でも、日頃、これだけ発信に力を入れている方だなというところと、もう少し日頃からやっておかないとなかなかきついなと。そういったところも含めて、選挙って一点においてもなかなか分析って難しい。いろんな要素があるんですね。ただ、とは言っても結果がすべての世界ですから、我々が、国民の皆さんが感じている物価高、この苦しさに対して鈍感であった。そして、そこに対しての危機感が薄い。もっともっと世の中は大変な状況の方がいるんだ。そういったことに対してのスピード感を持った対応ができていなかった。こういったことも含めた、やはり国民の皆さんの声を正面から受け止めなければいけないと思います。 ただ一方で、私はこのコメの問題は、今回、今のメディアの皆さんの報道を見ていると、そんなに主要な争点にならなかったんですよね。関心事からしても、むしろそんなに、あるメディアの有権者の方の関心のあるテーマからすると、憲法改正が2%、このコメ政策など農政が3%、物価高とかの関心が3割と。それぐらいの数字を見たときに、やはり争点にならないぐらいの価格に対する政策効果を発揮できた。そういったことを私は言えると思いますし、この今、備蓄米の放出も含めて、ある意味、前例のない手法を繰り返して政治がリスクとって、スピード感を持ってやっていくっていうこの手法自体は、私は一定評価されていると思います。問題は、それが求められているのって、農政だけじゃないですよねってことです。日本全体の課題に対して、前例のない手法であっても、スピード感を持って、政治がむしろリードして、役所が上げてきたものをやるんじゃなくて、役所を政治家が引っ張ってくんだと。こういったことをあらゆる政策でやっていかなければ、今のこれだけスピードの速い時代には政治が対応できないと思いますね。だから今、私が大臣として農水省の仕事のあり方も変えなければいけないと思いますし、大臣として責任持ってやるところと、そのもとで役所の皆さんが知恵を出しながらついてきてくれるような、そういったマネジメント、これも我々、政官関係において、いわゆる今までの自民党的、霞ヶ関との関係も含めて、この時代の変化と合わせていかなければいけないことも相当な課題だと思っています。まずは農水省からしっかり変えていきたいと思います。

記者

  参政党の話が出たので、参政党は農業政策に関して、食料自給率100%と農業従事者の公務員化というのを掲げていましたが、自民党に比べて、農業政策にインパクトがあって、具体性があったんじゃないかと思うんですが、その辺の反省はないんでしょうか。

大臣

  ありがとうございます。今度は横田さんの関心は立憲民主党から参政党に移られたんですね。

記者

  躍進したので聞いているんですが。

大臣

  今の横田さんの思いってのはよくわかります。インパクトがあって、わかりやすい打ち出しが必要だと。だけど、与党がそれをやると叩かれるんですよ。インパクトがあってわかりやすい。じゃあどうやってやるんですか。財源は、そして法律は、これが次々来るんですよ。しかし野党がわかりやすい、インパクトのある打ち出しをすると、その次の質問が来ないんですよ。これは今の時代、なかなか与党にとってはそこの部分というのは、特に選挙においてはものすごく難しいなと。SNSも含めてわかりやすいインパクトのあるものを求めていますからね。それがしかも拡散しますからね。だけど、それが言える立場と、責任感を感じて、しっかり財源とかも含めて、ある程度の根拠がなければそこまでわかりやすくは言えないと。言った瞬間に皆さんからの集中砲火が来ると。これ実は同じ土俵で戦ってないんでね。与党の方が厳しい環境で戦っていますから。そこの部分については、悩みながら、だけど、横田さんが言うように、それでもわかりやすく明確なメッセージを打ち出すのも、それこそが日本の舵取りをとるべき政権政党の責任であるし、やらなきゃいけないことだっていうのは受け止めながら、我々のメッセージ性が足りないっていう横田さんの思いについては、私はそのとおりの部分があると思いますので、それを変えていけるようにしたいと思います。

記者

  具体的に食料自給率何パーセントを目指すべきだとか、農業従事者がコメ作りから離れないために地方公務員化を進めるとか、これ両方とも非現実的ということなんでしょうか。

大臣

  できたらいいですよ。例えば、100%にしますって言って、100%になること自体を否定する人は誰もいないと思います。ただ問題は100%になって国民の皆さんの生活が豊かになるのかっていうところにおいては、いろんな議論あるわけで。例えば、鎖国しますと。もう絶対に外から入れませんと。これをしたらおのずと100%になりますでしょう。だけど、国民の食生活は豊かになるんですか。100%を達成することが目標かというと、その100%が国民の皆さんが飢えない、そして日本が自力でやっていけるだけの自給力をつけるっていうのは、全くそのとおりです。だけども、よく言いますけど自給率と自給力は違うんだっていう議論を丁寧にやらなければいけないっていうところに、選挙のときにそこまでの議論になりますか。もう本当に、最大の争点が農政ですっていう選挙だったら違いますよ。そうならないじゃないですか。なので、しかもこれは本当に私も難しさを感じますけど、今回これだけコメの政策が国民的関心事になっていますけども、じゃあコメの政策って、一体どういう政策になっているんだっていうのは、複雑なんですよね。輸入米にしたって、MA米もあれば、77万トンの中に67万トンと10万トンのSBS(米)はまた違うとか、こういったことも含めて、相当複雑な中で、それをすべてベースが共有された上での議論というのは、本当に難しいなと。これは課題ですね。これから。ですから、食料自給率を上げる、この方向性はそのとおりです。だけど、100%というわかりやすい訴えの裏側に、議論しなければいけないことがあることを、選挙の限られた時間だけでは伝わらないというのは事実です。 もう一つの公務員化ってことだって、今農水省2万人ですよ。コメ農家さんが今で言うと、これから5年後を見れば25万人ぐらいになるわけですけど、自衛隊ですよそれは。

記者

  食料安保ということで、安全保障上も重要だという考えだと参政党は思うんですけど。

大臣

  それを訴えるためにわかりやすいメッセージとして農家の方の公務員化と言っていることを、わかりやすいから、じゃあ仮に我々が言うとしますよね。どう書きます(か)。今農水省2万人ですよ。10倍以上にするんですよ。横田さん自身は、農家が公務員化になるほうがいいと思っているんですか。

記者

  それが参政党の訴えとして受け入れられた一因になって、それに対して大臣はどう考えているかというのを聞いているんですよ。

大臣

  だから公務員化っていうことの言葉で、わかりやすい言葉で伝えるというそのメッセージ戦略は参政党が考えたことであって、それは一定効果があったんでしょう。だけど与党で同じことはできないということです。思いとして、多分おそらく相当巧みですから、横田さんが参政党の記者会見に行って、神谷さんに問うてみてください。おそらく全員を公務員化することではないというふうにおっしゃるんじゃないですか。「これはあくまでも農家の方の生活の安定が必要だということを考えたときに我々として考えた」「現実的に何ができるかはこれからしっかり考えたい」って言うと、多分何も突っ込めないですよね。与党だったら突っ込まれますよ。こういう選挙においての打ち出すことと、我々が戦っている土俵っていうのはイコールフッティングじゃないですよね。その中でも戦わなきゃいけない、歯を食いしばらなければいけない、そういった苦しみ、悩みを抱えながら、それでも1人でも多くの方に届くように日々考えてやっているわけです。今回足りなかったところ、そこをしっかり受け止めながら前に進めなきゃいけないなと思っています。

記者

  わかりました。ありがとうございました。神谷(参政党)代表会見で聞けたら聞いてきます。

記者

  農林水産省の情報公表の在り方についてお伺いします。先週18日の金曜日に水田における作付意向の取りまとめが、公式サイトのウェブサイトにアップされました。その4日前に大臣はご自身のXで集計値を速報として公表なさいました。これは情報アクセスの公平性を欠く行為なのではないでしょうか。作付の意向というのは、コメの需給を左右するもので、足元のコメの先物取引にも影響を与えうるものです。大臣のご見解をお伺いします。

大臣

  情報アクセスの公平性の観点からXで発言することが、公平性の問題があるというのが、まず私にとってはよくわからないなと。だって誰でもXを見られるんですよ。

記者

  業務統計なのでというところは一つあると思うんですけれども、例えばGDP統計の結果を内閣総理大臣がXで出しますか、消費者物価指数を先んじて総務大臣が公表しますか。

大臣

  私は出していいと思います。トランプ大統領を見てください。トランプ大統領、全部自分で出していません(か)。

記者

  ただ、インサイダーの温床になります。トランプ大統領がいいからというのは、トランプ大統領がいいのはなぜいいんでしょうか。

大臣

  トランプ大統領にとって、国民から選ばれた大統領が必要な情報だと思うことを発信をする。それは、私は必ずしも否定されるべきことではないと思いますし、今の時代、メディアの皆さんが報じることと、一方で、これはミスリーディングだなと、あとは、私自身は言ってないし、ということも記事になることって、ときにあるんですよ。そのときに、大臣会見などでしか発信ができないという土俵で政治家は戦えません。今の時代、政治家は権力だと言いますけども、メディアの皆さんも権力です。そういったときに、一方の情報だけが垂れ流されてしまって、そこに対しての、防ぐ武器というものが政治側にないのかというと、これはSNSのいいところで、オウンドメディアを持てる時代になった。あとは、大臣会見って週2回しかないんですよね。その週2回しか会見がないという機会しか、大臣側や農水省が発信できないというのは、あまりに今の時代に合いません。ですから、私としては、Xも含めて、いろんな機会でお話をするということを通じて、国民の皆さんにできる限り早く、そして、これ誰かしか得られない情報じゃないですから、しかも情報提供をすることを早めていることに対して、批判をされるのはなんでなんでしょうか。

記者

  もちろん大臣のお考えを発信されるのは、どんどんなさった方が良いと思います。お考えの話をしているんじゃなくて、私はデータの話をしています。農林水産省が調査を行って集めたデータです。それはインフラですよね、公的な。その発表の在り方について話をしています。他の政府統計も全部事前に何時何分にデータを出すと公表予定を示して、その時間に同時にアクセスする。これが原則です。

大臣

  私の場合は、例えば今日もこれからPOSデータ出ますよね、コメの価格。今ご指摘のあった、私の投稿に限らず、農政記者クラブの皆さんはよくわかっておられますけど、私、いつもXでやっているんですよ、このPOSも。ですから、ご指摘のとおりだとすると、私がこれから発信をすることは、Xで事前投稿が必要で、何時何分にこういう情報を私のXで発信しますということが必要だというふうにおっしゃっているということですか。

記者

  公式ウェブサイトに同時に公表されるのがよろしいかと思いますが。公平性の観点では同時に。

大臣

  農水省のウェブサイトに、私のXを同時投稿するということですか。

記者

  農水省のPOSデータも、私は農水省の公式ウェブサイトから確認していますけれども、大臣のXは個人のXですよね。

大臣

  そうです。ですから、別にいつでも見ていただけますので。個人の投稿であっても政策についてなど投稿しちゃいけないってことはありませんし、これはぜひ他の大臣の投稿なども見ていただきたいのは、その大臣の持っているXや、SNSのアカウントを通じて、大臣の省として取り組んでいる政策を発信している例はいくらでもあります。

記者

  政策について発信するのもご意見について発信するのも、どうぞなさってください。ただデータですね。例えば企業の社長が自社の決算の話を事前に先んじて投稿しますか。

大臣

  例えが全く同じじゃないと思いますね。

記者

  フェアディスクローズに反すると。政府統計についても、同じように、運営をしています。現実的に。確かに作付意向については基幹統計でもありませんし、農林水産省の業務統計に当たる部分ですので、そこでラインが含まれるかどうかといったら、行政の一環なんだとおっしゃるのはわかります。ただ、今回そのあたりが、非常に影響が大きい。影響が大きいデータになればなるほど、情報のアクセスの公平性を担保するということを欠かしてはならないと思っています。大臣のご意見を発信すること、政策を発信することについては、どうぞ積極的になさってください。

大臣

  ご指摘は受け止めさせていただきます。一方で、これは統計とか情報データ、こういったものを専門で、黒崎さんは見られていると思うんですけど、政治というのは今の時代の様々な動き、また変化、こういったことをすべて受け止める中で、この情報発信の形だって、自ずと時代に合わせて変わるものだと思います。トランプ大統領も含めて、今世界のリーダーが自ら発信をする時代になっていますよね。 そして、この農水省の政策の中でも、やはり今までのとおりのやり方をしていると、あまりに遅いなと。こういったことを感じる中で、私なりに、これは農水省自身の情報発信のあり方も変えていかなければいけないという問題意識の中で取り組んでいます。仮に、黒崎さんのような方が見て、この統計の情報なども含めて発信に課題があるとしたら、それも一つのお考えだと思います。ただ、その課題だと感じる方がいることも含めて、私の中では、特にこのコメ問題について、相当世の中のスピード感のある対応が求められている中で、スピード重視でやってきているのが随意契約という手法を使ったこともそうですので、いろいろこれから今日のご指摘も含めて、発信の在り方は考えていきたいと思います。ありがとうございました。

記者

  備蓄米放出についてもそうですが、スピード重視が法令としてどうなのかというのが、今後食糧部会でも検討がなされると思います。法令に従っているのか、公平性がどうなのか、それは、私はスピード重視の裏腹な面としてこれからも、観察したいと思っています。ありがとうございました。

大臣

  当初からスピードが重視だという中で、公平性の問題についてもできる限り情報公開をしっかりするという形でお答えをしていきたいというのは、もう大臣就任直後から申し上げていますので、そこはご理解いただきたいと思います。

記者

  冒頭の話題の関連で、そもそも昨日の石破総理の会見を大臣見られていたとしたら、昨日の会見はどう評価されているのか、総理の続投は支持するのかということを、まず1点伺いたいと思います。

大臣

  さっきも申し上げましたけども、その選挙の結果を受けて、どのように判断をするかというのは、政治の中での個人個人の政治家としての判断だと思います。そこについて、総理として今回、続投するという判断をされた中で、それをご理解をいただけるか、国民の皆さんに、そしてまた党内に、こういったものを重く受け止めて、よくご理解をいただけるように、しっかり説明を続けていただきたいと思います。

記者

  大臣自身もお支えをするという理解でよろしいでしょうか。

大臣

  もちろん大臣としての職責を石破政権の一員として果たしてまいります。

記者

  高知、山口の自民(党)県連や地方議員、落選議員から、地方から総理の辞任を求める声が相次いでいます。大臣はあらゆる政策を早める必要があるとのご持論ですけれども、石破総理のもとでもこういうことができると、早められると考えるのか、総理の進退も含めて伺えますでしょうか。

大臣

  まず、石破政権のもとで私はスピード感を持ってやってきていますので、できないわけはないというのを私は実証しているんじゃないでしょうか。それはもう政治家一人一人が覚悟を持って、スピード感を持ってやろうということで政治がリスクをとってやれば、私はできないことはないと思います。そして、高知県連の話がありましたけども、私が聞いている限り、高知県連の県連会長は中谷防衛大臣です。中谷防衛大臣が県連会長として了承したものではないと聞いています。

記者

  先ほど農政がそれほど争点にならなかった、それほど政策で、コメの価格を鎮静化できたというようなお話があったかと思うんですけれど、地方で特に参院選の結果を左右するとされている一人区についてなんですけど、そちらでは農政というのはどのぐらい争点になったとお考えでしょうか。

大臣

  これもどこを見るかだと思います。一人区の中でも。例えば、立憲(民主党)の野田さんが最初に第一声の場所として選んだのは宮崎ですよね。この宮崎でお話をされたということは、1つはこの農政に対するお話をされて、もう1つは(政治資金収支報告書への)不記載の話ということでされましたよね。なので、各政党がどういう選挙戦略でやるかっていうことと、どこの選挙区で特にそういったことが影響として与えられたかというのは、これはもう少ししっかり分析が必要だと思います。それだけではない。選挙って政策だけで動くものではないので、いろんな要素がありますから。ただ一方で例えば、北海道で2議席を自民党が獲得できた。北海道も大きなコメどころの1つです。そして茨城県でもトップ当選をできた。こういったことも含めて、よくこれから分析は詳細にしなければいけませんが、やはり多くの国民の皆さんにとって、今まで以上に農業というものが関心を持たれたということは事実だと思います。ただ、私が大臣に就任した5月21日のときは、コメの高いのをどうにかしろという世論が圧倒的大勢でしたよね。それが、安過ぎたら農家の皆さんも困ってしまうと、こういったところの議論になりましたよね。安心して増産できる方向性ということは、超党派に理解が及びましたよね。まさに私が当初から言っている、これは1回沈静化することによって、生産者、消費者双方の一致点をしっかり議論できて、前向きにこれからも営農できる、コメ作りができる環境に持っていきたいと言ったことについて、私はそういった流れになってきているんではないかなというふうに捉えています。

記者

  後半の方と少し関連するんですけど、もう1点なんですが、消費者からすると(米価を)下げて欲しいという強い思いがあって、それに応えたられたという形になると思うんですけど、一方で生産者からするとコメの需給が緩和してしまうのではないかという不安もあったかと思います。今回のこの大臣就任以降の一連の備蓄米放出を代表とする、そういうコメの政策について、今回の参院選への農業関係者の投票行動にどのように影響を与えたとお考えでしょうか。

大臣

  これはよく分析します。まだ現時点では、軽々なことは言えないと思います。ただ、これだけコメの価格が今沈静化してきた中で、今みたいなご指摘、安くなり過ぎたらどうするんだってことがありますが、逆に考えてみていただきたいのは、米価高騰を放置したらどうなっていましたか。4,200円どころじゃなくて、5,000円、そして日本の中のある離島では6,500円ですよ。こういった中で、じゃあ農家の皆さんにとっては高い方がいいから放置して、それで選挙やるんだと。こういったことになっていたらどんなことになっていたんだと。 それと一方で、沈静化した中で、生産者、消費者双方の理解が得られる一致点に向けて、安心して増産ができる方向性にという、これは政策論なんですけど、この政策論に向けて、私は前向きになっているので。選挙と関連付けて、今のこのコメの問題を語るということ自体が一番農家の皆さんにとっては、そういうのをやめてくれって思っていると思います。なので、私は純粋に政策として考えたときに、高止まりが続くことはよくないと思っているから、備蓄米の放出をやっているんです。そして今日の日農さんで、農家の方の中でのSNS上のインフルエンサーの方が、私の備蓄米の放出に理解を示してくれていましたよね。この備蓄米の放出があったから、海外のお米の流入を一定食い止めてくれたと思うと。まさにこれ政策でやって、こういった方にも響いた部分があるというのはありがたいと思いますし、まさにこの海外のお米が入ってくることを食い止めようと、消費者のコメ離れを防ごうと、こういった方向に向けて、かつ生産者の皆さんが安心して農業ができる環境に持ってくんだ、必ず軟着陸をするんだと、そういった思いは選挙の前も、選挙の終わった今も全く変わりません。

記者

  参院選の結果につきまして、大臣は冒頭のご発言で、石破総理大臣らが、比較第一党と表現していることについて「胸を張るべきではなく重く受け止めるべきだ」とおっしゃいましたけども、大臣のお考えと、総理や党執行部との受け止め方に、現時点でギャップがあるという認識でいらっしゃいますでしょうか。お聞かせください。

大臣

  これは掲げた目標は50議席だったわけです。自公で過半数取るぞと。これを達成をできなかったという重い事実に、まず向き合う姿をしっかりお示ししなければ、国民の皆さんから見たときに、比較第一党という新たな目標に、自己弁護のために変わってしまったというふうに思われること自体が、責任感を持ってなんとかトランプ関税との最終盤を国家として果たさなければいけないという、その石破総理の責任感自体も、疑問視されてしまうような、そういった発信は全くプラスにならないと、そういった思いです。ですから、私からも総理には申し上げました。この比較第一党というのは、むしろ国民の皆さんからすれば、議席をとった一番多い政党は自民党なんだって胸を張る姿を見たいんじゃなくて、当初掲げた目標に届かなくて反省して、我々に足りないものなんだったのか。そして野党の中で共感を得た方々がいて、その方々の中で、共感を得たものは何で、我々として一緒になって、それは実現に向けて知恵を出さなければいけないというところは何なのかという、その姿勢こそが私は今必要なのではないかということで申し上げたことです。



報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上