小泉農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和7年9月26日(金曜日)9時52分~10時23分 於: 本省会見室 |
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主な質疑事項 |
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質疑応答
記者
本日、また米の最新データが発表されます。先週の価格では全国およそ1,000店舗のスーパーのKSP-POSデータに基づく平均価格が4,275円(5kgあたり)と、過去最高の4,285円まであと少しと迫っております。直近の、最新の見通しと、受け止めについてお願いいたします。
大臣
最近の動きをみますと、新米の出回りなども背景に上昇に転じる局面も見られて過渡期にあると考えています。今まで踊り場だというふうに言っているとおりです。そして今、4,275円のお話もありましたが、3つのデータのうち、上がったものと、そして下がったもの、両方あります。日経のPOSのデータだと前週に比べて184円低い3,875円と、そして小売店パネル調査データでは前週と比べて143円高い4,043円。こういった状況ですので、引き続き価格の状況はよく見なければいけないと思います。一方で、これも何度も繰り返しているところですが、(9月)19日の食糧部会にお諮りをした需給見通しで、令和8年6月末の民間在庫量は玄米ベースで198(万トン)から229万トンと見通していますので、令和4年以来200万トンを超えます。最大で229万トンとなれば、最近の直近10年程度で最も在庫水準が高かった平成27年の226万トンに匹敵する水準です。ぜひ米を取り扱う事業者の皆さんには、こういったデータもしっかりと見ていただきながら、足りなくなるのが心配だという声もありますが、冷静にご対応いただければというふうに思います。引き続きよく見ていきたいと思います。
記者
昨日、議員会館で、山梨県の長崎知事と面会されているかとご存じます。長崎知事から、シャインマスカットのニュージーランドにおけるライセンス栽培について、一種の抗議のようなご発言がありました。これについて、農水省としてシャインマスカットのライセンス栽培を認めるかどうかの事実関係と、この長崎知事の抗議に対してどのようにご対応されるのかというのをお聞かせください。
大臣
昨日、山梨県の長崎知事からは、日本からシャインマスカットを輸出できる国を増やしてもらいたい、そういう要請をいただきました。全く同感ですし、そしてライセンスにつきましても、産地の皆さん、また知事のご理解、これがないままに進めることは全くありません。ですので、昨日の部屋の中では、私から皆さんのご理解なく進めることはないので、どうぞご安心をくださいと、そういった話をさせていただいて、皆さん安心されていましたので、農水省にはよく丁寧に説明することが大事だというふうに言ってあります。一方で、このライセンスにつきましては、4月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画に位置付けられてはいます。そういったこともあるので、農水省としては、これをどのように進められるかと考えたと思いますが、昨日産地の皆さん、そして知事ともお話をした上で、やはりよく説明が、さらに不可欠だろうと私は思います。ですので、明確に昨日は進めることはありませんと、ご安心くださいと申し上げたところです。
記者
この件に関してはニュージーランドや、その他、他の国も含めて、優良品種のライセンス契約栽培ということを検討を実際されていたという理解でよろしいでしょうか。
大臣
まず背景として、海外に流出をしたシャインマスカットの苗木が増殖されて、中国や韓国などで生産が拡大している中、適切な契約のもとでの、海外ライセンスは日本のシャインマスカットの正当性を主張する一つの手段であって、方向性は基本計画に位置付けられたということで、様々な検討がされていたということは事実だと思います。一方で、やはりこれは知事や産地の皆さんが、それよりも輸出できる国を増やして欲しいと、そういったことがまず大事だろうと言っていることはまさにそのとおりでありますし、しっかりと知事や産地の皆さんにも、今どういう状況か、ご説明をした上で、共に輸出の後押しもしていければと思います。ちなみに今ブドウにつきましては、解禁の協議の必要なく、植物検疫証明書の添付などによって輸出可能な国や地域は21か国の国と地域というふうになっていて、解禁協議済みはタイとオーストラリアということもありますので、こういったマーケットに向けて、シャインマスカットを知事などと一緒に、さらに展開できるような後押しを国としてもやる必要があると考えています。
記者
週刊誌等で、大臣の陣営が動画配信サイトの方に前向きなコメントをするようにと依頼したという記事がありました。一方で、さらに他の候補に関して、貶めるような書き込みを依頼するという内容もありました。これに関して事実関係をまず伺えますでしょうか。
大臣
今お尋ねの件につきましては、私を支援してくれている議員の事務所において、他の支援議員からの問い合わせもあって、当該事務所の独自の判断として、コメントの参考例を示したメールを送付したものだと報告を受けています。ひとえに応援のメッセージを広げたいという思いだったと聞いてはいますが、参考例の中に一部行き過ぎた表現があったことについては適当ではなく、二度とこういうことがないように話をさせていただきました。再発防止を徹底して、引き続き緊張感を持って総裁選に臨みたいと思います。
記者
かねてから党内の一致結束ということを強く訴えてこられていました。そうした中で、こうした行為というのはそれに反する行為ともとれるのですけれども、他の候補に対してなにか説明や謝罪などをされたのでしょうか。
大臣
これは他の候補を批判するような意図はなかったというふうに報告は受けていますが、いずれにしてもそうしたことが起きたことは適当ではなく、二度とこういうことがないように話をさせていただきましたし、私自身も知らなかったこととはいえ、総裁選に関わることでもありますので、申し訳なく思います。再発防止を徹底して、引き続き緊張感を持って総裁選に臨みたいと思います。
記者
この書き込みの依頼については、週刊誌等で牧島議員の事務所からという報道もありました。これは事実でしょうか。
大臣
そう報告を受けています。
記者
自民党の総裁公選規程には、「何人も選挙の清潔、明朗及び公正を害する行為を行ってはならない」とあります。今回の行為はこうした規定に反するものとはならないでしょうか。
大臣
ご指摘のとおり、一部行き過ぎた表現があったと報告を受けています。 私のことを思って、よかれと思って、思いを巡らせていただいた結果でありますが、これは私がもっと強ければ、しっかりしていれば心配かけることもなく、こうしたことは起こらないだろうというふうに申し訳なく思います。今、当該議員に対しても厳しい誹謗中傷や批判なども起こっていると承知していますが、最終的に起こってしまったことの責任というのは私にありますので、ご批判はしっかりと私がお受けしたいと思います。
記者
今、責任とご批判はきっちりと受けるとおっしゃられたのですけど、確認の意味も込めて、引き続き総裁選には出続けられるという理解でよろしいでしょうか。
大臣
はい、緊張感を持って、二度とこういうことが起こらないように、しっかりと最後まで臨みたいと思います。
記者
まず、今のやりとりの確認で、こうしたものが二度と起こらない話をさせていただいたというのは、具体的にはどこかの陣営に大臣が自らご説明されたという理解でよろしいでしょうか。
大臣
いや、これは他陣営ということではなく、自らこういったことが起きないようにということで、選対の中で私からこういうことがないようにということです。
記者
石破総理が、先日、戦後80年のメッセージを出すことを、明言されました。党内では辞意を表明した首相が今この段階でメッセージを出すこと、そして70年談話のように、準備に時間をかけずにメッセージを出すことへの批判的な声が出ています。大臣は、一政治家として今回石破総理がこうしたメッセージを出すことをどう見てらっしゃるのか伺えますでしょうか。
大臣
10年前に安倍元総理の70年談話が出ています。歴代内閣の歴史認識を踏襲しつつ、未来志向で先の大戦に関わりのない子孫やその先の世代には謝罪を続ける宿命を背負わせてはならないとの思いで発出されたものだと承知しています。国内外で評価されているこの談話を上書きする必要性は、どの内閣にとってもないというふうに考えています。一方で、石破総理は閣議決定を経る談話ではなく、あくまでも総理の見解、メッセージを出すと内外記者会見で表明されたと承知をしています。戦後80年にあたって、70年談話を上書きすることなく、総理として何ができるか慎重に検討し、そうした判断に至ったものと推察しますが、総理から説明を受けたわけではありませんし、現時点で具体的に論評する材料は持ち合わせてはいません。
記者
セーフティネット対策について伺います。先日テレビに出られた際に、コスト割れに着目したような、そういう仕組みも必要というような趣旨の発言があったかと思うのですけれど、現状今どのようなことを想定されているのか教えてください。
大臣
今後需要に応じた形で増産を図っていくためには、万が一生産コストを割るような状況へのセーフティネットの充実を図ることも重要な課題であると考えています。今農水省では令和9年度に向けた水田政策のあり方を検討していますが、その一環として、与野党をはじめとする関係の皆さんのご意見も聞きながら、しっかりと検討を深めていきたいと。これは今までも申し上げていますが、その中で、やはり私の思いとしては、農家の皆さんが安心して、これからも米づくりに向かえるようにするには、やはりコスト割れの時代もあった中で、これからどうなるのだというこの不安にしっかりと向き合う必要があると、そんな思いを持ちながら、制度設計に向き合っていきたい、進めていきたいというふうに思います。
記者
コスト割れに着目したセーフティネットとしては、例えば畜産で牛マルキン(肉用牛肥育経営安定交付金)、豚マルキン(肉豚経営安定交付金)、そういったものがあるかと思うんですけれど、例えば米でもそういう農産物の販売収入と生産コスト、それの差を見て発動するような、そういったものを考えるというのはどうでしょうか。
大臣
いろんなご意見があると思います。党内も。ただ、そういった様々なアイデアやご提案も含めて、令和9年度以降に向けて、提案をよく見ながら何が一番生産者の皆さんにとっても、前向きに受け止めていただけるのかという、そういったところが大事だと思っています。いずれにしてもこのコストについては、食料システム法の下で、コスト指標、こういったこともありますし、やはり農家の皆さんからすると、これだけ生産費が今上がってきている中で、ちゃんとそれが賄えるだけの販売価格、そして手取り、こういったものというのは当然のことだと思いますので、そこにしっかりと目を向けながら、どのようなセーフティネットが構築できるか。そんな思いで制度設計を進めていければと思います。
記者
総裁選についてお伺いいたします。小泉さんの陣営では今SNS誹謗中傷対策班というものが作られて、対策に当たっていると伺っております。現状SNS上で小泉さんは年金支給を80歳からにするということ、定年を40歳にすると主張したとする情報がかなりの勢いで今拡散されている現状があります。これらの事実関係と、こちらがいわゆるデマにあたる場合、総裁選の候補者として年金支給と定年の年齢、それぞれどんなお考えをお持ちかお伺いしたいです。
大臣
ご指摘のあった私が年金の支給年齢80歳から支給すべき、また定年を40歳にすべきと主張したことはありませんし、そのようなことは一切考えていません。そうした情報が拡散されているとすれば、まさにデマと言っていいのではないでしょうか。そしてどのような考え方かというふうに言われましたけども、私は人生100年時代を迎える中で、新卒で入社した会社に定年まで勤めるという単一の人生モデルだけではなくて、もっと多様な生き方、働き方が許容される社会をつくることが大事だと考えています。現在の様々な制度は昭和の画一的な人生モデルを前提に設計されているため、それらを時代の変化に合わせて多様化していく必要があるという問題意識を持っています。こうした観点から、すでにリスキリングの充実やジョブ型雇用の推進といった三位一体の労働改革が進んでいますし、年金の受給開始年齢の柔軟化、これも今進んでおります。こうした政策を引き続き推進していくべきだと考えています。ですので、もう1回申し上げますけども、年金の支給年齢の引き上げや定年について、今何か検討することは一切考えておりません。
記者
日本テレビが今週行った党員・党友調査についてお伺いいたします。現時点で誰を支持するか尋ねたところ、高市さんが34%でトップ、小泉さんが28%で続いています。告示前に弊社で行った前回の調査と比較しますと、前回のトップだった小泉さんが4ポイント減らすという結果、逆転という結果になっています。まだ総裁選半ばではありますが、こちらについてお伺いをさせていただきます。
大臣
先日も番組に、every.に出演させていただいたときに、この第1回目のお話になりましたけども、一喜一憂することなく最後まで緊張感を持って臨みたいと思います。
記者
まず昨日、山梨県の長崎幸太郎知事が要請したライセンス生産に関して、ちょっとまったという関連なのですが、先ほどテレ朝さん、幹事社さんのご質問にもありましたが、長崎知事や小池農協組合中央会長らは7年前から要請しているベトナムへの出荷ですね。シャインマスカット、本当に私も、美味しくて大好きですし、これを具体的に市場も非常にニーズの高いベトナムへの出荷を進めて欲しい。かなり積極的にやっているのですが、ここがなかなか進まないと。ライセンス生産に関しても、なるべくこのシャインマスカット、日本で培った技術などをしっかりと提供できるようなルートを確立してから、ぜひ輸出に協力してもらいたいということを言っていました。この点に関して、7年前からということで、大臣が就任する前からの話だということですが、小泉さん今、その点をどういうふうに受け止めているかという点をまずはお聞かせください。
大臣
知事や産地の方々の輸出できるマーケットをこじあけてもらいたい。 これはベトナムも含めて、さらに輸出拡大をと。これ全く同感です。一方でベトナムも含めて、この輸出できる品目を増やす、ここは相手国の様々な状況もありますので、植物検疫の協議などを積み重ねていく、進めなければいけないと、今それを進めているところであります。先ほどご紹介したとおり、このブドウについては21か国・地域、解禁協議済みのタイとオーストラリアも加えれば23の国と地域ということになりますが、こういった、すでにシャインマスカットも含めてブドウを輸出できる国々に対して、いかに販路開拓やプロモーション、こういったことの支援を強化できるか、これも重要なことだと思っています。知事、そして産地の皆さんからすれば、このライセンスの思いというのは、一概に反対するものではないけども、それよりもまずは輸出できる国々を開けることがはじめだろうという思いが、昨日は私にも農水省に対しても、ご意見をいただいて、それは当然のことだと思います。私も事務方から状況は伺っておりますが、産地の皆さんの理解なく進めることは全くだめなので、そこは行うことはありませんと、進めることはありませんと明確に知事や、JAの関係者、生産者の方々に昨日申し上げたところです。安心をしてくださいということを申し上げましたし、ここはご理解をいただけたのではないかなというふうに思っています。
記者
日テレさんの党員に対する支持率では高市さんがトップきたということです。記者クラブで開かれた会見で、高市さんは事実関係をしっかり確認したかどうか定かでない状況で、鹿に対する外国人の暴行ですとか、それから懸垂を神社のところでやっているなどの話をされておりました。ああいった発言がネット上では良くも悪くもバズり、結果として、前回の昨年の総裁選を思い起こされるんですけど、ネット上では高市さんの批判と賛否が吹き荒れたと。結果、メディアが予想しなかった高市さんが党員・党友で1位という結果が出ました。やはり日本人ファーストという参院選で非常に躍進した標語がありましたけれども、そこにあやかるかのように、外国人に対する奈良での鹿の発言とか、懸垂ぶら下がりみたいな話を、ああいった会見の場で、他候補でありますが、高市さんが持ち出したことについて、小泉さん自身はどのように受け止めているかお聞かせいただけますか。
大臣
何を訴えるかというのは候補者の判断ですから、そこについて、候補者同士の、私としては、特に論評すべき立場ではないだろうと思います。一方で、今望月さんが触れられた参政党も含めて、やはり我々自民党が向き合えていなかった国民の皆さんの不安、例えば外国人が増えて治安は大丈夫だろうかとか、こういったことに、やはり我々が十分に向き合えていなくて、一部の伸長する政党がその受け皿として議席を獲得した、この事実は我々が重く受け止めなければいけないことだと思います。なので、今回の総裁選においても、やはり外国人問題についての対策の強化、これがむしろ候補者の間でもだいぶ一致点を見出してきている状況にあるというのは、我々がもっと聞かなければいけない国民の皆さんの不安があった。そこに一つ一つ答えていく。そんな思いの表れが出ているんだと思います。
記者
同時に外国人に対する懸念が高まっているということを各候補が受け止めたということは、一定の、もしかしたら評価になるかもしれません。ただ一方で、外国籍のパートナーを持つ方に対する誹謗中傷ですとか、私がインタビューしていても、お子さん、クォーターやハーフのお子さんが学校に行くと日本人ファーストだと言っていじめられてしまっているという、そういう現象も参政党の躍進の影響の中で起きています。こういった排外主義に関して昨日の国連の総会では、石破さんが、排外主義は断固として許しちゃならないという厳しい一般論ですが、お話をされました。この排外主義が広がっていること自体を、小泉さんは外国人への不安という懸念もあるんだと思いますが、一方でこういったいじめなどが広がってしまっている現状、小泉さん自身はどう受け止めていますか。
大臣
やはり今、世界を見ていると、貧富の格差、貧富の格差の拡大と、そして移民の増加などによって、自国第一主義、そして保護主義的な主張を展開する勢力が伸びている。政党も伸びていると。こういった状況は現実なものがあると思います。ここに対して、日本が社会全体として分断ではなくて、日本の長年続いていた助け合う精神、そして地域の中での絆や家族の繋がり、こういった社会の調和を高めていく、そして守っていく。そのためには、やはり今、現実問題生活が苦しいという、こういった格差の問題、ここにしっかりと政治が向き合っている、その不安に対応するんだ、こういったことをしっかりと進めていくこと。そしてそれに加えて、やはり外国人の問題についても、治安は大丈夫だろうか、こういった不安を一部の地域、そして様々なところで国民の皆さんが地域の皆さんが思われていることも事実ですし、一部の地域ではすでに住民の皆さんとのトラブルや軋轢になっていることも事実です。やはりそういったところにちゃんと国が対応する姿勢を示すことが結果として、社会の中の分断や排外主義的な思いを抑え、社会全体としての調和を高めていくことに繋がるし、我々自民党というのは、やはりそういった国民の皆さんの不安を、分断を煽るようなことに使うのではなくて、むしろ不安をどのように国民の皆さんの調和、この一つの思いに向けて、社会全体がより融和と、前向きな調和ができるような環境にできるか、そういったことを長年考えてきたから、我々は国民政党、自民党だと言ってきたんだと思います。そのことをもう一度、しっかりとこの時代だからこそ噛みしめて、我々自民党が向かっている方向性というのを、この総裁選を通じて、党員・党友、そして国民の皆さんにしっかりとお伝えできる機会にしなければならないと思っています。
記者
先ほど牧島さんの事務所のステマ疑惑について、お認めになられ、謝罪もありました。一方で日本テレビさんが聞いたような、今回小泉さんが言ってないような主張を、年金の支給年齢引き上げとか、定年制の引き上げなどについて、勝手な事実に基づかない発信が拡散しているということも出ました。昨年の石丸旋風以降、ネット上で、事実と違うことが拡散したり、特に誹謗中傷的な発言というのがものすごくバズるような状況になっています。それが結果、党員・党友や選挙の結果に影響していると。これは小泉さんの今回の総裁選に限らず、非常に重たい、日本の中で、もしかすると世界全体の問題だと思うのですが、ネット上で吹き荒れている、事実に基づかない発信が拡大する。そして誹謗中傷が拡大していく。この状況、今どういうふうに受け止めていらっしゃいますか。
大臣
今これだけSNSの中で、偽情報、そして誤情報、その氾濫に対しては、プライバシーの侵害の問題だったり、そして、攻撃を受ける側の立場としては、そのことによって、精神的にも大きなダメージを受けて、中にはなかなか健康を害する、そして場合によっては命を脅かされる、こういったことにも繋がっていることは憂慮すべきことだと思います。一方で、表現の自由、言論の自由というのは最も大切なことでもありますので、その規制というのは最小限であるべきだというのが私の立場です。一つ一つなかなか難しいですけども、デマとか広がったときにそこは違うという対応も、地道なことですけど、私も進めています。こういった機会にも説明をさせてもらっています。いずれにしても、やはりそういった批判的なコメントであったり、政治家に対する誹謗中傷も含めて、多く見られるようになっていることとはなぜなのか、というふうに我々が真摯に向き合うとすれば、我々がまだ国民の皆さんの中の不安や怒り、こういったものに十分向き合えていない、そういったところもあるのだと思います。だからこそ、こういった総裁選などを契機に、その一つ一つの不安に真摯に向き合って、解決をしていく意志・覚悟、これをお伝えをしなければいけないというふうに思っています。
記者
大臣に就任されてから(9月)21日で4か月となりました。この間に米の価格が再び上昇に転じるなどありますが、米やその他の農水省に関わる点で、ご自身ではこの4か月、どのような成果を上げられたとお考えでしょうか。
大臣
あっという間の4か月だというのが正直な思いです。この間、随意契約、こういった新たな手法で米価高騰に向き合って、農水省の職員も一緒になって、この激動の日々を進めてくれたことに改めて感謝の気持ちでいっぱいです。また、米の閣僚会合(米の安定供給等実現関係閣僚会議)、これで米の価格の高騰の要因や検証を行いました。そのことを踏まえて、今、短期・中長期の対策の検討に着手をしています。歴史的な米政策の転換期に、私が大臣として農水省の職員と一緒になって進めたことを、今、石破総理も、決してこれが巻き戻ることのないように、農家の皆さんの不安と向き合い、そして安心して生産者、消費者の皆さんが米をこれからも育てていける、そして買える、こんな環境を作っていくためには、これからがまたさらに大変な、また重要な機会だと思いますので、私としては、これからも農水省職員の皆さんの努力に感謝しながら、お米だけではなく、幅広い水産・林野ありますから、全体として、この農林水産業こそが地域の発展を引っ張るんだと、その思いで向き合って、責任を果たしていければと思います。
記者
「これからも」とおっしゃいましたが、現実問題、(自民党)総裁になられると、農水大臣ではなくなるのかなと思います。今の時点でやり残していることですとか、残りの期間でやりたいことなど、どのようにお考えでしょうか。
大臣
もちろん現在進行形中の課題は、一つは米の価格も含めてありますし、来月上旬になれば新米の収穫量が、数字も出てきます。そのことをもって、仮に50万トン近くお米が出てくるということになれば、やはり先ほど幹事社の方に申し上げたとおり、新たなシーズンというのは、この5年間で最大の新米の量、そして10年間の中で民間在庫も最も潤沢にある、そういったシーズンになっていくということが冷静に伝わって、この米価高騰がようやく鎮静化に向かっていく。こういったところまで、どのような立場であっても、この4か月間を農水大臣として向き合った、そして手がけた責任として、立場を抜きにこれからもずっと責任を持って向き合う必要があると考えています。
記者
先ほどの質問にも出た、週刊文春に報道された牧島事務所からのメールの中に、石破さんを説得できてすごいというものもあったんですが、会見で何回か質問して答えられた、「説得していない」という大臣の発言と明らかに食い違っているんですけど、何でこういう発言が出てくるのか、陣営内での発言と会見での発言を変えられているのではないかと、二枚舌ではないかという疑いが生じるんですけど、何でこういう発言が出てきたのか、メールになったのか教えていただきたいと思います。
大臣
先ほども申し上げたとおり、私自身がそれを承知していたわけではありません。そして今回、当該議員については、ひとえに応援のメッセージを広げたいという思いだったと聞いていますが、今、横田さんからお話があったとおり、参考例の中に一部行き過ぎた表現があったことについては適当なことではなく、二度とこういうことがないように話をさせていただきました。再発防止を徹底して緊張感を持って、総裁選に最後まで臨んでいきたいと思います。
記者
石破さんを辞めさせて評価に値するという趣旨のことは一切お話になってないんでしょうか。
大臣
この動きについては、私は承知していなかったことなので、一つ一つ、私が何かコメントをするとか、これを指示をするとかそういったことは全くありません。
記者
最後に総裁選の中で、台湾有事、シーレーンが封鎖される話も出ましたが、ある候補が触れていましたが、有事の際の輸入が途絶えたときの食料安保、日本人が大量に餓死するんじゃないかと、警告を発する専門家もいるんですが、食料安保、十分だとお考えでしょうか。やり残した課題ということが出ましたが、この点についてはどうお考えになっているのでしょうか。
大臣
これは(自民党総裁選出馬)表明会見でも、農林水産業の発展と、そして食料安全保障に全力を尽くすということは触れたとおりで、食料安全保障に向けては課題が多くあることは事実です。それを高めていく。これは全く横田さんの思いと同感です。
報道官
よろしいでしょうか。会見を終了します。
以上