小泉農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和7年10月17日(金曜日)10時43分~10時51分 於: 本省会見室 |
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主な質疑事項 |
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質疑応答
大臣
本日、私からは、米の消費拡大について、1点お知らせがあります。米の消費を世代別にみますと、50歳代、60歳代の中高年層の消費の減少が若年層に比べて大きくなっており、特に、20歳代は、70歳以上より年間10kgも多く食べているという分析があります。そこで、米をたくさん食べている若者世代にも、もちろん中高年の方々にも、そしてインバウンドで来日する方々にも、改めてご飯のおいしさに注目してもらい、日本の米の魅力を国内外に広げることを目的として、「おにぎりプロジェクト」を始めることにいたしました。これは、おにぎりを軸として、学生や企業などとコラボレーションを行い、SNS等を通じて、ごはん食の魅力を発信するプロジェクトで、具体的には、おにぎり関係者の取組の取材紹介、おにぎりの魅力を伝える動画コンテンツの配信のほか、旅するチームおにぎり企画というものも考えています。特に「旅するチームおにぎり企画」をご紹介しますと、このチームおにぎりマスコットが企業や学校などを巡っていき、それぞれのおにぎりを紹介していただきながら、ごはん食の応援メッセージを、リレー方式でSNSに発信していただく予定であります。旅の最初は、一般社団法人おにぎり協会さんです。本日、このチームおにぎりマスコットをお送りしますので、おにぎり協会さんがどのようなSNSをアップされるのか、また、このマスコットが次にどこに旅していくか、楽しみにしています。詳細は、事務方からプレスリリースがあるそうなので、お尋ねください。本日、私からは冒頭は以上です。
記者
お米について、1点お伺いさせてください。今回、生産量が増えたと、先週、大臣も発表されたかと思うのですが、米価に反映されるのは先、タイムラグがあるというふうにもおっしゃっていました。今日も米価格が発表される見通しだと思うのですけれども、改めて今後の見通しを教えてください。
大臣
今後、例えばいつから安くなるとか、こういった具体的に時期を特定するということは難しい状況ではあるのかなと思いますが、何度も申し上げているとおり、我々農林水産省としては、生産者の皆さんのご努力のおかげで、この新米について需要を上回る十分な供給が確保され、不足感を払拭したといえる新たな段階に入ったと考えています。ですので、今すぐにマーケットの状況が反映されるかといえば、取引をすでにして高い価格で買っているとか、いろいろありますから、直ちにということではないかもしれませんが、スポットの価格の状況などを見ていても、上げトレンドというよりもむしろ下げトレンド、こういった状況だと思いますし、最近の一部報道などを見ていても、むしろ農家さんの倉庫にも入りきらないと。こういったところも含めて、早く捌いたほうがいいんじゃないか、こういった声が出ている一部の地域などももうあります。そして、過去9年間で最大の新米の収穫量、作付面積、そして民間在庫、これも過去近年の中で最多。こういった状況をそのまま受け止めていただければ、やはりマーケットの安定化、そして価格の安定に間違いなく繋がっていくような、そんな生産量を出していただいたと捉えるのが普通のことではないでしょうか。なのでむしろ、これからの局面というのは、これだけの量を落ち着いてマーケットに受け止めていただくことで、マーケットの取引価格とか、そして店頭における小売の価格とかにどのような変化が出るのかということを、よく注視をしなければいけないというふうに思います。
記者
ニホンウナギを含むウナギの国際取引の規制について、この規制を求めるEUなどの提案を、「採択を勧告する」とワシントン条約の事務局が先日公表しました。日本は反対の立場ですが、これに対する受け止めをお願いします。あと、米の点、改めて恐縮なのですが、スーパーの店頭価格を表しているKSP-POSデータでは、8月から米の価格が上昇するのとあわせて、販売量も減少している傾向が見られます。この関係性については、大臣はどのようにお考えでしょうか。やはり高過ぎる米価というのは、消費を減退させているという現状があるのか、お願いします。
大臣
最初のウナギの件から申し上げますと、10月14日、ワシントン条約事務局がEUによるウナギ全種の附属書2(2は実際はローマ数字で表記)への掲載提案についての最終評価を公表したと承知をしています。その中で、ニホンウナギ及びアメリカウナギは、資源減少を理由とする附属書掲載基準に合致しないとしながらも、現在、附属書未掲載のウナギ種は、ヨーロッパウナギとの類似性から、類似種としての附属書掲載基準に合致するとしています。その上で、全ウナギ種の附属書2(2は実際はローマ数字で表記)への掲載提案を採択すべき、との勧告を行っています。我が国としては、ウナギ属全種の附属書2(2は実際はローマ数字で表記)への掲載には反対であり、掲載への基準を満たさないという、本年8月のFAOの専門家パネル評価も引用しつつ、11月の締約国会議に向けて、引き続き我が国の立場への理解が加盟国に広がるように、関係国と連携しながら全力を尽くしていく所存です。そして2点目のPOSデータとの関係ですが、平均価格については、8月に入って上昇局面がみられた以降、9月は横ばいで推移をしています。販売数量については、7月末に高い水準を記録した後、8月以降は減少や横ばい傾向だと捉えています。販売数量が減少して、平均価格も低下しているという週もあるなど、販売数量と価格について必ず連動性があるとも言い切れない面があります。価格の高止まりによって、消費者の米離れが進むことが懸念されますので、今後とも価格や販売数量などの需給の動向について注視しつつ、マーケットに対して、しっかりと情報提供を行ってまいりたいと思います。
記者
21日に臨時国会召集が決まりまして、新たな内閣の発足も間近に迫ってきました。大臣がこの5か月に残された成果と、課題が山積する米問題について、残りの数日間どのように向き合うかお聞かせください。
大臣
まだ残りの数日間か分かりませんから、最後の日まで、農林水産大臣としての職責を、全力で、農水省の職員と全うしたいと思います。
記者
成果についてはどのように。
大臣
それを語るのは、正式に、仮にこの後首班指名など、国会の本会議における議案なども確定をして、内閣のいつまでということが決まって、そしてこれは引き継ぐということが確定をした後にお話しすべきことだと思っているので、そこまでお待ちいただければと思います。
報道官
よろしいでしょうか。それでは大臣会見を終了いたします。
以上