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農林水産省

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鈴木農林水産大臣記者会見概要

日時 令和7年12月16日(火曜日)8時42分~8時58分 於:本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)森林の取得の届出時における国籍把握について
  • 森林の取得の届出時における国籍把握のねらいについて
  • JA全中の次期会長選について
  • 米価格の現状について
  • お米券を含む食料品支援について
  • もち米の価格高騰について
  • 農林水産分野での国産AI使用における今後の課題や展望について

冒頭発言

大臣

   本日、私から1点、ご報告があります。
    11月4日の「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」において、総理からご指示のありました「森林の土地の取得時において国籍を把握する仕組み」について、森林法に基づく告示を改正し「森林の土地の所有者届出書」の届出事項に国籍を追加をいたします。また、法人が届出を行う場合には、法人代表者の国籍に加えて、役員や議決権保有者について、同一国籍の者が過半を占める場合、その国名を記載事項に追加をいたします。さらに、届出者の住所が国外である場合には、国内の連絡先も記載事項とし、連絡を取りやすくすることといたします。
    次に、森林法に基づく省令を改正をいたしまして、市町村が管理する「林地台帳」の記載事項に国籍等の情報を追加することといたします。これらの見直しについて、必要となる告示や省令の改正を行うために、近日中にパブリックコメントを開始します。届出書の改正は令和8年4月、そして林地台帳の記載事項の改正は令和9年4月にそれぞれ施行することを予定をしています。この詳細については、林野庁にお問い合わせいただければと思います。以上です。




質疑応答

記者

   今、最初に冒頭でお話があった森林の外国人の登録の関係なのですけれども今、リゾート地などを中心に取得が伸びているというふうには承知しているのですけれども、改めて制度の変更のねらいについて教えてください。

大臣

   外国人などによる森林所有については、これまで都道府県等を通じて、届出書に記載されている氏名や住所等を基に、外国法人又は外国人と思われる者などによる森林取得について調査を行い、結果を公表しておりますが、必ずしもこれは正確に把握ができていないという課題があったところであります。そういうことも踏まえまして、今般新たに届出事項に国籍を追加することにより、外国人等による森林取得の実態を、円滑かつ正確に把握することが可能になるというふうに考えております。また、例えばなのですけれども、市町村がこの森林法上の行政処分や指導等を行う際に、相手方の言語等に配慮した方法で、より実効的に行うことも可能になるというふうに考えております。


記者

   JA全中の新会長の信任投票が昨日まで行われていました。本日内定という運びなのですけれども、新しい会長に期待することなどについて、コメントをお願いします。

大臣

   JA全中の次期会長選については、本日、組織内で新会長推薦者を決定する段階と伺っておりますが、選任手続きの途上であるため、私からコメントというのは差し控えさせていただきます。


記者

   米の価格についてお伺いします。先週金曜日に発表されたKSP-POSの方では、銘柄米が82円値下がりするという、最近では結構値下がりしたのですが、同じ日には、生産量が減反廃止後最大になるのがほぼ確実というような発表もされたりしまして、この値下がりというのは価格下落への一歩目となるか、どのようにお考えか教えてください。

大臣

   先週12月12日に公表いたしました、これは12月1日から7日までのスーパー等での米の平均小売価格、これが、いつも私たちが申し上げている3つの指標とも全て低下をするということになりました。最近の動向から見ると、これは事実上ほぼ横ばいであるというふうに考えておりますが、その要因としては、全体のKSP-POSにおける約7割を占める銘柄米の平均価格が82円低下したためと考えられております。ただ、ブレンド米の平均価格は99円上昇したため、平均では14円の低下というふうになっています。価格はマーケットの中で決まっていくものであって、私として予断をもって何か申し上げるということはありませんが、ただ、この米穀機構のDI調査の結果を見ると、米の取引関係者が、今後価格が低下すると見通している傾向が強まっているという結果も出ているところでありまして、引き続き、需給と価格の動向を注視してまいりたいと思います。


記者

   銘柄米についてはすごく下がったかなと思うのですけれども、それがDIが示しているような、下がっていく傾向の一つになるのかどうか、その点は。

大臣

   これは、そもそものデータというのは、限られたある種ところをサンプリング的にとっているデータでもありますし、小売の現場でそれぞれどのような価格設定にするかというのは、それぞれの店舗のご判断もあろうかと思いますので、一概に何かそれで全てということではないというふうに私としては思いますが、ただ、先ほど申し上げたとおり、この米穀機構のDI調査の結果というのもありますから、そうしたものをしっかり注視していきたいと思います。


記者

   お米券を含む食料品支援の関係でお伺いしたいのですけれども、補正予算案の成立が近づいております。このお米券を含む食料品支援につきましても、裏付けとなる予算が成立するということで、また少しフェーズが進むということになるかと思うのですけれども、改めてこの成立への期待や受け止めについてお願いいたします。

大臣

   補正予算について今、参議院で審議中ではありますが、今般の重点支援地方交付金では、生活者に対して足下の食料品の物価高騰への支援を手厚く実施をしていただけるように、市町村に対して特別加算が措置をされることとなると思います。本交付金は、地域の実情に応じて、どのような支援を実施するかについて、各自治体で適切にご判断いただくものと考えておりますが、本交付金により、必要な食料品の支援が有効に行われることを私としては期待をしております。


記者

   改めてになるのですけれども、お米券、もしこれ配布ということを多くの自治体を選んだ場合に、お米の価格の高騰につながるんじゃないかという指摘もあると思うのですが、これについて、改めてですが大臣のお考えをお願いいたします。

大臣

   どういう支援をするかということについては、まさに自治体がそれぞれご判断いただけるものだというふうに考えておりますし、地域の実情に応じて適切にやっていただければというふうに考えております。一方で、令和7年産の米の供給量、これは需要量に比べても潤沢と見通しておりますので、米の需給バランスへの影響というのは限定的ではないかと考えております。


記者

   米の価格に伴ってもち米の価格も高騰しております。正月向けのお餅の価格も値上がりしているという話もありまして、取材を進めますと、餅店や和菓子店から「もち米価格が2倍になった。ただ値段に転嫁できないため、経営面で大きなダメージを受けている」という声もありました。こういったもち米を扱う業者やお店に対して、何らか手当や支援を検討する可能性はありますでしょうか。もち米等の価格高騰の受け止めと併せてお願いいたします。

大臣

   令和7年産の主食用のもち米の価格、これについては、米穀機構が公表しています「もち米をめぐる状況」によると、6年産よりも取引価格が大幅に、大きく上昇している状況にあります。生産動向については、産地によるばらつきというのがあるのですけれども、全体としては6年産と同程度ということにまずなっております。ご質問のありました、特定の事業者への支援については、例えばこれまで重点支援地方交付金を活用して、米の加工品の業者に対して支援を行っている事例もあるというふうに承知をしております。必要に応じて、そのような取組の情報提供などの対応、これを行ってまいりたいと思います。また、同時にこれはお餅も食品でありますから、まさに特別加算、この部分はしっかりとご活用いただいて、早いところでは年内に届く自治体もあるというふうに聞いておりますから、そうしたところについては、お正月用のお餅も対象となるのではないかというふうに考えております。


記者

   お米券なのですけれども、元々課題になっていた過重な手数料で、JAや米穀団体が圧縮するというような話になっているのですけれども、現時点で大臣、どのくらい圧縮できそうだとお考えでいらっしゃいますか。全米販及びJAの60円の手数料がどのぐらいになるかと。

大臣

   全米販から今の時点で報告を受けていただいているところによると、自治体向けの今回の重点支援地方交付金を活用したものは477円でということになりますから、(手数料が)60円だったところが37円になるということになります。


記者

   なるほど半分ぐらい。まだまだちょっと。百貨店の商品券などはこれゼロですから、まだまだ高いような気もしますし、自治体の側にもそれを懸念する声は依然として多いと思っておりますけれども、大臣の地元の山形の基礎自治体に、市町村に聞いてみるとやはり難しいと、お米券はね。大臣のお顔を立てるのであれば、米も買える何らかのポイントであったり、地域振興券であったりということぐらいかなというふうに言っていますけれども、大臣、もう農水省の方々を煩わせるのもあれなので、お米券をとおっしゃるのは撤回されたらいかがですか。

大臣

   それはまさに、それぞれの自治体のご判断だと思います。


記者

   撤回をしないと。

大臣

   はい。自治体のご判断だと。これは最初から申し上げていることであります。ちなみに申し上げると、お米券を活用していただけるというふうな自治体もあるというふうに聞いておりますので、それはそれぞれの自治体のまさにご判断で進めていかれるものだというふうに考えております。


記者

   かなりお米券をというふうにずっと強調してこられたし、非常に、確かにゼロではないかもしれないのですけれども、このままでいくとかなり少ないと。採用するところはね、お米券を。ということになると、新しい券面を作ることになるJAや全米販、応援するつもりが迷惑をかけるようなことにもなりかねないと思うのですけれども大臣、万一本当に少なかった場合はどんな責任をおとりになるおつもりですか。

大臣

   初めから申し上げておりますけれども、どういう手法でやるかについては、まさに重点支援地方交付金の活用は自治体の判断でありますから、以上でも以下でもありません。


記者

   読売新聞では、国産AIの開発に関する提言を行いました。開発にあたっては自律性の確保が必要となる一方で、日本社会に根付いた倫理感や価値観を反映させることも求めています。農林水産分野でもスマート農業やロボット技術などで、国産AIやデータの活用が求められていますが、現状の課題や今後の展望について、どのように見ていらっしゃるかというご意見をお伺いできればと思います。

大臣

   農林水産分野では現在、AIやデータ活用の促進、これは大変大事だというふうに考えております。そこでまずは、この農業者等の判断をAIで支援する「農業特化型基本AIモデル」の開発・実証、そして、有効な品種開発をAIで支援する「育種ビッグデータ」の構築、また、農業分野のデータ連携等の機能を有する「農業データ連携基盤」ワグリの運用などによって、官民一体となって取り組んでいるところであります。このAIやデータ活用上の課題としては、やはり大量で良質のデータ収集ができるかということに尽きてくるというふうに考えますので、農研機構等を中心に統合データベースの増強や、様々なデータを取得できる人工気象室の整備など、データ収集の体制強化に取り組んでいるところであります。農林水産省として引き続き、こうした取組を通じて、このAIやデータの活用について、この農林水産分野でも可能性を広げる取組を推進をしていきたいというふうに考えます。


記者

   先ほど伺った時に大臣、お米券などによる需給バランスへの影響は限定的だとおっしゃったと思うのですけれども、それは価格への影響が限定的だということでしょうか。

大臣

   基本的には今、需給のバランス、かなり供給は十分あるという状況ですので。そしてもう1点は、お米券も含めて今回は食料品の価格高騰対策として重点支援地方交付金を措置をしております。必ずしも全てのもので、皆さんが全てお米を買うかどうかということについては、きっとそうじゃないのだろうというふうに思いますから、それぞれの皆さんが必要なものをご購入いただくための負担軽減の措置ということになります。ですから、そういう点も含めて考えると、価格への影響というのは、ほぼ私としてはないというふうに考えております。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは大臣会見を終了いたします。

以上