鈴木農林水産大臣記者会見概要
| 日時 | 令和8年3月10日(火曜日)8時51分~9時03分 於:本省会見室 |
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| 主な質疑事項 |
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冒頭発言
大臣
本日、私から1点、ご報告があります。諸般の事情が整いましたら、明日11日水曜日に福島県で開催をされます、「東日本大震災追悼復興祈念式」に参列をさせていただきたいというふうに考えております。かけがえのない多くの命が失われ、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災から15年を迎えます。改めて、震災により犠牲になられた方々に衷心より哀悼の誠を捧げるとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。私自身、東北選出の議員でもありますし、復興副大臣もやらせていただきました。引き続き、現場に寄り添いながら、東北の復興、そして特に福島の復興、全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。詳細につきましては、後ほどプレスリリースさせていただきます。
質疑応答
記者
東日本大震災発生から15年の関連です。被災地を始めとした農林水産業の復興の現状と、残る課題への対応をどのようにされているかお伺いします。
大臣
私自身、何度も何度も福島県、これは福島だけではなくて、宮城や岩手もお邪魔をさせていただいております。復興の現状として申し上げますと、インフラ復旧などは着実に進んでいるものの、福島の現場の皆様のお声をお聞きをすると、生活や生業(なりわい)が元に戻ったとは言えず、取り組むべき課題が多々あります。改めて福島の農林水産業の復興を加速化する必要性を実感をしているところであります。特に現状では、双葉町を中心に人が中々まだ戻っている状況にはありません。そういう中で、農地の再開、生業の再開を急いでやっていくことが、結果としては人が戻ってくるということにもつながろうかというふうに思いますので、そういう観点で今後取り組みたいというふうに思います。本年4月から始まります第3期復興・創生期間は、復興に向けた課題を解決していく極めて重要な時期になります。令和7年6月20日に閣議決定をされました復興基本方針に基づきまして、営農再開の加速化、そして広域的な産地形成、帰還困難区域を含めた森林・林業の再生、また安定的な水産物生産体制の構築、福島県産品の販路拡大などに取り組んでまいりたいというふうに思います。特に今、農地の話を申し上げましたが、森林についても、現場に行けば中々前に進んでいないというお話もお伺いをしますので、一歩一歩、着実にやっていきたいというふうに考えております。福島の復興なくして東北の復興はありませんし、東北の復興なくして日本の再生はありませんので、最後まで責任を持って全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。
記者
米のコスト指標について、2点お伺いします。まず今後、需給緩和による米価の下落も懸念されますが、費用を下回る取引の抑止へコスト指標をどう活用していかれるのでしょうか。
大臣
米穀機構において、昨年12月から、生産・流通・販売の各段階の関係者に学識経験者の皆さんも加わっていただきまして、コスト指標について真摯に各段階のご議論をいただいてまいりました。今般、コスト指標のイメージが示されましたが、これは本当に難しい議論も含めて、生産から小売までの関係者が累次の議論を経て合意をしたものでありまして、このことは初めてのことでありますので、改めて関係者の皆様のご尽力に感謝を申し上げたいというふうに思います。皆さんにご理解をいただきたいのは、今回示されたイメージにつきましては、あくまでも生産など各段階のコストの積上げでありまして、利潤を含めた取引価格とは異なるものであるということはご理解をいただきたいというふうに思います。コスト指標は、今ご質問ありましたけれども、食料システム法が施行される4月以降に最終的に決定されることになりますが、コストが明確になることを通じて、生産者の再生産・再投資が可能で、かつ大切なことは、消費者にもご理解をいただけるような価格水準のもとで米が持続的に供給されるということを、私としては期待をしております。
記者
コスト指標を、費用を下回る取引の抑止のために活用はしないということですか。
大臣
これは、取引の現場でコスト指標を今後、活用していただくということになろうかというふうに思います。
記者
今後予定する備蓄米の買入れや買戻しの価格水準で、コスト指標を参考にするお考えはあるのでしょうか。
大臣
今後、国が備蓄米のまず買入れ、これを行うことになろうかというふうに思います。今準備を進めているものであります。その上で申し上げますと、備蓄米の買入価格は、入札に参加する事業者がそれぞれの判断で応札する価格により決まるものでありまして、政府として何か価格を決めるというものではありません。
記者
イラン情勢についてお伺いします。現地での収束の見通しも立たない中、日本産食品の中東地域への輸出の現状やそれに対する影響、そして国としてその状況にどのように対応していくか教えてください。
大臣
中東地域は、人口増加を背景にハラール市場が拡大をしておりまして、輸出先としての将来の期待が大変高いものがあります。特にUAEにおいて、清涼飲料水や緑茶、牛肉など多くの品目で輸出が増加傾向で推移をしてきておりまして、昨年は119億円の輸出実績、これ対前年比でプラス18%というふうになっております。先週、現地の事業者の皆さんから聞き取りを行ったところによりますと、船会社が新規の注文をストップしており、日本の港で積み込もうとしていた貨物がキャンセルになった、また当面の現地の在庫は確保しているものの、今後現在の状況が続いた場合、在庫が足りなくなるのではないかというようなことを懸念をしている、そういった声を伺っているところであります。引き続き、物流など輸出への影響を注視しつつ、現地事業者の声の収集・分析を行いまして、適切な情報提供に努めさせていただきます。それと同時に、輸出先の多角化に向けた市場調査や販路開拓など、必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
記者
高市総理・総裁は、総選挙で、食料安保の重要性を強調しながら、食料自給率100%を目指すということを仰っていましたが、これを聞いた有権者の人は、石破前政権の米増産に戻すのかという印象を受けたと思うのですが、これは単なるリップサービス、詐欺的発言なのか、それとも鈴木大臣に対して自主的な減反政策に戻すような発言は控えるようにと、石破前政権の米増産に戻すのだという指示があったのでしょうか、どっちなのでしょうか。
大臣
是非、このことについては、よく国会でも質問を受けておりますので、国会の私の答弁聞いていただければというふうに思いますが、あえてその上で申し上げますと、農林水産省としては、まず(食料・農業・農村)基本計画で、今後お米については791万トンから818万トンに増やしていくと。これは主食用米だけではなくて、輸出用や米粉や様々なものを含めて増やしていくということは基本計画で既に決まっているところであります。ですから、その方針に基づいて、今後お米については多様なパターンで増産をしていくということは、元々から変わるところではありません。
記者
石破前政権の米増産の方針を引き継ぐという理解でよろしいのでしょうか。
大臣
今申し上げた以上でも以下でもありません。
記者
鈴木農水大臣になって、米増産の政策、前政権の政策が変わったという印象を与えていますが、それは単なる誤解というか、誤った理解ということなのでしょうか。
大臣
私としては、この基本計画に基づいて全体として増やしていくという方針は変わりません。ただ、基本的には需要がしっかりと拡大をしていくということが大事かと思いますので、政府として、これは政府が前面に立って、需要の拡大、これはもちろん主食もそうですし、輸出用も米粉も我々取り組んでいきたいと思います。その先に、こうした計画の目標が達成されていくのだというふうに考えております。
記者
最後に、米増産、食料自給率100%を目指すには、農業者への所得補償が不可欠だと思うのですが、いつ頃までにどんな予算規模で決めるのかと、野党が選挙中に制度創設の重要性を訴えていましたが、自民党、高市政権としては、いつまでにどの規模でやるかというのは決めるのでしょうか。
大臣
所得補償については、これも国会で最近よく聞かれますので、是非やり取りを見ていただければ大変ありがたいというふうに思いますが、私たちとしては、これから水田政策の見直しを来年に向けてやります。それは、6月までに結論を得たいというふうに思っておりますので、そうしたところの中で議論させていただきたいと思います。
記者
原油価格の上昇についてお伺いします。国家備蓄の放出準備という報道もある中で、改めて農林水産業に与える影響と懸念についてお伺いできればと思います。併せて、農林水産事業者に安定的に燃料供給していくために、現在検討されている準備状況、お願いします。
大臣
原油の需給や価格については、中東情勢始め、世界全体の経済やエネルギー需給等の影響があり、今後の動向・影響について予断をもってお答えすることは難しいということはご理解いただければというふうに思います。現状として、様々な動きがあるというのはよく理解をしておりますので、農林水産省としては、燃油等の価格が上昇した場合の対策として、経営費に占める燃料費の割合が高い施設園芸農家等に対して、経営への影響を緩和するための補てん金を交付する制度を措置をしております。そしてまた漁業についても、(漁業経営に占める)燃油費の割合というのが平均すると約2割弱になっておりますので、同じように価格が上昇した場合の対策として、補てん金を交付する制度を措置しております。この制度がまずは、しっかりと円滑に運用されていくということで、準備をさせていただきたいというふうに考えております。
報道官
よろしいでしょうか。それでは大臣会見を終了いたします。
以上




