鈴木農林水産大臣記者会見概要
| 日時 | 令和8年4月7日(火曜日)8時46分~9時04分 於:本省会見室 |
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| 主な質疑事項 |
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質疑応答
記者
昨日、米穀機構が発表した米のDI(米取引関係者の判断指数)について伺います。価格の見通しを示す指数は27と、50を大きく下回る状況が続いています。需給に関する指数でも現状判断、見通しともに低水準で、関係者が需給の緩みを強く感じている結果になりました。これに対する大臣の受け止めをお聞かせください。また、かねてから備蓄米の買戻しについては需給状況などを総合的に判断されるとの方針を示されていました。一つの要素として、今の需給の状況は買戻しをできるレベルとお考えでしょうか。
大臣
4月6日月曜日、米穀機構から、米取引関係者の状況判断に関する3月分の調査結果が公表されました。いずれも50を基準値とする中で、需給動向については現状では、先月が26でしたのが23に、また向こう3か月では、先月26だったのが21となっております。米の取引関係者の間では、「現状は需給が緩んでおり、向こう3か月も同様」との見方が前月よりも更に強くなっていることを示しているものだと考えております。また、米価の水準につきましても、現状では先月の74から71に、向こう3か月では26から27となっており、現状は価格が高い水準としながらも、今後、価格が低下していくとの見方が引き続き強いことを示しております。農林水産省としては、米の取引関係者が今後の見通しとして需給の緩和、価格低下と見通している傾向が強い状況が継続していることに留意をして、引き続き、需給と価格の動向を注視してまいりたいというふうに思っております。
その上で、備蓄米の買戻しについてでありますが、政府備蓄米は食料安全保障の観点から不可欠なものでありまして、供給の不足に備え、100万トンまでの備蓄水準の回復を進めてまいりたいと考えております。まずは、来週4月14日火曜日に、令和8年産米の買入れを実施することとしております。そのための入札を、来週火曜日に行います。また、昨年3月以降、主食用として売り渡した備蓄米の買戻しにつきましては、これまでも申し上げてきておりますが、今後の需給状況や販売動向等を見て、総合的に判断してまいりたいと思いますし、また同時に現状では1月末に、作付意向も示されつつあるところであり、そうした状況もしっかりと需要を満たすだけの生産があるのかどうか、こうしたことも参考にさせていただいて判断をさせていただきたいというふうに思います。
記者
米も、先行きについては厳しい状況というような、下がるんじゃないかという見方が多いのは事実ですけれども、実際には高止まりしている印象の方が強いと思います。それから、米以外の食品の値上がりが激しくて、例えば鶏肉などはもう4月からガーンと上がっています。これはタイ産の鶏肉が、中国・韓国の需要が非常に強くて、もう量が確保できなくなっている感じがします。カロリーには関係ないかもしれませんけれども、主力の野菜、例えばにんじんとか、それから玉ねぎは中国産に非常に依存をしています。スーパーで売っているものは国産が多いですけれども、飲食業で使われているものはほとんどが中国産ではないかと思います。これも、少し細っている感じがするんですけれども、その辺、食料の安定供給という意味では米以外の部分について、農水省は、今、どんな対策と調査を行っていらっしゃるんでしょうか。
大臣
米も確かに高止まりをしているというふうに土屋さんはおっしゃいましたけれども、4月3日に公表したPOSデータでは、3月23日から3月29日までの週が前の週に比べて43円低下をしておりまして、5キロあたりで3,935円となっております。今、7週連続でこのKSP-POSのデータが低下をしておりますので、昨年の12月29日の週が、このデータは4,416円と過去最高値だったわけですが、そこから見ますと、概ね低下傾向で推移をしておりまして、4,000円を下回る水準が続いているということで、徐々に徐々にですけれども、ずっと高止まりというわけではなくて、だんだん落ち着いてきているということはご理解をいただきたいというふうに思います。
また、他の食品それぞれについては、状況が違うわけですけれども、特に、現状でさっき玉ねぎとかそういうお話されましたが、やはりこの天候の影響で、昨年来の、天候がかなり振れるということで生産力が落ちている面もあるものについては、供給が海外のものが増えている現状があろうかと思いますし、あと同時にこれからやはりよく注視しなければならないのは、このイラン情勢で原油の価格がかなり上がってきております。そうした影響が、今後、輸入品の食品についても、様々な影響が当然あろうかと思いますので、そうした影響をまずよく注視をして、我々としてこの家計に与える影響、どのような形になるのか、しっかり見ていかなければならないというふうに思っております。同時に私たちとしては、今、現状で先日も私のXに投稿させていただきましたが、春になってきて天候が逆にいいので、春野菜なんかは供給が増えている野菜もあります。そうしたものはスーパーマーケット行きますと、かなり値頃感がある形で販売がされておりますので、特に野菜なんかの需給というのはその時の天候で振れる傾向にありますので、そうしたことも、情報提供をしっかり消費者の皆さんにこれからもさせていただきたいと思います。
記者
天候要因がないとは言いませんけれども、主な輸入品については、明らかに量が細ってきていると思います。そういう面で、今そこの部分について大臣から言及はなかったことに非常に残念です。それから、米は確かにこの長い間少しずつ下がっていますけれども、そもそもの出発点だった5キロで2,000円台というような水準には到底見えていないので、やはり非常に高いというのが消費者の実感ではないかと思います。このままではむしろ米離れが起こりかねないぐらいの値段設定が続いているというべきじゃないのかなと思います。もう根本にあるのは、米は別ですけれども、需給が高いから、基本的には輸入品が高くなっている理由の大きな要因が円安にあると思いますね。これ円安になっている理由の大きな要因の一つは、利上げが遅れていることにあり、それは高市さんが非常に利上げに慎重であることが日銀にすごくプレッシャーになっていると思うんですけれども、そういう意味では、むしろ円高にすべきであるというようなことは、農林大臣としては主張されるべきことではないかと思うのですが、いかがですか。
大臣
これについては、円安円高それぞれの水準で、国内産また海外からの輸入ものに、当然、これは価格に影響あるわけですから、その点はよく理解をしておりますが、私たちとして、やはり食料の安定供給、供給力がやっぱり落ちていて、結果として輸入にシェアを奪われているものについては、本来であれば国産で供給できるところは供給すべきですから、しっかりこの供給力を、それぞれの産品についてよく見て、上げていく努力をさせていただきたいと思います。
記者
農道の橋の管理について伺います。農道にかかる小規模の橋について、国が求める定期点検を実施していない自治体が、九州の県庁所在地・政令指定都市で、3分の2に上る6市であると、本紙(西日本新聞)の調べで分かりました。九州以外の自治体でも実態把握していない自治体が少なくないと見られるんですが、劣化による事故のトラブルとかも、これから起こる懸念もあると思います。農水省として農道橋の現状をどう受け止めているのかというのと、定期点検を広げるためにどのような対策をとるのかという考えをお聞かせ願えないでしょうか。
大臣
農林水産省では、自治体などの農道管理者が農道の保全対策に取り組む参考となるように、「農道保全対策の手引き」を作成をしているところであります。その中において、この橋梁やトンネルなどの重要性の高い施設については、5年に1回の点検が望ましいとしているところです。特に、長さ15メートル以上の農道橋については、政府全体で取り組む「インフラ長寿命化計画」の中で、個別施設計画の策定と計画的な点検を求めているところであります。やはり我々としても、この近年老朽化したインフラに起因する、大規模な道路陥没事故などが多発をしておりまして、改めて農林水産省として、自治体などの農道の維持管理者に向けて、点検・診断の徹底を図ってまいりたいと思います。
また同時に、今回、これだけチェックがされていなかったということでありますから、何故このようなことになっているのか、自治体のマンパワーの話もあるかもしれません、あと技術的な話がもしかしたらあるのかもしれませんし、全ての農道のこの橋について、どのぐらいしっかり自治体側で把握ができているかという課題ももしかしたらあるのかもしれませんので、ちょっとその辺はよく聞き取りをさせていただいて、また、一部の自治体の話だけではなくて、同じようなことがあろうかというふうに私としては思いますから、事故があった後ではもう全く遅いですから、そうならないうちに、我々として、まずこの点検・診断の徹底を図ると同時に、自治体が、今、何故こういうことになったのか、これについてよく調査をして、一緒に解決をさせていただきたいと思います。
記者
呼びかけ調査の件ですけれども、スケジュール感みたいなところも、もし現状でありましたらお願いいたします。
大臣
なるべく急いでやることが必要かと思いますので、今週のうちに早くちょっとどういうスケジュール感で何ができるか整理をさせていただきたいと思います。
記者
本日は米穀機構から米の生産から流通に至るまでのコスト指標が正式に発表されます。その意義について大臣にお伺いしたいと思います。今、その制度導入時の、米価が高い状況での導入ということで、更に今後の原油の供給不安でコストが更に上昇する恐れもあります。それによって販売価格の最低の保証ではないかという声も上がりやすい、そういう解釈もされることが多いと予想されるのですけれども、それも踏まえて、大臣から意義をご説明いただきたいということと、運用上の留意点がございましたらお聞かせください。
大臣
4月1日から食料システム法が施行されたところであります。まずは、この米のコスト指標作成団体として認定をされました米穀機構におきまして、本日の11時に、第5回目の米のコスト指標作成等委員会が開催をされまして、米のコスト指標が正式に作成・公表される予定と聞いております。米のコスト指標については、生産から小売、更には消費者団体の方も加えた関係者の議論を経て、作成方法が公表されたものと承知をしております。農林水産省としては、コストが明確になることを通じて、生産者の再生産・再投資が可能で、かつ、消費者にも理解が得られるような価格水準の下で、米が持続的に供給されていく、このことを期待をしているところであります。
また、合理的な費用を考慮した価格形成に向けて、取引関係者や消費者の理解がより進んでいくように、引き続き、コスト指標を含め、制度の周知に努めてまいりたいというふうに思っております。あくまでも、このコスト指標はある一定の条件で、このぐらいだという指標であるということも、事実としてご理解をいただけるように、私としては、この周知徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。
記者
消費者からはやはりこれが最低ラインに決まるのではないかという目線もあるのではないかと思うのですけれども、それについてはどうお考えですか。
大臣
様々な見方が当然あるんだというふうに思いますが、作成方法については、生産から小売に加えて消費者団体の方も加わって、ある種、これは当然、生産側と消費者側というのは、必ずしもコストという概念について、消費者側は当然安いほうがいいですし、生産者側は高いほうがいいという中で、客観的にどういうデータに基づいてやれば、お互い折り合えるのかということで、かなり議論の末に、今回決まってくるものだというふうに考えておりますので、そうしたことも含めて、私たちとしては、この持続的な供給に向けた理解醸成に貢献をしてくれるものだというふうに期待をしておりますので、消費者の皆様にも、当然これからも丁寧にこの意義というのを説明をしてまいりたいと考えております。
記者
今のコスト指標に関して、追加で伺わせてください。先週認定した米穀機構が算定する方法としては、1から3ヘクタールの小規模の事業者を対象としたデータで算出するかと思います。一部では生産量が多い中規模・大規模よりも生産コストが高く、実際よりも高いコストになっているのではと指摘ありますが、そこを大臣がどのように受け止められているか教えてください。
大臣
ご理解いただきたいのは、今回、コスト指標作成団体の認定にあたって、生産から販売までの各段階の団体がコスト指標の作成に参画をしていただきました。そして意思決定プロセスが明確にされ、そのプロセスがきちんと守られているか、そしてまた、公的統計や農林水産省の調査結果などを出典を明らかにした上で活用しているか、こうした観点から、私たちとしてこの認定にあたって確認をしているところであります。その上で、この3月6日に公表されたコスト指標のイメージは、生産・流通・販売の関係者に学識経験者も加わり、複数回にわたり、真摯に各段階のご議論をいただき、この中で、生産段階の生産費につきましては、今お話あったように平均作付面積が2.27ヘクタールを含む1から3ヘクタールの階層とすること、そして当該階層より生産費が低い3ヘクタール以上の階層が流通量の7割を占めているなど、様々な議論を経て合意形成をしてきた通りであります。手続きとしては、特段問題があるとは考えておりません。
コスト指標の作成は初めての試みであるため、現時点で様々なご議論があるのは当然でありまして、各段階の方のご意見をしっかりと受け止めながら、まずは進めることが重要だというふうに考えております。当然、米の場合は、特に土地利用型でありますから、規模が拡大すればするほど、一定規模以上はかなりコストが下がってくるという当然データもありますので、ただ、現状としてはまだ全体がそこまで至っていない中での、今回、算定だったということで、ご理解をいただけたらありがたいと思います。今後、私たち農林水産省として、土地の集積・集約化、これをしっかりと図って、生産基盤を強くしていって、できるだけ低コストで生産ができるような、持続可能な米生産の姿というのは、当然、実現をしてまいりたいということは変わりはありません。
報道官
よろしいでしょうか。それでは大臣会見を終了いたします。
以上




