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農林水産省

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プレスリリース

諫早湾干拓事業に係る請求異議訴訟の最高裁決定について

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令和5年3月2日
農林水産省

   平成22年の福岡高等裁判所の確定判決に係る請求異議訴訟について、令和5年3月1日付けの最高裁判所の決定を踏まえ、次のとおり、野村農林水産大臣談話を発表します。

農林水産大臣談話

    有明海の再生を願う皆様へ

  諫早湾干拓事業に係る請求異議訴訟について、今般、最高裁判所の決定により、開門の強制執行を「許さない」との判断を示した、令和四年三月の福岡高等裁判所の判決が確定しました。
  開門の当否が争点となった一連の訴訟に関して、最高裁判所は、再び非開門を是認する判断を示しました。

  平成二十二年に開門を命ずる福岡高等裁判所の判決が確定した後、国は開門義務の履行に向けて、最大限の努力を重ねましたが、結果としてその履行をなし得ませんでした。
  同判決から今日に至るまでの国の対応について、開門、開門反対いずれの立場からも、厳しい御指摘があることは承知しております。国は、御指摘を真摯かつ謙虚に受け止めます。

  また、平成二十二年の確定判決の勝訴原告であり、請求異議訴訟の相手方当事者でもある方々が、今回の最高裁の決定に対して、割り切れない思いを抱えておられることは、十分に理解できます。国としては、皆様の一刻も早い有明海再生を願う切実なお気持ちとこれまでの御労苦に思いを致しつつ、今後の取組を進めてまいります。

  農林水産省としては、長く、混迷を深めたこの紛争の解決に向け、ときに司法の判断を仰ぎつつ、平成二十九年の農林水産大臣談話の発出をはじめ、和解に向けできる限りの尽力をしてきました。

  これからも開門、開門反対の立場が鋭く対立する状況が続き、更なる訴訟の乱立をもたらす事態に陥った場合、結果として、地域の分断の解消が遠のくことが懸念されます。

  有明海の再生は、開門、開門反対の立場にかかわらず、早期の実現を願う思いは同じです。
  関係者一同が一致団結し、目的を共有しながら、適切な役割分担の下で効果的に取組を進め、成果を上げていく必要があります。

  今後は、関係者の皆様が、平穏な環境の下で、積み重ねられた司法判断と最新の科学的知見に基づき、有明海の未来を見据えた「話し合い」を行い、「合意」した有明海再生の方策を、「協働」して実施していくべきです。

  「対立」から「協働」へと関係を再構築し、有明海の未来をともに切り拓いていくために、開門を求める方々が、裁判ではなく、話し合いにより有明海再生を図っていくこれらの方向性に賛同していただけるのであれば、
国は、平成二十九年の農林水産大臣談話の趣旨を踏まえつつ、
1.   国、地方公共団体、漁業関係者、農業関係者等の関係者の「話し合いの場」を設けるとともに、
2.   関係者が、有明海再生の加速化を図るため合意し、協働して実施する各種方策を後押しするため、可能な範囲で、関係者の御意見を踏まえつつ、必要な支援を講じてまいります。また、
3.   訴訟当事者の方々が、国との関係で不安に感じられている事柄があれば、できる限りの寄り添った対応を行います。

  有明海の水産資源については、沿岸の漁業団体から、一部の漁場で水産資源の回復の兆しが見られるとの声が寄せられています。

  これからは、有明海の再生に必要な水産資源の回復に向けた調査についても、多様な方々の参画の下で進めてまいります。
  道半ばにある回復の兆しを持続へと発展させ、一刻も早く、国民的資産である有明海を豊かな海として再生させるとともに、未来の成長へとつなげるため、全力を挙げてまいります。
  関係者の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

添付資料

令和5年 農林水産大臣談話(PDF : 150KB)

お問合せ先

農村振興局整備部農地資源課

担当者:荻野、菊地
代表:03-3502-8111(内線5477)
ダイヤルイン:03-3502-8111

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