平成16年台風第16号による農林水産業被害と対応

平成21年2月27日
農林水産省

1 気象概況

• 8月19日にマーシャル諸島近海で発生した台風第16号は、強い勢力のまま30日9時頃に鹿児島県串木野市に上陸した。その後、九州から中国地方を通過し、鳥取県から日本海に出て、日本海を北東に進んで津軽海峡を通過して、31日14時には苫小牧市付近に上陸し、北海道を縦断し、オホーツク海に抜けてから温帯低気圧になった。
• この台風の影響により九州地方から北海道までの広い地域で大雨及び暴風となった。降り始めからの雨量は宮崎県や奈良県の多い所で700mmを超えたほか、全国各地で大雨となった。

2 被害状況

農林水産関係（下表は県等からの報告を取りまとめたもの）

区分	主な被害		被害額（百万円）	主な被害地域
農作物等	水稲、果樹、野菜等		21,687	新潟県、愛媛県、佐賀県、宮崎県、鹿児島県
営農施設	ビニールハウス、牛舎等の破損		6,475	宮崎県、鹿児島県
農地・農業用施設	農地の損壊	4,934箇所	7,025	愛媛県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
	農業用施設等の損壊	3,828箇所	9,185
林野関係	林地荒廃等	500箇所	23,385	愛媛県、高知県、熊本県、宮崎県、鹿児島県
	治山施設	42箇所	3,789
	林道施設	3,848箇所	9,803
	森林被害		897
	林産物		74
水産関係	漁港等の損壊	200箇所	6,463	兵庫県、愛媛県、高知県、宮崎県、鹿児島県
	漁船	731隻	357
	漁業用施設	994箇所	4,703
	養殖施設	767箇所	398
	水産物		2,115
卸売市場関係	卸売市場施設	1箇所	1
合計			96,357

＜参考＞人的被害（消防庁情報：平成16年9月15日17時00分）
死者：14人、行方不明者：3人、負傷者：267人

3 対応状況

• 農林水産省内において「台風第16号関係局庁連絡会議」を開催（8月27日14時00分）。
• 東北、東海、中国四国、九州農政局において「台風第16号災害対策本部」を開催。
• 農林漁業金融公庫において相談窓口を設置（8月31日、9月1日、9月2日）。
• 台風第16号による農作物等被害に対する技術指導通知を発出（8月31日）。
• 被害農林漁業者等に対する経営資金等の融通及び既貸付資金の償還猶予等が図られるよう関係機関に依頼（9月1日）。
• 平成16年の梅雨前線豪雨、度重なる台風等による農作物等の被害にかかる迅速かつ適切な損害評価の実施及び共済金の早期支払いについて関係団体等に指導通知を発出（9月3日）。
• 生産局、（独）農業・生物系特定産業技術研究機構の担当官を山形県、新潟県に現地派遣（9月7日）。
• 施設被害については、二次災害の防止などの応急復旧対策を必要に応じて実施。