米に関するマンスリーレポート解説特集「ここが分からない!マンレポ」
概要
農林水産省は、米に関する価格動向や需給動向に関するデータを集約・整理し、毎月定期的に公表することによって、需給動向を適切に反映した米取引に資することを目的として、平成23年度から「米に関するマンスリーレポート」をとりまとめ、HPにて公表しております。読者の皆様にとってより有益な情報となるよう、年々工夫を重ねているところです。
「米に関するマンスリーレポート」を更にご活用いただくため、掲載情報の読み解き方などに関するQ&Aを作成しましたのでご紹介します。
「米に関するマンスリーレポート」とは?
Q.「米に関するマンスリーレポート」とはどんな資料ですか?
A.「米に関するマンスリーレポート」は、各産地・生産者の方々が、自らの農産物の販売実績等を分析し、「どのような作物をどれだけ生産し、誰に、どのように販売するのか」等の経営戦略を立てる上で参考にしていただけるよう、米の流通に関するよりきめ細かい情報を掲載しております。
Q.いつ頃、どれくらいの頻度で更新しているのですか?
A.「米に関するマンスリーレポート」は、毎月内容を更新し、原則として毎月中旬に農林水産省ホームページにて公表しております。「米に関するメールマガジン」と併せてご覧いただければ幸いです。
Q.具体的にはどのような情報を掲載しているのですか?
A.全国の需給見通しや在庫量等の基本的な情報のほか、産地・銘柄別の価格動向、都道府県別の民間在庫量、消費動向、また飼料用米や加工用米等の生産量・販売量・需要量等のデータを掲載しております。
米に関するデータのほかにも、米の生産や需給安定のための支援事業の事業内容や活用状況、麦・大豆・野菜の需給状況など幅広い情報を掲載しております。
Q.「米に関するマンスリーレポート」と、「米に関するマンスリーレポート(資料編)」の2つがありますが、どのような違い(使い分け)があるのですか?
A.米に関するマンスリーレポートは、平成23年4月に発刊し、その後段階的に内容の充実を図ってきたところですが、80頁を超える大部となったことから、平成28年2月からは、毎月更新対象ではない情報や主食用米以外の詳細情報等を別冊(資料編)として整理しております。
6月末民間在庫量について
Q.6月末民間在庫量が需給状況を判断する指標の一つになっていると言われるのはなぜですか?
A.米の年間供給量は、前年産以前に収穫された米の6月末民間在庫量(持越在庫量)と当該年の生産量の合計であるため、6月末民間在庫量の増減は当然、その年々の需給状況の指標の1つとなります。例えば、民間在庫量が増加すれば需給は緩和傾向にあるといえ、一方で、減少すれば引き締まりの傾向にあるといえます。また、価格は需給動向等により変動しており、過去の状況をみても、6月末民間在庫量の増減と相対取引価格の変動には一定の相関がみられます。
Q.「6月末」を基準としているのはなぜですか?
A.前年産以前に収穫された米の民間在庫量の増減をより正確に把握するためには、当該年に収穫される新米が出回る前を時点とする必要がありますが、宮崎県などの早場米は毎年7月頃から新米が出回ることから、6月末を基準としています。
米の産地別契約・販売状況について
Q.米の産地別契約・販売状況が米の需要に応じた生産に取り組むための指標の一つになっていると言われるのはなぜですか?
A.毎月公表している米の産地別契約・販売状況は、出荷団体等が自ら販売するために契約を締結した数量等を取りまとめたもので、その年に収穫された米の結びつき状況や売れ行きの進捗を示す指標となります。
このため、需要に応じた生産の取組として、は種前・収穫前契約などの契約数量が増加する場合などには、年産が切り替わった初期の段階で契約比率が高くなる傾向にあります。
Q.産地品種銘柄によっては、集荷数量に対する契約比率が100%を超えているものがあるのはなぜですか?
A.出荷団体等は、集荷前でもに仕入(集荷)計画数量等に応じて契約を行っていることから、契約比率が100%を超えることがあります。
産地別事前契約数量について
Q.産地別事前契約数量が、米の需要に応じた生産の取組状況を表す指標の一つになっていると言われるのはなぜですか?
A.産地別事前契約数量は、米の播種が始まる前に、契約書や確認書等によりあらかじめ取引されることが決定している数量を、一定規模以上の出荷団体等から報告していただき、産地別に取りまとめたものです。
例えば、仕入(集荷)計画数量に占める事前契約数量の比率が高い産地では、取引数量の多くを播種前に契約し、需要に応じた生産に向けた取組が進められていることがうかがえます。
米の価格について
Q.農林水産省が「米に関するマンスリーレポート(以下、マンレポ)」で公表している米の相対取引価格とは、どのようなものですか?
A.米については、全農等の出荷業者と卸売業者等間で、年間を通じて長期的な取引を行う「相対取引」が行われています。このため、農林水産省では、一定規模以上の出荷業者を対象に相対取引価格・数量を毎月調査し、米の取引価格の代表となる指標の一つとして公表しております。
Q.米の小売価格に関する情報は掲載していますか?
A.マンレポでは、米の小売価格として(株)KSP-SPが提供する全国約1,000店舗のPOSデータをもとに、農林水産省で産地品種銘柄が判別できるうるち精米(特別栽培米等を除く)を対象に、集計した平均価格(税込)を掲載しております。マンレポ資料編を合わせると、約30の産地品種銘柄の価格情報を掲載しておりますので、より幅広く小売価格の動向を読み取ることができます。
また、都市部の米の小売価格の参考となる、総務省の小売物価統計におけるコシヒカリの小売価格(東京都区部、特売などを除く)も掲載しております。
Q.小売価格について、(公)米穀機構が公表している小売価格POSデータと、農林水産省が公表している小売価格POSデータが異なるのはなぜですか?
A.農林水産省では、(株)KSP-SPが提供するPOSデータ(全国約1,000店舗)を使用しているのに対し、(公)米穀機構では、公益財団法人流通経済研究所が保有するPOSデータ(全国約400店舗)を使用しており、異なるサンプルをもとに行った調査であるためです。公表内容については、農林水産省は価格の推移が主となっている一方、(公)米穀機構は価格分布等が主となっておりますので、使用目的に応じて活用していただけると幸いです。
米の相対取引価格について
Q.「青天の霹靂」や「新之助」などの新しい産地品種銘柄の相対取引価格はなぜ公表しないのですか?
A.米の相対取引価格は、各産地の米の価格指標となるよう、産地ごとに流通量の多い上位2~3銘柄を対象として調査を行い、その結果を毎月公表しているところです。「青天の霹靂」や「新之助」などの新しい産地品種銘柄は、現時点では流通量が比較的少なく、年間を通じた安定的な取引に至っていないと考えられることから、調査の対象としておりません。なお、相対取引価格の調査対象産地品種銘柄は、毎年、前年産の流通量(農産物検査数量)を参考に更新を行っています(毎年、9月分の価格から年産を更新)。
Q.毎月公表される価格は速報値と記載されていますが、確定値はいつ頃公表されるのですか?
A.米の相対取引価格については、全農等の出荷業者と卸売業者等間で取引された価格・数量を毎月調査し、当該月の速報値として公表しているところです。しかしながら、各業者間での取引状況の変更に伴い、調査時点以降に契約変更等が行われる場合があり、それらを反映して再集計した結果、速報値と実際の取引価格・数量が異なることがあります。このため、当該年産米の取引完了後に、改めて集計を行い、生産年の翌年の11月に年産平均価格の確定値を公表しております。
「米に関するマンスリーレポート」はこちらから
「米に関するマンスリーレポート」は、当省ホームページからも御覧になれます。
URL:https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/mr.html
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