第165号：京賀茂なす

令和7年3月18日

第165号

京賀茂なす (キョウカモナス)
Kyo Kamonasu

第1類 農産物類 野菜類（なす）

京都府京都市北区、左京区

京都府京都市北区上賀茂向縄手町66
上賀茂特産野菜研究会
公式ページ

正円形でヘタに大きな棘があり、黒光りする紫色の外観を特徴とする大型の丸なすである。肉厚でとろみが強いものの加熱しても煮崩れしないため、地域の伝統料理である「なすの田楽」をはじめ会席料理などでも重宝され、市場や料亭などの実需者からも高く評価されている。

賀茂川と高野川に挟まれた肥沃な黒ボク土の扇状地である上賀茂地域は、農村地帯として栄え、江戸時代から大型の丸なすが栽培され、明治時代以降、賀茂なすが地域の特産品として定着した。 昭和後期、他地域で小ぶりな賀茂なすの生産が広がる中、賀茂なすの特性と品質を守るため、固定種の自家採種と伝統的栽培技術の伝承に取り組み、平安時代からの振り売りの文化を今に伝えている。 京都最古級の上賀茂神社との繋がりも深く、葵祭のなす奉納式や正月に神饌としても用いられる。