このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

働く人も企業もいきいき食品産業の働き方改革検討会(第二回)概要

PDF版はこちら(PDF : 189KB)

日時

平成30年2月9日(金曜日) 15:00~17:15

場所

三州製菓株式会社 本社(埼玉県春日部市銚子口979)

出席者

小澤委員、斉之平委員、佐藤委員、竹井委員、林委員、藤野委員、松澤委員

発言内容

斉之平委員、三州製菓(株)社員の方から、以下のとおり取組内容等の紹介。

  • 働き方改革は職場・風土の改革。日本の強みであるチームワーク、助け合い、お互い様の支援型の職場づくりを行っている。女性活躍の制度をつくっても、職場の風土が伴っていなければなかなか定着しないので、風土づくりから様々な取組を行っている。
  • 女性活躍については、女性の潜在能力、今後の労働力不足等が理由であり、ダイバーシティ経営、ワークライフバランスに取組、一人三役制度などの業務改革を実践。
  • シニア活躍については、60歳を超えると役職がなくなりモチベーションが低下することが理由であり、生涯(77歳)現役制度、公正な評価(時間あたり成果)などに取組、高齢者の活躍ばかりでなく、若手にも安心感を与えるなどの効果を発揮。
  • 全員が活躍できる経営については、一人三役制度、一人一研究、システム手帳型事業計画書の使用、13の委員会の設置などにより、長期繁栄の会社を目指す。

意見交換の内容については以下のとおり。

  • 小澤委員
    休業中の社員に会社の様子を伝える取組はすばらしい。どの様な方法で行っているのか。
  • 三州製菓(株)社員
    社員は、休養中何も情報がないと不安になる。休んで1ヶ月目に会社や同僚の近況をハガキでお知らせしている。その後は2~3ヶ月ごとに。赤ちゃんを会社に連れてくる社員もいる。
  • 小澤委員
    ジョブ・リターン制度(退職後数年以内の元社員を再雇用する制度)はどのように行われているのか。
  • 三州製菓(株)社員
    介護や育児、ご主人の転勤などによりやむなく退職した人を、退職後5年以内で再雇用している。即戦力になりやすいし、一度働いていた場所なので馴染みやすく、長く勤めてくれることにつながると考え、実施している。
  • 佐藤委員
    資料3のP24~25について、あらゆる取り組みが立て続けに実践されていることに驚いている。ここまで環境を整えるのに何年かかったのか。どんなきっかけで始め、どれくらいのスピードで取り組んだのか。
  • 斉之平委員
    一番のきっかけは、埼玉労働局や21世紀職業財団(埼玉支部)から、女性活躍推進に取り組まないかとの働きかけがあった。専門家に始動して頂くことで、取組のスピードが上がった。
  • 三州製菓(株)社員
    社長が「共同参画推進委員会」を立ち上げることを決め、専門家にきてもらった。専門家からは「何か目標(例えば会社の弱点を強化するなど)を決めたら、誰が、いつまでにどこまでやるのかをきちんと表にしてやっていきましょう」とのアドバイスがあった。自社の現状は、できないところはなぜできなかったのかを繰り返し見直して取り組んだ結果。
  • 竹井委員
    在宅ワークのルールはあるのか。
  • 三州製菓(株)社員
    専門家に、会社情報の管理の方法を教えてもらった。また、始業時・終業時に必ず上司に連絡する、資料を持ち帰る時は専用の箱を使用するなどを行っている。
  • 藤野委員
    一人三役(1人の社員が担当業務以外に2つ以上の業務に携わる体制)について、総務、管理部門は大丈夫だと思うが、製造部門は難しいのではないか。特に、OEMなどにより大量の発注がきた場合の対応は。製造現場から「時間外勤務をさせろ」という声は出ないのか。
  • 斉之平委員
    製造部門も一人三役制度をやっている。機械のオペレーションなど熟練を要するところもあるが、これも一人三役を取り入れローテンションを組んでいる。このおかげで、急な注文があり間に合わない時には、他の人が応援に行くことでできるだけ残業にならないようにしている。
  • 佐藤委員
    一人三役を行うことで、自ずとマルチタスクもうまくなり、(教える機会、教わる機会が多いので)伝えることもうまくなり、その結果職場のコミュニケーション・雰囲気が良くなり、商品の品質の向上にもつながっているのではないかと感じた。
  • 林委員
    男性管理職の一人昇進に女性も一人昇進することをルール化しているが、管理職ではない男性社員のモチベーションは維持できるのか。
  • 斉之平委員
    会社の方針として男女の管理職率を将来的には50%にするというのが目標なので、それが会社のゴールということで社員も納得している。
  • 松澤委員
    一人三役について、業務の工程をシンプルにし、全体の見直しは社内の委員会で行っているのか。それとも、専門家にお願いしているのか。
  • 三州製菓(株)社員
    一人三役の実施に当たり、まず仕事を「見える化」することが重要。担当業務について細かく作業を書き出し、不要なものをとにかく捨てる。やらなくてもいい仕事が多々ある。1年に一度担当者に書き出してもらい、上司が確認して、効率化に向けて整理する。整理できたものを一人三役委員会に提出し、一人三役表を作成している。
  • 藤野委員
    一人三役により、労働生産性は上がっているのか。
  • 斉之平委員
    忙しい時期は、部署によってそれぞれ異なる。一人三役によって、忙しくないところが忙しいところに応援に入ることが可能であり、労働生産性は向上する。
  • 斉之平委員
    労働生産性について、昨年、ヒューマノイドロボットを導入した。商品は少量多品種生産であり、ヒューマノイドロボットは中小企業の現場で有用である。ただし、中小企業では4~6千万円でも負担が大きいことから、国の支援が必要である。国の支援があれば、今後普及していくのではないか。
  • 審議官
    一人三役制度に新人から達人まで6つのランクを設けているが、誰がそのランク付けをするのか。また、どのくらいの頻度で評価するのか。
  • 斉之平委員
    ランクは本人の自主申告。頻度は委員会で決めていて、だいたい1年に1~2回。委員会の活動はできるだけ私(社長)は口出さないようにしている。自主的にやらないととたんにやる気を無くしてしまう。
  • 食品製造課長
    外部から専門家にきてもらっているが、この専門家はどのようなノウハウを持っているのか。また、資格などを有しているのか。
  • 斉之平委員
    埼玉県や商工会議所から紹介された者で資格等はわからないが、埼玉県は自動車の工場が多く、当社にきていただいたのはホンダでカイゼンをしていた方。
  • 食品製造課長
    フレックスタイム制の話があったが、例えば当日の朝に連絡が入っても大丈夫か。
  • 三州製菓(株)社員
    子供のことなので突発的なことが多い。急な連絡でも対応可能なものでなければならない。例えば、9時半の始業でもその日の朝に電話で11時始業に変えられる。
    このようなことも会社の魅力として感じてくれる者も存在し、大企業を退職し当社に入った従業員もいる。
  • 企画課長
    皆さんがこの会社に応募した動機と入ってみて良かったことは何か。
  • 三州製菓(株)社員A
    食品の栄養の勉強をしていたので、食品の研究開発に携わりたくて新卒で入社した。会社に入って、中小企業の特徴かもしれないが、社長との距離が非常に近く、直接相談ができる。また、当社は、社長が社員に「何か困っていることはないか」と声をかけてくれる。
  • 三州製菓(株)社員B
    元々春日部市外で働いていたが、子どもが春日部市の保育園に入園したことで当社に入社を決めた。元の職場では上司は男性だけだったので、子供の都合で休むと、よく思われていない雰囲気が伝わってきて、とても申し訳ない気持ちだった。当社に入社して、初めての女性の上司だった。子どもに熱があるのに保育園に預けて会社に来たら、「何やってるの、帰りなさい」と追い返された。「一人三役があって、あなたの仕事は『今日はこれをやって』と一言電話すればお休みできるのだから、ちゃんと子供についていてあげなさい」と言葉をかけてくれた。子育てしながら働くのになんて素敵な会社なのだろうと心から思った。
  • 〇三州製菓(株)社員C
    以前は大学の研究室で研究補助をしていて、仕事としては不安定だった。きちんとしたところで働きたいと思っていたところ、大学から女性が働きやすいとてもいい会社があると紹介してもらい応募した。私自身、いろいろな仕事をしたくて入社したので、一人三役はいろんな知識やスキルを身につけることができることが良い。また、産休、育休から復帰して働いている女性がたくさんいるので、自分の将来を考えても安心して働ける。
  • 三州製菓(株)社員D
    ちょうど子育てが一段落し、もうそろそろ働きたいと思っていた時に、たまたま当社の正社員募集があった。自分が以前働いていた頃はパソコン作業の専門スタッフがいて、パソコンを扱えなくても良かったのだが、再就職してみると、パソコン作業が当たり前になっていた。そんな中、職場で丁寧に教えてもらえたので仕事をしながら身につけることが出来た。現在まで20年勤めることができた。そういった意味で会社が私を育ててくれた。これからも若い人に教え、会社に恩返ししたい。

(以上)

お問合せ先

大臣官房 新事業・食品産業部 新事業・食品産業政策課

代表:03-3502-8111(内線4136)
ダイヤルイン:03-3502-5742

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader