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農林水産省

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高知県三原村 NPO法人いきいきみはら会・増井理事長に聞く

再エネインタビュー
増井理事長お話を伺った増井理事長

高知県三原村は、四万十市・宿毛市・土佐清水市に囲まれ、四万十川支流中筋川等が流れる自然環境に恵まれた山村です。緑と水の豊かなこの村は、標高120mの高原地帯であり、村内のいたるところに小川が流れ、村民は四季折々の自然と調和した生活を送っています。

同村が拠点の「NPO法人いきいきみはら会」(以下「会」)では、村内の豊富な水資源を利用して小水力発電事業に取り組んでいます。

本事業をはじめとする会の取組について、増井三郎理事長にお話を伺いました。
(聞き手:中国四国農政局経営・事業支援部食品企業課)

NPO法人いきいきみはら会について

清水川荘間伐材を利用した高齢者支援施設「清水川荘」

荒廃していく森林の整備や高齢者支援等を目的に会を設立しました。会員の7割が地元の農林業者で構成され、地域に根付いた活動を行っています。

この他、会では間伐材を利用した簡易旅館である「清水川荘」を管理運営しており、四国霊場八十八カ所巡りのお遍路さんや、村内の一人暮らしの高齢者の一時的な受け入れを行っています。

森林の荒廃化をきっかけに、小水力発電事業に着目

ふるさと発電所整備した小水力発電「ふるさと発電所」

当村の約85%を森林が占めていますが、木材価格の低迷や、林業従事者の高齢化による人手不足等から手入れが行き届かなくなり、荒廃化が進んでいます。

会では、適切な間伐等を行い、昔ながらの豊かな森の再生を目指しています。しかし、財源が限られているため、村内での森林事業は、単発的な事業が多い傾向にありました。そこで、平成23年に長期安定的な収入源を得るため、既存の砂防堰を使った環境にも負荷の少ない小水力発電事業の検討を開始しました。令和元年10月に長年の夢が叶い、小水力発電事業(最大発電出力110kW)をスタートすることができました。

小水力発電事業の取組から実現までの経緯



砂防堰既存の砂防堰

小水力発電事業の検討当初は専門的知識が全く無く、事業化に向けた機運が低下した時期もありましたが、技術に詳しい会員が加入したことや、農林水産省の補助事業(平成27~29年度)に採択されたことが転機となり、事業実施に向けた知識の習得や技術的・専門的なサポートを通じて実現に繋がっていったと思っています。

苦労したことは、四国電力の系統線への接続や、水利権の許認可手続きです。当地域では、固定価格買取制度の開始以降に太陽光発電設備が急増しており、四国電力から系統線の空き枠はないとの連絡を受けました。その時には、「事業化断念か!」との言葉が頭をよぎり、ハード面でのハードルの高さを痛感しましたが、時を経て系統へ接続できる見通しが立ちました。

次に、砂防工区のある河川は漁業権や農業用水利権の許可が不要だったことは、事業展開する上でのメリットでしたが、発電事業による水量の変化や河川への影響の確認が求められました。許可を受けるまでには、許可権者である高知県や関係機関と数年に渡る協議を重ねました。最終的に全ての課題を乗り越えることができたのは、本当に運が良かったと思います。

小水力発電の恵みを豊かな森づくりへ

小水力発電事業の収益の一部を小規模の森林の購入に活用し、森林の持続的な管理により林業経営の充実に取り組んでいます。令和2年2月には「永続的森林経営とこわれない道づくり」と題し、自伐型林業の専門家から講演をいただき、多くの参加者から取り組んでみたいとの声が寄せられました。

今後は新規林業従事者を全国から呼び込むため、本気で林業に携わりたい方等を対象にした研修会の開催を行おうと考えています。加えて、間伐材等を利用したバイオマス発電や6次産業化の取組への発展、さらなる交流人口の拡大も視野に入れています。

発電事業の知見のモデル化とさらなる事業拡大に向けて

下ノ加江川村内を流れる下ノ加江川

民間運営による小水力発電事業は全国的にも珍しく、小さな村の強みを生かして、村や地域関係者の密接な連携により、地域に寄り添いながら事業化を進めることで得られた管理・運営のノウハウは貴重なものと受け止めており、これらを全国の先行モデルとしてお届けしたいです。

また、会にとっては脱炭素化や再エネ主力電源化の推進はまさに追い風と感じています。 この風に乗り、第2、第3の小水力発電事業や木質バイオマス発電事業を展開していき、取組を次の世代やさらにその先へと繋げ、全村民が地域で支え合い、共に豊かに暮らせる地域循環型の社会の実現を目指します。

増井理事長、インタビューのご協力
ありがとうございました。

お問合せ先

大臣官房環境バイオマス政策課再生可能エネルギー室

担当者:再生可能エネルギー地域普及班
代表:03-3502-8111(内線4340)
ダイヤルイン:03-6744-1507
FAX番号:03-3502-8285