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農林水産省

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宮城県七ヶ宿町・小関幸一町長に聞く

再エネインタビュー
小関幸一町長お話を伺った小関幸一町長
七ヶ宿ダム七ヶ宿ダム

   宮城県七ヶ宿町(しちかしゅくまち)は、奥羽山脈内の蔵王連峰の南麓に位置する自然環境に恵まれた町。仙台市を含む県民183万人の水がめである七ヶ宿ダムを擁する水源の町でもあります。この町では、町をあげて農山漁村再生可能エネルギー法を活用した太陽光発電事業を進めています。本事業をはじめとする町の取組について、小関幸一町長にお話を伺いました。

原発事故をきっかけに、太陽光発電事業を検討

太陽光発電所牧場に設置されたシャープ七ヶ宿太陽光発電所

   七ヶ宿町では、町所有の牧場跡地で太陽光発電事業を実施しています。平成23年3月の原発事故による、放射性物質を含んだ降雪で牧場は汚染され、その活用が困難となっていました。牧場を除染して活用するという選択肢もありましたが、除染作業によって、牧場下流に位置する七ヶ宿ダムへの汚染土壌の流入が懸念され、「水守の郷」ともいわれる当町では除染は諦めざるを得ませんでした。このような中、今後の牧場の有効活用と畜産農家の支援を検討していた際に、複数の事業者から太陽光発電の相談を受けていたことがきっかけに、太陽光発電事業の検討を始めました。

   当町では実際に事業を行う発電事業者を公募で決定しました。透明性のある手続きを踏んで事業者が決定されることで、町民にとっても事業者選定の内容等が明らかになり、選定された事業者にも責任を持って事業を実施してもらえるというメリットがあります。

   発電は平成30年9月28日から開始しました。事業者からは売電収入の一部を町に還元してもらうことで、町としては20年間の安定した財源とすることが出来ます。

   また、この他、固定資産税、地代といった収入も町の貴重な財源となっています。

売電収入は、新規就農者への支援など農林業のために活用

   事業者からの売電収入の還元は、町の基金へと積み立てられており、農林漁業への活用を行うための条例を平成31年3月に制定しました。畜産農家への支援、施設園芸での作物栽培支援などへの活用を考えています。

   更に、当町には、40歳以下の夫婦が20年間住めば、土地・家をプレゼントする制度があり、この農家版として新規就農者として活躍いただける方への支援も考えています。

林業再生に向け、木質チップボイラーへの活用も

入浴施設入浴施設  Wood & Spaや・すまっしぇ

雪室雪室

   太陽光発電事業以外にも、林業を再生したいという思いもあります。豊富な森林資源の有効活用を図るため、チップ化したバイオマスを燃料とした入浴施設「Wood & Spa や・すまっしぇ」を平成31年4月にオープンしました。七ヶ宿町の92%は山林ですので、この施設には、その豊富な地元資源を活用することが可能です。また、地元産チップを調達しボイラー・施設を運営する組織を設け、この運営の一部に基金から支援をする予定です。

   県民の水がめであるダムを抱える町として、山林の整備を行い、材を山に放置せず運び出し、チップとして活用する、こういった取組は重要だと考えています。

   なお、熱利用に関しては、木質バイオマスの熱だけではなく、雪も活用するプランがあり、米・そば・りんご・じゃがいも等を貯蔵する「雪室」を整備し、『雪室仕込み』の銘柄で販売していく予定です。

廃校を活用した宿泊施設も運営

街道Hostel おたて街道Hostel おたて

   閉校した小学校を活用した宿泊施設「街道Hostelおたて」が平成30年10月に開業しました。通過型の観光だけではなく、滞在型観光を推進し、更なる交流人口の拡大を目指しています。町以外の人からも高評価を頂いており、今後はインバウンドの取組も見込んでいます。

自然の恵みを活かし、七ヶ宿町の未来につなげる

   当町は自然の資源に恵まれています。この恵みを太陽光発電、バイオマスボイラー、雪室、ダム等の形に変えて町内外に提供し、町の存在価値を高めていくことが、七ヶ宿町が生き残る方法だと考えています。

   当町への移住者も増加しています。昔からの住民だけではなく、当町を選び、移り住んできた人も、当町を担う人になって頂きたいと思っています。様々な取組を一過性のものとせず、今まで行ってきた施策を継続しながら、新しい文化を作っていくのがこれからの町づくりです。次の世代や、さらにその次の世代のことを考え、それを積み重ねていけば、その人達にとって七ヶ宿町が第2の故郷になるのではないかと考えています。

小関町長、インタビューのご協力
ありがとうございました。

お問合せ先

食料産業局バイオマス循環資源課再生可能エネルギー室

担当者:再生可能エネルギー地域普及班
代表:03-3502-8111(内線4340)
ダイヤルイン:03-6744-1507
FAX番号:03-3593-9185