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農林水産省

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三重県多気町・久保町長に聞く

再エネインタビュー
久保町長インタビューに答える久保町長

三重県多気町はかつて伊勢街道、和歌山街道、熊野街道が通過し、現在は高速道路やJRがそれぞれ東紀州地域、伊勢志摩地域に分岐していく交通の要衝です。

多気町が平成30年9月に策定した「ええまちづくりプラン」では、エネルギーのまちづくりを主要政策に位置付け、バイオマス発電・太陽光発電の普及など、環境や地球温暖化に配慮した取組を進めています。また、令和2年12月には「バイオマス産業都市」として選定されました。

町の取組について久保行央町長にお話を伺いました。
(聞き手:食料産業局バイオマス循環資源課再生可能エネルギー室、東海農政局経営・事業支援部食品企業課)
バイオマス産業都市の取組についてはこちらでご紹介しています(リンク)

農業と工業が調和したまちづくり

多気町では、農業と工業が調和した農村地域として町の活性化に取り組んできました。積極的に企業を誘致する一方、農業の新たな担い手を確保するための支援制度により地域の農業力強化に努めているところです。

企業誘致については、平成2年にシャープの液晶工場を皮切りに多くの企業を誘致してきました。その中の一つが、社会貢献や地域貢献を企業理念に掲げる、木質バイオマス発電所「多気バイオパワー」(株式会社中部プラントサービス、出力:6,750kW)であり、平成28年に操業開始されています。

この発電所の隣には、株式会社ユーグレナの実証プラントが整備されており、木質バイオマス発電所から排出される熱や排ガスを利用し、光合成で増殖するミドリムシの機能性研究やバイオ燃料等への活用の研究開発を行っています。

多気バイオパワー発電所の燃料となる材料は間伐材等の国産材です。また、多気町では、当発電所から排出される熱も工業団地のインフラのひとつとしてPRしています。

再生可能エネルギー導入への期待

災害協定中部プラントサービスとの協定締結式

木質バイオマス発電所の事業は、二酸化炭素削減等による環境負荷の低減のほか、多気町や周辺地域にとっては間伐材の活用や林業の活性化につながるだけでなく、流木被害防止等の防災の効果があると考えています。また、町と発電所では、万が一の災害時に備えて、発電所の非常用発電機から電力の提供を受けることや、発電所員による人的協力等、迅速な災害復旧に向けたご協力をいただく「災害時における協力に関する協定」も結んでいます。

その他にも、再生可能エネルギーの利用と循環型社会の実現を目指し、町では太陽光発電のための補助金制度を設け、一般家庭における太陽光発電や蓄電池の設置を推進しています。

里山の地域資源の活用に向けた支援

集材所貯木場での集材

かねてから、里山をきれいに保全し、猪、鹿などの獣害や竹害を減らしたいという思いがありました。この思いから、木質バイオマス発電所の操業に併せて、「里山整備と獣害対策、バイオマス資源の確保」を目的とした「伐採隊組織」の結成を各集落に働きかけるとともに、地域の方々が木や竹を伐採し、燃料として集積する「多気町木質バイオマス地域集材制度」を立ち上げました。

また、町では伐採に必要なチェンソーやヘルメットの購入に対して補助も行っており、現在は36の団体と245人の個人が登録されています。
(令和3年2月1日現在)

多気町木質バイオマス地域集材制度は、伐採した木や竹を発電所が買取り、これに町が補助金を上乗せして交付する制度で、買取と補助金の合計で6円/kgが搬入者に支払われる仕組みです。

新規就農者や県立高校生の活動を応援

バジルオイルバジルとバジルオイル

多気町では平成22年に、新規就農者に対して240万円/年を2年間助成する支援制度を開始しました。この制度を利用して、現在まで16名の新規就農があり、特産の伊勢芋等の生産や有機農業に取り組んでいます。なお、そのうちの半数は町外から移住してきた方です。

また、町内にはテレビドラマ「高校生レストラン」のモデルとなった三重県立相可高校があります。相可高校ではクラウドファンディングを活用してメタン発酵のバイオマス発電施設を導入し、発電所から排出された消化液を肥料として利用し、育てたバジルから作ったバジルオイルを販売しています。バジルオイルはふるさと納税の返礼品にもなっており、このような取組を産業レベルにスパイラルアップさせ、バイオマス農業・食産業を推進していきたいと考えています。

循環型社会のモデルに向けて

VISONVISONの全体図(イメージ)

現在、伊勢自動車道の勢和多気JCTの近くでは、「食と健康」をテーマとした、飲食、体験、産直市場、農場などが結集した滞在型複合施設「VISON」の建設が進んでおり、この近接地にメタン発酵のバイオマス発電施設の建設を予定しています。町内から集まる食品残渣と併せて、滞在複合施設内のレストラン等から発生する食品残渣を原料として発電を行い、副産物となる消化液を施設内の農園で肥料として利用し、栽培された野菜は施設内の農園レストランで提供される等、循環型のモデルとなる取組を目指しています。

久保町長、インタビューのご協力
ありがとうございました。

お問合せ先

大臣官房環境バイオマス政策課再生可能エネルギー室

担当者:再生可能エネルギー地域普及班
代表:03-3502-8111(内線4340)
ダイヤルイン:03-6744-1507
FAX番号:03-3502-8285