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始まった食品事業者の取組:株式会社ヤクルト本社

sdgのロゴ 始まった食品事業者の取組

株式会社ヤクルト本社
ヤクルト本社にて
取材日:2019年2月26日  
(株式会社ヤクルト本社にて)
インタビューで取り上げたSDGs
目標3のロゴ 目標4のロゴ 目標5のロゴ目標8のロゴ目標12のロゴ 目標13のロゴ

   ヤクルトグループは、「世界の人々の健康を守りたい」という創始者・代田稔氏の健康への情熱、発想のもと創業。1935年に乳酸菌飲料「ヤクルト」が誕生しました。現在でも「代田イズム」である「予防医学」、「健腸長寿」、「誰もが手に入れられる価格で」をすべての事業の原点として、世界の人々の健康への貢献と、地域の発展、またそれらと一体となってヤクルトの更なる発展を目指しています。
   同社のCSR活動とSDGsの取組について、株式会社ヤクルト本社の広報室CSR推進室長 山田勝土さん、広報室CSR推進室主任 上窪悠生さんにお話を伺いました。

写真右:株式会社ヤクルト本社
 広報室CSR推進室長                 山田勝土さん
写真左:株式会社ヤクルト本社
 広報室CSR推進室主任(当時)  上窪悠生さん
代田稔氏ヤクルトグループ創始者・代田稔氏
代田イムズの図

ISO26000でCSR活動を体系化
~ヤクルトの強みは?~

   ヤクルトでは、創業80年を迎えた2015年度に、CSRのグローバルスタンダードであるISO26000(に沿ってCSR活動を体系化しました。2016年度には、ISO26000の7つの中核主題に即してCSR行動計画を策定し、毎年度目標を立て、実行し、検証を行い、次につなげていくPDCAを進めています。ISO26000を活用して良かったと感じていることは、中核主題の中に「コミュニティ」に関する項目が明確に位置づけられていることです。当社が取り組んできた健康教室等の地域コミュニティに貢献する活動が、大きな強みであることを再確認し、会社全体の業務に対するモチベーションがさらに向上しました。逆に、対応が不足している事項も明確になり、「公正な事業慣行」を推進する観点から、CSR調達に関する取組を強化することに繋がりました。

ISO26000
ISO(国際標準化機構)が2010年11月に発行した官民両セクターにおける社会的責任に関する国際規定。取り扱うテーマは組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参加及びコミュニティの発展の7つ。
ヤクルトCSR行動計画
ヤクルトCSR行動計画

SDGsへの貢献は必然的

   ヤクルトグループは、「人も地球も健康に」をコーポレートスローガンとして事業を展開していることから、SDGsは達成すべき目標として自然と受け入れられるものでした。言い換えれば、SDGsへの取組を当社の中で特別なものとして位置づけたわけではなく、言わば必然的にSDGsと事業活動が結びついたのです。
   当社の関係役員をメンバーとするCSR推進委員会では、特に事業と関係性が深いものとして5つの目標を中心にSDGsについて確認しました。
   これらのSDGsの目標を通じ、ヤクルトレディを始めとした全従事者に、日々の活動が、世界の大きな課題解決にも貢献しているという認識を持ってもらうことで、よりモチベーションが高まるのではないかと考え、SDGsの社内浸透に力を入れています。また、世界共通言語であるSDGsと関連付けて事業活動を発信することで、企業価値が高められたことはもちろん、39の国と地域に広がるグループ全体での一体感やモチベーションアップに繋がりました。

<特に関係が深いSDGs5つの目標>
健康に役立つ商品の販売・お届けを通じて、一人でも多くのお客さまの健康に貢献します
ヤクルトレディの労働環境を整備し、女性が活躍する社会の実現を目指します
事業の生産性を高めつつ、従事者がいきいきと働く会社であり続けます
原材料の調達から、生産、物流、販売までの事業活動全般にわたって、サプライチェーン全体で、人権、労働、環境、腐敗防止に配慮した取り組みを進めます

MY「SDGs」行動宣言

   ヤクルトグループは、1994年度から全従事者向けの「CSRキャンペーン」を実施しており、2018年度はSDGsをテーマとしました。このキャンペーンでは、SDGsの17の目標の中から、従事者が自分と関わりがあるものを一つ選び、その目標の達成に向けて、自分だからできる行動を「MY『SDGs』行動宣言」として宣言しました。国内外の約1万8千人から応募があり、一人ひとりがSDGsを自分ごととしてとらえ、自分たちの活動が、どのように貢献できるのかを実感できる良いきっかけになったと思います。
   グループ全体で取り組んでいることが、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にも貢献しているとして、目標3「健康」、目標5「ジェンダー」、目標8「働きがい」、目標12「つくる責任」と併せて評価され、持続可能な開発目標(SDGs)推進本部が主催する第2回ジャパンSDGsアワードで特別賞「SDGsパートナーシップ賞」を受賞しました。

MY SDGs行動宣言

ヤクルトレディは
グループ最大の財産

   ヤクルトでは、家族の健康を守るには主婦の役割が大きいと考え、主婦のお客さまと同じ立場の女性が「ヤクルトレディ」として健康情報の提供などを行いながら商品をお届けするシステムを確立し運用してきました。現在、ヤクルトレディは、国内では約3万5千人、アジア、中南米などの海外を含めると総勢8万人超が活躍しています。このヤクルトレディたちは、当社の企業理念の柱である「健康を守る」ということを具現化する存在であり、グループ最大の財産です。
   ヤクルトレディの多くは、アルバイトでも、社員でもなく、歩合制を採用している個人事業主です。そんな彼女たちがヤクルトレディとして活躍していきたいと思ってもらえている背景には、お客さまとの間に自らが築き上げた信頼関係もあります。やりがいをもってもらうことが何よりも重要だと考えており、働きやすい環境づくりも進めています。
   当社では、ヤクルトレディをサポートするために、健康に関する情報やお客さまとの信頼関係の築き方等に関する研修を定期的に開催し、そこで得た知識をお客さまとのコミュニケーションに役立ててもらっています。また、ヤクルトレディが働きやすい環境を作ることに重点をおいています。持ち運びやすく、保冷などの機能性のあるお届け用資機材を開発するほか、携帯端末で日々の売り上げなどが管理できたり、電動アシスト自転車等を導入したり、また、制服にも機能性を残しつつ可愛らしさを取り入れるなどの改良も試みています。また、国内約1200か所の保育所を設置しています。

愛の訪問活動ヤクルトレディ訪問

地域とともに
発展していくために

   ヤクルトレディが、単に商品をお届けするだけではなく、一人暮らしの高齢者のお話し相手になったり、安否確認をする「愛の訪問活動」が全国で行われています。また、警察や消防からの連携要請を受け、地域の安心、安全活動にも協力しています。過去には、伺ったお客さまが不審な電話を受けたとのことで様子が普段と異なっていると気付き交番に相談し、女性が銀行を訪れた際に署員が水際で振り込め詐欺被害を防いだ例や、伺ったお客さまが振り込め詐欺の電話を受けていて、相手が電話を切ろうとしないため、代わりに警察に通報したことで、直後に女性宅を訪ねてきた振り込め詐欺の犯人逮捕に貢献したという例もありました。このようにお客さまとのコミュニケーションを通じて、見守りのお手伝いもしています。
   また、地域にお住まいの方々へ積極的に健康情報を提供することを通じて、地域社会の健康づくりに貢献しています。具体的には、小学生などの子どもを対象に「出前授業」、地域の方々を対象に「健康教室」を行っています。これらのプログラムでは、一緒に体操を行う機会を提供したり、腸を健康にすることの大切さや、お腹の中の菌の働きなどを伝えています。小学校からは、「規則正しい生活をわかりやすく説明してもらえてよかった」、「子どもたちが給食で嫌いなものを頑張って食べられるようになった」などの多数の声をいただきました。


ヤクルトレディパトロールレディパトロール防犯事例

世界39の国と地域で愛される秘訣

   ヤクルトは世界各国の工場で、現地の方を雇用して生産しています。レシピは世界共通で、基本的に味は同じです。また、内容量はそれぞれの国でのニーズに合わせて、少しずつ異なっています。
   ヤクルトレディのシステムは、訪問販売の文化など、日本と社会環境が似ているアジア諸国や中南米で導入されています。世界で活躍するヤクルトレディたちに向けても健康情報の普及と更新を行うための研修が実施されており、現地社員などが地方に出かけて、研修を行うこともあります。
   一部途上国では、栄養失調、肥満なども問題になっており、健康に関する知識を正しく伝えることがとても重要です。ヤクルトレディの活動が活発なメキシコやインドネシアを始めとする各地では、ヤクルトレディたちが腸や体の仕組みも含めて健康情報を学び、その情報を自分が住む地域での活動を通じてコミュニティに伝えるという地域健康の一端を担っています。すなわち、SDGsの目標5「女性の活躍」だけはなく、目標3「健康」と目標4「教育」にも貢献する特別な存在なのです。

ユニセフ研修ヤクルトレディー健康SDGs

お客さまとともに

   ヤクルトグループは、お客さまの声に応え、日々サービスや製品の向上に力を入れています。例えば、ヤクルト容器の蓋が開けにくいという声にお応えして、アルミキャップのつまみ部(タブ)が大きくなるよう改良しました。また、ヤクルトのカロリーや甘さが気になるという声に対し、「ヤクルト400LT」や「Newヤクルトカロリーハーフ」という従来製品よりも低カロリーで甘さひかえめの製品を開発し、一部海外へも同タイプの製品を展開しています。
   販売においては、共働き世帯が増える中で「インターネットを利用して商品の注文やお届け商品の変更がしたい」、「クレジットカードによる支払いにしてほしい」という声にお応えするために、ウェブ上での商品注文・支払いを可能にする「ヤクルト届けてネット」を2018年9月から全国導入しました。一方で、こうした変化の中でも、商品は最後までヤクルトレディが直接お客さまのもとまでお届けするというシステムの根幹は維持しています。

ヤクルト届けてネットイメージ図

SDGsにつながる創始者の
思いを胸に社会に貢献

   当社は「生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献する」という企業理念である創始者の熱意を現在も変わらず持ち続け、グローバル企業へと成長してきた企業です。SDGsへの取組は、特別な活動を行うというよりも、これからも世界(2019年3月現在39の国と地域)に広がるヤクルトグループ全体で「人も地球も健康に」をコーポレートスローガンに、事業活動を発展させることが重要だと考えており、社員やヤクルトレディのモチベーションを高め、機運を作るのがCSR推進室の役割だと考えています。
   また、「地球も」という点を考えれば、環境問題への取組も重要です。当社は「環境行動計画」を策定し、地球温暖化ガス(CO2)や廃棄物の排出抑制、水資源や生物多様性の保全、容器・包装の環境配慮に取り組んでいます。昨今、目標14「海の豊かさを守ろう」とも関連しプラスチック問題が高まりを見せており、SDGs12「つくる責任」からも一層の対応が求められています。「ヤクルト」は、形がユニークで、その形を見ればすぐに誰しもがヤクルトの製品だと気づくことができるほど親しまれています。こういったことも大切にしながら、SDGsのゴールの2030年に向けて、当社の製品について、資源循環しやすい素材への転換などの取組を進めていく考えです。

株式会社ヤクルト本社の皆様、
インタビューのご協⼒
ありがとうございました。
※インタビューで扱った内容は
企業が取り組むSDGsの一部です。

お問合せ先

食料産業局企画課

代表:03-3502-8111(内線4135)
ダイヤルイン:03-6744-2064
FAX番号:03-3508-2417