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農林水産省

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第1回 2018年漁業センサス研究会 議事録

1. 日時

平成28年10月4日(火曜日) 16:00~18:16

2. 場所

農林水産省第2特別会議室

3. 出席者

(委員)
五日市 周三   大森 敏弘   加瀬 和俊   工藤 貴史
小林 憲     松尾 和子   行友 弥
水産庁漁政部企画課長(オブザーバー)

(農林水産省)
大臣官房統計部長 管理課長 統計企画管理官 センサス統計室長 他

4. 議事

(1) 水産統計の概要について

(2) 統計委員会答申等への対応方針について

(3) 2018年漁業センサスに向けた課題と対応方針について

(4) その他  

 

〇山崎センサス統計調整官
定刻となりましたので、ただいまから第1回2018年漁業センサス研究会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
議事に入りますまで、本日の司会進行を務めさせていただきます統計部センサス統計室センサス調整官の山崎と申します。
よろしくお願いいたします。
それでは、初めに本研究会の開催に当たりまして、佐々木統計部長からご挨拶申し上げたいと思います。
よろしくお願いします。

〇佐々木統計部長
皆様こんにちは。
統計部長をしております佐々木でございます。
本日は、お忙しい中、そしてまた10月で史上最高の気温の日にお運びをいただきまして、本当にありがとうございます。
そして、この研究会の委員としてお引き受けをいただいたことを改めまして心から御礼を申し上げる次第でございます。
この研究会は、来る平成30年11月に実施を予定しております2018年漁業センサスに向けまして、幅広く、いろいろなお立場からこのセンサスにかかわっていただいておる方々にお集まりをいただきまして、それぞれのお立場からの貴重な知見を頂戴して、実施に向けて遺漏なきよう図っていきたいということで開催するものでございます。
私ども農林水産省では、水産業の成長産業化ということを推進するべく、「浜の活力再生・強化」「水産物の流通促進と需要・消費の拡大」「水産物の輸出促進」といったことを図ることとしております。
これからの水産関係の施策の展開方向につきましては、水産基本法に基づきまして新たな水産基本計画を策定するべく議論を重ねていただいているところでございまして、来年の春に新たな計画が策定される予定ということでご議論をいただいているところでございます。
漁業センサスは、農林水産省で実施しておりますさまざまな水産関係の統計調査の母集団となるものでございまして、我が国の漁業の基本構造を把握するための重要なデータを提供して、そしてさまざまな具体的な施策に活用していただくというふうな役割を担っているものでございます。
引き続き水産施策の推進に必要なデータをきちんと提供していかなければいけませんので、そしてまた新たな水産基本計画に即して新たに必要となる、そういうニーズにも応えながら調査を設計していく必要があると思っております。
一方では、調査の対象となる方々が高齢化が進んでいるとか、あるいは個人情報の保護の意識が大変高まっておりまして、調査を実施する上では、必ずしも環境が好転しているというよりは、むしろ困難な面がふえてきているという状況だと認識しております。
こういった課題をクリアするためには調査方法をどうしたらいいのか、あるいは調査の内容をどういうふうに見直していったらいいのかといったことなども課題でございまして、そういった方面の課題をクリアして、効率的でかつ円滑に調査を実施するようにしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
いずれにいたしましても、私どもが作成しております農林水産統計はさまざまな施策の企画立案や、あるいは推進をしていく上での基礎となるものでございまして、いわば行政を支えている情報インフラと言えるものでございます。
これらの役割をきちんと今後とも果たしていくために、引き続き信頼性の高い統計情報の作成と、わかりやすい形での発信ということに努めてまいりたいというふうに思っております。
私どもの世界で最近のトピック的なものを1つご紹介申し上げますと、農業の分野でございますけれども、農林業センサスは農業集落ごとにさまざまなデータを見ることができるというのがほかの役所がつくっている統計と違う特徴点なわけでございますけれども、そういう切り口で私どもが行っておる調査以外に国勢調査の結果とか経済センサスの結果なども農業集落単位でデータを推計いたしまして、それらを一括して総覧できるようなデータベースを構築して、私どもの役所のホームページで公開をしているところでございます。
これをご活用いただければ、さまざまなデータを組み合わせて横断的な分析をすることができますし、それを地図上に色分けして表示をすることもできるということでございまして、地域の活性化に取り組んでいただく自治体の方々等に、あるいは学識者の方々等にご活用いただきたいということで利用の促進を図っているところでございます。
「地域の農業を見て・知って・活かすDB」というふうに銘打ちまして公開しているところでございますので、諸先生方におかれましてもご一覧いただければ大変ありがたいなというふうに思っているところでございます。
委員の皆様方には、漁業センサスを取り巻くさまざまな諸課題に的確に対応し、利用者の方、実施者の方、そして調査対象者の方や国民の皆様に幅広くご活用いただけるようにそれぞれの視点を踏まえたご意見を賜りたいと思っております。
それから、今日もご説明をお願いしておりますけれども、新たな水産の基本計画の策定というのが一方で行われておりますので、それらも見据えたご議論もこの場で頂戴できればありがたいというふうに思っているところでございます。
こういう会議でございますので、忌憚のないご意見をざっくばらんに頂戴できれば、大変ありがたいと思っておりますので、何分よろしくお願い申し上げます。
それから、場合によりましては、国会の業務の関係で、私、中座をさせていただく場面があるかもしれませんけれども、その際にはご容赦いただきたいと思いますので、あらかじめお断りを申し上げておきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
ありがとうございました。
それでは、本日ご出席いただいております委員の皆様をご紹介させていただきます。
五十音順にご紹介させていただきますが、まず最初に岩手県農林水産部水産担当技監兼水産振興課総括課長の五日市周三様でございます。

〇五日市委員
五日市でございます。
岩手県でございます。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
続きまして、全国漁業協同組合連合会常務理事の大森敏弘様。

〇大森委員
大森でございます。
よろしくお願いします。

〇山崎センサス統計調整官
続きまして、帝京大学経済学部地域経済学科教授の加瀬和俊様です。

〇加瀬委員
加瀬でございます。
よろしくお願いします。

〇山崎センサス統計調整官
続きまして、東京海洋大学海洋政策文化学科准教授の工藤貴史様でございます。

〇工藤委員
工藤です。
よろしくお願いします。

〇山崎センサス統計調整官
続きまして、一般社団法人大日本水産会常務理事の小林憲様でございます。

〇小林委員
小林でございます。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
続きまして、長崎県県民生活部統計課長の松尾和子様でございます。

〇松尾委員
松尾でございます。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
続きまして、株式会社農林中金総合研究所特任研究員の行友弥様でございます。

〇行友委員
行友と申します。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
なお、もう一人委員の方がおられまして、鹿児島大学水産学部水産学科准教授の久賀みず保様におかれましては、本日は所用によりご欠席ということになっております。
本日は、以上の7名の委員の方で進めさせていただきたいというふうに思っております。
また、オブザーバーとして、本日水産庁漁政部から中企画課長にご出席をいただいております。
ご紹介いたします。

〇中水産庁漁政部企画課長
中でございます。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
よろしくお願いいたします。
続きまして、当省の事務局側を紹介させていただきます。
こちら側の真ん中は、先ほどご挨拶いただきました佐々木統計部長でございます。

〇佐々木統計部長
改めましてよろしくお願いします。

〇山崎センサス統計調整官
こちら側からご紹介させていただきますが、統計部管理課長の深水管理課長でございます。

〇深水管理課長
深水でございます。
よろしくお願いいたします。
お世話になります。

〇山崎センサス統計調整官
同じく統計部栗原統計企画管理官でございます。

〇栗原統計企画管理官
栗原と申します。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
私は、先ほど申し上げました本日の司会進行の山崎でございます。
そして、私の隣にいるのがセンサス統計室で構造企画班を担当しております課長補佐の坂井でございます。

〇坂井経営・構造統計課課長補佐
坂井でございます。
よろしくお願いします。

〇山崎センサス統計調整官
あと部長の左側におりますが、統計部センサス統計室の高見室長でございます。

〇高見センサス統計室長
高見でございます。
よろしくお願いいたします。

〇山崎センサス統計調整官
その隣がセンサス統計室で漁業センサスを担当している担当班課長補佐の島内でございます。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
島内です。
よろしくお願いします。

〇山崎センサス統計調整官
以上で出席者の紹介を終わります。
次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
議事次第がお手元にあるかとは思いますが、その裏面に資料一覧が書いております。
お手元の資料と一致しているかご確認をお願いしたいと思います。
資料1が2018年漁業センサス研究会開催要領、それから資料2が2018年漁業センサス研究会開催計画(案)、それから資料3が我が国水産業の現状、資料4が1枚紙で水産日本の復活、あと資料5が漁業センサスの概要になります。
資料6、2013年漁業センサスに関する統計委員会答申における指摘と対応方針というものがあるかと思います。
続きまして、資料7が統計調査における労働者の区分等に関するガイドラインへの対応方針。
最後の資料になりますが、資料8、2018年漁業センサスに向けた課題と対応方針という資料になっています。
あと最後のほうには参考資料として、参考1、統計委員会について、参考2が統計委員会の諮問第48号の答申です。
漁業センサスの変更及び漁業センサスの指定の変更(名称の変更)について。
それから、最後が参考3になりますが、2013年漁業センサス調査票の様式が前回調査の調査票様式がついているということでございます。
よろしいでしょうか。
不備があれば、申し出ていただきたいと思います。
それでは、まず最初にこの研究会の運営等につきまして、事務局の島内補佐のほうから説明させていただきたいと思います。
よろしくお願いします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
それでは、研究会の運営につきまして、まず資料1、研究会の開催要領を準備しております。
こちらにつきましては、ポイントを絞って説明させていただきます。
まず第1の「目的」につきましては、先ほどの部長の挨拶と重なりますので大部は省略させていただきますけれども、調査全体の実施計画を作成することを目的として研究会として開催するものでございます。
「研究事項」につきましては、1つ目として「新たな施策ニーズへの対応」、2つ目といたしまして「調査方法等の見直し」、3といたしまして「実施計画の策定」、4といたしまして広報戦略等の「その他」のことを研究事項としております。
第3に「構成」ですけれども、皆様に加えまして、必要に応じまして委員以外の有識者の参加を求めることができることとしております。
2にまとめておりますけれども、座長につきましては、委員の互選で決めていただきたいと思っておりまして、座長代理につきましては座長が指名する方ということにさせていただいております。
第4の「運営」につきましては、いま一度ご確認いただきたい点につきまして説明させていただきますと、まず2にありますとおり、研究会は意見交換の場であります。
研究会における意見の取りまとめにつきましては、あくまで意見交換の結果と位置づけさせていただきたいと思っております。
4と5に記しておりますけれども、研究会につきましては原則公開とさせていただきまして、議事録を作成して公表することとしております。
引き続きまして、資料2を御覧願います。
開催計画(案)を示しております。
本日が10月4日の第1回目になりまして、この後、統計委員会答申等への対応について、2018年漁業センサスに向けた課題と対応についてご審議いただきまして、年度内は、合計3回予定しております。
第2回目につきましては12月を予定しておりまして、調査方法等の見直しについて、試行調査計画案についてご審議いただければと思っております。
第3回目は年度末、3月になりますけれども、このあたりで水産基本計画のめども立っており、もしかすると、もう閣議決定もされておるタイミングかもしれませんけれども、議題といたしましては、新たなニーズへの対応について、調査票、調査項目、集計事項についてもご審議いただければと思っております。
年度内、28年度におきましては、もし可能であれば、現地実態把握とかも実施できればと思っているところです。
年度変わりまして29年度につきましては、当面7月に試行調査を実施予定です。
試行調査の結果を受けまして、29年10月に第4回を予定しております。
この段階で試行調査の結果につきましてご報告させていただきまして、それを踏まえた本体調査の実施計画案についてご審議いただきたいと思っております。
その結果をもちまして統計委員会というものに臨みまして、その統計委員会の結論が出た30年3月に最終回を予定しているところです。
以上です。

〇山崎センサス統計調整官
ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見はございますでしょうか。
ご質問、ご意見等がないようでしたら、ただいま説明いたしました研究会開催要領にもありますとおり、座長並びに座長代理をそれぞれ1名置くということになっております。
座長の選出をしていきたいと思いますが、研究会開催要領におきまして、委員からの互選ということにしておりますけれども、どなたか推薦される方がいらっしゃいますでしょうか。
ないようでございましたら、私どもの事務局のほうにお任せいただいてよろしいでございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

〇山崎センサス統計調整官
ありがとうございます。
事務局といたしましては、加瀬委員を座長に推薦したいと考えております。
どうでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

〇山崎センサス統計調整官
ありがとうございます。
それでは、加瀬委員に座長をお願いしたいというふうに考えております。
加瀬先生、座長席のほうにお移りいただきまして、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、座長代理でございます。
先ほどの研究会開催要領におきまして、座長が指名するというふうになっております。
加瀬座長、ご指名をお願いいたします。

〇加瀬座長
工藤委員にお願いしたいと思います。

〇山崎センサス統計調整官
それでは、工藤委員、座長代理をお願いしてよろしいでしょうか。

〇工藤委員
よろしくお願いします。

〇山崎センサス統計調整官
ありがとうございました。
これにて座長並びに座長代理ともご選出いただきました。
これからの議事につきましては、加瀬座長の司会進行により進めていただきたいと思います。
それでは、座長よろしくお願いいたしたいと思います。

〇加瀬座長
ふつつかですけれども、座長を務めさせていただきます。
漁業センサスでは客体の性格に応じた統計が正確にとられることが何よりも重要だと思いますが、1人でやっている漁業、家族でやっている漁業、そして大きな企業によるものと、客体の性格が非常に違う中で、これらを通して相互に比較をしたり、性格の違いを正確に把握するということが必要になります。
先ほど統計部長も言われたように、客観的な環境、統計の環境が厳しい中でその課題を正確に実施していくという大変難しい要請を受けていると思います。
この委員会は、そうした状況に対して具体的に統計を進めていくためにどうするかということを議論するわけですが、何かの答申をするとか、決定を1つに意見をまとめていくとかいったような義務はなくて、重要なポイントと思われる点をそれぞれの委員の方から自由に発言していただくことになっております。
意見は意見として出していただければいいという自由な会合だということで、そうした点で自由に活発に意見を皆さんから出していただけるような運営をさせていただきたいと思います。
ご協力のほどひとつよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。
これ以降、カメラ等の撮影はご遠慮願います。
それでは、議事の進め方についてですけれども、最初に出発点での認識を一致させるという点から、議題ごとに事務局からの説明を受け、委員の皆さんからご意見、ご質問をいただき意見交換をしていくという形で進めたいと思っております。
タイムテーブルに書かれておりますけれども、それぞれ1、2、3、4ごとに意見交換をしていきます。
それでは、まず(1)の「水産統計の概要」についてご説明を事務局からお願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
それでは、説明させていただきます。
議事のタイトルといたしましては「水産統計の概要」としておりますが、この研究会でご議論いただくベースとして、委員の皆様に共有していただきたい内容について一通りご説明させていただきたいと思っております。
内容といたしましては、資料3で各種統計データに基づく現状の説明、続きまして資料4におきまして「水産日本の復活」ということで、水産施策の現状を水産庁の中企画課長よりご紹介いただく。
資料5におきまして、水産統計調査の体系から漁業センサスについてご説明させていただきたいと思っております。
初めに、資料3の「我が国水産業の現状」を御覧いただきたいと思います。
ページをめくっていただきますと、漁業の生産量を示すグラフをつけております。
確定値ですけれども、平成26年の生産量は477万トンになっておりまして、前年と比べてわずかに減っている状況です。
ピーク時が昭和59年ということで、ピーク時の半分以下となっている状況になっております。
めくっていただきますと、同じような図ですが、これは生産額についてのグラフになります。
これにつきましても、同じく昭和50年後半をピークに減少傾向ですが、平成26年につきましては1兆5,038億円で、前年と比べ若干増加していることになっております。
続きまして3ページ、これは魚介類、海藻類の自給率の推移ということでまとめておりますけれども、自給率につきましては、昭和53年から暫時減少傾向であったのですけれども、ここ10年ぐらいは持ち直している状況が見て取れると思います。
平成25年時点では食用魚介類のほうは60%、海藻類は69%の自給率となっております。
続きまして、輸出の関係をグラフにしております。
27年のデータがありますので、それも含めてまとめておりますが、27年でいきますと、我が国の水産物の輸出は56万トンで前年に比べて増加しております。
輸出額についても同様に前年と比べて増加している状況です。
輸出に対する官民挙げての努力というか、そういったものが実を結んでいる状況が見て取れるかと思っております。
次のページからが漁業センサスの結果に基づくグラフになりますが、冒頭は海面漁業の経営体数の推移です。
これにつきましても、漁業センサスの回を重ねるごとに減少しているという結果になっておりまして、平成25年最新値の漁業センサスのデータでいきますと、約9万5,000経営体となっております。
ページをめくっていただきますと内水面の経営体、こちらにつきましても減少を続けているところでして、最新値でいきますと5,613経営体、内水面の経営体が存在しているということになっております。
次の7ページにつきましては、漁業就業者数の推移ということで、こちらにつきましても経営体と同様に減少傾向でありまして、加えて高齢化の状況もグラフにしておりますが、65歳以上が今のところ、最新値でいきますと全体の35.2%を占める状況となっておりまして、5年前と比べて1.0ポイント高くなっている状況です。
以下、漁業センサスで捉えております漁船の隻数なり魚市場の数、冷凍・冷蔵工場の数、水産加工場の数等の推移を示しておりますので、またお時間のあるときに御覧いただきたいと思います。
引き続きまして、「水産日本の復活」につきまして、中課長のほうからよろしくお願いいたします。

〇中水産庁漁政部企画課長
引き続きまして、水産施策の全体像についてご説明申し上げます。
失礼ですが、座ってご説明させていただきます。
まず、資料に入る前に、水産施策の全体像というものが水産基本法というものに記述されておりまして、日本の恵まれた水産資源を持続的に利用しながら、高度化・多様化した国民の需要に即した漁業生産、加工・流通が行われるように漁港、漁場その他の基盤を整備し、効率的かつ安定的な漁業経営体を育成し、これらが流通等と有機的に連携して健全に発展すること、これらを促していくということが水産施策だということになっております。
こういう観点から、ここにありますように「浜の活力再生・強化」「水産物の流通促進と需要・消費の拡大」「水産物の輸出促進」を図っていくということになっておりまして、その前提として、今、島内補佐からご説明いただいたさまざまなデータというものを生かしていくということになるわけでございます。
今、ご説明がなかったものとして、まず需要サイドの状況としましては、日本の人口減少、高齢化、こういったものが水産に対しては水産物の国内消費の減少ということに大きく影響しているわけでございます。
一方、世界では全く逆の趨勢でございまして、世界の人口増加で発展途上国を中心とする経済成長により、水産物への需要というものは増大しているところでございます。
このような外的な環境の中で、先ほど島内補佐からご説明がありましたとおり、日本では逆に漁業生産が減少し、また漁業の供給能力といいますか、経営体数とか就業者数、あるいは加工工場の数というところも減少しているところでございます。
そういった中でこういう施策を講じているということで、こちらにありますとおり「浜の活力再生プラン」、これは浜ごとに何が自分たちの強みなのかと、何が自分たちでできるのかと、何を守っていくんだということを自分たちで決めて、そのPDCAサイクルをきちんと回して、最終的には5年間で漁業者の所得を10%以上向上すると、このような施策でございます。
これに応じて、我々水産庁としてもさまざまな支援措置を講じることとしております。
その他、2番目の「資源管理の推進と漁業経営の安定」でありますが、資源管理というものが日本の漁業生産を維持・拡大していく上でなくてはならないものだということで、資源管理に参加するインセンティブとして、積立ぷらすのような施策を講じているというところでございます。
左側が漁業経営の効率的かつ安定的な漁業経営を育成していくという観点からの施策ですが、右側の上のほうはもう一方の需要の拡大というところでございます。
日本には、昔からさまざまなすばらしい水産資源があり、それを最大限に活用する食文化というものが根付いているわけでございますが、そういった一方でセンサスの統計等にも如実に表れておりますけれども、消費が低迷しています。
これには、いろいろな要因が考えられると思いますが、そういう中で何とか若い人たち、若い人たちに魚を食べてもらうための施策というものをいろいろ講じております。
先ほど水産物の国内生産も減少しつつ、その一方で世界では人口増加により消費が拡大しているとご説明しましたが、そのような状況の中で日本の水産資源をフルに活用して漁村の活性化を図っていくとなると、やはり生産力も維持する中で、その生産したものをうまく活用していくという観点からは水産物の輸出ということも考えていかなければなりません。
我々の食文化は、世界でも評価されているわけでございますが、そういう我々が先人から引き継いできた資産というものをフルに活用して、経済成長、あるいは地域の発展というものにつなげてまいります。
そのような意図でこのような施策を講じております。
以上でございます。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
資料5までご説明させていただこうと思います。
資料5につきましては、「漁業センサスの概要」ということでまとめております。
ページめくっていただきますと、まず漁業センサスに入る前に「水産統計調査の体系」ということで示す図になりますが、「基本構造」「生産量・生産額」「流通・加工品生産量」「経営収支」という4つに分けておりますけれども、それぞれで把握すべき内容に応じた調査を実施しているところです。
漁業センサスにつきましては、基本構造を把握するための調査といたしまして、5年に1回実施している状況です。
漁業センサスにつきましては、後ほど少し細かく説明させていただきますけれども、この図にありますほかの調査の概要につきましては裏面に整理しておりますので、そちらを参考にしていただければと思います。
3ページ目以降が漁業センサスについての説明となります。
まず役割と位置付けにつきましてご説明させていただきますと、「目的」につきましては先ほども申しましたとおり、我が国漁業の基本構造、就業構造、漁村、水産加工業等の実態を明らかにすることと、各種水産統計調査の母集団情報の提供、この二本立てになっておりまして、それをわかりやすくポンチ絵にしたものが2の「漁業センサスの役割」ということになります。
漁業センサスの中でも、「漁業センサス」と一言で言いましても、海面漁業調査、内水面漁業調査、流通加工調査、この3つに分かれておりまして、さらにその調査の中で細かく調査が仕組まれているということになっておりますが、その結果が上の矢印になりますけれども、施策への活用ということで、水産基本計画の策定の過程であったり、地方交付税の算定、あと漁業調整委員会の費用の算定といったものに使われておりますし、あと地方公共団体のレベルでも水産振興のために使っていただき、内水面、流通加工業の関係でも振興の施策のために利用されているものであります。
もう一方の役割になります母集団情報の提供ということで、下の小さな、真ん中に紫で主な調査を並べておりますが、先ほど申しました水産統計の数多くにつきましては、漁業センサスを母集団として利用しているものです。
その漁業センサスだけでなく、漁業センサスを母集団とする主な調査につきましても、各種施策への利活用のために実施しているという状況になっております。
また、当然のことですけれども、右下に示しておりますけれども、国民の「公共財」としての役割もありますので、政府で実施しました統計調査の結果につきましては、広く国民へ利用していただくために、政府統計の総合窓口、これは「e-Stat」と呼んでおりますけれども、そこに掲載したり報告書を作成していただきまして、国民の皆様の利用に供しているところです。
ページめくっていただきますと、漁業センサスの沿革を示しております。
漁業センサスは初回を昭和24年に実施しておりまして、漁業センサスとして実施するのは、次の2018年漁業センサスが14回目になります。
その間、その時々に応じまして調査体系の見直しを行ってきておりまして、ここまで実施してきている歴史のある調査であるということをご理解いただければと思います。
最後に、5ページ目に2013年のときの漁業センサスの概要をまとめております。
まず、先ほど申しましたとおり漁業センサス、3本の調査に分かれております。
海面漁業調査、内水面漁業調査、流通加工調査それぞれについて色分けして表示しておりますけれども、一番上の海面漁業調査、その中でも漁業経営体調査、これは経営体に対する調査になります。
次は漁業管理組織調査、これは漁業管理組織という我々調査のほうで定義しておる自主的に資源の管理を行っているようなグループ、これに対する調査を実施しております。
もう一つが海面漁業地域調査といいまして、漁協さんを対象にした調査をもう一つ仕組んでおります。
海面漁業調査につきましては、調査時期を11月1日現在としておりまして、この中で覚えておいていただきたいのは、この3つのうち、一番上の漁業経営体調査につきましては、唯一調査系統を都道府県、市町村系統で実施している調査になることです。
今回、委員にもご参画いただいておりますけれども、長崎県統計課さんのように地方自治体の中でも統計主管部局のほうにお力をいただきまして実施しているということになっております。
あと資料には示しておりませんけれども、海面漁業調査でございますので、全国47都道府県のうち、39の沿海都道府県、その中でも沿海市町村のみを対象とする調査になります。
この調査につきましては、7,600人程度の調査員を任命しておりまして、調査対象に調査員が行きまして、調査の記入を依頼、後日回収するという方式で行っております。
調査客体の高齢化ということもありますので、場合によっては、調査員が聞き取って調査票をまとめるということも可能としておる調査になります。
海面漁業調査の残りの2つと、あと残りの内水面漁業調査と流通加工調査、これにつきましては当省の出先機関で実施する調査になっております。
規模は海面の経営体と比べて小さいですけれども、これらも調査員調査で実施しておるところです。
この3つのうち、特に黄色の流通加工調査、これにつきましては、調査票を調査員が回収するかわりにオンラインで行うことも可能としております。
また、調査期日の欄を見ていただくとわかるんですけれども、この調査につきましては1月1日と調査期日を設定しておりまして、これはほかの調査と変えているのですけれども、これは水産加工品の生産量をこの調査票で把握していまして、その把握のためにほかの調査とは時期をずらして実施することとしたために、このずれが生じている状況になっております。
調査事項につきましては、各調査の主な事項を並べておりますけれども、先ほど資料一覧でもご確認いただいたとおり、調査票の様式を参考資料3として準備しておりますので、また説明の中では適宜御覧いただくようなことをお願いすると思いますけれども、ご参考にしていただければと思っております。
以上です。

〇加瀬座長
以上、事務局より水産統計の概要、漁業センサスの内容についてご説明をいただきました。
今の内容に対する質問を含めまして、今日は第1回ということもありますので、各論に入っていく前に総論的な論点、漁業センサスに対するそれぞれの委員の方の注文とか現場での苦労とか、いろいろお話があり得ると思いますので、そうした点について一言ずつお願いいたします。
急な提起ですので、お考えいただくために私のほうから最初に言わせていただきたいと思います。
私などは、いつも漁業センサスをもっぱら利用させていただく立場ですのでどうしてもいろいろな注文が多くなって、ここも調べてもらいたいのにここで調査を止めちゃっていていいのかとか、それからこういうクロス集計はぜひ出してもらいたいとか、いろいろ注文ばかりが多くなるという傾向を自覚しております。
そういう点で、この委員会などで現場でのご苦労とか設計上での各要望のぶつかり合いとか、そうした点をどのように現実的に解決していくのかといった議論ができれば教えられるところが大きいと思っております。
では五日市さんからお願いしてよろしいでしょうか。

〇五日市委員
はい。
岩手県の五日市でございます。
ちょっとすみません、本来のセンサスに関する意見というか、そういうふうなことには恐らく今何をしゃべっていいのかがよくわからない状態なので、ちょっと思いつくままにお話をさせていただきます。
的違いのことが結構あると思いますが、よろしくお願いします。
私も現場で─現場でといいますか、岩手県のほうで漁業の振興、あるいはそういう水産業の振興に携わっている中で今一番大変だなと思っているのが、この資料にもありますように、人が減ってきている、生産が減ってきている、そういうふうなことをこれからどうやってまたストップをかけて、元に戻していくかというところが一番の頭の痛いところでございます。
その中でいろいろ考えてみますと、漁業で、平たい言葉で言うと飯を食っていけないからなかなか人も減ってしまっているんだろうというのが恐らく正直なところだろうと思います。
生産はしているんだけれども、単価がなかなか上がらないとか、その分だけ実入りが悪いとか、そういうふうな構造的な部分がずっと続いて、年をとった方々は今までやってきたからそのまま継続してやっていくけれども、じゃ、そこに新しい人が入ってくるかというと、なかなか厳しい。
これがひしひしと感じているところです。
そこで、統計的に私が一番欲しいなと思うところは、それぞれの経営体ごとにどういう経営をしているのかというところ、そして儲かっている人たちはどれぐらい、どういうことをやって儲かっているのか、あるいは儲かっていない人たち、その他大勢の人たちはどういうふうな生産をやっているのか、こういうふうなところが実際こういうセンサスの中でわからないものだろうかなというところが非常に希望といいますか、望みです。
実際岩手県の我々のほうで独自に調べている中では、なかなかそこまで調べられない、あるいは個々の経営体の中に入っていって調査するにもそこまで入り込めないというふうな部分もあり、若干いろいろ調べていきますと、大ざっぱに言って岩手県の場合200万円以下の人が大体8割ぐらいいるんです。
200万円以下の漁業生産です。
収入ではありません。
所得ではありません。
そして、8割ぐらいの人がいる。
ただ、残りの2割の人で総漁業生産の8割を占めていると。
何かちょっと行ったり来たりですが、そういう構造があるので、じゃ、それをどうすればさらに収入を上げさせていけるかと、そういう元データがこういうセンサスの中、あるいは統計調査の中で少しでも見えてくればいいなというのが希望でございます。
ちょっとしゃべり過ぎていますが、以上です。

〇大森委員
全漁連の大森でございます。
この委員をさせていただくのは初めてでございますけれども、過去5年ごとのこの委員会では、本当にけんけんがくがくの意見があったというふうに先輩方からもお聞きしたところであります。
先ほど座長からもお話があったとおり、特に研究者の方々はセンサスをベースにいろいろな研究をされるという意味で、センサスの中身が変わっていく、簡略化していくということが過去にはあったわけですが、継続したデータをとるという意味でもこのようなことがないようにお願いしたいと思います。
センサスが各種調査の母集団情報の提供なんだというわけですから漁業経営のところは漁業経営調査のところで見ていくんですよということになるわけですけれども、やはり各漁業種類の年齢別の収入構造というのがしっかりと見えていくということが本当に中核をどういう種類のどういう年齢層の方々が担っているのか。
その方々とそれ以外の地域を支えておられる方々や漁村に住んで漁村の機能を維持しておられる方々、それがどういうふうな構成になっているのか。
これが全体的に十把一からげで漁業所得は200万円以下だというふうな形で語られてしまうことを整理する必要があると思っています。
その意味でもこのセンサスの調査の販売金額等がこれらの分析につながっていくということを希望する次第でございます。
よろしくお願いします。

〇工藤委員
私は2003年から2008年、2013年と3回連続で漁業センサス分析をやらせていただきました。
2008年と2013年については個票データをクロス集計させていただく機会にも恵まれまして、漁業センサスの調査データの持っているデータ量の多さといいますか、そういうものに非常に気づかされました。
今大森委員のほうからもありましたけれども、私は年齢別の収入構造を調べたりもしましたし、それによって自分が漁村調査していく中で出てきた仮説を漁業センサスから実証するとか、あるいは漁業センサスから出てきた傾向を現場で調査するとか、そういうようなことをやっています。
私は、「国民の公共財」という言葉が出てきましたけれども、センサス調査でやっている調査票、ここから得られるデータ量って本当はすごいあるわけです。
それを集計の結果、現在の集計結果になっているわけですけれども、いろいろな分析方法で、よりセンサスデータが生きていく局面というのは、もっとあるなと思っています。
ただ、それはもちろんこうやればこういうデータが出るとかいろいろあるんですけれども、そういうことも漁業センサスのアウトプットの仕方というのは、もう少しやりようがあるんじゃないかなというふうに感じています。
というのは、今「e-Stat」です。
エクセルデータでデータが配信されているわけですけれども、データになっているわけですから、いろいろなカスタマイズして自分の欲しいデータを得るようにするようなプログラムというのは多分できる、技術的にはもう既にできるだろうというふうに感じているんです。
ですから、アウトプットのほうの工夫というのは、技術の発展、特にデータ処理技術の発展に伴って、もっと役立つデータというのが提供できるだけの調査を行っているなというふうに思っております。
ですから、これからはそういう価値をより高めていく工夫というのは非常に必要かなと思います。
それから、今日漁業センサスの沿革というのを資料で見ましたけれども、これを見ると少し心配なのは、まあ、心配か期待かわからないんですけれども、大体3回のセンサスごとに大きく調査内容が変化しているかなという感じがします。
特に顕著なのは、8、9、10次のセンサスが大体同じ内容で来ていたと。
10次から2003年漁業センサス、これも漁業センサスの題名そのものが変わるんですけれども、内容も大きく変わるということです。
私個人は、もちろん調査内容というのは常に継続していってこそ価値がある部分があると思いますけれども、それはそれとして、これから2018年の漁業センサスがどのような調査になっていくのかということに関心を持っておりますので、この委員会でも積極的に発言したいと思っております。
よろしくお願いいたします。

〇小林委員
大日本水産会の小林でございます。
私も大森委員と同じように、今回初めて、このセンサスの委員ということをやらせてもらいまして、恥ずかしながら、日ごろ「センサス」という言葉は耳にしてはいるんですけれども、我々が現場でというか、現実に使っているのは、例えば水産白書とか、一番大もとの資料から最後に出てきた上澄みというんですか、そういうところしか目が行っていなかったということで、大もとの母集団であるところを調査するセンサス、非常に重要だなということを理解しようとしています。
1つは、今回の要領の中でも基本計画に基づく水産政策の推進等に即した統計データということがうたわれているわけで、先ほどの中課長からのご説明の中でも水産日本の復活に向けていろいろやっていく、そういう施策に反映できるような資料ということで、今いろいろ資料のご説明を受けた中で、基本的にこのセンサスをやることによって、現状というんですか、実態を明らかにするということで、確かに先ほど配られた資料の調査票の様式なんかを見ましても、今こうなっていますということはいろいろ出てくるんですけれども、例えば輸出の促進ですとか魚食の推進という話に、果たしてこのデータが使えるのかなというところになりますと、先ほど座長が客体のほうがいろいろあって大変だというところもあるし、調査員の方のほうも非常に少ない人数でやらなきゃいけないというところはわかるのですが、現場で漁業を担われている、また水産加工を担われている方のマインドというんですか、こんなことをしたい、あんなことをしたいというのもわかれば、我々が今後いろいろなところで使うときにも役に立つのかななんて思ったりしています。
ちょっと現実とはかけ離れた意見かもしれませんけれども、あくまでもセンサスはそういった調査をやるための最初の段階であって、センサスはセンサスを利用して、さらに調査をするというときの母集団の調査ということであれば、それに使えるようなデータも一番最初のところでとられたほうがいいんじゃないか、というのが今回短い時間で資料を見た中で思った意見です。
今後とも、いろいろ意見出していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇松尾委員
地方の統計課の代表というか、私も実は4月に統計課を拝命いたしまして、まだ皆さんの前でこうだというようなことをお話しすることはなかなかできないんですけれども、先ほど佐々木部長のほうから統計というものが私ども認識しているのが、いわゆる自分を映す鏡であると。
ですから、今回のセンサスは漁業者の方の協力がなければ成り立たないもので、漁業者の方の姿をそのまま映す。
ただ、先ほどの個人情報に関する保護意識の高まりですとか高齢化ということと、そういうことで調査が非常に難しくなってきていますので、実態がそのまま素直に跳ね返らないと。
そうすると、自分の姿を心底ちゃんとした姿になって見せることができないというようなことになってきているのかなと。
それがそのまま政策に反映してしまいますので、自分の姿をきちんと見せていないような状況の中で補助金だったり、交付金だったりというような話になってきてしまっているので、結局は自分の身に返ってきてしまっていると。
そもそも論で、あり方論で理想的な話かもしれませんが、統計というのは自分のためにあるものだという意識をいま一度醸成させるということがまず大事なのかなというふうに思っています。
そのためには普及啓発活動、それから子供のときからの教育。
統計というものがもたらす効果というものを一朝一夕には語られませんけれども、長いスパンでそういうのを培っていく、醸成していくということが大切なのかなというふうに思います。
センサスとはちょっと話がかけ離れてしまっていますけれども、まず国民の意識づけというところが大事なのかなというふうに考えています。

〇行友委員
私は、この中で異質な存在だという自覚がありまして、若干自己紹介を兼ねて発言させていただきますけれども、私は何の専門家でもありませんで、もともとは4年ぐらい前までは毎日新聞という新聞社で記者をしていました。
ここの農林水産省の記者クラブにも実は累計で言うと7年ぐらいいた格好になって、当然、水産業だけじゃなくて、むしろ農業がウエートとしては大きかったんですけれども、水産関係の記事も書いていました。
私がいたころはマグロの資源管理の問題とか、IWCの鯨の問題とか、ウナギはまだ余り騒ぎになっていなかったですけれども、そんなような記事を書いていた人間です。
ですので、基本的には素人なんですけれども、マスコミ出身という立場から言えば、どんな統計もそれをきちんと国民─まあ、「国民の公共財」というような言葉もありましたけれども、国民に幅広く共有されて活用されるようにならなければ意味がないと思います。
もちろん、行政官とか研究者にとっても大きな、むしろそういう方々に活用されているものだとは思いますけれども、一般の素人の国民も、「あっ、そうか。
今日本の漁業ってこういうことになっているんだ」ということで、それが例えば消費行動にも、あるいは生産現場にも自分も関わってみようというような、そういう興味を引き出すような形で活用されていかないと意味も薄れてしまうのかなと思います。
まあ、何人かの方がおっしゃったことと重なると思うんですけれども。
そういうことで言うと、私は本当に知らないんですけれども、最近は結構、漁業にも若い人が入ってきて、何かイケメンの漁師さんがこんなにいるんだよみたいなことをテレビの番組だとか、いろいろな読み物なんかで拝見したりして、へえ、そうなんだと思ったり、あるいは未利用魚というんですか、余り市場に出回らないけれども、特定の地方で消費されていて、そういうものも結構おいしいものがあるし、また活用次第によっては魚食の振興なんかにつながっていくんだよなんて話、いろいろな話題があると思うんです。
もう一つ言うと、何か宮城の水産特区の関係で何か漁協さんというのが漁業権という既得権を不当に抱え込んでいるみたいな話になって、これをぶち壊すのが改革だみたいな話が結構まかり通ってしまったりしていますが、そんな乱暴な話じゃないだろうと思います。
もう少し丁寧に現場がどうなっているかわかった上で報道しないとミスリードになるのではないかというふうに、マスコミ出身の私なんかは心配になってしまいます。
そういったことにセンサスがどこまで応えられるかどうか正直わかりませんが、国民に水産業、漁業に対しての理解を深めて、逆に言うと誤解を解いていくというようなことが必要だと思います。
それには調査の仕方にも何か工夫が必要でしょうし、あるいは調査結果をどういう形で国民に発信していくかということも考えなければいけない。
そういう観点でこれから─まあ、大した知見もないんですが、発言させていただこうかなと思っています。
ありがとうございます。

〇加瀬座長
委員の皆さん、どうもありがとうございました。
総論的なご発言をいただきました。
例えば、アウトプットの工夫で、相当部分、論点を進められるような仕方ができるんではないか、工藤委員のご発言にありましたけれども、そうした点を含めて、この委員会では今のところ予定されていない論点もかなり出たかと思います。
そうしたものが議論の中で深められるような形になればありがたいと思っております。
これから各論の中に入っていくわけですが、各論の中で関わる論点については、ぜひ発言をお願いしたいというふうに思っております。
それでは、各論の第一としまして、統計委員会答申等への対応方針について、事務局より説明をお願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
この議題におきまして説明させていただく資料は6と7になります。
その前に参考資料の1と2で、既に何度か口に出してしまっていますが、統計委員会、また答申について説明しておきたいと思います。
まず、「統計委員会について」ということで参考1のほうを御覧いただきたいと思います。
統計委員会につきましては、統計法に基づきまして総務省に設置されている機関です。
統計法において、統計委員会で審議する事項が幾つか規定されておりますが、そのうちの1つに基幹統計調査の承認・変更・中止という規定があります。
漁業センサスにつきましては、ここで言う基幹統計調査に該当するという整理になっておりまして、その変更なりをする場合は、一番下にポンチ絵をつくっておりますけれども、変更する場合は、まず農林水産省のほうから総務省に承認申請して、総務省が統計委員会に対する諮問を行う。
統計委員会のほうは一定の議論をした上で答申を出すということになって、その答申に基づいて総務省が農林水産省へ承認するという運びになります。
統計委員会での議論につきましては部会に付託されている状況です。
部会というのは、統計委員会の中で幾つか設置されておりますけれども、漁業センサスの場合は産業統計部会、こちらのほうで審議を受けるということになっております。
以上が統計委員会の概要ですけれども、統計委員会の組織ではございませんが、統計関係にも基本計画というものがありまして、最新のものでいきますと、平成26年3月に閣議決定された統計の基本計画があります。
その推進のために各府省が集まる会議がありまして、そこで政府統計全体で進めましょうといった議論になっているものもあるということをこの場でご紹介させていただきます。
参考2に移りますけれども、これが2013年漁業センサスの承認の際に出された答申になります。
1ページ目の真ん中のほうに「本調査計画の変更」ということで、1「承認の適否」となっておりますが、文章の最後のほうに、「変更を承認して差し支えない」という結論に至っておるわけですけれども、その審議の過程が「理由等」にまとめられております。
当初計画のものは適当であれば適当である旨、あと変更の必要があれば適当であるが何とかを指摘するといったようなまとめになっておりまして、審議の過程で今後の課題と整理される場合もありますので、それが今この参考資料でいきますと17ページになりますが、今後の課題として整理されている状態です。
2013年漁業センサスの答申の場合は、2点ほど今後の課題として受け取っておるものがあります。
1点目は、「OCR対応調査票の導入に伴う公表早期化の検討」ということで、そもそも漁業センサスでは2010年の行政事業レビューにおいて予算の効率化等のために調査票データについてはOCR読み取りで対応することを検討せよという指摘を受けておりまして、その指摘を受けまして省内で検討しまして、導入する計画で統計委員会に諮ったところです。
統計委員会の議論におきまして、せっかくOCR導入するなら公表の早期化も視野に入れて、なるべくOCRのメリットを生かして公表の早期化についても検討すべきとの発言が議論の過程でありましたので、こういった課題として整理されているところです。
2点目につきましては、「インターネットを用いた回答方式の利用向上に向けた対応策の検討」ということで、いわゆるオンライン調査のことです。
漁業センサスにおきましては先ほど説明しましたとおり、3つある調査のうち、流通加工調査におきまして2008年漁業センサスからオンライン調査を導入しております。
その際、2008年のときも利用率が極めて低い状態でしたので、2013年の実査のときに利用促進を図られていない原因の把握を行って、次回2018年漁業センサスになりますけれども、その企画までに利用の向上に向けた対応策を検討するという旨の内容になっております。
この2点に対する対応方針案を資料6に整理しておりますので、資料6を御覧いただければと思います。
まず1点目のOCR対応調査票の導入に伴う公表の早期化の件ですけれども、端的に申しますと、OCR読み取りがなかなかうまくいかなくて、読み取り精度がよろしくない状況でございました。
その修正作業にかなりの時間が生じてしまったということもありまして、データ入力から公表に至るまでの期間の短縮にはつながらなかったというところです。
このため、2018年漁業センサスにおきましては、OCR対応調査票を継続するか否かを含めて検討してまいりたいと思っております。
ただし、答申の趣旨になります公表の早期化、これにつきましては不断の努力が必要であると思っておりますので、引き続きの検討事項としていきたいと思っております。
2点目のオンライン調査の件につきましては、そもそもオンライン調査につきましては国が実施する調査に対しては、漏れなく導入とか推進の検討を求められている状況ですので、これまで漁業センサスにおきましては流通加工調査だけに導入してきたところですが、全ての調査においてオンライン調査を導入することを検討していきたいと思っております。
その際、ただ導入しますよということでは困りますので、答申で求められているとおり、利用率向上に向けた対応策をとっていきたいと思っておりまして、その一助としまして、2013年漁業センサス流通加工調査におきましてアンケートをしております。
そこでわかった点を生かして利用率向上に取り組んでいきたいと思っておりまして、アンケート結果を含めまして、2013年のオンライン調査の状況を別紙に整理しております。
まず何度も繰り返しになりますけれども、対象調査、これにつきましては流通加工調査になりまして、対象数は魚市場調査のほうが859、冷凍・冷蔵、水産加工場調査のほうが1万とちょっとになります。
利用率につきましては、全体で1.9%、魚市場調査につきましては1.4%、冷凍・冷蔵、水産加工場調査につきましては2%のオンラインの利用にとどまっております。
資料には整理していないですけれども、我々もただ関係資料の配布だけで、客体に対してオンライン調査もできることをお願いしたわけではありませんでして、本調査におきましても、調査員が客体のほうには伺い、その際に調査の趣旨説明、記入の依頼をしますので、そこであわせてオンライン調査の回答も可能であるということを説明したところで、2008年の漁業センサスよりは導入率がわずかではありますが、増加している状況です。
オンライン調査を利用しない理由につきましてのアンケートの結果を表にしております。
真ん中の表を見ていただきたいのですが、そもそも調査員の説明を受けた時点でほとんどの方、一番右の欄を見ていただきたいのですが、それぞれの調査におきまして96%ぐらいの方々が紙の調査票を選択するということにしております。
その理由を選択方式で把握しておりまして、複数回答になりますけれども、その結果を下の紫の表で示しておりますけれども、一番左にある「紙のほうが簡単に回答できそう」、これが一番多く、続きまして「操作ガイドを読むのが面倒」という理由が続いております。
こういった方に対しては何らかの対応策があるのではと考えておるところですけれども、右のほうになりますが、「セキュリティが不安」といった方や「インターネットが利用できる環境にない」「パソコンの操作が苦手」といったような方に対しては、なかなか対処しづらい状況であるのかなと思っているところです。
こういったアンケートの結果を踏まえて、本体資料のほうに戻っていただきたいのですが、利用率向上に向けた対応策を考えているところです。
まず、皆様により知っていただく必要があるということで、調査の広報の段階でパンフレットをつくっているのですけれども、そういった広報の段階でオンライン調査が可能であることも記載してPRに努めていきたいと思っております。
また、調査員から「オンライン調査ができるよ」だけではなくて、そのメリットを確実に伝えていただいて、紙のほうが簡単に回答できそうといった方のハードルを少しでも下げられればと思っているところです。
IDの配布をこれまでは希望者、オンライン調査をやるよと言った方のみ配布してきたところですけれども、もしIDを全部配布しておけば、その後も心変わりでやってみようと思った方でも、その切りかえに対応できますので、IDについては全ての調査対象へ配布すれば利用率が少しでも向上するのではないかと思っているところです。
あと操作ガイドを読むのが面倒と思う方もある程度いらっしゃいますので、その方々に対応するために操作ガイド簡易版、2013年で配布した操作ガイドというのは、10ページ以上もありましたので、それはそれとして必要ですけれども、こんな簡単にできるよといったような趣旨が伝わるような簡易版を作成して配布すれば、こういった負担感について軽減できるのではと思っているところです。
あと最後に掲げておりますのが、オンライン調査票、もともとPDF形式で紙の調査票をイメージしたそのものの調査票に入力してもらうようなつくりだったのですけれども、HTML形式ということで変更することを予定しております。
それに加えて、画面遷移をスムーズに。
例えば、次にどこ進めばいいのかなと迷うようなことがないように画面遷移を設定することで操作性の向上を図って、せっかくオンライン調査を始めたけれども、面倒くさいから途中で紙に切りかえるといったようなことがないように措置していきたいと思っております。
これ以外にも実査までにさらなる良策を思いつけば、少しでも利用率向上に向け対応していきたいと思っております。
引き続きまして、資料7までまとめて説明させていただきたいのですけれども、先ほど参考1において若干説明しましたけれども、統計の基本計画、そちらのほうで政府統計全体で進めましょうということにしていることがありまして、ついさっき説明したオンライン調査の関係もそうですけれども、ここに整理したのは、統計調査における労働者の区分等に関するガイドライン、こちらへの漁業センサスにおける対応につきましてご説明させていただきたいと思っております。
そもそものガイドラインにつきましては、1においてまとめておりますけれども、統計の有用性を一層高める観点から、統計調査における労働者区分について、統計間の比較可能性の向上等を図るために各府省が一体となって推進するための指針として、「各府省統計主管課長等会議申合せ」として策定されているものです。
その中で、各府省はこのガイドラインの趣旨・目的を踏まえて、順次ガイドラインの全部、または一部を適用する可能性を検討して、統計間の比較可能性の向上に努力せよということになっておりまして、具体的な内容につきましては図1を見ていただきたいんですが、これはそのガイドラインから抜粋した図ですけれども、労働者区分についてレベルはいろいろあるのですが、直接雇用と間接雇用、こちらのほうを調査事項としている調査につきましては、引き続き区分せよ。
第2レベルのほうを見ていただきたいのですが、こちらにつきましては常用労働者と臨時労働者の区分をする場合につきましては定義を簡素化せよ。
レベル3につきましては、常用労働者のうち正社員であるか否かといった処遇を調査事項としている調査につきましては、客観的な指標をもって区分せよといったことが求められているところです。
その中の常用労働者と臨時労働者の区分につきましては、定義区分の明確化を求められておりまして、それをあらわした図が次の2ページ目になります。
これにつきましてもガイドラインの抜粋をした図になります。
結論といたしましては、下に「新たな区分」として整理されておりますけれども、雇用契約期間による切り分けのみで判断しましょうということになっておりまして、労働者のうち、無期雇用労働者と有期雇用の労働者のうち、1カ月以上の雇用契約期間を持っている方、この人たちを常用労働者と呼びましょう。
有期なんだけれども、雇用契約期間が1カ月未満であったり、また日々雇用である方々については臨時労働者と整理していきましょうということを求められているところです。
それを踏まえまして、漁業センサスの対応方針につきましてですが、3ページを見ていただきたいんですけれども、まず基本的な考えといたしましては、漁業センサスにおいて常用労働者を把握して統計間の比較可能性の向上に寄与していきたいと思っております。
その際、現行調査票におきまして従事者数を把握しておりますので、その従事者数を把握する流れは最大限生かしつつ、調査項目の工夫をしてガイドラインに即した対応をとるつもりでおるんですけれども、一部ガイドラインが求めている常用労働者の内容に対応できないものがあることを対応表として整理しております。
表側がガイドラインにおける常用労働者、こちらの条件になりまして、もちろん、労働者ですので雇用労働に該当するものになりますけれども、ガイドライン上では、有給の家族従事者は常用労働者に含むという整理になっておるんですけれども、漁業経営体調査、海面も内水面もになりますけれども、個人経営体調査におきましては対応できない状況です。
というのも、調査票を見ながらご説明させていただきたいので、参考3の調査票様式集のほうをお手元にご準備いただけますでしょうか。
この調査票様式集ですけれども、9種類調査票がありますが、それ全て一まとめでとじておりますけれども、表紙をめくっていただきますと、最初に海面漁業調査の漁業経営体調査票の個人経営体用の調査票から最後、冷凍・冷蔵、水産加工場調査票までセットでとじておりますが、真ん中より若干右のほうに一連のページ数を振っておりますので、そこをもとにページをめくっていただければと思いますが、今回説明させていただくのは2ページ目と3ページ目になります。
個人経営体の場合、家族の状況を「漁業を行った人」ということで聞いております。
要は個人漁業経営体の家族の状況、これ自家漁業に参加したとか、そういった状況を調べておるんですけれども、その中で漁業への従事状況は聞いておるんですけれども、先ほどのガイドラインが求めるような有給・無給であるといったようなことを把握しておりませんでして、ここにあえて調査項目とするのは調査協力の観点で避けたいと思っているという趣旨で、先ほどの本体資料のほうの有給の家族従事者を含むことは個人経営体のところでは対応しかねるということでバツをしているところです。
また、その表上、その下の欄、派遣労働者を除くということにもバツをつけております。
これにつきましては、常用労働者から除くということでガイドライン上は整理されておるところですけれども、漁業センサス、先ほどの調査票様式でいきますと、4ページに個人漁業経営体であれば、「自家漁業に雇った人」ということで把握しておりますけれども、そこの雇った人の中で、この中に直接雇用も派遣労働者の方も含めて把握しておりますので、それにつきましては、このままの調査票のイメージで派遣労働者も含めた形で調査項目としていきたいと思っておるところでバツをつけているところです。
ほかの三角につきましては、何らかの調査票の工夫によってガイドラインで求められているものに対応していこうと思っているところですけれども、いずれにしましても、既存の調査項目からの再設定が必要となる部分が多いと思っておりますので、試行調査で検証していくべき内容かと思っておりますので、次回の研究会なりで試行調査票の案を示すときに、こういったものも踏まえたものをつくり込んで、皆さんにお諮りしたいと思っておるところです。
以上です。

〇加瀬座長
どうもありがとうございました。
中身がかなり複雑な話がいきなり出てきましたので、少し時間をとって説明をしていただきましたが、ちょっと時間の節約のために、まず前半のほうの漁業センサスのOCR、コンピュータ化、この点についてどうでしょうか。
議論すべしと言われている内容は、統計部で統計委員会からの指示に対してこういう対応をとるけれども、これでいいかということですよね。
中身を見ますと、省力化、効率化、それから早期の結果公表、これを否定しているわけではもちろんなくて、その方向で努力をする。
しかし、それぞれの回答してくださる方々のご意向からすると、そうそう一挙には進まないということだろうかと思います。
したがって、それが進むように、効率化が進められるように努力はしますけれども、状況を踏まえながら無理をしないでやっていきたいという、そういう趣旨かと思いますので、これは特段議論しなくてもいいかなというふうに思いますが、ご意見があれば、どうぞお願いいたします。
後段のほうが少し時間がかかるかもしれませんので、能率的に進めたいと思いますが、よろしいですか。
それでは、資料6のほうはそうした形で統計部さんからの提起というのは適切なものであると認めるというふうに考えられると思います。
資料7についてですけれども、これは各省庁横断的に労働者の定義というのを定めていきたいと。
したがって、それぞれの項目を調査票の中に組み込んで区分できるようにしたらどうかという提起に対して、農林水産省の統計部の立場としては有給の家族従事者、派遣労働者、これについては調査項目の中に入れるというのは困難であるという見解を現在のところでは持って、そのように対応したいということですけれども、それについてどうでしょうかという中身です。
やや細かなといいますか、実態との関係といった点についてご意見があればお願いしたいと思います。
いかがでしょうか。
それでは意見がないようですので、私のほうから一委員として一言言わせていただきますと、従来家族従事者というのは、ほとんど無給だと理解されていたと思います。
したがって、無給の家族従事者というのがあって、それに対する項目として有給の家族従事者というのはなくて、恐らくそれは雇用者のほうに入れるのか、無給のほうに入れるのかという、そこはそれぞれの人に任されているというような感じだったと思われます。
それで、例えば家族農業協定をやっていて、協定上は給与は払いますというふうにしてあっても、必ずしもその境目というのは、それのとおりにはなっていないというのが実態だろうと思うんです。
ですから、ここのところは、家族の従事者か、それ以外かというところが重要なんであって、無給か有給かというところを調査するというのは、統計的な意味というのは余り大きくないんじゃないか。
したがって、ここの原案で出されているとおり有給家族従事者についてバツという扱いでいいんではないかなというふうに私個人としては思います。
それから、派遣労働者については遠洋漁業の場合に多分多いと思うんですけれども、これは就業形態、雇用形態というのはすごく多様です。
例えば、チャーターバックの形で外国人を乗せる場合を含めて、実態としての外国人をたくさん乗せているというのと、外国人は4割までしか乗せられないという規則との間の問題などいろいろあって、漁業における労働者の扱い方というのは、細かく統計をとり出すと、かなり複雑になるんではないかなという気がしまして、この点も漁業ではやや難しいのかな。
したがって、ここもバツということで引き続き検討にしていいのではないかなというふうに個人としては思いますが、大日本水産会さんいかがでしょうか。

〇小林委員
座長がおっしゃるとおり、マルシップの場合もあるし、それから今法案でも話題になっていますけれども、実習生ですか、そういった話もあるんで、書くほうはかなり相当考えて書かなきゃいけないとなると、客体になられる人はどう書いたらいいんだみたいな話にもなってくると思います。
ただ、個人的にはこういった情報もあったほうがいいかなとは思いますけれども、実際上どうかなと思うと、やっぱり難しいんじゃないかなというふうには思います。

〇加瀬座長
ほかの方、いかがでしょうか。
ではご意見がほかには特段ないということで、一応2名が意見を出したという程度にさせてください。
それでは、続いて議事7の(3)「2018年漁業センサスに向けた課題と対応方針」についてご説明をお願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
資料8について説明をさせていただきます。
2018年漁業センサスに向けた課題と対応方針として整理しておりますけれども、2013年の漁業センサスの実査が終了した時点で都道府県等の調査実務者の方々から意見・要望の把握を行っております。
その際に出てきました内容を課題として位置づけまして、その対応方針案を整理する形で調査ごとに整理したものが資料8になります。
まずは、海面漁業調査のうち、漁業経営体調査についてです。
冒頭の説明でも申しましたとおり、これは唯一都道府県、市町村系統で実施している調査になります。
1つ目からざっと説明させていただきますと、まずこの調査につきましては、11月1日現在の調査になりますけれども、2カ月前に客体候補者の名簿を作成した上で調査員数の確定なりをしていって、調査員を任命、調査員への業務説明を行うようなスケジュールでやっておるわけですけれども、その作業期間が短過ぎてなかなか過密な状態ですということに対して、どうにかしてほしいといった要望になります。
これにつきましては、9月1日時点の作業を1カ月早めて業務の平準化を図っていきたいと思っております。
2点目もよく似た要望になりますけれども、被災地、これにおきましては客体把握の作業が通常よりもその期間が必要になってきますといったようなことでして、先ほどの対応で足りなければ、該当県と連携して十分な準備期間の確保をしていきたいと思っておるところです。
3つ目につきましては、漁業集落の関係でして、海面漁業経営体調査につきましては、漁業集落別という小地域統計を作成しておるところです。
各経営体がどの漁業集落に所在しているかを調査員が判断するのに、言ってしまえば、要望の内容としましては、情報が足りていないということになって、これを改善していただきたいという要望になります。
これにつきましても、境界線を明瞭にした地図を作成・準備して配布することや手引等に漁業集落の説明を加えて、調査員が紛れなく作業できるように措置していきたいと思っております。
4つ目につきましては、調査員の確保の関係で、なかなか調査員のなり手がいないんですといったような中で、報酬単価の増額、これをすれば確保環境が改善されるのではないかというご提案だと思っておりますけれども、これにつきましては、現在の調査員報酬の算出が調査員のもともとの稼働量がありますけれども、それに府省統一になっております基準単価を乗じて算出しているところです。
そういった状況の中、なかなか増額は困難な状況ですけれども、調査員の稼働に見合った報酬となるよう引き続き予算確保には努めていきたいと思っております。
5番目につきましては、調査員ですけれども、これまでは漁協の職員であったり、漁業者やその家族といった漁業に関する知識がある方を中心に調査員をお願いしたという実態がありますけれども、漁業関係者でない方につきましても調査員になるようなケースが増え始めているということで、そういった方々に漁業の知識をいかに習得してもらうか。
その際、視覚的効果のある資料があったほうが良いんではないかという提案になりますけれども、そういったことには前向きに対応していきたいという対応方針案にしております。
6つ目につきましては、先ほど実査前に客体候補者の名簿を作成する作業をすると説明させていただいたところですけれども、これにつきましては、調査票の配布・回収をする調査員とは別の客体把握調査員という調査員を任命しまして作業を行っております。
その客体把握調査員と実査調査員。
客体把握調査員をそのまま実査調査員として任命することが多いので、客体把握と実査を同時期に実施してしまえばいいのではないかというご提案なんですが、そもそも客体把握の作業につきましては、実査調査員の適正な配置のために行っている側面がありますので、客体把握と実査は引き続き別時期に実施することとしますけれども、都道府県において客体把握調査員と実査調査員の一括任命ができるような措置をとっていきたいと思っております。
ページ変わりまして7つ目になりますが、関係機関との連携ということで、漁業センサスは専門的ということもありますので、関係者への協力が不可欠ということの観点で、これまでも本省のほうから協力依頼を関係団体なり、あと県の中でも水産主管課のほうへ協力依頼を発出しておりますけれども、これについて引き続きやってほしいという要望になります。
これにつきましても、当然ですけれども、引き続き対応してまいりたいと思っております。
8につきましては、漁協さんがいろいろな立場で漁業センサスにご協力いただいている状況ですので、これまでブロック単位で県の担当者を集めて調査内容を私どもから説明している場があるんですが、そういった場に漁協さんを呼んで直接説明すればいいじゃないかというご要望なんですけれども、なかなか旅費の関係とかもあって、ということもあるんですけれども、ご要望の趣旨に沿うということで今各都道府県が市町村担当者を招いている説明会があるんですが、その場に漁協の職員の方に傍聴なりの参加をしていただいて、伝言ゲームができるだけ少なくなるような措置ができればと思っておるところです。
9番と10番につきましては、調査項目の関係です。
実査担当者なり記入者の目線で調査項目の改善を具体的に求めているものになりますけれども、これらにつきましては、利活用状況を踏まえまして必要性が低下したものは調査票から落とす。
利活用上、どうしても続ける必要がある内容につきましては、調査票上の説明や記入の仕方、レイアウトの工夫で記入の不備とならないよう措置していきたいと思っております。
11番につきましては、先ほど統計委員会答申等への対応ということで説明したときに後ほどと説明させていただいたところですけれども、このOCR対応調査票の記入に当たっては、読み込みの精度を保つために必要な文字で書く必要があったり、筆圧がある程度以上必要であること、またマルをつける際にもマルをきちんとガイドに沿ってきれいになぞらなければならないといったようなことが必要です。
高齢者が記入するような場合は、そういったことに対応しかねるということもあるので改善すべきという意見が上がってきている状態です。
これにつきましては、先ほども対応案を示したところですけれども、OCR対応調査票から非対応調査票へ再度戻すことも含めてレイアウトを工夫して、万人にとって記入しやすい調査票にしていきたいと思っております。
なお、経済センサスにおいても、1度OCR対応調査票を導入した後、記入者負担の軽減を図る観点から、平成24年度の経済センサス活動調査のほうから非OCR対応調査票に変更しているということも聞いております。
12番につきましては、事務の簡素化の要望です。
これにつきましては、調査員に対しまして旅費を支払うために必要な書類ですので、引き続きの作成をお願いしたいという対応です。
13番、14番につきましては、調査員の安全確保の観点で、13番につきましては家族の同行を認めてほしいということなんですけれども、これにつきましては、家族に対しては補償が整っていないということもありますので、もともと措置してある調査員同士の協力、こちらのほうで安全を措置していければと思っております。
14番につきましては、自家用自動車の使用の際の保険の検討についての要望になりますけれども、これにつきましても自家保険が原則という観点から任意保険の加入や安全運転・安全点検の励行によって対応していきたいと思っております。
ページ変わりまして、15番になります。
これは調査環境の改善の関係で、記入者に対する謝金、要は調査票に記入してくれたら謝金を支払ったり、あと基幹統計調査ですので報告義務があります。
そういったこと、加えて、罰則も規定されておりますので、そういったものの周知をすれば、より調査に協力してくれやすくなるんじゃないかといった観点の要望になります。
1つ目の調査客体の謝金支払いにつきましては、財政上もなかなか厳しい状況です。
ですので、調査協力の向上につきましては、また引き続きになりますが、「パンフレット」や「協力のお願い」といったものを充実させる、あとは広報活動を通じて調査環境の改善に努めていきたいと思っております。
2点目にあります報告の義務や罰則規定の周知につきましては、これ逆効果になることもあり得ますので、関係省庁と連携して慎重に対応していきたいと思っております。
16番、17番につきましては、コールセンター等の充実ということで、前回からコールセンターを設置して調査記入者から問い合わせができるような体制をとったわけですけれども、なかなか運用上、不備な点があったところについて改善を要望しているところですので、これについては真摯に対応していきたいと思っております。
あと1点、コールセンターに電話した際、通話料金がナビダイヤルという仕組みになっておる都合上、若干ですけれども通話料金がかかる仕組みになっておりました。
これにつきましては、フリーダイヤルにすれば、記入者からの費用負担が一切発生しないだろうということでの要望なんですけれども、これにつきましてもなかなか厳しい財政事情ですので即答できる状況ではありませんけれども、今後さらに検討していきたいと思っております。
17番につきましては、コールセンターと似たような趣旨で質疑応答ウェブサイトというものを立ち上げまして、調査員なりが気軽にこれまでの質疑応答について確認できるというようなホームページを立ち上げたところですけれども、調査員の方がもっと利用できる、利便性が向上するような方策があるんじゃないかといったようなご提案をいただいておるところですけれども、まずその内容の蓄積につきましては、これまでのものを参考にしていきたいと思っており、掲載の早期化については、ご要望どおり早期化を図っていきたいと思っております。
ほかの機能の拡張、例えば検索機能とかいったものについても対応していきたいと思っておりますけれども、全て具体的に実現するにはまた予算が絡んできてしまうので、予算に応じて検討していきたいと思っております。
18番につきましては、広報の関係で、広報の大切さにつきましては重々理解しておるところですけれども、なかなか完璧な状態にはならないという中のご提案ということで理解しておりますが、これにつきましても重要性を鑑みまして前向きに対応していきたいという対応方針をとろうと思っております。
19番につきましては、システム関係ということで、まさにこれこそ事務的な内容になってしまうんですけれども、細かい内容について要望がありますので、これについては予算の関係もありますけれども、できるだけ機能として取り込んでいきたいと思っております。
一番下にありますミスのないシステムの開発をお願いするということにつきましては、要は再配信、再配信ということを繰り返してしまったということもありますので、検証を繰り返して、ミスのないシステムで配信できればと思っております。
20番につきましては、調査員の確保が厳しい中、地域の実情に応じた調査方法をとれるよう、調査方法の抜本的な改善を求める声になります。
恐らく郵送調査とかを想定しておるところですけれども、当面、流通加工調査で先行的に導入しておりますオンライン調査の導入から進めていきたいと思っておるところです。
最後もまた事務的なことになりますけれども、市町村担当者の負担軽減に向けて、本省で作成したものについては、各自加工しやすいような状態で提供してほしいということですので、これについても前向きに対応してまいりたいと思っております。
続きまして、海面漁業調査のうち、漁業管理組織調査と海面漁業地域調査の関係になります。
まず、漁業管理組織調査につきましては、新たな資源管理体制が構築されておりまして、漁業者における資源管理の内容の取り組みが資源管理計画として水産庁や県で整理されているという状況の中、調査の効率化が図れるのではないか。
2点目につきましても、漁協を対象にする調査ですけれども、複数の調査に回答する場合がありますので、こういったものも効率化できるのではないかというような意見になります。
これにつきましては、水産庁等におけるデータの整備状況なりを、あと利活用状況もですけれど、確認の上、調査の効率化を図っていきたいと思っております。
海面漁業地域調査につきましては、調査方法の見直しということで、オンライン調査の導入、あと加えて、対象が漁協ですので、郵送調査やオンライン調査の導入を検討してほしいということですけれども、これについては検討していきたいと。
あとプレプリントの導入ということで、調査票上に前回調査の結果を記入しておけば、記入者負担が軽減されるのではないかという観点の要望ですけれども、これも漁協が対象ということで、加えて農林業センサスでも一部プレプリントを対応しておりますので、それと同様の対応を検討していきたいと思っております。
時間の関係もありますので、ここからは飛ばして説明させていただきたいんですが、まず内水面漁業調査のうちの内水面漁業経営体調査につきましては、まず1点目、これにつきましては、行政記録情報を活用すれば、もっとスムーズな調査ができるのではないかという観点ですので、できるだけ対応していきたいと思っております。
あと2番目の調査期日の変更につきましては、内水面漁業経営体調査のうち、水産加工場を営んでいる経営体もありますので、そういったことを踏まえると、調査期日は一緒にしたほうがいいんじゃないかということですけれども、調査の内容に応じて調査期日を設定しておりますので、調査時期の統一はなかなか困難ではないかと思っているところです。
3番の調査方法の見直しにつきましては、内水面漁業経営体調査の場合、山奥に養殖の経営体があって、ぽつんとあるところに調査員を任命するのもなかなか厳しい業務量だよねといったような意見でして、これにつきましては地域の実態に合わせて効率的な調査方法を選択できるように措置していきたいと思っております。
2つはちょっと飛ばさせていただきまして、6番の調査環境の改善ということで、調査協力の向上のために、事前に調査客体にはがきで通知していれば、調査協力の向上になるよというご提案ですけれども、これについてもはがきを利用して効果的な周知を検討していきたいと思っております。
一番下の内水面漁業地域調査につきましては、先ほどありました海面漁業地域調査と同様の内容になっております。
最後が流通加工調査になります。
これのうち、魚市場のほうは、先ほども申しましたように、実は調査期日を1月1日に変えたことで、調査実施期間に年末年始が含まれてしまっております。
これによって調査対象と接触できる日数が減ってしまったことが調査員の負担になっているということですので、この調査実施の期間を、調査期日自体は変更せずに、調査員の稼働の時期をずらすことで対応できないかと思って、全体的スケジュールを考えていきたいと思っております。
冷凍・冷蔵、水産加工場調査の関係ですけれども、これも重複するところは割愛させていただきまして、2番の調査票につきまして、もともと冷凍・冷蔵、水産加工場調査と1つの調査票になっておりますが、冷凍・冷蔵工場部分と水産加工場部分の調査票になっておりますので、これが一緒になっていることはわかりづらいので分けてほしいといったような意見なんですが、これにつきましては経緯がありまして、もともと2つのものであったものを調査客体の重複が多いということで客体負担の軽減という観点から一緒にしたほうがいいのではないかという、それこそ統計委員会のほうでの議論がありましたので、そういった観点で一緒にしたものの、なかなか対応しづらいという状況ですので、調査票のレイアウトとか説明文の工夫で記入がスムーズにいくように措置してまいりたいと思っております。
すみません、ちょっと長くなりましたが、以上で資料に関する説明を終わります。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
時間が余りありませんが、ここのテーマは、かなりご発言があるのではないかと思います。
どうぞ、ご自由にご発言ください。
どうぞ、松尾委員。

〇松尾委員
すみません、ちょっと参考というか、お耳に入れておきたいことがあります。
今年度経済センサス活動調査という経済活動の一斉調査というのをやったんですが、それに伴いまして、昨年度、いわゆる広報という形で各経済団体さんのほうにお願いに上がったりとかというふうなことをしておったというふうに聞いております。
ところが、ふたをあけてみたら、経済センサス活動調査知らない、それから調査票を書く人がいわゆる企業の担当者で、会議なんかに出ていくのは会社の社長さんなので、そういうのがあったのは、そういう伝達は受けていない、まあ、協力はしたくないというようなことをしばしば現場のほうから聞き及びまして、これは私ども反省材料なんですけれども、広報というのをもう少し身を入れてやらないと、右から左にすり抜けていってしまうものなんだなと。
もう一つ、国勢調査というものもございました。
国勢調査、今回初めてオンラインでできるということで、国、それから都道府県のほうでも広報予算というものをいただきまして、オンライン調査というものを重点的にPRできるように機会を設けてほしいということでございましたので、それに向けていろいろな周知活動をやったところですが、実態ふたをあけてみたら、オンラインで、いわゆるパソコンとか、スマートフォンで回答された方は3割から4割ぐらいだったというふうに聞いております。
国勢調査というのは、経済センサスに比べると周知度も認知度も非常に高くて、皆さん、やっぱりしないといけないなというのをわかっていらっしゃるんですけれども、それでもあれだけやって、せいぜい4割かと。
だから、1%のオンラインの回答率がそのぐらいになるまでにどの程度かかるのかというようなことを踏まえたところで、広報のあり方を今までのあり方とは少し違う切り口も考えてみられて、まあ、具体的にどうしろというのは、また議論のあるところかと思うんですけれども、そういう現場の実態があったということをお知らせしておきたいと思います。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。
どうぞ、大森委員。

〇大森委員
教えていただきたい部分も含めてなんですけれども、プレプリントの導入のところなんですが、オンライン上記入する際も、このプレプリントで送付されたものについて直していくという形で、手書きの方は単に、要は過去のデータが調査票の形で送られていく、そういう意味なんでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
オンラインの件は、まだ詳細に詰めておりませんので、また引き続き検討させていただきたいんですけれども、紙の調査票でのプレプリントであれば二段書きになっておりまして、上のほうに前回値、その下に今回記入していただく値をということでセットするのが普通になっております。

〇大森委員
わかりました。
我々もよく過去のデータ、これパソコン上ですと、過去のデータに上乗せする場合は、過去の数字がそのまま残っているようなことも出ますので、オンライン上でも二段書きになっているということであれば、まさに問題はないし、もしそのままということであれば、記入したときに、過去のデータと変わっていないのがこういう項目ありますけれども大丈夫というのが赤字で示されるような、何かそんなものが出てくるとか、そういう工夫も必要ではないかと思います。
よろしくお願いします。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。
どうぞ、小林委員。

〇小林委員
基本的に調査する人と調査される人の要望なので、なるべくそれは酌み上げたほうがいいんでしょうけれども、予算のお話もあるということで、そこは国のほうの方針でされていけばいいんだと思います。
1つ、例えば2ページ目の13番目、「安全確保の一環として、家族の同行」って、ここが何かよくわからないんですけれども、これは例えば調査員が調査しているときに、何か不慮の事故が起こらないように家族を同行させるというふうに読めるのですけれども、こういったところはまさにこのとおり、国の方針どおりでいいんじゃないかと思いますが、これは実際そういったことなんでしょうか。

〇高見センサス統計室長
こちらのほうに書いてあります家族の同行は、国勢調査は調査員の方が多く、1人では危険な目にあったり、事故があったりしては困るんで、家族の同伴を認めているということでございます。
そのとき、家族の方が事故とか何かがあったときに補償しなきゃいけないということになります。
その補償を団体の保険で対応しているのは国勢調査ではできるんですけれども、国の予算措置としては出来ていないため、センサスでは調査員間の対応をお願いしているのが現状でございます。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。
工藤委員。

〇工藤委員
今回の課題というほうは、どっちかというと、調査員からの指摘というのが多いのかなと感じるんですけれども、そういう意味で客体のほうからの意見というのがないとなかなか改善できない部分もあるのかなと。
実際アンケートに答える側として、このアンケート─アンケートというか、記入のやり方とか、そういうものがどうだったかということです。
そこをもう少し欲しいかなと思います。
もう一つは、少し先ほども論点になっておりましたけれども、オンラインです。
オンラインをしなかった人のほうは調査しているんですけれども、している人のほうを調査して、どういうメリットがあったのかとか。
やっぱりこれからは紙のほうがいいとか、そういうやった人のほうの意見というのも重要かなと思うんです。
というのは、やらない人はどっちかというと見ていると、何かちょっと億劫だというか、食わず嫌いみたいなところがあると。
だけど、実際それを越えてしまうと、食わず嫌いじゃなくて、やってみるとこういうメリットがあるというようなことがわかると、そこを中心に、こういういい点がありますよということをアピールしていけば浸透していくこともあるのかなという感じがします。
それからもう一つ、これも調査先との関係なんですけれども、漁業管理組織調査ですとか海面漁業地域調査です。
これは、また各個別の経営体に調査するということではなくて、漁協なり市町村ということだと思うんですけれども、ここのほうもどっちかと言えば、むしろ調査員というよりは客体のほうがどういう難しさ、問題を抱えているかということをもう少し聞けるといいのかなという感じがしました。
私のほうからは、以上になります。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。
行友委員、お願いします。

〇行友委員
今工藤委員がおっしゃったことと重なるんですけれども、オンラインの調査というのは、多分、最初に分厚いマニュアルを見せられて、これを読んでからやってくださいと言われたら、みんな嫌だと思うと思うんです。
案外、いきなりパソコンで画面を見たら、直感的に操作できたりするものなんじゃないかと思うんです。
わからなかったらマニュアルを見てというふうに持っていったほうが多分入りやすいんじゃないかなと。
魚市場とか水産加工場といったところの方々も、今は大抵パソコンで経理処理などをしているはずで、パソコン操作自体が全然できないなんていうことはそんなにないんじゃないかなというふうに勝手な想像で思うんですけれども、それを前提に考えるんだったら、何かマニュアルをどさっとまず与えるみたいなのじゃなくて、画面の工夫なんかもして直感的に操作できるようにした上で、わからなかったら、このマニュアルを見てくださいというふうにやったほうがいいんじゃないかなと。
細かいことですけれども、それが1つ。
それから、これは逆に質問というか、知りたいことなんですけれども、私、東日本大震災の農業の復興というのを最近のテーマとして研究というか、調査していまして、福島なんかへ行くと、漁業自体が試験操業で限られた魚種──まあ、魚種はかなり拡大していますけれども、操業自体が非常に限定的な形でしか行われていなくて、漁業者の方も避難生活をされていたりして、そういう方をどういうふうにフォローしているのか。
例えば、もう漁業をやる意思を失ってしまったような方に対しても意向みたいなことを踏まえて、調査もされているのか。
その辺はどういうふうに整理されているのかなというのを、これは個人的な関心で申しわけないんですけれども、ちょっと知りたいです。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
工藤委員からのご質問、行友委員からのご質問を踏まえて全体的にですけれども、工藤さんからありました客体からの意見につきましては、これもともと都道府県なり市町村の担当者に対する意見・要望を把握しておりまして、その過程で、もし客体の声が届いていれば盛り込まれているものだと思っておりますけれども、この先、試行調査もやっていきますので、その中でも何らかの聴取ができればと今思っておるところです。
あとオンラインの関係は、なかなか2013年のときまでさかのぼって聞きに行くのも中々難しいと思っておるところですが、何らかの工夫で、利用率向上が図れればいいなと思っておるところです。
あと行友さんからありましたオンライン調査の分厚いマニュアルの件につきましても、まさにおっしゃるとおりだと思いまして、一応今想定しているのは簡易のマニュアルチックなやつを1枚ペーパー、1枚、もしくは裏表でやるようなものもつくって負担感を少しでも軽減できればと思っているところです。
あと東日本大震災からの復興の関係で、2013年の実態になってしまうんですけれども、福島についてはまだ漁業者が操業しているような状況ではなかったのでという結果を出しておるんですが、宮城と岩手につきましては、客体把握の段階で休業されている方、もしくは当分やめているような方につきましても、客体名簿のほうに情報として残しておりまして、今2018年の段階で操業を再開されているような方についても漏れなく拾っていけるような体制づくりをしたところです。
それを生かして2018年の漁業センサスにおいても漏れなく調査ができるようにしてまいりたいと思っております。

〇行友委員
逆に再開の意思がないような方をいずれ外していくということもあるんでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
名簿の整備上はそうせざるを得ないかなと思っておりまして。

〇加瀬座長
今の点、ちょっと誤解を招くかもしれませんけれども、やっていない人は調査される客体ではないです。
ただ、客体候補者名簿に残して、したがって2013年は客体にはならなかったけれども、その後復活をして2018年では客体に出てくる。
この客体に出てくる根拠は客体名簿には残してあるからだという、その点がご説明された内容です。
時間がありませんので、私も1つ意見を言わせていただきたいのですけれども、最初の2のところなんですが、被災地への対応という項目です。
ここに客体候補者名簿の作成に十分な期間が必要だとあります。
回答のほうでも十分な期間を確保できるように努めるというふうに、かなり悠長な言い方をされているんですが、私は調査の期間の問題ではなくて、原則が定まっていないことが非常に大きな問題ではないかと思っています。
2013年のときは、避難所や仮設住宅が市町村外に、漁協地区外に出ていても、その漁協の組合員だったという扱いにしてあるんです。
それに対して、次の段階ではどうなるかということが大きな問題になっているわけです。
仮設住宅、あるいは家を漁協地区外にもう建ててしまった場合、それが市町村の外になっていますと、漁協地区の外になっています。
しかし、彼の操業は、旧来の組合員資格のまま旧漁協に所属しています。
そして、彼の養殖漁場はこの漁協の中の一定部分を占めていますというときに、現実的には彼は隣町に移ってしまったのだけれども、隣町の漁協は彼を入れてくれないし、彼に漁場を与えてはくれない。
なぜなら漁場はいっぱいだから。
というような状態のものがあって、この原則をどうするのかというのが恐らく岩手県さんでは大きな問題だと思うのです。
したがって、これは調査期間を十分とればいいという話ではなくて、水産庁さんがどういう方針でやっていくのかという方針の問題です。
私の個人の意見としては、漁場のあり方で、住所は変わったけれども、漁場利用がそのままであるならば、彼は従来の漁協地区の中で漁協地区を拡大するなり、特認の組合員のような形にするなりして、とかくそこで漁業権行使ができるようにするし、経営体としてもそちらの地区に計上するというのが一番影響は少ないのではないかと思いますし、その原則を定めることが、2番の「被災地への対応」というところの大きな問題になると思います。
2013年は被災後だったけれども、これはもう当面仮設住宅だから、それで従来のままだということで来たんです。
ところが、今度は漁協、漁連の意見としては、もう新しいところで組合員資格を変えてもらったほうがいいのではないかというような話もあるのです。
ここのところは、その時点になって混乱しないようにしていただきたい。
この点もう一つは、共同経営がいわゆる「がんばる養殖」「がんばる漁業」の関係で、2013年の時点では共同経営として、したがって、10戸が共同経営をやっていれば1つの共同経営が出て、10人は漁業者としてはカウントされなかったんです。
共同経営の雇用者という扱いでした。
今度はこれが生き返ってくるわけです。
5年間の「がんばる養殖」であれば、共同経営がまだ続く可能性もありますが、実質は、2013年のときは実質共同経営あったんだけれども、今はもう実質はほとんどないんじゃないかと思うんです。
これを共同経営と捉えるか、個人とするかという問題です。
集落営農を集落の団体経営とみなすと、各個人の経営が落ちてしまうということと同じ問題が起こりますので、宮城・岩手に関しては、その点をぜひ詰めてもらいたい。
それは統計部と水産庁、それから各県の間で詰めてもらいたいというのが1つです。
それからもう一つは、先ほど話題になりました一番最後のところにあったプレプリントなんですけれども、これは私はプレプリントをやると、面倒なので、そのまんまの数値を書いてしまうのではないかと思われて、それがちょっと危惧されます。
何日操業しましたか、漁業従事者の就業日数を書くというようなところは、従来どおりの数字がそのまま書かれてしまうのではないかと思いますので、これはむしろ書かないでフリーに考えて、何日だったかなというふうに考えてもらってマルをつけるというほうがいいのではないかと思っています。
これは検討していただければと思います。
そのほかはいかがですか。

〇五日市委員
今まさに加瀬先生がおっしゃったそのとおりのところを私も感じておりまして、東日本大震災の後、先ほど言われたような漁業者の、まず1つは住所要件に関しては、現在のところ他の市町村に住んでいても、あるいは仮設に住んでいても、漁業権の範囲の外にいても、それは旧来のものとしてみなして現在やられていますので、前の漁業権、あるいは養殖の漁場をそのまま使っているというふうな状況がございます。
ただ、今度30年の切りかえがまだありますので、その切りかえの段階でそれぞれの漁業者の方々が、恐らく今もし市町村を離れているのであれば─まあ、市町村を離れて正式に漁業をやっている方々ってほとんど少ないので、正組合員じゃなくて准組合員としてやっているような場合もありますし、実際はもうそういう組合員の人たちも住所が外れれば、正組合員の要件を満たさない、あるいは漁業権の漁場の行使がなかなか厳しいんだということは理解して、それなりの個人個人の考え方でこれから対応していくものというふうにほとんどがなっていると思います。
あともう一点、「がんばる漁業」の養殖業の関係。
これも私たちも最初に統計データ、前回出てきたときに、実際にカウントすると数百人合わないなって思いまして、私たちは県内で使っているときは、原則「がんばる」を1つのものとせずに、「がんばる」に入っている人間が全て個人の経営者だということで、簡便的に私たちは統計上は処理をさせていただいております。
そうじゃないと、極端に漁業者が減ってしまうという部分がありますので。
そういうことも恐らくこれから「がんばる」が終わってきますと、一人一人が自立するという部分が多くなるかと思いますので、若干その辺、また客体の範囲が違ってくるのかなとも思います。
以上です。

〇加瀬座長
そのほかご意見ございますでしょうか。
時間が少し過ぎてしまいましたので、ご意見がなければ以上で終わりたいと思います。
ただ、今日もそうでしたけれども、大変議論盛りだくさんな面がございますので、次回の委員会の日程は大体決まっているようですけれども、どういう議題が議論されるのかというような点については、かなり早目にお知らせいただけますと、各委員とも準備できるかと思いますので、その点をお願いいたします。
最後の議事として、7の(4)に「その他」がございますけれども、委員の皆さん、あるいは事務局、何かございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、司会の役目は以上で終わらせていただきます。
ありがとうございました。

〇山崎センサス統計調整官
ありがとうございました。
本日は、委員の皆様方から貴重なご意見を頂戴いたしました。
ありがとうございました。
本日いただいたご意見につきましては、また今後事務局のほうで検討させていただきたいと思います。
次回、第2回の研究会につきましては、先ほどもお話が出ていたかと思いますが、12月の開催を予定しているところでございます。
改めて日程調整なり議題の早期の連絡なりさせていただきたいというふうに思っております。
お忙しいところとは存じますけれども、またよろしくお願いしたいというふうに思っております。
それでは、これをもちまして第1回の2018年漁業センサス研究会を閉会とさせていただきます。
ありがとうございました。

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