このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

第2回 2018年漁業センサス研究会 議事録

1. 日時

平成28年12月19日(月曜日) 13時00分~15時00分

2. 場所

農林水産省第2特別会議室

3. 出席者

(委員)
大森敏弘   加瀬和俊   工藤貴史   久賀みず保
小林憲    松尾和子   行友弥

(農林水産省)
大臣官房統計部長 管理課長 統計企画管理官 センサス統計室長 他

4. 議事

(1) 漁業管理組織調査について

(2) 調査対象等の定義について

(3) 調査手法の見直しについて

(4) 2018年漁業センサス試行調査について

(5) その他

 

 

〇山崎センサス統計調整官
定刻となりましたので、ただいまから第2回2018年漁業センサス研究会を開催したいと思います。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
最初に、第1回研究会ではご都合がつかずに、ご欠席されておりました委員をご紹介させていただきます。
鹿児島大学水産学部水産学科の久賀みず保准教授でいらっしゃいます。
今日はよろしくお願いいたします。
また、本日、岩手県農林水産部の五日市委員、それから前回、オブザーバーで参加いただいておりました水産庁企画課の中課長ご両名におかれましては、所用により本日ご欠席というふうになっております。
次に、お手元の資料を確認させていただきます。
議事次第の裏面に資料一覧がございます。
御覧いただきながらご確認をお願いしたいと思います。
資料1が漁業管理組織調査について、資料2-1が調査対象の定義について、資料2-2が漁業地区・漁業集落について、資料3が調査手法の見直しについて、資料4-1が2018年漁業センサス試行調査の概要(案)と、4-2が2018年漁業センサス試行調査調査票(案)と、あと資料5が2018年漁業センサス研究会現地実態把握について(案)ということになっています。
あと参考資料として、参考の1から3ということで記載の資料が参考資料としてついていると思います。
よろしいでしょうか。
資料の漏れとか不備がありましたら、大変恐れ入りますけれども、事務局までお知らせいただければと思います。
それでは、早速ですが、これより議事に入っていきたいと思います。
以降の議事進行、加瀬座長のほうによろしくお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。

〇加瀬座長
それでは、第2回研究会を開始したいと思います。
議事の進め方につきましては、本日、議事次第が配付されております。
その他を含めまして5つの議題があります。
短時間で済むもの、少し長く議論を要するもの種々あると思いますが、活発なご議論をお願いしたいと思います。
各議題ごとに事務局から説明をいただき、その後、委員全員からご質問、ご意見をいただいて結論を出しながら進んでいきたいと思います。
まず、第1の議題ですが、漁業管理組織調査について、事務局から説明をお願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
皆さん、こんにちは。
漁業センサス統計班の島内です。
座って説明させていただきます。
まず議題1、漁業管理組織調査についてです。
資料1を御覧いただければと思います。
漁業管理組織調査につきましては、資源管理型漁業の推進に資するために、漁業者自らが行っている資源の管理、漁場の管理、漁獲の管理等の実態を明らかにすることを目的に、昭和63年に実施しました第8次漁業センサスから実施しております。
漁業管理組織と言いましても、何か法令等で定められている組織ではございませんでして、このセンサスにおいて調査上の対象として定義したものでございまして、2013年の実施したときの定義に示しております。
4点ほどありますけれども、この4点全てを満たしている組織のことを漁業管理組織として調査をしたところです。
その4点につきましては、漁場または漁業種類を同じくする複数の漁業経営体が集まっている組織。
自主的な漁業資源の管理、漁場の管理または漁獲の管理を行う組織。
漁業管理について文書の取り決めのある組織。
漁協または漁連が関与している組織ということで、4つの事項を並べておりますけれども、この定義につきましても昭和63年の最初の管理組織調査から幾度か見直しておりまして、より確実に調査ができるよう工夫して進めてきたところです。
本調査につきましては、我が国の資源管理、漁業管理の状況をあらわす統計として調査を続けてきたところですけれども、裏面に移っていただきまして、資源管理の必要性なり重要性は増しておりまして、漁業者にも浸透しているのは実態だと思います。
そんな中、資源管理に係る施策のほうがより体系化されております。
これまでは左上の方に示しておりますけれども、公的規制、資源回復計画に加えて、自主的資源管理、これらによって資源が持続的に利用できるように管理を現場で行ってきたところだと思います。
しかし、平成23年度から、ちょっと下に移っていただきますけれども、資源管理・収入安定対策の導入ということで、国や県が作成する資源管理指針、これに沿いまして漁業者は資源管理計画というのを作成して実施するという新たな体制がスタートしております。
また、右に移りますけれども、養殖のほうにつきましても、漁業改善計画を持続的養殖水産確保法の運用の段階で作成することとなっておりますので、この2つの計画、青色で示しておりますけれども、その内容が一番右に示しております漁業管理組織調査、こちらで把握しております調査内容と重複している状況になりました。
ということもありまして、それぞれ資源管理計画、漁場改善計画の計画数も載せておりますけれども、年を重ねるごとにふえておりまして、政策としては定着しているのではと思っているところです。
こういった情報が水産庁や都道府県でも必要な情報ということで計画的に得られるようになっておりますので、この辺で漁業管理組織調査のほうにつきましては、役割を終了したのではないかという思いで判断いたしておりまして、今回調査の廃止を提案させていただく次第です。
あと参考資料といたしまして、参考1のほうに資源管理計画の記載例と、参考2のほうに漁場改善計画、それぞれ水産庁のホームページから引っ張ってきたものですけれども、事前にお渡ししておりますので、この場で説明することはいたしませんけれども、参考3といたしまして、それぞれの計画と漁業管理組織調査の調査項目、これの対比をつけております。
以上のように、今回2018年漁業センサスにおきましては漁業管理組織調査、こちらを廃止していきたいということを事務局のほうから提案させていただきます。
以上です。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
資源管理に関して、漁業センサスの報告書でいいますと第1巻に収録をされております漁業管理組織調査、これを廃止するという思い切った提案がされております。
この調査につきましては、我々からしますと、これまで内容的に重視をされてきた内容を含んでいる。
それから、資源管理についてさまざまな委員会等で話題になっている問題、そうしたことについても国民が知るためには、これまでは不可欠な統計と理解されていたかと思いますので、それぞれの委員の方からさまざまなご意見があろうかと思います。
どうぞご自由にご発言をお願いいたします。

〇工藤委員
じゃ、まず質問させてください。
まず、資源管理計画と漁場改善計画なりですけれども、これは公表されているんでしょうかということが1点と、漁業センサスの場合は5年に1回調査するわけですが、この計画というのはそのような形で期間をおいて、5年おきとか1年おきとか、そういう形で年次で把握されるのかということがもう一点。
それから、漁業センサスにおける漁業管理組織調査というのは、一番小さい単位は市町村の参加している経営体数が分かるんですが、それが資源管理計画や漁場改善計画では分かるのかということ。
この3点を質問させてください。

〇加瀬座長
お願いします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
ご質問ありがとうございます。
まず、計画の公表につきましては、水産庁のほうで計画数のほうの公表は白書なりでしております。
中身のほうはちょっとやっていない状況です。
漁業センサス、5年に1回で計画のほうにつきましては、資源管理計画のほうは大体5年おきでつくって、平成23年からつくり出しているところはPDCAサイクルを回して、どんどん順次更新しているという状況を聞いております。
すみません、漁場改善計画のほうが今すぐちょっと出てこないんですけれども。
ちょっとお時間ください。

〇加瀬座長
今日は水産庁の方は誰も来られないのですか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
そうです。

〇加瀬座長
工藤委員のご質問については、可能であれば、水産庁の方にご出席いただいたほうが、良いと思われます。
この項目は少し重要な内容ですので、ご尽力いただけませんでしょうか。
公表については、公表されてはいないということですので、この調査廃止の説明の中では、国、都道府県としては必要な情報を得たと書いてございますが、行政的には必要なものを調査し、情報を集めているということだと思いますが、これは漁業者が資源管理をやっていこう、あるいは漁協が資源管理計画を立てていこうというときに、自分と同じようなところではどういう努力をしているのか。
どれだけぐらいの組織ができて、どういう努力をされているのかというのを知ることができる統計情報としてはこれしかないと思われますので、そういう意味でご質問があったのかと思います。
そういう点で情報量としては、この措置によって減ってしまうということでいいのかどうかという問題です。
現在、ホームページに公表されているのはたしか今年度については全国のうちの4事例、昨年度については9事例だけだったと思います。
それぞれの報告は大変詳しいものですけれども、相互に必要な項目を比較し合うことができるものではありませんし、水産庁さんがこれは全国の方々に推奨できるというものだけを出しているという傾向もあって、いろんな管理組織で努力をしてぶつかる問題、解かなければいけない課題が出ているとは必ずしも言えないというふうに私ども、ふだんから思っておりますが、そうしたもので代替可能かどうかというような点があろうかと思います。
そのほかの方はいかがでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
すみません、数の把握と、3つ目の質問があったかと思うんですけれども、資源管理計画のほうは計画のほうで名簿を添えることになっていまして、それを数えれば単純に、県としてですけれども、参加経営体数のほうを把握できるということになっていると思います。

〇工藤委員
市町村ごとですね、住所。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
住所まではないと思うんですけれども、漁船番号とかそういうのは把握できるので、そこからさらに漁船の所有者なり使用者なりのリンクで、県としては把握できるんじゃないかとは思っています。
ただ、おっしゃるとおり、公表されているものではありませんけれども、我々といたしましては漁業管理組織調査の継続については水産庁ともちょっと協議をさせていただきまして、今のところ正直言って、具体的な利活用状況がなくて、ただ白書に数が載っけているというぐらいの利活用しかなくて、こういった判断をさせていただく次第です。

〇工藤委員
じゃ、私の意見のほうを少し述べさせていただきますけれども、やっぱり資源管理というのは漁業固有の、漁業者固有の取り組みですよね。
農業とかにはなかなか見られないし、現場の取り組みとしても水産政策としても基本的課題の一つだということなので、それを国民に広く理解してもらうということは非常に大切なことかなと思うので、継続したほうがいいのではないかというふうに私は考えています。
私は2008年のセンサスのとき、センサス分析でこの漁業管理組織を分析しましたけれども、都道府県とか市町村とか漁業種類で見ると、やはり意味のある傾向が見えてくると思うんです。
それを一緒くたに県単位ぐらいで把握するとか全国単位で把握するというだけでは、余りその数字が伸びてきているということを、どういう意味があるのかということも含めて、ちょっと難しいかなと思うんです。
それが1つと、もう一つは、農業のほうなんかを見ると、やはり農業のほうでも地域資源管理の項目ってあるんです、ため池を管理していますとか、農道を管理していますとか。
そういうような集団的な取り組みを漁業センサスで捉えるということは非常に重要だと思っているんです。
実は捉えているんです。
それが海面漁業地域調査票というやつで、今日の資料で言えば19ページです、17ページからですか。
こういう調査をやっているわけですよね。
ここで例えば遊漁の状況のところで、実は資源管理的なことを聞いているんです。
全体のバランスからして資源管理をどう取り組んでいるのかをなくして、遊漁とはこういうことをやっているよといっても、ちょっと統計的な重要度という意味で言えば、やはり資源管理をどういうふうに漁業管理組織があるのかというほうが、まずはそこが重要な気がするんです。
そこがあって、この遊漁の状況とか資源管理に取り組んでいますよというのであれば、またいいと思うんですけれども。
少なくともここの地域調査ですか、海面漁業地域調査の中で、資源管理の取り組みを把握していないと、こういう取り組みはしているけれども資源管理はしていないのという話になると、これちょっと困るなという感じがします。
全体的な調査の設計の中で資源管理がぽんと放っておかれていくというのは、非常に全体の中では目立ってしまうと思うんです。
だから、もう一度再検討していただければいいかなという感じがします。
以上です、私の意見は。

〇加瀬座長
ほかの委員の方、いかがでしょうか。
久賀委員、どうぞ。

〇久賀委員
久賀でございます。
別の観点から意見を述べさせていただきたいんですけれども、今、エコラベル制度というのが水産庁の施策として展開されていると思います。
MSCですとかASCですとか、資源の持続的利用を目指す漁業に対して認証を与えて、市場での好評価を狙うという、この施策がこれから注目されると思うんです。
オリンピックとの関係などもありまして、消費者、国民から見ると非常に分かられやすいし、注目されているのかなと思っています。
そういった施策が漁業者に対して資源の回復とか漁業生産の拡大なんかを担保しているのであるとすれば、それ(資源管理)が漁業の経営の改善にどういう影響があるのか、実際の漁業とはどういう関係になっているのかというのが関心のあるところだと思います。
これは一般の消費者の目線から見ても、資源の管理、実際どうなのというところはますます注目されてくるだろうと思うんです。
そういう流れの中で、この資源管理の把握、公表ということを一方でやめてしまうというのは、やや逆行するのではないかなと思うんです。
そういった動きはやや国民から理解されがたいことなのではないかなというふうに感じております。
以上でございます。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。

〇行友委員
素人なので、とんちんかんなことを言うかもしれませんけれども、資料1の裏面に下のほうに資源管理計画、漁場改善計画のそれぞれの数の年次ごとの数字が出ていまして、右上のほうに漁業管理組織調査、昭和63年以降の調査結果の組織数というのが出ているんですけれども、試しに25年度の資源管理計画と漁場改善計画を足してみると2,030になって、この組織数の平成25年度1,825というのと一致しません。
これは多分、この下のほうの右側に注で書いてあるように、2つの計画をあわせて実施する場合に、それぞれごとに計画を作成するが1つの調査結果となるということですね。
つまり1つの組織で2つの計画を立てている場合があるから数が一致しないのかなと思ったんですけれども、そういう理解でいいのか。
要するに何を聞きたいかというと、計画数イコール組織数ではないわけですから、計画数が分かれば組織数は把握しなくていいということになるのかどうかがちょっと気になったんですけれども、その辺はどういう理屈になっているんでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
おっしゃるとおり、数字のからくりというか足し算と合わないというのは、調査では1つ、計画はそれぞれ出すというパターンがありますので、計画の足し算のほうが多くなるというからくりになっております。
我々の1,825という結果をもって水産庁のほうがこっちの資源管理計画のほうの数が上がってきたときに、水産庁のほうでも県のほうで幾ら計画がつくられているかという数を水産庁が数だけを求めるらしいんですけれども、そのときに上がってきた数を見て、1の結果と比べて、妥当なものだなとかそういうことは気にするらしいんですけれども、1,825の内訳がどうとかいう話になると、どうも使っていないという状況が今回の2018年に向けた利活用の把握で見えてきたところです。
以上です。

〇行友委員
分かりました。
分かりましたが、やはり皆さんおっしゃっているように、資源管理の実態というのは、単に計画が幾つあるというだけじゃなくて、どういう組織がそれを担って、どういうふうに取り組んでいるかというところが、分析可能な形で示されるということが大事だと思うので、廃止というのはちょっと慎重に議論されたほうがいいのかなという気が、聞いた範囲ではします。

〇大森委員
私も資源管理組織調査を終了するということについては大変違和感があります。
資源管理計画がスタートして、確かに5年を経過して、この計画と収入安定対策というのが、ある意味において連動しながらいっているわけですが、それがさっき工藤委員がおっしゃったような体系的に分類をして整理をするということにもなっていませんし、今までやってきた調査と本当にイコールフッティングするかというと、私はそういうふうに感じていない。
それから、実績を今までの資源管理組織調査で公に調査実績がオープンにされるということが重要であって、研究者の方も、また国民の方々も含めて、やはりこの調査を今の時点で終了するということについてはいかがなものかというふうに思います。

〇加瀬座長
小林委員、お願いいたします。

〇小林委員
私も先ほど久賀委員、それから工藤委員がおっしゃったことに関連して、1つは資源管理について組織が、どんなことをやっているかという調査が先ほど工藤委員がおっしゃったように19、20のところにないので、それはこの資源管理組織調査でやっているのかなという認識だったんですけれども、それを廃止して、なおかつ資源管理計画は公表もしていないと言うのでは私も問題だと思います。
要請すれば資源管理計画は見られるという話なのでしょうか。
それから、大森委員もおっしゃったように、国なりが把握していればいいだろうという話じゃなくて、それこそ久賀委員がおっしゃったように、資源管理の関心が国民的な動きにもなっているということ。
それから2020年のオリンピックに向けての水産物の調達基準の中でも、私どもがやっているMELジャパン以外にも資源管理計画を立てているものについては調達基準に合うということで今、案が出されていて、それに対するパブコメも求められているわけで、そういった意味でも、やはり資源管理として何をどうやっているのかというのは今後、いろいろな面で重要になってくるのではないかと思いますので、それをどこかでやっていて公表しているのならいいんですけれども、もうやらないということになるとちょっと問題なのかなというふうに思っております。
以上です。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
松尾委員、お願いいたします。

〇松尾委員
皆様、研究される方がほとんどということなので、ちょっと行政の側の立場というんでしょうか、まず考えられるのが、やはりこういう行財政改革とか言われている時代ですので、やはりコストパフォーマンス、統計調査に関しましてもコストパフォーマンスが求められるようになってきていると思います。
その中で、もう一つは調査を受ける側の負担軽減。
例えば計画を出しているのに、また同じような組織調査というものをしないといけないのかというような漁業者側からの不平不満ですとか、そういうものもあるのかなと。
それからもう一つ、利活用の状況というものが、皆様、研究される側の方は必要だというようなことでございましょうが、それが先ほど島内補佐のほうから、その利活用状況のほうが若干不透明だと。
はっきり見えていないんじゃないかというようなこともあって、この際、同じような調査を省略しようというような動きになったというようなご説明がありましたので、やはりこの調査の必要性というんでしょうか、やはり費用対効果を見たところで、それからやはりこの調査というのの継続はどうしても必要なんだというところを言っていかないと、単純に継続する、それからやめるということにはならないのかなと。
もうちょっとやはり必要性ですとか、それからもうやめますというところの説明をきちんとしていただく必要があるのかなと思います。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
私も意見を言わせていただきたいんですが、この調査は第8次にスタートするときにもいろいろな議論がありまして、特に統計関係の方が危惧されたのは、こうした調査は統計に載るのかどうかということだったと思います。
資源管理をしているということであると、共同漁業権の第1種を免許されている漁協はすべて何らかの意味で管理をしているということになってしまうのではないかという議論もあって、どこのところで管理組織の有無を区切っていくのかという疑問がありました。
それがこの資料で説明をされていますように、調査の経験が積み上がる中で、定義が次第に明確になってきて、意識的に下からの努力をつくっている団体、それを把握しようということで、それについてたくさんの内容を定めて経年的に変化が分かるように統計をつくってきたというふうに理解しています。
そういう意味では、その時々の必要性に応じた充実の方向をたどってきたといえます。
確かにいろんな統計から見た場合に、いろいろ境界に当たる部分が非常に多いということは事実あるかと思いますけれども、そういう意味でそれが持ってきた役割というものを、行政にとって任務が終わったという形で終わりにしてしまうというのはどうでしょうか。
とりわけ今、例えば規制改革推進会議でITQの採用といったような問題も含めて、漁業権についての議論が盛んになりそうな雲行きですけれども、そういう中で、それに見合う情報というものが系統的に出ていないということはどうなのかなという危惧を個人としては感じております。
皆さん、全委員の方にご発言いただきまして、内容的に特に大きな問題としては行政的な、水産庁さんにとっては必要ないのかもしれないけれども、国民あるいは研究の側にとって失われるものが非常に大きいのではないか。
あるいは漁業者自身、漁協自身が資源管理をやっていくときに、いわば五里霧中の形でやらなきゃいけない。
よその情報がないといったような問題があるんじゃないかという大きなご指摘と、それから統計一般に言われています合理化をする必要、それから統計を受ける側の負担感の問題、そうしたものが両側あるだろうというご指摘がありました。
大変大きな問題が関わっているといえるでしょう。
この委員会はもちろんすでに確認をしましたように、何か答申を出して、それに従って物事が決まっていくというものではなくて、広く漁業関係、あるいは統計に関心をもっている機関や研究者等がどういう意見を持っているか、意見の分布はどうなっているのかという点を統計部長さんが把握していただくための、いわば一種の参考の会合というものですので、意見を正直に表明するということでよろしいかと思います。
したがって、この調査を廃止することが妥当である、あるいは妥当でないというふうに現在の与えられている情報の中で決定するというのは少し難しいと思います。
そういう意味で、今日の委員会のテーマとして最後にもう一度このテーマに立ち帰ることにして、議事の順序をずらして先送りさせていただきまして、可能な限り水産庁の担当の方に来ていただいた上で改めて議論するとしたいと思います。
事務局のほうからご発言があるようですので、お願いいたします。

〇高見センサス統計室長
本日はどうもご苦労さまでございます。
センサス室長の高見でございます。
今回の漁業管理組織のほうの提案をさせていただいた背景も含めてちょっと説明させていただきたいと思います。
我々が統計調査を実施するかどうかというのは、やはり水産庁さんのほうの施策が後ろについているかどうかによると思います。
何もないんですけれども、みんなが知りたいから調査をしようというのは、ちょっとやはり今のこの時代ではもう無理でございます。
ですから、調査する、しないというところは、やはり調査結果を利活用どうされているかと、ここのところ水産庁さんのほうに確認したところ、漁業管理組織の数のみを5年間で1回こちらが調査したのを毎年の水産庁で審査される段階で県計の数だけで大体妥当な数字かどうかというところの利活用しかないこと。
中身自体にはもう利活用が無いというふうな情勢となっております。
そうすると、水産庁さんのほうは毎年数を整理されているということになりますと、こちらが5年に1回水産庁さんのほうへ、もし数が出なきゃどうなりますかねといったら、毎年上がっているので、困る状況ではないということになります。
調査を実施する基本となる政策的なものが今、無いという現実でございます。
確かにセンサスでございますから、統計の公信性ということで数字が整備されていれば、それがやはり一番いいわけでございますけれども、調査の根本となる利活用がちょっとないということが一番の問題でございまして、先ほど工藤先生のほうからありました資源管理という課題もございますので、その辺のほうは管理組織だけではなくて漁業センサス全体の中の地域調査で把握するというのも一つの手かと思いますので、次回には調査票の具体的なところまで提案させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
それとあと水産庁のほうは、実際には大臣許可漁業については水産庁まであがっております。
大臣許可漁業以外の漁業については各県でとまっていること。
各県のほうでは全て、申請書等は見ているという状況になっていることだけはちょっとお伝えしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
先ほど述べましたように、この議題、この会議の後の議題に回したいと思います。
続いて、第2の議題以降を議論し、それが終わりました時点でもう一度どうするかということを議論させていただきたいと思います。
それでは、第2番目の議題について。
事務局からご説明をお願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
では、資料の2-1を御覧いただきたいと思います。
調査対象の定義ということで資料をつくっておりますけれども、資料のつくりといたしましては、各調査ごと、3つの調査ごとに、また細かい調査ごとに2008年、2013年の調査方法、さらに一番右側に2018年の案ということで整理しております。
御覧いただけたとおり、調査対象の定義につきましては、2008年以降、2013年と同様に、また18年も同様に変えずに調査をしていきたいというのが今回の提案でございます。
続きまして、資料の2にまいりますけれども、こちらは前回の研究会の終盤に座長や五日市委員のほうから被災地の関係のご発言をいただいたところですけれども、漁業センサスにつきましては、漁業地区と漁業集落という小地域統計があります。
被災地におきましては高台移転が進んでおりますので、その対応について説明させていただくペーパーになります。
まず、表面のほうが漁業地区になります。
漁業地区につきましては、これも2008年のときの定義を書いておりますけれども、要は漁協の範囲としてイメージしていただくと分かりやすいと思います。
これにつきましては2003年のときに設定をしておりまして、その後、連続性を保つために全国的に2008、2013、そして2018においても同じ定義、同じ範囲を利用していきたいと思っております。
ただし、被災地につきましては2013年の時点でかなり多くの方が仮設住宅等に転居しておって、その状況下で漁業を再開している方につきましては調査を行いまして、仮設住宅がどこの場所にあろうとももとの漁業地区にいるものとみなして取り扱ったところです。
2018年におきましても、そういった仮設住宅の対応につきましては同じ対応をとっていきたいと思っておりますけれども、高台移転もあって、事実上の根拠地が変わっているような場合もありますので、それは漁協の事情によっては漁協の地域の範囲を変更している場合もありますので、そういった実態には合わせていきたいと思っております。
裏面にいきますと、漁業集落の関係です。
こちらは漁業集落というのは定義しておりますけれども、先ほどの漁業地区の中にある港、それごとに利用関係の一体性をあらわす小地域統計というイメージを持っていただければと思います。
これにつきましても2003年に設定した後、連続性を保つために2013年まで同じ定義、範囲で小地域統計をつくってきたところですけれども、同じように2013年の被災地につきましては、仮設住宅につきましては2013年のときは漁業地区と同じような対応をとってきたところです。
2018年におきましては、全国的には2003年の範囲を連続性を保つために使っていきたいんですけれども、被災地の関係、まず先ほどの2013年と同様に仮設住宅の場合はもとの集落として取り扱っていきたいと。
高台移転等で漁業集落が移転している場合もありますので、そういった場合にはもうちょっと一歩進んだ対応をしていきたいと思っておりまして、次のページの事例として整理しておりますので、そちらで説明させていただきたいと思います。
3ページ目になりますが、まず事例1といたしまして、漁業集落Aとしますけれども、それがそのまま高台に移転しまして、以前から利用していた漁港を利用している場合につきましては、漁業集落がそのまま高台に移転したということになりますので、従来どおりの漁業集落Aとして取り扱うこととしたいと思っております。
続きまして4ページ目、次は漁業集落BとCが1カ所に高台移転して、それぞれが以前から利用していた漁港を利用している場合。
移転先でももとの集落ごとに住んでいるよといったような場合になりますけれども、これにつきましては、これまでどおりBとCのままで区分ができますので、そのまま漁業集落BとCとして取り扱っていきたいと思っております。
事例3につきまして、ページ5になりますが、漁業集落BとCがあったんですけれども、これが高台移転で混在して、それぞれがよく分からない状態の居住状況になっていると。
それでも漁港の利用関係が同じようにもとのを使っていたり合流をしている場合がありますので、そういった場合につきましては、複数のなかなかそれを区分して漁業集落BとCにするのは難しいので、新しい漁業集落Dとして設定していきたいと。
ただし、この場合も小規模な集落というわけにもいきませんので、漁業経営体が4経営体以上いる場合のみ集落として新たに設定していきたいと思っております。
この4という数字につきましては、2003年のときに4経営体という数字を使っていますので、今回の被災地の新しい集落においても同じように4という数字を使っていきたいと思っております。
続きまして事例4になりますが、漁業集落Eというものが複数箇所に分かれて高台移転している場合、こういった場合につきましては、そのまま漁港を利用している場合になりますけれども、こういった場合、複数に分かれている場合、それぞれ複数箇所で新しい集落としていたいんですけれども、こういった場合につきましても4経営体に満たない場合につきましては漁業集落を設定しないという整理をしていきたいと思っております。
以上が調査の定義等に関する説明になります。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
討議に先立ちまして1つ質問ですが、資料の2-1で2013年福島県については試験操業を含むとあって、2018年も同左というふうになっておりますが、これにつきましては操業日数の関係を2013年は考慮に入れていたと思いますが、これは同じだということで30日以上……

〇島内経営・構造統計課課長補佐
同じで個人の場合、海上作業30日で整理しています。
以上の場合のみ経営体にカウントするという整理をしたいと思います。

〇加瀬座長
分かりました。
それではご意見をお願いいたします。
定義については訂正点なしで前回2013年の方法を踏襲するということ。
それから、漁業地区・漁業集落についてはご説明にありましたような形で移転した場合の対応をとるというご提案ですが、よろしいでしょうか。
大森委員、お願いいたします。

〇大森委員
特に大きな意味はないんですけれども、たまたま私、おとつい、昨日とこの歌津地区とか、後で調査に行くという南三陸のほうをずっと回ってきたんですけれども、壊れた漁港の背景にある集落に仮設住宅も人が移って廃屋状態のところもあれば、高台移転しているところもまだ全部整備されているということはほとんどなくて、全部工事中でぽつぽつと移ったり、ですから仮設にまだ残っている人もいたりとか、見て回った感度だと様々な状況なんです。
ですから、今、事例分けを説明いただきましたけれども、もう少しケースがいろいろあるんじゃないかなというふうに感じた次第であります。
以上です。

〇加瀬座長
完全に移った段階の例示は示していただいたけれども、その中途での問題があるんではないかというご質問かと思いますが、これについては仮設住宅の場合は、仮設の場所ではなくて従前の場所で捉えるということですよね。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
おっしゃるとおりです。

〇加瀬座長
それで不都合ですか。

〇大森委員
そこは全く問題ないです。

〇加瀬座長
ほかに。

〇工藤委員
質問なんですけれども、この分け方だと漁業集落というのが1つの港を使っているという大前提ですが、こうでしたっけ。
複数の集落が1つの港を使うということもあり得ますよね。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
設定上、分けれる場合は分けてもよい的な整理をして、2003年のときは設定してあります。

〇工藤委員
東北のほうに行くと、結構小さい集落が多分、漁業集落という形で点在しているところがあるんです。
例えば唐桑ってそういう地区だと思うんですけれども、気仙沼の。
そこ全てが漁港があるという感じではなかったと思うんです。
だから、A集落とB集落がCという港を一緒に使っているというような事例があると思うんです。
そういうような事例は、この場合は港では区別ができない。
やっぱり住居で集落を区別してきたことがあると思うので、その辺はもうちょっと実態に基づいてやったほうがいいのかもしれないなと感じました。
漁業集落の原図ってあるんですよね。
昔、地図がありましたよね、たしか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
2003年につくったものがあります。

〇工藤委員
あるんですね。
それで必ずそこでは港が1つの集落で1つの港を使っているということが分かるんですか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
1つの港をつくっていても、別のところに4戸以上あるような場合は別々にやっていましたので。

〇工藤委員
そうなると、この分け方だと、これだと港ごとに分けるということですよね、基本的に。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
そうです、基本的に。

〇工藤委員
だから、港ごとじゃないところだと、どうやってそれを分けるのかなというのがちょっと分からないんです。

〇大森委員
関連なんですけれども、先ほど、申し上げたとおり、小さな漁港では、6年たってもまだ漁港として利用されていない、明らかに利用できていないなというところも見受けられました。
そうすると、そこの集落というのは、そこにおられた方はほかの地区で船をつけて漁業をされていると思うんですけれども、その辺の兼ね合いとかというのはどうなるのでしょうか。

〇加瀬座長
私の理解では、4戸以上の漁業者が集まって住んでいるところ、これが漁業集落であって、それが漁港を持っているかどうかということは絶対的な条件とはされていないというふうに理解しておりますが、それでよろしいでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
この例に当てはまらないケースも多分あろうかと思いますので、現場とよく連携して設定していきたいと思っております。

〇工藤委員
そうですね、例えばこれ、こっちの5ページのやつで、例えばこれ、漁業集落B、C両方とも港がありますよね。
だけど、Bは港がないというケースがあったときに、どうやってこれをBとCに分けるかというのは難しいですよね。

〇加瀬座長
それは今までもケース・バイ・ケースだと思います。
離れているとか川が間にあるとかというと、BとCを一緒にしないで別々の集落とみなすと。
その際に港があれば、それは絶対的な条件になるけれども、港がなくても離れていれば分けていたというふうに思います。
そこはもう少し細かくやったほうがいいんじゃないかということでしょうか。

〇工藤委員
いえ、ここに当てはまらないものもあると思うんです。
だから、それを漁業集落側が我々のところは1つの漁業集落だというふうに言って認められるのか、調査する側がみなすのか、それによってここのやり方って大分変ってくると思うんです。
分かりますか。
今……

〇加瀬座長
これは地元で、ここが集落だといっていることとは関係なく、統計部のほうで設定するものというふうに私は理解しております。

〇工藤委員
分かりました。

〇加瀬座長
ですから、そういう意味で、日常生活で言う集落とは必ずしも一致しない。

〇工藤委員
分かりました。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
あくまで漁業センサスの統計の単位なので、一応行政区とかそういうのも意識はしますけれども。

〇工藤委員
だから、そういう意味では2018年センサスを実施するに当たって、この区分を全部やるということですよね。
はっきりさせるということですよね、こういうやり方に応じて。
ここはこういうふうに置く、ここはこういうふうに置くって判断しないとできないような気がするんですけれども。

〇加瀬座長
具体的な変化というか、具体的に一つ一つ詰めるのは被災地3県だと思います。
その他については特に集落の関係がずれたところを確認して線を引き直すということじゃないですか。
よろしいでしょうか。
この第2の論点につきましては、ほぼそれでよろしいかと思います。
それでは、第3番目、調査手法の見直しについてに進みたいと思います。
ご説明、事務局さん、お願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
では、資料3のほうを御覧いただきたいと思います。
資料のつくりにつきましては、2013年と2018年の案を並べましてアンダーラインで変わるところを分かるようにしております。
まず、2013年の手法につきましては、第1回研究会のおさらいになりますけれども、海面漁業調査と内水面漁業調査におきましては、統計調査員が調査票を配布・回収する自計調査プラス報告者が希望した場合には調査員による面接聞き取りを可能としておりました。
ちょっと裏面を見ていただきたいんですけれども、流通加工調査、これにつきましては、配布は統計調査員ですけれども、回収につきましてはオンラインも可ということにしておりました。
こちらについては、さっき言ったただし書きのようなものが入っておりません。
また、表面に戻っていただきまして2018年の案を見ていただきたいんですけれども、前回研究会でもご説明しましたとおり、オンライン調査につきましては積極的に取り組んでいきたいと思っておりますので、まず海面漁業調査の漁業経営体調査、こちらにつきましてもオンライン調査を導入していきたいと。
先ほど申しましたとおり、ただし書きの部分、報告者が希望した場合の面接聞き取り、ここについてはキープしていきたいと思っております。
大きな変更があるのは海面の漁業地域調査等なんですけれども、見ていただきますとおり、調査票の配布・回収は郵送またはオンラインとして、自計調査に変えていきたいと。
調査員は使わず、調査票の往復郵送なりオンラインで進めていきたいと。
これにつきましては、調査対象が漁協のみでして協力度合いも高いという状況がありますので、効率的な手法に変更していきたいと思っております。
続きまして、内水面の経営体調査、こちらにつきましては先ほどの海面の経営体調査と同様ですけれども、一番下になお書きといたしまして、農政局長等の判断により、配布は郵送、回収は郵送または職員による方法も選択可能ということにしておりまして、これにつきましては、調査対象が1経営体しかない市町村が全国で約4割ほどありまして、地域の実情に合わせて効率的に調査を行うためにはこういった方法を取り入れておいたほうがいいのではないかということで変更したいと思っております。
裏面にまいりまして、内水面漁業の地域調査のほう、これにつきましても海面のほうと同様、調査対象が組合ですので、調査票の配布・回収を郵送またはオンラインでやっていきたいと思っております。
流通加工調査のうち、魚市場調査につきましては、先ほどの地域調査と同様に、調査票の配布・回収を郵送またはオンラインとする自計調査に変えていきたいと。
これにつきましても、魚市場が対象ですけれども、これは会社なり漁協さんが開設者となっておりますので、こういった手法が可能ではないかと思っているところです。
最後の冷凍・冷蔵・水産加工場調査につきましては、2013年と同様に調査員を使って、かつオンラインを導入していきたいと、オンラインのまま調査をしていきたいと思っております。
以上です。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
これは実地に調査をやっておられる方にそうした点を含めて妥当かどうかのご意見をいただければと思いますが、松尾委員、名指ししてよろしいでしょうか。

〇松尾委員
オンラインで選択肢をふやされるということは非常にいいことだろうと思いますけれども、個人の方が回答されるときに、分かりづらいというようなことを聞くことがありますので、質問の制度設計とかその辺、何かほかの調査では途中でやめちゃったりとか、それから出したつもりになっていたけれども完了になって送信になっていなかったとか、そういう物理的な問題とかが言われています。
それとあともう一点、調査員が調査票を配布して、郵送でもオンラインでもいいんですよということを言われたときに、要するに出した、出さないの情報がきちんと伝わらないので、調査員さんが行ったら、もう出したよというような形になって、事務の輻輳というんですか、そういうのがあって、調査員さんたちが何回も足を運ばないといけなくなったりと、かえって二度手間になったとか言われたようなこともございました。
あと、郵送で送られる場合が、実際向こうのほうが書きますので、逆にこちらがお願いするような正確な回答でないような場合。
そうするとまた、集計するところで聞き取りをやり直さないといけなくなるという手間も、実際オンラインだと間違いは入力できないので、そういう危険性はないんですけれども、郵送だとどういうことでも書けますから、かえって事務局の手間がかかるところもあるということぐらいでございます。

〇加瀬座長
いかがでしょうか。
現実には回収するまで、あるいは回収後も非常にご苦労なお仕事が1年続くと思うんですけれども、改定の方向としてはこれで特に異論はないというふうに理解してよろしいですか。

〇松尾委員
はい。

〇加瀬座長
どうぞ、行友委員。

〇行友委員
ちょっと心配なことがあるんですが、オンラインの場合に、紙に書き込む方式だと、例えば桁数なんかが決まっていて間違いづらい面もあると思うんですけれども、オンラインの場合、間違ってゼロを1つ多く打っちゃったりとか、そういうときにすぐに訂正できるような仕組みというのはあるのかなというふうに、素人考えですが心配です。
その辺はどうなんでしょうか。

〇加瀬座長
いかがですか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
桁の設定は多分できると思います。
松尾委員のほうからありました、途中でやめることとか、そういうのはないようにしていきたいですし、オンラインで回答したよという情報もスムーズに市町村の担当者なり調査員の方に伝わるようにしっかり考えていきたいと思っております。
以上です。

〇加瀬座長
それでは、この3番目の論点については以上としたいと思います。
第4の論点、2018年漁業センサス試行調査について、ご説明をお願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
では、資料4-1の試行調査の概要、こちらのほうから説明させていただきたいと思います。
まず、調査の目的ですけれども、平成30年度に予定しております2018年漁業センサスの計画に当たって、本調査と同様の調査機構である都道府県-市町村系統、農林水産省の地方組織系統を通じて、調査の準備から審査に至る一連の過程を試行的に実施しまして、新たな調査項目の設定の適切さ、新たな調査手法による課題や調査労力について把握して、その改善策を本調査の設計に反映させていきたいという目的で実施します。
調査の根拠として整理しておりますけれども、こちらにつきましては統計法上の一般統計調査として、総務大臣の承認をもらってから実施したいと思っております。
調査の期日につきましては、29年7月1日現在とします。
本来なら本調査同様の11月1日で実施すべきところとは思うんですけれども、本調査に向けた全体的なスケジュール上、7月1日としております。
次の調査の対象市町村ですけれども、まず海面漁業調査、こちらのうち、先ほど来言っています漁業経営体調査につきましては市町村系統で実施しますが、海面漁業調査におきましては4市町村でやる予定です。
この4というのは太平洋と日本海と東シナ海と瀬戸内海、こちらのほうから1市町村ずつ選ぶということにしまして、愛媛県の愛南町、石川県の志賀町、佐賀県の唐津市、徳島県の鳴門市それぞれ経営体が多くて、あと団体経営体調査票というのがありますので、そういったものも、そういった団体経営体もある程度おりまして、しかも漁業種類が多いという観点で、この4市町村を選んでおります。
この4市町村とは実は調整を進めておりまして、先方から了解を得ているところです。
内水面漁業調査につきましては当初の地方組織系統で実施しますけれども、大きな湖沼、琵琶湖、宍道湖、あと小川原湖の3つのところからそれぞれ1市町村、あと4市町村ほど養殖の盛んな4市町村を選んで対象としております。
流通加工調査につきましては、海面漁業調査、こちらを実施する4市町村のほうで実施していきます。
調査対象数ですけれども、まず基本的な考えといたしまして、前回までは市町村を選んだら全数調査で実施をしておりましたが、それはそれで市町村のほう、あと地方組織の負担になっておりましたので、少しでも負担軽減を図る観点から絞って調査を仕掛けていきたいと思っておりまして、まず海面漁業調査の漁業経営体調査、こちらにつきましては各市町村から4調査区で、調査区というのは大体30経営体ぐらいでつくりますので、各市町村120経営体、合計480経営体規模で実施していきたいと思っております。
同じように、ほかの調査につきましても絞った形で予算上、積算しておりますので、絞って実施していきたいと思っております。
主な調査事項につきましては、基本的に2013年漁業センサスの内容をベースとしておりますので、後ほど調査票を見ながら説明させていただきたいと思っております。
調査の流れにつきましては、先ほど申しましたように、海面の漁業経営体調査につきましては都道府県、市町村を通じた系統、残る調査につきましては、農林水産省の組織系統を通じた調査になりますが、先ほど調査手法の見直しで説明しましたとおり、海面漁業地域調査、内水面漁業地域調査と魚市場調査につきましては調査員を使わない方法を試行調査でも試したいと思っておりますので、この書類上、書き分けをしております。
なお、内水面漁業経営体調査におきましては、先ほど申しましたとおり、郵送調査も本番で導入していきたいと思っておりますので、その試行を試行調査で実施していきたいと思っております。
裏面にまいりまして、試行調査のポイントということで2点ほどまとめております。
まず1点目につきましては、水産施策の展開等に伴う新たな統計ニーズへの対応ということで、今、議論が行われております次期水産基本計画や水産施策への利用に向けた要望に基づきまして、新たな調査項目を既存の調査項目に追加して、記入や補正の状況を検証していきたいと。
水産庁に対しましては10月に要望把握を行っておりまして、こちらで検討を行いまして調査票のほうに追加しております。
2点目につきましては、効率的な調査手法ということで、先ほどから繰り返しになりますけれども、海面と内水面の地域調査と魚市場調査におきましては、調査員調査から電子調査票を用いたオンライン調査、往復郵送調査への変更を予定しておりますので、課題を把握していきたいと思っております。
もう一点が、内水面漁業経営体調査、この調査におきましては経営体の少ない市町村がありますので、そこに往復郵送調査を導入していきたいという考えを持っておりますので、1調査区1経営体の調査区というのを設定いたしまして、そこで調査員調査と往復郵送調査の労力を比較して、より往復調査における課題を把握していきたいと思っております。
次に、調査票における追加事項をまとめておりますけれども、これも後ほど調査票を見ながら説明しますけれども、観点といたしましては先ほど申しましたように、水産庁からの要望に対応するもの、あとはセンサスの役割となっております母集団情報への対応、あと政府全体で進めております公的統計のほうの基本計画、これに対応するものに区分されて、追加する項目はこういったものに区分されるかと思っております。
最後にこれはその他としてまとめておりますが、効果的な広報手段の検討ということで、調査協力をなかなかいただけないケースもありまして、調査の現場で苦労していると聞いております。
それに対応することになるという観点で、事前にはがきを送付してアナウンスして、調査協力の醸成を図っていきたいと思っております。
以上が試行調査の概要になります。
具体的な調査票のほうの説明をさせていただきたいと思います。
資料4-2を御覧願います。
つづりとしては一つづりになっておりますけれども、8種類の調査。
先ほどちょっと議論しました管理組織調査のほうは想定しておりません状態で、合計で8種類の調査票を準備しております。
一連のページ番号を、1ページめくっていただきますと、真ん中の下のほうに少し大きめのフォントサイズで一連のページ番号をつけておりますので、その数字をたまに述べるかと思いますので、見ていただければと思います。
まず、海面漁業調査の漁業経営体調査、こちらにつきましては個人用と団体用がありますので、まず個人経営体用調査票を御覧いただきたいと思います。
表紙をめくっていただきますと調査内容になります。
ここに赤囲みでしておりますけれども、この赤囲みをしたところが変更なり追加、新規で把握するという項目になります。
実際の調査票におきましては、記入の際に強調したいところを赤色にしたり、用語の説明を青にしたりするなどの工夫をしていきたいと思っておりますけれども、今回の研究会用には変更箇所が分かるように赤囲みをしております。
まず、調査項目の冒頭は、世帯についてということになります。
赤囲みが1つ目がありますけれども、これはもともと満14歳以下の世帯人数というのを全ての世帯人数の内数として聞いておったんですけれども、今回は満15歳以上の世帯員の把握に変更していきたいと。
これはその下の3にあります世帯についての変更と関連してくるんですけれども、2013年までは世帯員のうち、過去1年間に漁業を行った人に仕事の状況を―横長の表―ここに記載してもらっていたんですけれども、今回は15歳以上、漁業を行っていない人も含めて全体的に記入してもらうことに変更していきたいと思っております。
その観点で、その下の3の世帯についてに書かれた方の人数との整合性チェックがすぐできるように、「うち、15歳以上の世帯員」ということで変更していきたいというのが最初の赤囲みになります。
右に進んでいきまして、2の(2)ということで「削除(勤め)」とありますけれども、これも先ほど申しましたとおり、3の世帯員の欄を全員書いていただくことにいたしますので、これに伴って勤めというものを把握する必要がなくなったため削除することにしております。
下の3の世帯員についてですけれども、まず最初の赤囲みは先ほど申しましたとおり、過去1年間に漁業を行った人のみの記載から、全員の記載に変えていくと。
具体的な世帯員の項目につきましては、まず(3)出生の年月というところに赤囲みがありますけれども、前回までは15歳以上の方を5歳刻みにしていた階層を設定しておりまして、そこを選択することで年齢階層を把握しておりましたけれども、経営主の平均年齢の算出とかの情報がないのかといったような要望もいろいろあることもありまして、生年月を把握することによって、それは対応できるのではないかと思っているところです。
ちょっと右に進んでいきますと、(9)という数字が見えると思いますけれども、過去1年間の仕事の状況に「その他」というものを加えております。
これも先ほど申しましたとおり、15歳以上全ての方を書いていただくことになりますので、その方の仕事の状況を漏れなく把握していきたいと思っているところです。
次の3ページに進んでいきますと(12)の欄、自家漁業の従事日数ですけれども、これはもともと(13)番の自家漁業の海上作業の従事日数のみを把握しておったところですけれども、漁業全体の労働力を把握していきたいという観点で、陸上作業も含めて漁業としての従事日数の把握をしていきたいと思っているところです。
続きまして(19)の赤囲みですが、これは男女共同参画社会の実現が求められる中、水産業においても女性の役割もより重要になってくるものと、そういう思いがありまして、経営主とともに経営方針の決定にかかわっているかどうかについて追加していきたいと思っております。
その横(20)につきましては、後継者であるかどうかの把握を世帯員に聞いてみたいと思っております。
後継者につきましては、従来から調査日現在で自家漁業に従事していない方でも跡を継ぐことが予定されていれば後継者としておりまして、別途把握項目があったわけですけれども、こういった形で全世帯員の情報を聞くことになりましたので、世帯員の中に後継者がいるようでしたら、年齢とかの情報もついてきますので、世帯員の項目に追加する次第です。
その右下になりますけれども、それ以外で例えば世帯から別世帯で構えているんだけれども後継者に該当するんだよという方については別途4のほうで引き続き把握していきたいと思っております。
ページをめくっていただきますと、自家漁業に雇った人の内容になります。
前回の研究会でも説明しましたけれども、政府全体の取り組みといたしまして常用労働者の把握というものがございますので、過去1年間に自家漁業のために雇って実人数のほうを記入していきたいと。
常用労働者のほうは、調査票上は「計」と「うち、臨時労働者」ということで把握しておいて、常用労働者のほうを引き算で把握できるようにしていきたいと思っております。
その下、日本人の内訳として、漁家子弟というのを把握することにしておりまして、これは水産庁のほうから就業者対策等に必要な情報ということがありましたので、把握してみたいと思っておるところです。
5ページにつきましては、漁船の項目になりますけれども、これにつきましては特に水産庁のほうから要望もありませんでしたし、変更すべき内容もないのかなと思っているところです。
ページをめくっていただきますと6ページ、ここにつきましては漁業経営の具体的内容につきまして、冒頭、営んだ漁業種類を聞いているところです。
ここにつきましては養殖の関係で「とらふぐ」と「にじます」の養殖について水産庁のほうから把握の要望がありまして、新規項目としております。
その間にある「くろまぐろ養殖」につきましては、もともと2013までは「まぐろ類養殖」としてきたところですけれども、実態として「くろまぐろ」しかもう養殖はしていないよということのようですので、「くろまぐろ養殖」に変更したいと思っております。
次の7ページにつきましては、養殖の施設面積を把握する項目になります。
これも同様に、「とらふぐ」と「にじます」を新規に追加して、「まぐろ類」を「くろまぐろ」に変更します。
なお、「とらふぐ」の養殖につきましては、上にあります「ひらめ」以上に陸上施設の養殖が進んでいるということで把握してもらえないかという要望がありましたので、追加して把握してみたいと思っているところです。
ページをめくっていただきますと、海面の個人経営体最終ページになりますが、真ん中の4のところで、10億円以上の場合は金額も記入してくださいという項目を新たに追加しております。
御覧いただきますとおり、販売金額につきましては階層区分をつくって選択してもらうこととしておりますけれども、最上位階層の10億円以上につきましては、実額を記入してデータ的に平均金額の統計を求められるようなことが多いんですけれども、10億円以上については実態上ばらつきが多くて、なかなか中位の値というのも難しいところでございますので、振り幅が大きいと思われて、そういった平均販売金額の設定が難しいので、こういった形で10億円以上については実額を記入していただければと思って新たに設定するものです。
これにつきましては農林業センサスのほうでもこういった形で調査をしておるということなので、漁業センサスでも何とか対応できるのではと思っているところです。
その下にあります5番の出荷先について追加する項目につきましては、統計部で別途調査しております6次産業化総合調査の母集団情報として必要な情報として追加するものです。
その下の6番で新たに追加する漁業生産に関連した事業で複数世帯が実施する事業に当てはまる場合、これにつきましても6次産業化総合調査のほうの母集団情報として必要ということで追加する項目になります。
以上が海面の個人経営体用調査票の内容になります。
続きまして、団体用経営体調査票になります。
9ページからです。
これにつきましては基本的に個人経営体用と同じ対応になりますけれども、ページをめくっていただきますと10ページ、調査票単位でいきますと2ページのところの上に、冒頭、法人番号の把握をすることにしております。
これにつきましては政府統計全体で、企業・事業所を対象とする調査においては法人番号を把握していきましょうというものがあります。
これに従う趣旨で漁業センサスにおいても幾つかの調査において法人番号の把握をしたいと思っております。
次の11ページのほう、ここの上のほうに個人経営体の場合は世帯員プラス雇った方ということで把握する項目ですけれども、団体経営体の場合はこういった形で過去1年間に漁業に従事した実人数ということで、経営者と役員プラスして雇用者、雇用者のうち臨時労働者ということで把握していきたいと思っております。
あとは個人経営体と重複しますので説明は省略させていただきまして、17ページ、こちらが海面漁業地域調査の調査票になります。
まず、表紙につきましては、調査手法を調査員から郵送、オンラインに変更していきたいと思いますので、問い合わせ先等の情報をオンライン用の仕様に変更するものです。
調査内容につきましては特に要望もなく、ただ、現場のほうから前回値のプレプリントが記入漏れや記入防止、誤記入の防止になるのではという意見がありましたので、最終ページ、全体ページでいきますと20ページのところを見ていただきたいんですけれども、漁業体験の参加人数とかそういったものにつきましては、前回値、2013年のときのデータをこちらでプレプリントした形でそれに対応する値を記入してもらうような形に変えていきたいと思っております。
続きまして、21ページからが内水面の経営体調査票になります。
この調査票におきましても、個人用と団体用に分かれておりますけれども、まず個人経営体用の調査票ですが、まず表紙の赤い部分につきましては、内水面経営体調査票の場合、養殖に関する部分と湖沼に関する部分がクリアに分かれておりますので、その誘導をよりスムーズにするための変更になります。
表紙をめくっていただきまして22ページ、23ページですが、これは見開きで、個人経営体用ですので世帯員の情報を得ることですけれども、多くは海面の個人経営体用と同趣旨の変更になっておりますけれども、労働力把握の観点で内水面の湖沼漁業につきましては、湖上での作業と陸上作業ということで分かれることになりますけれども、その2つを合わせて湖沼作業という形で今回からは全体的な漁業の労働力という湖沼作業という観点で把握していきたいと思っておるんですけれども、あと連続性の加味する必要もありますので、(4)とか(12)番の変更を考えているところです。
ページをめくっていただきますと、ここからは湖沼漁業の内容になります。
先ほど申しましたとおり、湖沼漁業の場合、労働力につきましては湖沼漁業全体の把握ということでシフトしていきたいと思っておりますので、その追加をしていきたいと思っております。
その下につきましては湖上作業のみから湖沼漁業全体の作業日数を聞いていきたいという変更になります。
あと25ページの赤囲みにつきましては、海面の経営体と同様に販売金額最上位の階層については実額を記入してもらいたいという観点です。
ページをめくっていただきますと、今度は内水面の養殖の関係になります。
冒頭は新規になりますが、労働力把握の観点で新たに追加する項目になります。
27ページの養殖種類ということで、いろんな魚種を設定しておりますけれども、水産庁から要望がありまして「にじます」の海水養殖なり「ぎんざけ」の養殖、これは海水と淡水と分けてということだったんですけれども、それを食用、種苗用に把握してもらいたいという要望がありましたので、試行調査で試していきたいと思っております。
ページをめくっていただきますと28ページ、こちらは今度は養殖業のほうの販売金額ですけれども、同様に最上位階層を実額で記入していただければという項目にしております。
29ページにつきましては、また内水面の経営体の個人経営体用の調査票の表紙になりますけれども、これにつきましては郵送調査への対応で部分的に違うということで、表紙のみですけれどもつけております。
続きまして、31ページからは内水面の経営体の団体経営体用の調査票です。
これにつきましてもほぼ内水面の個人経営体調査票と同様の変更になりますが、36ページに新たに先ほどの海面の団体経営体同様に法人番号を把握するようにしたいと思っております。
37ページが先ほどの個人経営体と同様に郵送調査への対応のバージョンの表紙をつけております。
続きまして、全体ページからいうと39ページからが内水面の地域調査になります。
これにつきましては、水産庁から特に要望もございませんでしたので、ただし調査手法を変更するという観点で表紙のほうは若干修正をしております。
あとは海面の地域調査と同様に、前年値を入れたほうが誤記入、記入漏れを防ぐためになるのではという観点で何カ所か数字を記入いただくようなところにつきましては、前回値をプレプリントしていきたいと思っております。
ページ進んでいきまして45ページからは魚市場調査票になります。
これにつきましても水産庁のほうから特に要望はありませんでして、既にほかの調査票で説明しました調査手法の変更による対応なり、法人番号の追加をしていきたいと思っているところです。
最後47ページからが冷凍・冷蔵・水産加工場調査票についてになります。
これまでの説明と重複するものは省略させていただきまして、全体の52ページのところに、加工品の生産量の種類を2つほど追加しております。
これは水産庁のほうから要望があった項目を追加しているものでして、同じく漁業センサス年以外に調査しております水産加工品の水産量の統計調査のほうでも同じような対応を、この2018の漁業センサスの後からするということになっております。
右側の下側、4番の出荷先、これにつきましても水産庁から輸出も含めて流通対策をしていくのに必要な情報ということで、新たに出荷先のほうを把握していきたいと思っているところです。
最後の55ページ、調査票単位でいきますと9ページにつきましては、もともと「HACCP手法」という単語を用いておったんですけれども、近年、2013年以降、余り「HACCP手法」という単語は使っていないという情報がありまして、単純に「HACCP」という表現で調査票を変えていきたいというものでございます。
以上です。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
大変大部の調査票を要領よくご説明いただきました。
どこからでも結構ですので、ご質問あるいはご意見を委員の方、よろしくお願いいたします。

〇松尾委員
質問です。
31ページの事務処理欄のところで、湖沼名の隣の四角は何を書くんでしょうか。
というのが、前のページのところは赤で削除となっているんですけれども、これは残っているんでしょうか。

〇加瀬座長
お分かりでしょうか、31ページと29ページを比べていただいて、削除が入るのか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
統一されていないところ……分かりました。
こちら郵送用なので、郵送で万が一、誤郵送とかあった場合に分からないように削除したいと、もともと経営体名称を入れるところなんですけれども、郵送とか誤郵送の場合もありますので、そういったことのために削除していきたいという趣旨でございます。

〇加瀬座長
31ページも同じ削除でよろしいのかというご質問です。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
31ページは引き続き調査員調査用ですので、誤郵送とかの心配がないので、そのまま引き続き、ここ何もタイトルがなくて分かりづらいんですけれども、経営体の名称なり経営主の名称を書いていただいて、どの方の調査票かというのを分かるようにしていくものでございまして、こういったもので31ページのほうはこのままキープということで整理したところです。

〇加瀬座長
よろしいですか。
行友委員。

〇行友委員
販売金額で10億円以上については実額を記入するというふうになるようですけれども、それだったら10億円未満についても最初から実額で記入してもらえば、階層別なども後から統計的な処理でできるんじゃないかと思うんですが。
前回その辺のご説明があったような記憶もあるんですけれども、どういうことでしたでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
おっしゃるとおり、実額で全部記入していただいて、統計も好き勝手というか、いいようにつくるというのがベストだと思うんですけれども、どうしてもそうしてしまうと、未記入の状態で提出される方が多くて、苦肉の策として階層を選ぶということにしております。
10億円以上であれば、かなり大きな会社とかそういったもののケースが多いであろうと思って、そういう場合なら記入していただけるんじゃないかという考えがありまして、最上位階層のみこういう対応をしていきたいと思っております。

〇行友委員
納得しました。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。
小林委員、お願いいたします。

〇小林委員
私、このような調査票というものを今回初めて本腰を入れて見たので、幾つか疑問点が出てきていて、細かい点は後で担当の方から直接聞くとして、大きなところで、今回、水産庁の要望を受けていろいろ追加項目を出されたというのであればそれはそれでいいのでしょうけれども、1つはまず輸出について。
輸出の把握をしたいということで加工屋さんのところでその項目を入れましたということですけれども、例えば生産者が輸出する場合に、そういった輸出という項目は入れなくてもいいのかというのが1つです。
それから、あとHACCP、最後のページで、前回の調査からHACCPの導入は入れているということですけれども、これも基本的には加工屋さんのところが書くということですが、今後、HACCPを増やしていきたいという中で、例えば営業の冷凍・冷蔵庫、こういったところもHACCPを導入したいというニーズがもし出てくれば、それも入れられないのかなと思います。
それから、生鮮冷凍水産物の中に「冷凍たい類」と「冷凍かき類」というのを水産庁の要望で追加されたということですけれども、「冷凍ぶり」というのはないのでしょうか。
これも結構あるのではないかと私は思っているのですけれども、「たい」があるなら「ぶり」も入れたほうがいいのではないかなと思うのですけれども、そのくらいです。
以上です。

〇加瀬座長
いかがでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
水産庁からの要望で追加した項目については基本的にそのまま入れておりまして、実際、経営体のほう、漁業者のほうの輸出ということについては要望がなかったものでして、もしかすると、この後また基本計画が固まりつつありますので、その段階で、年明け、また要望把握はしたいと思っていますので、その結果次第なんですが、実態としては加工場のほうだけ要望が上がってきているという状況です。

〇小林委員
わかりました、委員としてそれを言ったから反映されるかどうか分かりませんけれども、そういった懸念があるということだけなので、それを水産庁にお伝えいただければと思います。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
承知しました。
HACCPのほうも同じで、あと「冷凍ぶり」につきましては、たしか、ちょっとうろ覚えなんですが、加工資金の関係で……ちょっとうろ覚えなんですが、「ぶり」についてはそういった要望がなかったんじゃなかった。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。
私のほうから意見ですけれども、この全体の中で特に2ページ、3ページのところにあります個人経営体の世帯員の記入。
これについては私は非常にありがたい改定だと思っており、これで漁家の性格というのが非常に詳細に把握できるようになるというふうに思っております。
といいますのは、2008年の漁業センサスのときに、総務省の統計委員会の委員である方の強い要望などもあって、漁業センサスは経済統計であるので世帯員の統計は可能な限り圧縮するようにという強いアドバイスがありまして、当時研究会でかなりの激しい議論をしたんですけれども、そういうことになりまして、漁業者については世帯員で書き込むのは漁業に従事している人だけであるというふうになった経過があります。
それで2008年、2013年の統計というのは漁業に従事していない家族のことについては情報が得られない、人数がわかるだけとなったんですけれども、その結果として、例えば今、漁業でもふえてきました定年帰農に当たる定年漁業者が突然あらわれるという形で、世帯員の中で全く把握できないというような状況でした。
それでは非常に困るという点が多く出て、続柄に関しては、2013年に復活をしていただいたんですけれども、それも今回ちゃんと引き継がれて情報として充実している。
さらに、経営主とともに経営方針の決定にかかわっているという新しい項目も入って、高齢化が進んでいる中で、経営の名義はおやじさんのほうであっても、事実上、経営は体力のある若者に移っているというような場合に、実態に即した把握が可能になったという点で、大変使い勝手のいい調査票にしていただいたというふうに感じております。
その点だけコメントさせていただきました。
そのほかいかがでしょうか。
工藤委員、お願いします。

〇工藤委員
細かいところなんですが、質問なんですけれども、8ページです。
5番「過去1年間のすべての漁獲物・収獲物の出荷先を○で囲んでください」というところなんですけれども、これ、自家販売のところで「うち、自家店舗」、「うち、漁家レストラン」とあるんですけれども、これは自家店舗で漁家レストランというのもあるような気がするんですけれども、自家販売店舗ということですか。
「自家」は要らないんじゃないか。
「うち、販売店舗」ということと、魚屋さんをやっているよということとレストランをやっているよということなのかなと思ったんですけれども、どうなんでしょうか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
そういった場合は両方つけていただいて、魚屋さんもやっていることが自家店舗に○をつけていただければ分かるし、あわせて漁家レストランもやっていれば8番、9番両方とも○をつけていただくと。

〇加瀬座長
この趣旨は例えば行商、振り売りのような形でやる人は自家店舗にはつけないですね。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
そうです。

〇加瀬座長
ある程度の投資が行われて、自家で店舗の形のあるものを数を調べようという、そういうことですね。

〇工藤委員
じゃ、もう一つ。
漁家レストランというのは、だから自分のところで経営している漁家レストランですか。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
自分のところで経営しているレストランです。
自分のとったものを使っていると。

〇工藤委員
分かりました。
以上です。

〇加瀬座長
工藤委員、それは自家販売でないのに漁家レストランに○がついてしまうことがあるんじゃないかと、そこを区別したほうがいいんじゃないかというご意見ですか。

〇工藤委員
いえ、漁家レストランってそもそも自家店舗という意味ですよね。
そうじゃないですか。
人の漁家レストランというのは入らないわけでしょう。
他人が経営している漁家レストランって入らないんであれば、「うち、自家店舗」というとすごい、並列していると変じゃないかなと思ったんです。

〇佐々木統計部長
漁家レストランも含まれるんじゃないかということですね。

〇工藤委員
そうです。
漁家レストランだって自家店舗ですよね。

〇深水管理課長
販売店舗にしたら……

〇工藤委員
だから、販売店舗とやればいいと思うんです。
その下の6番が水産物販売店舗と書いてあるから、自家販売と書いてあるんだから、ここは「うち、販売店舗」、「うち、漁家レストラン」とやったほうがいいんじゃないかなと思っただけです。

〇行友委員
今の関連で、5番の質問の表現が「出荷額の最も多かった出荷先一つを○で囲んでください」とあるので、両方に丸をつけていいというふうに解釈できないのではないかと思うんですけれども。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
上の段、591番の1から10については(5)の説明文の1行目に該当しまして、そのうち、出荷額が最も多かった出荷先を8番、9番は飛んでしまうんですが、1から7と10のうち1つ選んでくださいという趣旨の項目としておるんですが。

〇行友委員
誤読される可能性があると思いますけれども。
私はそう読んでしまいました。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
分かりました。
ちょっと工夫させていただきます。
販売店舗のほうも、6次産業化の直売所のイメージで追加していきたいと思っていますので、実際の6次産業化総合調査の担当と詰めていきたいと思っています。

〇加瀬座長
よろしいでしょうか。
それでは、ご検討いただくという部分を含めて、この点につきましては(4)漁業センサス試行調査については以上にしたいと思います。
3時まであと20分になりましたが、第1の議題に戻りまして、もう少し議論をしていきたいと思います。
そのときにも、先ほども申しましたけれども、この委員会は何らかの結論を出すということではありません。
委員の意見の分布、そしてそのロジックというものを確認し合えば、あとは統計部さんのほうで検討していただくということですので、そうした権限の範囲内で議論するということになろうかと思います。
どうぞ、ご意見ございましたら、ご発言をお願いいたします。
大森委員、お願いします。

〇大森委員
繰り返しなんですけれども、資源管理の取り組みというのは、世間の目にさらされていくというか、より重要になっていくと思うんです。
資源管理指針に基づいて資源管理計画があるわけですが、収入安定対策の加入率が70%ぐらいですから、3割は資源管理計画はつくっているんだけれども、把握が国として、県としてというか、なされなくなってしまうというおそれもありますので、やはりここでしっかりと悉皆的な把握というものがなされていくというのは大変大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇加瀬座長
ほかにいかがでしょうか。

〇工藤委員
利活用という側面で言えば、2013年の漁業センサスが出まして、農林水産省のほうでその結果について説明した一報があったと思いますけれども、その総括は漁業経営体数は減少しているが、漁業管理組織は増加しているだったと思います。
前面に出ているわけです。
だから、水産庁とは違うのかもしれないけれども、そういうようなメッセージというものが非常に重要だと思っているから、そういうふうな総括があると思うので、そこでやっぱり使っているんですから、不要ですというのはやっぱりそれなりの根拠がないと厳しい、なかなかちょっとこちらも要らなくていいよねとは思えないんです。
そういうようなところを少し追加させていただきます。
それが1点。
もう一つは、確かに第8次から始まった漁業管理組織調査ですけれども、当初の目的はモデル的な組織を全国から見つけ出すと。
そういう役割というのは確かに終わったような気がするんです。
だけれども、じゃ、資源管理が置かれている状況というのは8次センサスと今ではやっぱり大分変ってきたわけです。
資源管理組織というのは、こういう組織がありますよということよりも、その組織がどう動いているかと動態的に捉えるということが重要なんです。
つまりこういう組織をつくりましたで終わっては困るわけですよね。
5年に1回いろいろ見直ししたりしているわけです。
それが今の漁業管理組織調査票ではあるんです、そういうふうに、過去5年間に行った漁業管理の内容ということで。
だから、そういうものを5年おきに捉えることの意義というのがあると私は思いますし、なくすというよりは発展的にもう少し水産庁のほうと検討して、じゃ、全く要らないということはないと思うので、どういう調査が必要なのかということも本当は考えたほうがいいんじゃないかなと思いますけれども。
以上です。

〇加瀬座長
ほかにご発言あればお願いいたします。
大体……どうぞ。

〇行友委員
すみません、素人なのでどうしてもしっかりしたことが言えないんですけれども、やっぱり利活用といった場合に、行政のニーズに応えるという意味の利活用もあるんでしょうけれども、国民に今、日本の漁業がどういう問題を抱えているかを明らかにし、そういう問題に国民の関心を引き出す、むしろ利活用してもらうためにどういう統計の出し方をするかということも考えていかなければいけないと思います。
特に資源管理の問題というのは非常に喫緊の課題というか、重要性が増しているものだと思うので、行政のニーズがなくなったからということだけで切っってしまうのはどうなのか。
それは別にセンサスじゃなくて、水産庁のほうで資源管理計画の策定状況などをもうちょっと分かりやすく国民に訴えるような形で処理して公表するということであっても別に構いません。
センサスでなければいけないということはないと思うんですけれども、その辺はやっぱりもう少しよく汲んでいただいて、行政のためだけの統計ではないんだということは踏まえて考えていただけたらなと思います。

〇加瀬座長
よろしいでしょうか。
私も一言コメントさせていただきますが、この委員会の性格からして、統計部での原案というのが非常に大きな意味を持つというのは当然ですけれども、今、行友委員が言われた国民の知る権利、あるいは漁業者が参考としてそれを知って自分たちの努力をもう一歩頑張っていく、その素材になるというような意味のものとして、この統計というのはかなりの意味を持っていたと思っております。
少なくとも水産庁がやっているから要らないと、自分は知っているから要らないというふうに言われるかもしれませんけれども、それであれば、旧来の統計に見合うような形の調査に変えて、それを公表していただきたいというふうに思います。
それは統計と、それから原課との任務分担という意味で統計部さんにもそういう方向でやっていただけるとありがたいと思っております。
それから、国民の見方という点で言いますと、やっぱり特定の目的を持たないで現状を正確に把握していくという任務を持った統計部局というのは、やはり非常に信用度が高いと思うんです。
それに対して、農業なり漁業なりという特定産業に結びついた官庁の調査というものは、いいか悪いかは別にしまして、やはりその産業の保護なり一定の方向づけなりのための調査であって、現実に全数の結果は出さないというのがずっと続いておりますので、そういう意味で都合のいい統計だけ、都合のいい情報だけ出しているんではないかという、言葉は悪いですが疑いを持って見られる傾向があると思うんです。
そういう意味で、統計部が行う調査というものの持っている大きな役割と信用度というものもあるんではないかなというふうに思っております。
この委員会としては、統計部の原案に対する委員の意見の分布というもの、それからその内容、それをお互いに交換し合うということが責務ですので、その責務は以上で果たしたということにしまして、以上の議論を閉じたいと思います。
続きまして、(5)のその他ですけれども、これについて委員の方から何かございますでしょうか。
なければ、ここで私の司会は終わりにしたいと思います。
ごめんなさい。
現地調査についてですか。
お願いいたします。

〇島内経営・構造統計課課長補佐
最後、資料5になります。
現地実態調査をしたいと思っておりまして、皆様にもメールをさせていただいたところですけれども、加瀬座長のほうより震災地域のことについて調査してみてはどうだというご提案がありましたので、それを頂戴いたしまして実現の方向に持っていきたいと思っております。
目的といたしましては、東日本大震災による影響の実態と、その統計的把握をめぐる諸問題について現地の漁協関係者の聞き取り等により実態把握を行うということで、日程につきましては、年明け2月13、14、これ、決め打ちで進めさせていただこうと思っております。
目的地につきましては、宮城県の南三陸町、こちらの漁協です。
先ほど大森委員からも出ましたように、歌津支所と志津川支所、こちらのほうに訪問できればと思っております。
参加者のほうにつきましても、事前にメールをいただいたところ、現時点ではということをお伝えいただいた方もおりますけれども、加瀬座長と大森さん、小林さん、松尾さん、行友さんに今、ご参加の方向で意向を示されているところです。
以上です。

〇加瀬座長
ありがとうございました。
それでは、司会をお返しいたしますので、ありがとうございました。

〇山崎センサス統計調整官
ありがとうございました。
長時間にわたりご苦労さまでございました。
本日は本当に貴重なご意見ありがとうございました。
いただいたご意見等につきましては、事務局で今後検討させていただきたいというふうに思います。
次回のこの研究会、年明けの3月を予定しております。
改めてまた日程調整等の連絡をさせていただきたいと思いますので、お忙しいこととは存じますが、よろしくお願いしたいと思います。
また、先ほど最後に説明いたしました現地実態把握、詳細を計画してまいりたいというふうに思います。
よろしくお願いしたいと思います。
それでは、これをもちまして第2回の2018年漁業センサス研究会、閉会とさせていただきたいと思います。
皆さん大変ありがとうございました。

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader