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農林水産省

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第4回 2018年漁業センサス研究会 議事録

1. 日時

平成29年10月17日(火曜日)14時00分~15時40分

2. 場所

農林水産省第3特別会議室

3. 出席者

(委員)
笠山   浩昭        加瀬   和俊         小林   憲          行友   弥
水産庁漁政部企画課長(オブザーバー)

(農林水産省)
大臣官房統計部長   管理課長   統計企画管理官   センサス統計室長   他

4. 議事

(1)漁業労働力の総合的な把握について

(2)漁業種類・魚種の把握の充実について

(3)新たな海面漁業地域調査について

(4)その他


  • 本間センサス統計調整官
    定刻になりましたので、ただいまから第4回2018年漁業センサス研究会を開催いたします。
    委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
    本日は、岩手県の伊藤委員、全漁連の大森委員、鹿児島大学の久賀委員、東京海洋大学の工藤委員におかれましては、所用のためご欠席となっております。また、長崎県の笠山委員におかれましては、4月の異動で着任されていますが、前回、6月の研究会には議会対応ということでご欠席となっておりました。今回が初参加となりますので、ご紹介させていただきます。
  • 笠山委員
    前任の松尾が大変お世話になっておりました。4月から参りまして、後任ということでこの席に座らせていただいております笠山と申します。
    どうぞよろしくお願いいたします。
  • 本間センサス統計調整官
    ありがとうございます。
    また、7月の人事によりオブザーバーとしてご参加いただいております水産庁漁政部企画課長に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
    新たに着任いたしました藤田企画課長でございます。
  • 藤田水産庁漁政部企画課長
    藤田でございます。よろしくお願いします。
  • 本間センサス統計調整官
    あわせて、事務局にも7月の人事異動により異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
    新たに着任いたしました大杉統計部長でございます。
  • 大杉統計部長
    大杉でございます。よろしくお願いいたします。
    また、新たに着任いたしました神井管理課長でございます。
  • 神井管理課長
    神井でございます。よろしくお願いいたします。
  • 本間センサス統計調整官
    続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。
    議事次第、座席表の下に資料一覧、それから資料というふうな形でセットさせていただいているかと思います。
    まず、資料1といたしまして、第4回研究会でご議論いただく論点ということで、横紙の1枚ペーパーがございます。それから資料2、漁業労働力の総合的な把握ということで、横紙のとじもの、それから資料3、漁業種類・魚種の把握の充実について、こちらが横紙でございます。それから、新たな海面漁業地域調査について、こちらが資料4としてつづってございます。それから資料5、第3回研究会における指摘と対応方向、こちら1枚物の横紙でございます。それから、縦のものになりますが、資料6として2018年漁業センサス試行調査結果、以上の6点の資料を配付させていただいていると思います。
    お間違いないでしょうか。よろしいでしょうか。
    それでは、これから議事に入っていただきたいと思います。
    加瀬座長、よろしくお願いいたします。
  • 加瀬座長
    それでは、お手元の議事次第に沿いまして議事に入りたいと思います。
    議事としては、その他を含めて4つ用意されておりますが、事務局から準備していただいている資料を一括で説明させていただいた上、それぞれの検討を行いたいと思います。それでは、事務局から資料説明をお願いいたします。
  • 大杉統計部長
    改めまして、統計部長の大杉でございます。
    委員の皆様方におかれましては、熱心なご議論に対しまして改めて感謝を申し上げたいと思います。大変お忙しい中、本日はお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
    これから総論も含めまして資料説明をさせていただきますけれども、この資料に沿った形で忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げます。着席で進めさせていただきます。
    資料の総論的なところなどを説明させていただく前に、背景について触れさせていただきますと、まずご案内のとおり、昨年11月に取りまとめました農業競争力強化プログラムを実現する観点から、先の通常国会で8本の法律を成立させることができたわけでございます。また、森林・林業改革、それから水産業改革も進められているところでございます。
    水産業改革でございますが、本年4月28日に今後10年程度を見通した新しい水産基本計画が閣議決定されまして、その末尾に次のような文言が入っております。水産基本計画については、これまでの漁業センサス研究会でも説明をさせていただいておりますけれども、数量管理等による資源管理の充実や漁業の成長産業化等を強力に進めるために必要な施策について、関係法律の見直しを含め、引き続き検討を行うという記述でございます。
    この記述でございますが、本年の6月9日に閣議決定されました未来投資戦略2017、成長戦略ですけれども、それから、いわゆる骨太の方針2017にも盛り込まれております。それから、規制改革推進会議のほうでございますが、5月 10日の農業ワーキンググループでの議論を経て、5月23日に答申が出されまして、その中で先ほどの表現でございますけれども、数量管理等による水産資源管理の充実や漁業の成長産業化等を強力に進めるために必要な施策について、関係法律の見直しを含め検討を開始し、早急に結論を得るというふうに規定をされまして、そして平成29年検討開始、平成30年結論、結論を得次第、速やかに措置というスケジュール感も示されて、この内容がそのまま6月9日に閣議決定されました規制改革実施計画に反映されているわけでございます。
    その後、規制改革推進会議では水産ワーキンググループが設置されまして、9月20日以降、議論、ヒアリングなどでございますが、行われている、そういう状況でございます。
    他方、通商関係を見ていきますと、去る7月6日に日EU・EPA交渉が大枠合意に至りました。その翌週ですけれども、7月14日には日EU経済連携協定交渉の大枠合意を踏まえた総合的な政策対応に関する基本方針が策定されたわけでございます。今後、日EU・EPAの定性的な影響分析、また、総合的なTPP関連政策大綱の見直し、そして日EU・EPAの定量的な影響試算ということに進んでいくわけでございます。
    こういった形で内政と外交というのは一体でございます。農林水産行政にかかわる政策改革が進んでいるという状況にあるわけでございます。
    こういった農業競争力強化、森林・林業改革、そして水産業改革の状況を踏まえまして、各種の統計調査に関してデータに立脚した政策改革の立案、それから実行フォローアップに貢献できるような、そういう調査項目等の見直しを進めていく必要があるわけでございます。そういう意味では、統計のほうも改革を進めていく必要があります。
    それから、同時に今の統計データの利活用状況、それから他の行政データなどへの代替可能性なども考慮しながら、調査内容の合理化も推進していく必要がございます。漁業センサスは農林業センサスと並んで各種調査の中の、いわば代表格であります。こういったバックグラウンドを踏まえた資料を本日は用意させていただいておりますので、ご審議、ご議論をお願いできればというふうに思います。
    それでは、資料1をご覧ください。A4横紙でございます。
    議題1、水産政策の抜本的な改革に対応した新たな統計ニーズへの対応でございます。
    論点の1が漁業労働力の総合的な把握をどのように行うべきかということですけれども、まず、これまでの漁業センサスでの把握内容についておさらいをさせていただきますと、ちょっと先に参りますけれども、この次の資料2の2ページ目をご覧ください。A3横紙でございます。
    これまでの漁業センサスでは、個人経営体については世帯員に関して男女別、年齢階層、海上作業に従事した実日数、それから海上作業に最も多く従事した漁業種類、1位だけですけれども、これを把握してまいりました。ただ、これに対しまして団体経営体についてでございますが、こちらのほうは1年間に海上作業に30日以上従事した者について、雇用者も含めて男女別、年齢階層別の人数のみを把握するという形でございました。
    それから、個人経営体、団体経営体を通じまして、11月1日現在の海上作業従事者数、個人経営体については雇用者数ということになりますけれども、それ。それから、1年間に海上作業に30日以上従事した人数、個人経営体については雇用者数ということになりますけれども、それ。それから、最盛期の陸上作業従事者数、個人経営体については雇用者数ということになりますが、これを把握してきたわけでございます。資料2の1ページでこの後、この論点についての視点を提供したいというふうに考えております。
    論点2でございます。複数の漁船、漁業種類を組み合わせて経営を行っている実態から、漁船・漁業種類ごと等の把握を拡充すべきではないかということです。こちらのほうも、これまでの漁業センサスでの把握内容についておさらいをさせていただきますと、先に行きまして資料3の2ページの表の左側をご覧いただければと思います。
    これまでの漁業センサスでは、個人経営体、団体経営体を通じて営んだ漁業種類を全て把握して、その中で販売金額が1位、それから2位の漁業種類を把握するという形でございました。
    それから、魚種ですけれども、漁獲した魚種については調査を行っていなかったわけでございます。また、漁船単位で販売金額が1位の漁業種類を把握していました。資料3の1ページで、この論点についての視点を提供していきたいというふうに考えております。
    論点3でございます。これまでの海面漁業地域調査、それから漁業管理組織調査について、新たな資源管理の取り組みなどを踏まえた、地域ごとの活性化の状況等の把握を効率的に行う調査になっているのかということでございます。これに関しては資料4で視点を提供したいと思っております。
    議題2でございますが、改革に対応した調査事項。先ほどもご紹介いたしましたように、新水産基本計画に沿った水産業改革のための政策立案、実行、フォローアップに貢献できるようなデータを的確に把握できる調査項目が設定されているかということでございます。
    議題1、資料2、資料3、資料4でございますが、これも当然、関連でございますけれども、これら以外の内容も第3回、前回の漁業センサス研究会の資料2の中に入っております。
    それでは、資料2に移りたいと思います。
    これまでも漁業センサスでの把握の内容については、先ほどご紹介させていただいたとおりですけれども、2018年漁業センサスでの新しい調査票のイメージというものを、この資料の1ページの左下に掲げております。
    個人経営体における世帯員と同様に、団体経営体における一定の者、一定の者というのは経営者ですとか、船長ですとか、漁労長ですとか、機関長ですとか、養殖であれば養殖場長ですとか、そういった関係者を含むと考えられますけれども、これらの者について男女別、年齢、それから作業に従事した実日数、そのうち海上作業に従事した実日数、また海上作業に多く従事した漁業種類3位までを把握するということで考えているところでございます。
    こういった新しい調査票をイメージした場合の課題ですけれども、右下にありますように、団体経営体における「一定の者」というものをどういうふうに捉えるのか。その範囲と定義づけがなかなか問題であろうかと思います。
    それから、大規模団体経営体にあっては、こういった一定の者に該当する者が多数に及ぶ可能性があります。この場合の補助票等の活用に当たって、記入者負担に配慮する必要があるんではないかという問題点もあるわけでございます。
    以上が論点1についてでございます。
    論点2にまいります。資料3をお願いいたします。
    これまでの漁業センサスでの把握内容については、冒頭ご紹介しましたとおりですけれども、そこにありますように、限られた資源・漁場を効率的に利用する、また、経営を安定させるといった観点から、複数の漁船、漁業種類を組み合わせて営むというのが実態でございます。
    2018年漁業センサスでの新しい調査票のイメージ、これが下に書いてある内容でございまして、個人経営体及び団体経営体を通じて、販売金額が3位まで、2位までではなくて3位までの漁業種類を把握してはどうか。それから、資源管理措置の導入を念頭に置きますと、各魚種の漁獲についての経営体の全体像の把握が必要であると考えられますので、販売金額が多い順に1位から3位までの魚種を把握するというイメージではなかろうかというふうに考えます。
    それから、1つ飛んで4のところでございますが、個人経営体及び団体経営体の漁船ごとに販売金額が2位、3位までの漁業種類を把握するというイメージ。また、出漁日数についても多い順に1位から3位までの漁業種類を把握するといったイメージではなかろうかと思います。
    こういった情報が水産業改革のための企画立案、そして実行、フォローアップの観点からも必要であろうという認識でございます。
    課題でございますけれども、右下をご覧ください。こういった形で項目の重複感があるとか、あるいは記入者負担が大きいとか、そういった問題があろうかと思いますし、それから作成する統計表、これは表章の問題ですけれども、多次元化して複雑化するという問題もあろうかと思います。
    以上が論点2についてでございます。
  • 宮川センサス統計室長
    引き続きまして、資料4についてご説明します。新たな海面漁業地域調査についてでございます。
    前回の研究会でもこの課題についてはご議論をいただきました。実は、この課題は第2回の研究会で調査のスリム化の観点から、ちょうど左下の部分にございます漁業管理組織調査を、廃止をしたいという提案を私どものほうからしたところが発端でございます。この調査で把握している資源管理にかかわる取り組みが把握ができなくなるというのは、重要な情報を欠くことになるので、再考すべきといった意見を各委員から多数頂戴したわけでございます。
    これに加えまして、今ほど大杉部長からも説明をさせていただきました、水産政策の抜本的な改革に対応して、地域ごとの新たな漁業資源管理の取り組み、あるいは地域ごとの活性化の状況について把握が求められる状況となってまいりました。こうした点を踏まえながら、これまで2つの調査の体系について、再考した結果をお示ししているのがこの資料4でございます。
    下段をご覧いただけますでしょうか。これまで海面漁業地域調査にあっては934の沿海地区漁協、これは漁協の本所でございますが、ここに対してその漁協が管轄する地域について、漁業の体験だとか、あるいは魚食普及活動といった活性化の取り組み、あるいは漁場環境の変化などを把握をしてきたということであります。
    一方で、さらにその下でございますが、漁業管理組織調査、これは漁協の部会等の組織、1,825に対して資源管理の対象魚種、あるいは漁業種類の内容、それから参加漁業経営体数といった資源管理の取り組み内容を調査してきたということでございます。
    右下にございますように、このたびこの漁業管理組織調査を海面漁業地域調査に統合して、新たな海面漁業地域調査として実施したいということでございます。これに伴いまして、調査の地域範囲は全国2,182の漁業地区とするということであります。この漁業地区は沿海地区の漁協の支所の範囲にほぼ一致する区域でございます。こうした地区ごとに展開されている地域活動を、漁協の支所の職員に記帳協力をいただきながら調査するという考え方でございます。
    恐縮でございますが、1ページめくって4-2ページをご覧ください。
    参考としてございますが、私ども漁業センサスでは歴史的に漁業地区というものを定めておりまして、ここではこれについて紹介をしています。枠内にありますとおり、漁業地区とは市区町村の区域内において、共通の漁業条件、共同漁業権を中心とした地先漁業の利用等に係る社会経済活動の共通性に基づいて漁業が行われている地区、このように定義しているところでございます。
    具体的には、さらにその下に記載があるんですが、1963年に初めてこの地区を我々、設定したということでございます。その後、見直しをしてきたということでありますが、アンダーラインのところでありますが、現在では1992年時点の沿海漁協の管轄地区を単位として、これを漁業地区の地域範囲として設定しまして、その後2002年までの漁協合併に合わせて地区を見直してきた。2003年からは地区の範囲を固定しているということなんです。こういう変遷を通ったのが漁業地区であります。
    右下に表を記載していますが、現在の漁業地区数2,182、沿海の漁協数、これ本所の数でありますが934、こういう関係になっているということでございます。
    もう1ページお開き願えますでしょうか。4-3ページでございます。 本日の時点ではまだイメージということですが、この資源管理に関する調査事項の案を提示をしています。
    まず、資源管理・漁場改善にかかわる調査事項でございます。これ、前回の研究会でも統合のイメージ案はお示ししたところですが、今回の提示案では左側、表側の部分をご覧をいただけますでしょうか。これでおわかりのとおり、資源管理の取り組みごとにその内容が把握ができるように、そして、それぞれ資源管理計画、漁場改善計画、それからこれ以外の任意の取り組みも含めまして、それぞれ1行に、表頭に当たる部分を整理してもらう、こういう調査でございます。
    それから、前回、久賀委員からもご指摘をいただいたんですが、業容に当たる部分、すなわち、参加している経営体数、規模です、これを2欄に入れるように改善・工夫をしているということでございます。
    表頭部分でございますが、対象とする漁業資源、いわゆる魚種の部分でございます。それから、さらにその右、実施している措置については、前回研究会で提示をした内容に変更はございません。ただ、この記入を任意の取り組みも含めて計画ごとに記載をいただくという関係から、表頭の一番右端、緑で網かけをしてございますが、漁獲の管理について、これが法制度による規制なのか、あるいは、法制度を上回る自主規制なのかを選択記入してもらう、こういう調査項目を設定をさせていただいたということでございます。
    大変恐縮でございます。前回との議論の続きがございますので、少し横道にそれたいと思うんですが、机上にブルーのファイルがございます。ここの第3回の研究会、ここの資料1の部分をお開き願えますでしょうか。
    これ、資料1を1枚めくってもらいますと、別紙1が出てまいります。これが2つの調査を統合する、今回お出ししたのとほぼ似たような内容で、体系の整理がされています。
    さらに1ページめくっていただくと、前回提示した新たな漁業資源管理の調査のイメージということでお示ししているんですが、これは前回考えたのは934の漁協に対して、どれぐらいの計画数がありますかという、それぞれの計画数を書いてもらうという調査項目を仕立てていたんです。ここには久賀委員がおっしゃった業容の部分は入っていなかったりしている。これを、今回、この形に計画ごとに、それぞれ取り組みごとに整理をするという形にかなり改善をしているということでございます。
    資料に戻っていただきまして、今の大きな紙でございますが、その下であります。ちょうど真ん中あたり、2番と整理してございますが、漁協が遊漁関係団体と連携をした取り組みについて項目設定してございます。これは以前、海面漁業地域調査で設定した項目を整理したものでございます。
    さらにその下、2の部分ですが、漁協地区の会合、あるいは集会の開催状況について項目を設定しています。これは先ほどもご説明しましたが、水産政策の抜本的な改革に対応いたしまして、漁業地域における漁業権の扱いを含む企業の参入など、地域活動の取り組みについて新たな検討を進めているという事項でございます。地元地域において、漁協支所の集会・会合の回数、さらに右の項目でその議題について把握する調査項目を設定しています。
    それから最後に、実はこれ以外に地域の活性化の状況についてはまたさらに検討を進めてまいりますので、次回、研究会の中でまたご議論をいただきたいと考えています。
    以上が資料4でございます。
    続きまして、めくっていただいて資料5、横紙でございます。
    これは第3回、前回の研究会でご指摘をいただいた内容と、その対応方向ということで、説明の順番が前後して大変恐縮でございますが、こういった議論が行われたということでございます。
    まず、1つ目は共通的な事項になります。これは加瀬座長からのご発言でありましたけれども、本調査、この漁業センサスは国民共有の財産であるということであります。こういう観点からも、行政部局の利活用がなくなったからという、ただ、それだけの理由で項目を削減をするという整理は再考願えないかというご指摘であったわけであります。削減理由の整理ぶりは、私どもも悪い部分がございまして、表現ぶりは改めてまいりたいというふうに考えてございます。
    なお、統計調査の調査項目の設定は、記入していただく方の負担とならないように留意する必要があるというのもまた一方で大事なことでございます。優先すべき事項から順に調査項目として設定をする、こういうことを基本に考えてまいりたいと思っております。
    それから、2つ目でございます。漁業管理組織調査の関係でございます。資源管理の調査に当たっては、業容、すなわち、規模が重要となるので、参加経営体数についても把握すべきといった意見を頂戴をいたしました。これは久賀委員からのご発言でありました。これについては、先ほど資料4でご説明をしたとおりであります。私どももいくつかの漁協に赴きながら、記入が可能であることを確認をしてまいりましたので、この参加経営体数については項目を設定するよう考えてまいりたいということで思っております。
    それから、3番目でございます。前回、労働力の総合的な把握、過去1年間の自家漁業の雇用者数の把握を提案させていただきました。これに対していくつかのアドバイスをいただいたということであります。これについては、今ほど資料2で部長から説明をさせていただいたとおり、個人・団体を通じて労働力全体を把握するということを新しい切り口として検討しているということ。それからもう一つは、漁業の場合、臨時と常用雇用、これを契約期間によって単純に分けることが難しいんじゃないかという議論を我々もやりまして、結果、今回のセンサスでの導入は見合わせるというふうに考えてございます。
    それから、3番目の一番下の出荷先についてでございます。漁獲物の出荷先に自家販売の項目を設定をしていました。自家販売にもさまざまありますので、自家販売を、消費者に直接販売という表現に改めて、この内訳として自営の直売所、これ以外の直売所、それからインターネットなんかも含めて、その他というふうに3つに区分をするよう調査項目を設定する方向で考えたいと思っています。
    それから、4番目の冷凍・冷蔵、水産加工場調査関係でございます。
    水産加工品の出荷先に輸出という項目の設定を提案したところ、輸出については直接の輸出もあれば商社を通じた輸出もある、もう少し工夫が必要なのではないかというご指摘をいただきました。これについては、出荷先を国内向けと海外向けに分けて、輸出はどういうルートを通ろうとも海外向けとして記入してもらうように設定したいと考えているということでございます。以上が資料5でございます。
    続きまして、資料6でございます。これから行う本調査に先立って、試行調査を行っております。この概要について整理したペーパーが資料6ということでございますが、本年7月に海面漁業調査で4つの市町、内水面で7つの市町、それから流通加工で4つの市町において試行調査を実施をして、この概要の取りまとめでございます。
    (3)の表にございますとおり、海面漁業経営体調査については、都道府県、市町村、それから調査員を通じた調査体系、それからこれ以外の5つの調査については農林水産省の地方統計組織を通じて調査するということでございました。これ、いずれも本番を見据え、本番と同様の調査体系で実施をしたということでございます。
    それから、この1ページ、一番下の(4)でございますが、調査方法、これ、結構書いてあるんですが、総じて申し上げますと、本番に向けて調査方法の変更を検証するという趣旨で、郵送・オンラインによる方法を採用したということでございます。
    それからめくっていただきまして、2ページの(5)でございます。検証事項を取りまとめてございます。
    アでございますが、新たな、新項目の検証ということが一つ。それからイでございますが、調査員調査をオンライン・郵送調査へ変更することの課題の把握、あるいは労力比較。それからウでございますが、協力依頼状の事前送付のPR効果について検証したということでございます。
    3ページ以降は検証結果でございます。
    2の(1)は新規項目の記入状況ということであります。新規、あるいは変更項目について、調査対象が適切に記入できた割合と、補正が必要だった割合、これを3ページの表の1-1から7ページの表1-6にわたってずっと記載をしてございます。細かな説明は省かせていただきますが、各調査票ともに、おおむね適切に記入をされていた。ですが、やはりどうしても調査員や職員による補正が必要、こういうこともございました。
    恐縮です。めくっていただきまして、さらに8ページでございます。
    調査方法の検証に関する結果でございます。
    まず、表の2-1にございますように、海面漁業地域調査等3つの調査について、調査員調査ではなくて、オンラインや郵送調査で実施してみたということであります。どの調査においても回収ができないといったケースはございませんでした。加えて、記入状況も良好なものが多いという結果になっています。
    3つ目の検証内容、隣のページ、9ページの(3)ですが、広報の一環としての協力依頼状の事前送付についてでございます。これは調査員の感想を取りまとめているものですが、多くの調査員が効果を感じていたということでございます。
    さらに、9ページの3番には試行調査に協力をいただいた県、市町の担当者、あるいは当省の地方組織の担当者からの意見を取りまとめてございます。
    それから、最後に10ページの4番でございますが、まとめを整理してございます。
    まず、(1)でございますが、新たな調査項目についてはおおむね適切な記入が可能であることが確認できたということでありまして、こうしたことも踏まえまして、2018年、漁業センサスにおける調査票の設計をしてまいりたいと考えています。
    次に、(2)でございますが、今回試行した郵送・オンライン調査の調査方法については、検証の結果、大きな問題はなかったということでございます。本番においても今回試行した調査方法を導入していくということで進めていけると考えてございます。
    しかしながら、イの内水面のところにございますように、調査員調査に比べて調査票の補正が多いということもございました。郵送調査は地域の実態に合わせて選択ができるように考えていくというのも一つの考え方というふうに考えております。
    最後に、(3)の効果的な広報手段ということでございますが、協力依頼状の事前送付については一定の効果が認められたということから、これまでポスターの作成やパンフレットの配布の広報活動を行ってまいりましたが、これに加えて、協力依頼状の事前送付もやっていくと考えていきたいということでございます。
    事務局からの説明は以上でございます。
  • 加瀬座長
    ありがとうございました。
    それでは、議論に入っていきたいと思いますが、議事4点並んでおりますが、最初の2点は類似の論点と考えられますので、一括して議論したいと思います。すなわち、漁業労働力の総合的把握、それから漁業種類、魚種別の把握という点について、意見をまずお願いしたいと思います。
    その前に、本日の議論の仕方なんですけれども、少しフリーな感じのディスカッションということで、自由にご意見をいただきたいと思います。といいますのは、一つの条件は本日、委員の出席者が4名であって、定員8名ですので、いわゆる審議会であれば過半数成立していませんので、散会というふうになるはずなんですが、ここは勉強会ですので、そういうリジッドなことはないと思いますが、半数の人のご経験の中での議論になるので、できるだけそれぞれの方が意見を出していただきたいということがございます。
    それからもう1点は、この会議の今までの進め方は、やはり全体の統計の流れと私たちが理解していたような動き。すなわち、記入者の負担をなるべく減らしていくために、項目を削減していく方向で議論する。新しく入れるというようなものはもってのほかだという、そういう感じでの議論だったというふうに思うんですが、今日、新しい提案が統計部のほうから出されているということで、これは予告なしの初めてのものですので、それに対して忌憚のない意見を出し合うというような形にしていきたいと思います。
    本日それぞれについて研究会としての結論を出すということでは、必ずしもなくていいのかなというふうに思っております。
    ということで、どうぞ、自由に発言を求めます。
  • 小林委員
    フリーな形でというお話もありましたので。
    個別の議題についての話の前に、座長がおっしゃったように、前回までの議論と異なって、今回、調査票にかなりの量の修正をするべきだという話が出てきておりまして、これを受けて、今後、このセンサス研究会がどのような形で進められるのか。前回までのところの内容で試行調査が終わっているわけですよね。それに対して今回新たなものが含まれたということについて、試行調査をやる時間があるのかどうかも含めまして、どのような形で最終的な調査に持っていこうという形になるのか。その中で委員としてどういうところで意見を出していけばいいのか。その辺を教えていただきたいなと思います。
  • 加瀬座長
    いかがでしょうか、事務局、よろしくお願いいたします。
  • 宮川センサス統計室長
    ありがとうございます。
    試行調査はもちろん本番を意識しながら、調査項目だけではなくて、調査体系の変更なども含めていろいろトライアルをしていくというのが目的でございます。もちろん、前回試行もそのために行っています。しかし、このたびは、試行後に、まさに水産の改革が動いてきたという中で、新たな視点で新たな項目を追加する必要が生じたということでございますので、これはしっかり議論しながら進めてまいります。
    ただ、残念ながら、予算的にも時間的にもトライアルをする時間がございませんので、必要な部分は私たちが現地に入って確かめたりはしますけれども、試行調査は行わず進めていくということになります。
  • 小林委員
    センサスの本番の調査はいつされるのでしょうか。
  • 宮川センサス統計室長
    本番の調査は来年11月1日が実施日となります。
  • 小林委員
    では、あと1年ですね。
  • 宮川センサス統計室長
    はい。もう少しスケジュールを申し上げますと、これから総務省の統計委員会にこれを諮問をして、ご議論をいただいて、答申をいただいて、いよいよ都道府県とか農水省の地方組織のほうに調査を降ろしていくという形で動いてまいります。
  • 小林委員
    そうすると、そのデッドラインというのはいつなんでしょう。例えば調査項目をこれで固めますよというのはいつぐらいになるのでしょうか。
  • 大杉統計部長
    これまでの漁業センサス研究会での議論の進め方からすると、ちょっと違和感があるかもしれませんけれども、水産業改革を念頭に置いた、必要な、新たな調査項目を立ててやっていこうということについては、一方でスケジュール的な制約がありますので、次回のこの研究会で、大体、調査票のイメージは固めていかないと、政府部内の、これ基幹統計ですので、統計委員会に諮問をして、答申をもらって、そして総務大臣の承認を得るという手続が必要ですし、それから実際に本調査をやっていくに向けての準備にも時間がかかりますから、来年11月1日実施ということを念頭に置きますと、もうスケジュール的にはぎりぎりのところに来ているというふうにご理解いただければと思います。
  • 小林委員
    わかりました。
  • 加瀬座長
    その上で。
  • 小林委員
    その上で、座長から2と3と合わせてという話なんですけれども、ご説明の中にありましたように、基本計画から端を発して、それなりにちゃんと把握できるようなものにされていきたいということで、そこについて私は反対する意見は全くございません。ただ、ご説明の中にありましたように、記入の負担というんですか、その辺の部分がどうなるかというところが一番心配になります。
    私、今日は漁協さんはいないのですが、多分、漁協といいますか、漁協に属している、中小の漁業者が一番今回は負担を受けるんじゃないかと思います。
    大きな企業体は、それなりに総務さんなり経理さんがいるので、今回こうしようと思われているものについては、多分、記入することに、それほど手はかからないのかと思うんですけれども。要するに、二、三隻持っている、本当の中小の人たちですね、その人たちがこの乗組員の実態を入れていくとかについてはかなり大変なことになってくるんじゃないかなというふうに思います。
    それから、調査票のイメージの中に関係の補助書類をいろいろ、このセンサスじゃないものに使っている資料なんかも含めてというお話もあったんですけれども、その中で、例えばどういったものを使えばこのセンサスの内容に反映できるかというものの何か具体例みたいなのがあれば、書くほうとしては楽なのかなと思います。
    つまり、例えば海上関係で言いますと、これは国交省になるんでしょうけれども、船には海員名簿というのを備えつけないといけないんで、その海員名簿を見れば、年齢から何から全部書けることを経営者はある程度把握はしているんだと思うんですけれども、また、例えば厚労省といいますか、ここは社会保険関係の資料なんかを使って、ここに反映するんだよとか、そういうある程度の指針みたいなのがないと、急にこれだけのものを書くというのは多分相当大変じゃないかなと思っております。
    2と3についてはそのくらいが今の段階で思った意見です。
  • 加瀬座長
    私も類似の意見を言わせていただきますけれども、法人経営体ないし企業的経営体の乗組員の性格、あるいは経営体としての特質というのを今まで以上に把握していく必要があるという点は全くそのとおりだというふうに思いますが、いくつか注意しておく必要がある点があろうかと思います。
    一つは、乗組員の性格をより丁寧に把握するというときに、かつて……かつてというのは前回、雇用乗組員の調査がなくなったわけですね。その雇用者世帯の調査がなくなって、船主が記入するというふうに変わったわけです。
    したがって、それを今、かつてであれば簡単に書けたかもしれないものを、今やろうとすると、乗組員がかつては自分で聞かれたわけですから、したがって自分がどういう船にどういう順番で乗って、どういう漁業種類を繰り返しやっていますということは間違いなく書けると思うんですが、例えば定置の乗組員を雇っていた定置業者が、定置をおりた後、沖合底引きに乗る人たちについて、年間何日働いて、何日、どのような漁業種類をつなげていくかといったようなことは、多分、把握できないと思うんです。
    そうした形で1人の船主が1年間雇って雇いどめがないという状態であれば、かつてと同じように把握できると思うんですけれども、経営者が記入するという調査票で、それを明確にしていくということは、相当書きやすい手引がないと難しいだろう。その手引を果たして、一経営者が1年中雇っているというものであればたやすいですけれども、それ以外の多様なものが実際問題としてはあるわけで、そこを対処しなきゃいけないのではないかというような感じがいたします。
    それが資料の2ですね。資料がたくさんあって、大きさが違って、ちょっと把握が難しいんですが。
    それから、類似のような問題で、これも不可能なことではないんですけれども、水揚げをした船主さんが把握するための材料というのは出荷伝票だと思うんですが、出荷伝票に書いてあるのは魚の種類ですよね。したがって、その魚の種類を漁法別に集計する、漁業種類別に集計するというのは自分でやらなきゃいけないわけですよね。これがどのぐらい正確になされていくのか。これについては手引の中で相当、あまり細かな日々の、月別のものをあまり細かくやらなくてもできるような方式というのを何か出さないと、相当丸めた数字が出てきてしまうのではないかといったような危惧があります。これらの点については、私などよりも、それこそ全漁連の大森委員のほうが具体的な問題を指摘してくださるかと思いますけれども、そうした点についてご検討いただきたいなというふうに思いました。
    そのほか、何かございますでしょうか。
  • 小林委員
    関連して。これは、海上の漁業従業日数だけというイメージなんですか。陸上の部分も入りますか。
  • 大杉統計部長
    資料の2の1ページですけれども、ここにありますように、陸上も含めた従事日数を記入してもらって、その中で海上の作業日数を内数として記入していただく。こういうイメージでございますので、海上作業日数だけではありません。
  • 小林委員
    そうすると、例えば陸上だけの職務といいますか、従事者というのはどうなるんでしょう。
  • 大杉統計部長
    いや、ですから、その場合は全従事日数の中にのみ入って、海上作業日数はゼロということになります。
  • 小林委員
    ということは、例えば企業に雇われている人を全て書くという形になるんですか。陸上作業だけの人で。この人は陸上しかやっていません、海上はゼロですというイメージになるんですか。
  • 大杉統計部長
    そういうイメージです。
  • 加瀬座長
    今まで漁業労働力調査は一貫して海上作業をやった人に限定して、30日以上やっている漁業就業者と11月1日というところで押さえたんであって、陸上の人については、陸上だけの人については漁業労働力としては把握してないわけですよね。
    そこが今回大きく変わるのかという質問。
  • 大杉統計部長
    いや、今まででも最盛期の陸上作業従事者数というのは、個人経営体の場合については雇用者ということになりますけれども、個人経営体、団体経営体通じて、そういう把握は、今までもしておりました。
  • 小林委員
    今回は全体じゃなくて、個人別に全部ということになっているんですね。
  • 大杉統計部長
    全部ということではなくて、まず個人経営体については基本は今までから大きくは変わりません。世帯員について、そこにありますように、性別、年齢、そして従事日数、内数としての海上作業日数、それから海上作業日数が多かった漁業種類というのは、これまでは1位だけ聞いていましたけれども、3位まで聞きましょうということで拡大しますけれども、個人経営体の場合はそういうことです。団体経営体の場合はどういうことかといいますと、一定のものについて個人経営体の世帯員と同様の把握をしようという発想ですから、全員ということではありません。例えば船長ですとか、漁労長ですとか、機関長ですとか、それから基本的に海上作業がない陸にいる管理運営業務だけをやる経営者とか、そういう方などについて個人経営体の世帯員とほぼ同様の情報を把握しようという発想です。
  • 小林委員
    そうすると、この一定の者ですか、ここをどこまで広げるかというところが一番重要ということですね。
  • 大杉統計部長
    さようです。資料2-1の右下に書いてありますように、先ほどもご紹介しましたけれども、大規模団体経営体になりますと、この一定の者というのが相当程度になるんじゃないのという話はご指摘のとおりだと思います。その場合に、そういう人たち、基本は全てについて記入をしていただこうというふうに思っていますので、この一定の者というのをどこまでの範囲にするのかというのは、よくよく吟味をする必要があろうかというふうに思います。
  • 加瀬座長
    例えば、マグロの24人のうち、何名ぐらいがその一定の者に当たるというようなイメージになるんでしょうか。
  • 大杉統計部長
    基本は経営者プラス経営に、あるいは、操業の重要な部分に責任を持って携わっているような人たち。そういうイメージでいますので、なかなか団体経営体と個人経営体と単純には比較できませんけれども、発想としては全体経営体においては、個人経営体で言うところの世帯員に当たる人たちというのはどんなところだろうかというようなイメージで捉える。
    そうやらないと、これだけ団体経営体がふえている、あるいは、もともと水産の場合は農業なんかと違って多かったのかもしれませんけれども、そういう世界を外して、家族経営体の世帯員についての情報だけを捉えて、データをつくっていくということでは、水産業の実態を捉えることができないんだと思うんですね。やっぱり家族経営体と組織経営体を合体して、通じて、労働といいますか、従事の状況というのがどうなのかというのを捉えていかないと、今後、漁業の成長産業化のための水産政策の改革といったことを進めていくわけですから、必要な情報だというふうに思いますので、その家族経営体の世帯員の延長線上で組織経営体の一定の者というものがあるというイメージを持っていただければいいんじゃないかと思います。
  • 小林委員
    そういう意味では、先ほど座長がマグロの話もされましたけれども、私ども今、海技資格者の不足で悩んでいるわけですから、例えば資格持ちというんですか、船で言うと要するに職員の部分ですね、部員、甲板員についてはここから外れるという形にするのであれば、ある程度負担が減るのかなというイメージは今、持っています。
    あとは陸上部門、先ほど部長は管理部門とおっしゃった、そこについてのところをどう捉えるかというのが、ちょっと今イメージが湧かない感じです。それでも例えば役職で何か、何とか部長までとかいう形にできるのか、そこはちょっと悩ましいなという感じがします。船のほうはそういう一定の何か線引きができるんじゃないかなと思ったところです。
  • 加瀬座長
    その問題は、一定の範囲というのがいわば経営側に立つ人と単なる労務の提供者というのを分けるというご趣旨だと思いますけれども、そこで書く人が間違わないような手引の書き方を工夫する必要があるだろうというふうに思われるのが1点。
    もう1点は、法人のそうした企業的経営の性格を明確化することによって、逆に家族経営の側の把握もより注意しなきゃいけない点が出てくるかなという感じがするんですね。
    といいますのは、農業センサスの側で集落営農に参加している人たちについては、これを家族経営として捉えないというのが2005年の農業センサスでなされたわけです。結果として農家数が大きくそこで不連続に減ったということがあったというふうに思いますけれども、家族経営なんだけれども、税務の関係で法人化している。
    例えば魚の養殖などは、家族経営であっても1億、2億という売り上げは普通に今なってきていますので、銀行の勧めで法人化しているという経営体は非常に多いと思うんですが、それが実態は、しかし雇用者はいなくて、おやじさん夫婦と息子、兄弟2人かな、ぐらいで2億、3億やっているというのが多いですよね。そうしたものが非常に、何か形式的に今は分けられているわけですよね。せっかくここのところで法人経営体、実質的な法人経営体はそういう形で、部員、職員の区分というような形でやるとすれば、農業センサスのように機械的に、法人になっていれば別にしちゃうというのではなくて、実質、漁協の方が記入するわけですから、どちらだというふうに分けるわけですから、そういう意味では実質家族経営の部分は個人経営体として把握するというようなふうにできないかなという気もするんですけれども、それはどうでしょうか。
  • 大杉統計部長
    加瀬座長、どうもありがとうございます。
    先ほどご紹介したことと若干重複するかもしれませんけれども、法人化されているけれども、実質、家族経営体だという、そういう形態についての実態の把握というのは、今後は家族経営体の世帯員についての情報の把握と、それから組織経営体の一定の者についての情報の把握というのは、基本的にパラレルにしていきましょうという考え方ですから、形は法人であっても実質は家族経営体だというところは、これは基本、家族経営体についての情報を、世帯員についての情報を把握するということでご理解いただけると思います。
    今回、家族経営体の世帯員についての情報の把握を、組織経営体の一定の者についての情報の把握まで広げていこうという発想って、まさにそういうことなんですね。形が家族経営体であろうと、組織経営体であろうと、ほぼパラレルに把握をしていこうという考え方ですので、まさにその延長線上でございます。
    それから、せっかくマイクを頂戴いたしましたので、先ほど加瀬座長からご指摘があったことについて、少しコメントいたしますと、魚種について、魚種ごとの漁獲量とか、こういう情報というのは伝票上で明らかだけれども、漁業種類ということになるとなかなかそうではないという話がございました。
    ただ、多くのケースでは産地卸売市場でセリ、ないしは入札という形で出荷をしていきますから、私どもの調査でいきますと、大体8割~9割は産地卸売を経由しているというふうに言われていますけれども。
    その産地卸売市場での卸、ですから、漁協ですとか、○○魚市場、株式会社といったようなところには、必ず魚種ごとの数量の伝票と……伝票というかそのデータと、漁業種類ごとの数量のデータがあります。ですから、漁業種類ごとのデータというのはとれないものではないというふうに思っていますけれども、ここで聞いているのは、加瀬座長がおっしゃったとおり、ざくっとした数量を把握すれば、1位か2位か3位かという順位を問うものですから、十分答えられるというふうに思います。
    漁獲金額を漁業種類別に記載せよとか、漁獲量を漁業種類別に3位まで記載せよとかということになると、これはこれで手間なところはあるかもしれませんが、聞こうとしているのは順位でございますので、水揚げの実態からしても可能なんじゃないかというふうに思います。
  • 加瀬座長
    笠山委員さん。
  • 笠山委員
    ご発言の機会をいただいて、ありがとうございます。
    資料をいただいて、実査を担当する部署ということで、うちの担当者にも声をかけて、こういうところがわからんとですよという話もあったものですから、せっかくの機会なのでご質問ということで2点ほど教えていただければと思っています。
    私、今回初めてなんですけれども、前回の資料を拝見させていただくと、議題の2に関係することだと思うんですけれども、報告者負担の軽減という話もあって、よかったなと思っておったんですけれども、事前に資料をいただいて、新規の項目も入り、部長さんおっしゃるように、新しい計画を実施に移すに当たって、エビデンスというものをとっていくということなんだろうということで、そういうことはうちの県でもやっぱりそういう必要な作業としてやっておりますので、そこは十分理解するところなんですけれども。
    一方、統計を実施して、そこを根拠として使うためには、調査拒否も含めて、そういうことがないようにしていく。結果が本当に正しいものなのかどうかという、精度を高めていくということは、何の統計でも追求しておるところでございまして、既にるるご発言があったように、十分わかりやすく説明をしていくんだろうなと思います。
    資料3にしても、資料4にしても、そういった意味で新たな項目なり内容というのが入っておりまして、正直、私も長崎はやっぱり水産が多いので、私の親戚もまさに家族経営でやっていまして、これ見せていただいて、できるかなと正直思っていたところなんですよ。
    それで、私自身は農業なんですけれども、そういう意味で心配をしておりまして。ただ、こういった研究会の場に資料として出されるに当たっては、うちの県の場合もそうですけれども、内部で十分検討されて、提案をされていると思います。そういった意味で、報告者負担の軽減という観点で、先ほどおっしゃったように、試行という機会がなかなか厳しいという中で、多分、ヒアリングあたりもなさっておられると思います。そういったところで、報告書負担の軽減という部分について、内部的に、あるいは制度設計上、報告者負担軽減を図りつつも、精度を高めた統計調査を実施していくということについて、どういうふうな整理をなさっておられるのかなというところは、次回でも結構ですので教えていただければ。漠然とした質問で申しわけございません。
    つまり、何を言いたいかというと、統計調査をやる以上、その利活用と、施策に生かすということを本県でも声高に叫ばれておりまして、国のほうでも言われているとおりでございます。そういったところで、統計調査の結果を使うためには、やっぱりそこから何らかのヒントを得て、仮説をつくって、必要に応じてさらに深掘りして、施策につなげていくということなんだろうと、勝手に理解しております。
    そういった意味で、今回、新たな負担を漁業者等に求めるとしたときに、そのことについてどの程度の負担が発生するけれども、それはこういう方法で解消が可能なんだとおっしゃったように、わかりやすい手引で可能なんだ。ただ、問題はその出口の部分で、私は不勉強で申しわけございません。どういった施策につなげていく、あるいは、どういった仮説を打ち立てるためにこういった項目が必要なんだというところが、私は非常に不勉強で申しわけありません。そういったところが、実際、調査をする上で、調査客体のほうにもわかりやすいような説明があるともっといいのかな。そういったところを私、漁業に関して素人ですけれども、そういったものにもわかりやすく次回、ご説明をいただければなと感じます。
    もう1点、今日初めて見せていただいた資料6なんですけれども、一番最後のところに、効率的な調査方法についてということで、4のまとめの(2)のアとイと分かれて書いております。アのほうは郵送による調査、あるいはオンライン調査、こういったところを、私も統計を預かる者として、今後進めていく必要があると思っています。ただ、その分析なんですけれども、オンラインや郵送でも可能というふうな整理をされております。
    一方、イのほうでは補正が非常に多いということで整理がされています。ここの部分は実際、来年度調査を受託するに当たって、非常に気にかかるところでございまして、ざっと見たときに、物によっては50%補正って、えっという感じがして、これは大変だという気も正直したものですから、比較する材料が、今、持ち合わせてなくて、何と比べてこれが可能と判断できるのか。あるいは、不可能なのかというところを、次回でもこういう理由で可能なんだよというのを教えていただければなと思います。実質的に作業が出てくる部分がここら辺にあるのかなと思って。これは漁業関係者の方も含めてですけれども、次回で結構ですので、ぜひお願いいたします。ありがとうございます。
  • 加瀬座長
    これはあれですか、本当のときには補正が必要な部分というのは誰が補正するんですか。集めてからですか。
  • 宮川センサス統計室長
    これは調査の体系によって違うんですが、市町村系統で調査員が調査するところは調査員が確認・補正をして市町村に報告し、市町村が審査・補正をします。農水省の統計組織の調査の場合は統計組織が回収して、そこで審査をいたします。
  • 加瀬座長
    各段階でということですか。
  • 宮川センサス統計室長
    はい。
  • 大杉統計部長
    笠山委員、どうも、ありがとうございました。
    次回の研究会のときに話してもらえればいいというお話でしたけれども、とりあえずお話しさせていただきますと、おっしゃるとおり、水産業改革を進めている、そういう中で新たな政策の企画立案のために必要、あるいは新しい政策を実行した効果を検証するために、つまり、フォローアップをしていくためにデータが必要だ。そういう必要なデータがないと、何のための漁業センサスだということになるという。大きな理念と、一方で、おっしゃるとおり、情報を求め過ぎて、報告者負担が大きくなる。これは負担が大きくなるだけならともかく、調査協力が得られない。結局はその調査ができないというようなことになる危険性もあるし、また、精度を高めるという観点から、どうしてもマージン面が出てくる。この相反する要請をどうやってバランスさせるかというのは、本当に悩ましいところで、ある意味、永遠の課題なのかもしれません。
    そこでおっしゃっていただいた内容ですけれども、なかなか手間がかかる、あるいは、複雑な記入方式になるといったようなことについて、それをスムーズにするような手引というものを用意をしていくということは、これは重要なことだと思いますし、我々よくよく考えていかなければいけないことだというふうに思います。
    それから、漁業センサスですが、申し上げるまでもなく、漁業の構造を明らかにする、5年に一度の悉皆調査でございますから、そのデータというのは水産業改革を進めていく、その政策の企画立案、そして、実行の成果をフォローアップしていく上で、非常に重要なデータを提供するものだというふうに思っています。
    冒頭ご紹介いたしましたように、今、進めています水産業改革の方向というのは、繰り返しになって恐縮でございますが、資源管理の充実、それから漁業の成長産業化、こういったことを強力に進めていくということでございますので、資料説明の中でもご紹介しましたけれども、漁業の実態というものを見た場合、資源を、あるいは、漁場を効率的に利用していくという観点、あるいは、経営を安定させていくという観点から、漁船漁業ですと複数の漁船、あるいは複数の漁業種類を組み合わせてやっていく。あるいは、一つの漁業種類であっても、時期によって狙う魚種が違うだとか、そういったことがあるわけで、そういった漁業の実態を踏まえて漁業センサスというのは調査内容を考えていく必要があるだろうというふうに考えております。
    それから、大きなテーマの一つですけれども、資源管理措置の導入というもの、あるいは資源管理措置の強化ということを念頭に置いた場合に、各魚種の漁獲について、その形態としては、全体としてどうなのかということはやっぱり把握をしていく必要があるだろうという考え方があります。そういったことから、若干、調査項目に重複感があるんじゃないかとか、こんなに記入者負担が大きくなっておかしいんじゃないかという印象を持たれたかもしれませんけれども、経営体ごとにどういう漁業種類が販売金額多いのか、どういう魚種が販売金額多いのかとか、それから、船ごとにどういう漁業種類が、販売金額が多いのか、あるいは、出漁日数が多いのかといったようなことを丁寧に把握していくというのは必要なことなんじゃないか。これまでむしろ把握してこなかった漁業センサスというのが、水産業改革の今の時代に合ってなかったんじゃないかというふうにむしろ考えたいと思います。
    一見、重複感があって、複雑なように思うかもしれませんけれども、比較的小さな家族経営体で船を1隻しか持っていないところは、船ごとも経営体も同じですから、ここは重複にはならないんですね。そういうことも念頭に置いていただければというふうに思います。どうも、ありがとうございます。
  • 加瀬座長
    ありがとうございました。
    行友委員、何かございますか。
  • 行友委員
    私は水産の専門家でも統計の専門家でもないんで、実務的なことはよくわからないんですけれども、一般論で申しますと、今まで皆さんおっしゃったことと重なるんですけれども、基本的には労働力の実態とか漁業種類ですか、そういったものをより詳細に把握していくということは必要であろうし、やるべきだというふうに考えています。
    ただ、やっぱり、皆さんおっしゃっているように、調査対象、あるいは調査に実際に当たる方の過重な負担にならないようにということが押さえられてなきゃいけないと思いますし、もう一つは、調べ方を変えると、解釈のぶれが生じるんじゃないかという心配があって、よくわからないからこういうことにしておこうみたいな、そういう現場で判断の揺れみたなのが出てきちゃうと、データが信頼性のないもの、客観性のないものになってしまうんじゃないか。だからそこはよく気をつけてやっていただいたほうがいいのかなというふうに思います。
    それともう一つは、笠山委員がおっしゃったように、これを実際にどう水産業の改革、成長産業化とか資源管理の強化ということに反映させていくのかという点です。そこはちょっと統計部さんのお仕事の範囲を超えるのかもしれませんけれども、ただ、そういう生かし方まで含めた統計のあり方を考えていただいたほうがいいだろうと。
    それからもう一つ、私はマスコミ出身者ですので、単に成長産業化とか、政策面への反映というだけじゃなくて、国民が水産業の現状に対してより幅広く深い理解をしていけるような、その発信の仕方についてもより工夫を、いろいろ今までされてきているとは思うのですが、そういう面でもご努力をいただきたいというふうに考えております。
    一般論ですみません。
  • 加瀬座長
    どうも、ありがとうございました。
    それでは、議題の全般、漁業労働力の総合的な把握、漁業種類、魚種の把握、この2点については以上で一当たり議論をしたという形にしたいと思います。
    全体としてご提案のような、深く調査をしていく項目の必要性という点については反対はなく、皆賛同するけれども、その場合に、今、行友さんが整理してくださったように、負担の問題と、それから統計項目の従来との連続性の問題、こうした点についてより深めるべき問題が指摘されたということかと思います。次回にこの議論が引き続くということを確認して、次の論点に移りたいと思います。
    議事の3点目ですが、新たな海面漁業地域調査についてというご提案に対して、ご意見を求めます。
    いかがでしょうか。お願いいたします。
  • 小林委員
    ありがとうございます。
    ここについては、前回、前々回の議論のときに委員の意見として資源管理の部分は重要なので、ぜひ、なくさないで逆に充実させてくれという話をした記憶もあります。ただかなり細かくなったなという感じがするんですけれども、まさにこれは、今後、重要なところだと思います。
    言いかえますと、大森委員がいないのであまり言うこともできないのですけれども、この程度ならやれるのかなと。要するに丸をつけていくという形なので、かなりいけるのかなというのが、ぱっと見たときのイメージでした。
    ですから、具体的にこれを書く人がどう把握するかというのは、ちょっと私のほうからコメントはできないですけれども、見た感じのイメージはそんなところでした。
  • 加瀬座長
    私のほうからの意見なんですけれども、一旦なくして、より小さな項目にして、代替的なものにするというふうになっていたものが、実質的に拡張されたというふうに言っていいと思うんですが、というふうになりましたので、そういう意味では歓迎したいというふうに思うんですが、今回の場合の整理として、漁業協同組合が関与しているもの。従来は管理組織として、最初は非常に広い定義だったわけですけれども、文書による規約を持っているものという限定が入って、今まで何回か来たわけですね。それが今回は漁業協同組合が関与しているものという形になったようですが、そのことによって、例えば規制改革会議が強く推しているような漁業資源管理の事例、これが大きく落ちてしまう面があるわけですね。規制改革会議では水産庁OBの方の小松さんが一貫して主張しておられるのは、事例としては新潟県のベニズワイの12隻の目合い規制等々の問題ですけれども、ああいった事例というのは県下で12隻の船の共同という形になっていますので、こうした調査では個別の漁協がかかわってないですし、沖合漁業の業者さんが自発的に結んでいる協定ですので、落ちるという形になるわけですね。前のやり方だったら入ってくるけれども、今回のやり方では入ってこないということになるかなというふうに思いますが、そのように理解してよろしいのか、それとも漁協に票は渡すけれども、誰かが書くような手だてになるのかどうか。
    といいますのは、やはり、いろいろ取り上げられている事例というのは、沖合漁業が結構多いんですよね、資源管理の場合に。そういう点で、漁協に限定するのはどうかという。もっと広く何か拾えるのがあれば、より完璧なものになるかなという感じがいたします。ここだと新たな調査のイメージというのは、海面漁業地域調査934というのは漁協の本所であって、それに支所が固有の単位になっている場合には、それも加わるということで、いずれにせよ、漁協に紙が行くということで整理されているようですので、その点をお伺いしたいというふうに思います。
    それから、技術的な問題になりますけれども、支所、漁業地区単位にやるというふうにいった場合、当然、本所からも上がってくるので、そこのところが数として重複するというふうにならないことの工夫は必要かと思います。
    まず、その点だけお伺いできれば。
  • 大杉統計部長
    加瀬座長、どうもありがとうございました。
    資料4の3ページ、A3横長の調査票の設定イメージの資料ですけれども、この2で書いてあるところに漁協の支所というふうに表現しているところが、ちょっと誤解を招いているところがあるのかなというふうに思います。
    というのは、我々、この資源管理の取り組みですとか、活性化の取り組みですとか、そういったことを調査していこうと考えている、その対象は、いわゆる、ひとまとまりの前浜である地元地区を念頭に置いています。
    地元地区というのは、例えば共同漁業権の設定の範囲ですとか、あるいは、特定区画漁業権の設定の範囲ですとか、簡単に言えば、浜、入江ですね。かつては漁協というのはそれごとにありましたから、すなわち、漁協ということだったんでしょうけれども、漁協合併が進んで、今ではそういう実態にはない。ただ、漁協の支所という形で残っているところもあるし、また、これは各県といいますか、各漁協によって実態は違うと思いますけれども、そういった地元地区を単位とするような形で、運営委員会のようなものが設けられているようなところもあろうかと思います。まさにそういう人たちといいますか、事務局があるようなところを狙って、地元地区の実態を捉えようというのがこの趣旨でございますので、従来やってまいりました漁業管理組織調査の対象である漁業者の自主的な資源管理の組織、1,800程度ということですけれども、これと相当程度かぶるところがあると思います。数の上でも2,200程度想定しておりますので、イメージとしてはそういうところです。
    ただ、誰に調査票を書いてもらったらいいかということになると、事務局が漁協の支所の職員だというようなこともあるでしょうし、漁業集落の区長さんのような方に書いてもらうという手もあるんじゃないかというふうに私思いますけれども、いずれにしても、調査の相手方の考え方としてのイメージというのは、そういうことでございます。
    ですから、従来の漁業管理組織調査の対象というところから大きくずれる話ではないというふうに思います。むしろ、調査内容をリニューアルしたほうがいいんじゃないかというのが私どもの発想です。
    これまで漁業管理組織調査ですと、漁業者の実質的な資源管理についての参加経営体数ですとか、漁業種類別の経営体数ですとか、それから地域の範囲ですとか、管理対象となっている魚種ですとか、資源管理の具体的な内容、あるいは漁場の保全管理の具体的内容だとか、そういうことだったわけです。
    他方、海面漁業地域調査では、これは900程度の漁協を対象にしていましたけれども、漁業権放棄面積だとか、漁業権の放棄の理由だとか、遊漁関係団体との連携だとか、直売所だとか、漁業体験だとか、魚食普及だとか、そういうことをやっていたんですけれども、やはり、水産業改革ということを考えた場合は、資源管理の取り組みだとか、それから漁業権の取り扱いも含めた企業参入についての動きだとか、そういったことを捉えることこそが重要になってきているというふうに考えて、こういった調査票の設定イメージで示したような調査項目にしていきたいというふうに考えたということでございます。
    今日の段階ではまだまだイメージでございますけれども、部分的にはもっと掘り下げたいと思っているところもあります。目的は今進めようとしている水産業改革の政策企画立案に役立つようなデータの提供という観点から、この部分についても考案をしているということでございます。
  • 加瀬座長
    もう一つ質問させていただきたいんですが、資料4の3ページのところに、一番下のところですけれども、具体的な設問の中で、漁業権の扱いを含む企業参入という項目がございます。これは恐らくクロマグロ養殖などを考慮しておられるんだと思うんですけれども、いわゆる、長崎方式と言われる、県庁が間に立って参入企業と地元漁協とが契約関係を結ぶ。そして、それに応じて企業が漁協に対して一定の協力をするという。こういったものなどを一定含んでいるのか、しかし、それは具体的には漁業権に何の変更も加えていないわけですので、漁業権の扱いを含むというところまでは行っていないとすれば、今、日本にあるこの項目に丸がつくのは1例だけですよね。
    そうではなくて、長崎方式以外も含めてもっと広く漁場を事実上貸しているという状態のものをここに出す。そして、その事実上漁場を貸しているということは、これに該当するところに丸がつけば、事実上貸しているのは漁協による、あるいは漁業者による資源管理なんだという理解になるように思うんですが、そういうことでいいのかどうか。この意味がよくわからないんですが。
  • 大杉統計部長
    加瀬座長、どうもありがとうございます。
    漁業権の扱いを変えている例は1例だとおっしゃったのは、恐らく宮城県桃浦の復興特区の制度にのっとった事例のことをおっしゃっているんだと思いますけれども、そういうことだけじゃなくて、ほかにもいくつか事例はあります。例えば三重県の熊野漁業というところは、当初は養殖に関して特定区画漁業権に基づいて行うという場合に、漁協に与えられた特定区画漁業権を漁協の組合員に、子会社をつくって組合員になって、そして組合員として特定区画漁業権を行使するという方法をとっていたのを、ある免許の切りかえ時に直接、特定区画漁業権をそこに付与してもらうという形で行った。
    ただ、地元漁協に対する、名目は違いますけれども、金銭の授受というのは引き続き行われているといった事例なんかもあるわけですね。
    さまざまな実態が企業が漁業権漁業に参入をするということについてはありますので、また、そういうことをめぐって地元地区では必ず議論が行われているわけで、そういった議論なり方向性なり、そういうところを実際どうなのかということを掌握していきたいというのがこの調査項目の立て方です。
    ただ、この選択肢に丸をつけてもらえばそれでいいかというと、そこはやっぱり疑問があるところなんですね。本当はもう少し詳しく情報をとりたいというふうに思っておるんですけれども、先ほど来言われていますように、報告者負担の問題もありますから、もう調査票の形はすぐに決めなければいけないというところまで、デッドリミットまで来ているんですけれども、よくよく熟慮をしたいというふうに思います。
  • 加瀬座長
    ありがとうございました。
    そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。
  • 行友委員
    すみません、とんちんかんな質問だったらお許しください。
    今お話に出た桃浦みたいなケースは、誰がこれに記入することになるんですか。桃浦の参入した会社の人が書くんですか。それとも……
  • 大杉統計部長
    地元地区です。
  • 行友委員
    あそこは宮城県で、1県1漁協なので、地元の漁協の支所の方が書くという感じなんですか。
  • 大杉統計部長
    支所の関係者に書いていただくしかないのかなという思いはありますけれども、地元地区を代表するような方がいらっしゃれば、その人にお願いをする、間接的にでも、それが筋だと思います。
  • 行友委員
    わかりました。
  • 加瀬座長
    笠山委員、何かございますでしょうか。よろしいですか。
    そのほか、いかがでしょうか。
    これは非常に4-3のページは広く、一挙に調査項目の拡大をしたという感じで、目配りを相当にしていかないといけないという感じになっていますが。
    そのほか、ご発言はございませんでしょうか。
    4番目の議題はその他とありますが、特に議題が用意してあるわけではありません。全体を通じてご意見があればお願いしたいということですが、いかがでしょうか。
    よろしいでしょうか。
    今日の議題は非常に新しいご提案、そして、今までの記入者負担を考慮して、あまり自由に積極的に統計が出ていくという条件はないのかなというふうに思いつつ、議論していた状況から比べますと、随分と積極的なご提案を受けながらの議論ということで、様相が大分変わったわけですけれども、そういう中でファーストインプレッションという意味でいろいろな、差しさわりがある問題などについてのコメントをした部分がありますけれども、決して拡張していく、あるいは、より深掘りしていくという点について、異論があるというようなことではございませんので、次回に話題をつなげて、よりよいものにしていけたらいいなというふうに思っております。
    予定されておりました時間は少々早目ですけれども、これで私のほうの司会は終了という形にさせていただきます。
    進行を事務局に戻させていただきます。
  • 大杉統計部長
    その前に一言だけ、お礼を。
    本日は、加瀬座長、小林委員、笠山委員、行友委員から貴重なご意見を頂戴いたしました。本当にありがとうございました。また、自由に闊達にご議論いただいたんじゃないかというふうに感謝申し上げたいと思います。もう新しい漁業センサスの調査票を確定させるまでに残された時間は少ないわけですけれども、しっかりと、いただきましたご意見などを踏まえて、熟慮を重ねて、何とか実行可能で、かつ政策改革に有効な調査となるような調査票を仕立てていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
    本日は本当にありがとうございました。
  • 本間センサス統計調整官
    本日はありがとうございました。
    本日ご議論いただきました内容を前提といたしまして、さらなる検討を行う会という形で次回を開催させていただきたいと思います。
    これで、このことに伴いまして全部で5回開催というふうな形で研究会を予定しておりましたが、開催回数については1回増え、計6回ということで予定をさせていただきたいと思います。ご了承のほど、お願いをしたいと思います。
    次回につきましては既に調整をさせていただいておりますが、11月6日15時から開催させていただきます。お忙しいとは存じますが、よろしくお願いしたいと思います。
    それでは、これをもちまして第4回2018年漁業センサス研究会を閉会させていただきます。
    皆様、ありがとうございました。

 

午後3時41分閉会

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