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農林水産省

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第1回 2023年漁業センサス研究会 議事録

1. 日時

令和3年10月13日(水曜日) 14時~16時

2. 場所

農林水産省第2特別会議室

3. 出席者

(委員)
内海 和彦  久賀 みず保(Web)  工藤 貴史  佐々木 貴文(Web)
萩原 快次(Web)  藤田 寿美恵(Web)  三浦 秀樹(Web)  行友 弥(Web)
水産庁漁政部企画課長(オブザーバー)

(農林水産省)
大臣官房統計部長  センサス統計室長 他

4. 議事

(1) 漁業センサスの概要について

(2) 水産政策の改革の進捗状況について

(3) 「活かすDB」の活用について

(4) 統計委員会答申(課題)への対応について

(5) 2023年漁業センサスに向けた課題と対応方針について

(6) その他


  • 清水(邦)センサス統計調整官
    皆さんおそろいですので、ただいまより第1回の2023年の漁業センサスの研究会を開催したいと思います。
    委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
    議事に入りますまで本日の司会進行を務めさせていただきますセンサス統計室のセンサス統計調整官の清水でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
    初めに、研究会の開催に当たりまして、菅家統計部長より御挨拶申し上げます。

  • 菅家統計部長
    ただいま御紹介を頂きました統計部長の菅家と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
    本日は皆様、大変お忙しい中、第1回2023年漁業センサス研究会に御出席を頂きまして、誠にありがとうございます。一言御挨拶を申し上げます。
    まずもって、委員の皆様方におかれましては、この度、漁業センサス研究会の委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。
    本研究会は、令和5年11月に調査を予定しております2023年漁業センサスの実施に向けて幅広く各方面の方々より、それぞれのお立場から知見を踏まえた貴重な御意見を頂く場として設置したものでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
    水産行政については、平成26年の春から約2年間、水産庁の漁政部企画課長を務めさせていただきました。その当時は漁業センサスのちょうど谷間の時期でありましたので、直接漁業センサスの作業に関わるといったことではなかったのですが、各種政策の立案等に漁業センサスや各種統計データが非常に役に立ったという記憶がございます。やはり政策の妥当性の検討や対外的な説明の際に、統計の数字というものは政策の裏付けとして非常に説得力が増すものでありますので、いろいろな場面で信頼性の高い統計の必要性を非常に痛感した記憶がございます。
    当時は、まだEBPMというような概念はそれほど人口に膾炙(かいしゃ)した状況ではございませんでしたけれども、今やもうEBPMという、統計的な数値、あるいは確固たる合理的な証拠に基づいた行政が重要であるという時代になってきておりますので、水産行政における漁業センサスの重要性も当時と比べてもますます高まっているものと思っております。
    加えまして、その後、漁業法の大きな改正があり、資源管理も非常に重要になってきている、水産物の消費構造も変わってくる、水産物の輸出も非常に盛り上がってきているというような様々な変化が起きております。そういった中で水産政策の立案の基礎となる漁業センサスを始めとした水産統計を活用する必要性もまた非常に高まっているものと思っております。
    統計部といたしましても水産行政を支える情報インフラとしての漁業センサスの重要な役割を踏まえて、引き続き信頼性の高い統計情報の作成と、その分かりやすい提供に努めていきたいと考えております。
    委員の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚なき御意見を賜りますよう心よりお願いを申し上げたいと思います。
    以上、簡単ではございますが、開催に当たりましての私からの御挨拶とさせていただきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    それでは、本日御出席を頂いております委員の皆様を順番に御紹介させていただき、今回は第1回目ということでございますので、研究会での議論に先立ちまして、皆様方から漁業センサスへの思いや期待などございましたら、一言ずつ頂きたいと思います。
    恐れ入りますが、ウェブで参加されている委員におかれましては、マイクがミュートの場合は解除してからお願いいたします。
    それでは、まず最初に一般社団法人大日本水産会専務理事、内海和彦様、よろしくお願いします。

  • 内海委員
    ただいま紹介いただきました大日本水産会専務を務めております内海と申します。
    先ほど菅家部長がおっしゃいましたように統計というのは、行政を進める上で非常に大事な部分であります。我々水産の団体としても、水産行政の下で活動をしているのですが、同じように、漁業活動がどういうふうに動いているのか把握するために、統計は非常に大事なものであると思います。
    年々の統計もそうなのですけれども、この5年に一度のセンサスというのは今の漁業状況というのを非常にクリアに示してくれるので、今の水産改革だとか、それから民間が考えているセンサスに期待するところを、後でもうちょっと詳細に語りたいと思うんですけれども、いずれにせよ、このセンサスの作業、それからセンサスの統計というものに対して大日本水産会としては非常に高い期待を寄せておりますので、是非いい統計が取れて、いい報告書ができることをお祈りしております。その意味でこの委員会に貢献させていただこうと思っております。よろしくお願いします。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    ありがとうございます。
    続きまして、鹿児島大学水産学部水産学科准教授、久賀みず保様、よろしくお願いいたします。

  • 久賀委員
    よろしくお願いいたします。鹿児島大学の久賀でございます。
    センサスへの期待ということなんですけれども、先日、サーモンの陸上養殖の現場に行く機会がございまして、水産業の変化の一端を目の当たりにした次第でした。新規参入なども増えていると聞き及びますけれども、統計的な把握などはこれからの課題だそうで、こうした新しい動きの全体把握のようなことはセンサスに期待されるところだと思います。
    新しい動きを捉えて、現状を示す基礎資料の作成に将来的につながればいいなと思っています。
    一方で、継続性も大事ではないかなと思っています。これまで培ってきた調査の連続が途切れてしまうと、もう誰も何も分からなくなってしまいますし、新しい動きの位置付けも評価できないということになってしまいます。ですので、継続性、それから新しい変化への対応の両方が実現できるような統計になればいいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    どうもありがとうございます。
    続きまして、東京海洋大学海洋政策文化学科准教授の工藤貴史様、よろしくお願いいたします。

  • 工藤委員
    東京海洋大学の工藤と申します。よろしくお願いいたします。
    私は、2018年の漁業センサス研究会にも参加させていただき、それから2018年漁業センサスの分析をちょうど終わったばかりですが、もう2023年漁業センサスに向けて研究会がスタートするということで、気を新たに取り組みたいと考えております。
    2018年センサスを分析して感じたことは、漁業の構造がドラスティックに変化しているということです。漁業法も改正されましたし、これからもさらに大きく変化していくと思いますので、こうした漁業構造の変化を漁業センサスを通して把握するということは水産政策の立案に加えて、我々のような水産研究をやっているような人間にとっても非常に重要なことだと思っております。
    それから、もう一つ大きな変化として感じているのは、データサイエンスの発展です。ICTの発展もありまして、データをどういうふうに表章するかという部分でかなり世界的に進歩しているなというのを感じています。FAOの統計を見ていても、かなり細かく自分で集計して分析していくことができます。
    そのようなところを含めて、漁業センサスがより良い統計になることを国民からも期待されていると思いますので、この研究会で議論していければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    どうもありがとうございます。
    続きまして、北海道大学大学院水産科学研究院海洋資源科学科准教授、佐々木貴文様、よろしくお願いいたします。

  • 佐々木委員
    よろしくお願いいたします。北大の佐々木貴文です。
    私は、専門としましては就業者の問題とか後継者の問題という部分を中心に仕事を進めてまいりました。漁業センサスには大変お世話になって、大きな役割を果たしているなというふうにこれまでも理解してきました。
    この間の水産業のそういった部分の変化としましては、外国人労働の急拡大というものが見られ、水産加工業ではもう2万人ほどの方が働かれておられますし、漁船漁業も技能実習生、マルシップを入れれば、6,000人ぐらいの方が働かれている。さらには、養殖にも2,000人ほどの方がいらっしゃると。大きなそういった産業を支える側の人々の動きというものが日本人や外国人含めてドラスティックに変化しているような状況でございますので、日本漁業、水産加工業の長期的な展望というものを伺う上でこのセンサスというものは非常に重要な部分になっていくんだろうなというふうに理解しております。非常に大きな期待を背負ったこのセンサスにつきまして、今回貴重な機会を頂きましたので、しっかり勉強させていただきたいなというふうに思っております。引き続きまして、何とぞよろしくお願いいたします。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    どうもありがとうございました。
    続きまして、静岡県経済産業部水産・海洋局水産振興課長の萩原快次様、よろしくお願いいたします。

  • 萩原委員
    初めまして、静岡県の萩原です。よろしくお願いいたします。
    私は、この4月に静岡県の水産課長に着任いたしました。それまでは水産・海洋技術研究所におきまして主に海洋調査等をいろいろやってまいりました。
    漁業センサスでございますけれども、データとして静岡県でも非常に使わせていただいております。特に県が策定いたします総合計画ですとか、あとはマーケティング、いろいろな分野の計画物、そういうものにデータとして非常に活用しているということです。
    さらに、今後、漁業は非常に厳しい状況で、新しい政策を立案していくという中においても、裏付けの根拠となるデータとして非常に有益なものだと考えております。
    漁業の現場、非常に厳しい状況、それをデータで示すという意味では、このデータは非常に有益だと思っております。
    今回、このような研究会の場に参加させていただきまして非常に光栄に思っていますし、今後ともよろしくお願いいたします。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    どうもありがとうございます。
    続きまして、大分県企画振興部統計調査課長、藤田寿美恵様、よろしくお願いいたします。

  • 藤田委員
    大分県の藤田でございます。どうかよろしくお願いいたします。
    最近の統計調査の現状ですが、高齢化の進展や個人情報保護の意識の高まりなどにより、統計調査の実施、特に調査員による調査が大変難しい状況にあります。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、調査員が対面で調査の依頼や調査内容の説明などが十分にできない、調査票をお渡しできない、お渡ししても受け取っていただけないというケースが増えております。それらのことが調査票の回収率の低下や未回答欄の多い不完全な調査票の提出の増加などにつながり、調査結果の精度に影響を及ぼすのではないかという恐れがございます。
    この調査が行われる2023年の状況はまだ分かりませんが、是非調査の事前広報をしっかりと行っていただき、漁業者の方に十分に御理解いただくことにより円滑に統計調査を進めることができましたら、そのことが精度の高い調査結果につながるのではないかと思っております。是非皆様方の御協力をお願いいたします。
    それから、この漁業センサスにおきましては、漁業団体の皆様方の御協力が非常に重要であると伺っております。次回の調査につきましてもよろしくお願いいたします。
    以上でございます。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    どうもありがとうございます。
    続きまして、全国漁業協同組合連合会常務理事、三浦秀樹様、よろしくお願いいたします。

  • 三浦委員
    今回、新たに大森専務に代わりまして、このセンサスの検討会に参加することになりました全漁連で常務をしております三浦でございます。
    センサスへの思いでございますけれども、これは我が国の漁業の基幹的な調査でありまして、特に水産政策の基本となる情報として継続性、連続性に留意しながら実施していくということが極めて重要ではないかと私たちは考えております。
    そして、また社会の情勢とか状況、そういうものが変化していって、漁業自体もこれからどんどん変化していく中におきましては、新たな情報とかそういう項目というものも必要になってくるのかなと思っておりますので、そういうことも含めて勉強したり研究したり意見を言ったりしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    どうもありがとうございます。
    続きまして、株式会社農林中金総合研究所特任研究員、行友弥様、よろしくお願いいたします。

  • 行友委員
    よろしくお願いいたします。行友と申します。前回の漁業センサス研究会も参加させていただいたんですけれども、実は初めて接する方もいらっしゃるので、若干自己紹介めいたことを申し上げますと、私は水産業の専門家でも、統計の専門家でもなくて、何でここにいるんだという感じもあるんですが、もともとは新聞社で農林水産業の取材を担当する記者をやっていまして、今の会社に移ってもう10年近くになるんですけれども、言わばそういうマスコミ的な感覚を期待されて、あるいは言い換えれば素人代表としているのかなというふうに思っています。
    ですので、皆さんとは認識のベースが違うので、とんちんかんなことを発言したりするかもしれませんけれども、御容赦いただければと思います。
    個人的には私は転職後、東北の東日本大震災や原発事故の被災地に通って、どちらかというと農業がメインなんですけれども、被災地の復興状況なんかを調べてまいりました。非常に感じるのは、もともと農山漁村の構造的な変化が進んでいる中で、そういう大きな災害が地域の在り方を非常に激変させてしまっていると。農業や漁業の経営の在り方とか、そういったものに、そういった作業に従事する方々の状況というのも非常に大きく変わっているということで、農林業センサスの地域別のデータなんかも時々入手して、そういう調査活動に使っていたりするんですけれども、気になるのは、先ほどもお話が出たように連続性がちょっと保てていない部分が若干あるんじゃないか。これまであった調査項目が廃止されてしまったりとか、あとは市町村が別のルートで調べているデータと、センサスのデータが必ずしも整合しないというようなことが目立っていて、これは被災地の特殊事情なのかもしれませんけれども、そういった全数調査というか、悉皆調査というのか、そういった調査ゆえにむしろ難しくなっているという面もあるのかなというようなことを感じております。
    繰り返しになりますけれども、素人代表としてやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    どうもありがとうございます。
    以上の8名の委員の方で進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
    研究会の途中ではございますが、菅家統計部長におかれましては所用がございますので、ここで退席させていただきます。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    では、議事に入ります前に、お手元の資料を確認させていただきます。
    議事次第の下段に資料一覧を記載しておりますので、御覧いただきながら御確認をお願いいたします。
    まず最初に、資料1としまして2023年漁業センサス研究会開催要領、それから資料2が2023年漁業センサス研究会開催計画(案)、次がA4の横になりますけれども、資料3の漁業センサスの概要、続きまして、資料4といたしまして水産政策の改革の進捗状況、次に資料5になりまして「活かすDB」の活用について、次に資料6になりますけれども2018年漁業センサスの変更に係る統計委員会答申を踏まえ、集計結果の公表に当たって留意すべき事項と対応状況、次に資料としては最後になりますけれども、資料7としまして2023年漁業センサスに向けた課題と対応方針(案)でございます。
    続きまして、参考資料として三つございまして、参考1といたしまして統計委員会の諮問第111号の答申 漁業センサスの変更について、次に参考2としまして漁業センサスについて留意が必要な事項について、これが最後でございますけれども、参考3としまして2018年漁業センサスの調査様式が付いてございます。
    よろしいでしょうか。不備があれば、その都度お申し出いただければと思います。
    それでは、議事に入らせていただきます。
    初めに、研究会の運営等につきまして事務局の東補佐から説明をいたしますので、よろしくお願いいたします。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    漁業センサスを担当します東でございます。改めてよろしくお願いいたします。
    私の方から研究会の運営につきまして、資料1、研究会開催要領でもって説明をさせていただきます。
    まず、第1の目的についてでございますが、先ほどの統計部長の挨拶と重なる部分については省略をさせていただきまして、調査全体の実施計画を作成することを目的として開催する研究会でございます。
    第2の研究事項につきまして、本研究会では、2023年漁業センサスの実施に向けまして、新たな漁業施策ニーズへの対応、それから調査方法等の見直し、それから実施計画の策定、これらについて皆様方から御意見を頂きながら進めていきたいと考えております。
    第3の研究会の構成についてでございますけれども、皆様に加えまして、必要に応じて委員以外の有識者の参加を求めることができるようにしてございます。
    それから、座長につきましては委員からの互選、それから座長代理につきましては座長が指名する方にお願いをいたします。
    第4の運営につきまして、ここでいま一度確認しておきたい点としまして、2にありますとおり、本研究会は意見交換の場というような位置付けにしてございますので、研究会における意見の取りまとめにつきましては、あくまで意見交換の結果ということで位置付けさせていただきたいと思っております。
    それから、4と5に記載してございますけれども、原則公開とさせていただきまして、議事録を作成して公表することとしておりますので、よろしくお願いいたします。
    以上でございます。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等はございますでしょうか。御質問、御意見等がある場合には、手を挙げてお願いいたします。
    ないようですので、ただいま説明いたしました研究会開催要領にもございますとおり、座長及び座長代理を各1名置くことになっております。
    まず座長の選出でございますが、研究会開催要領において委員から互選ということになっておりますが、どなたか推薦される方はいらっしゃいますでしょうか。
    ないようでしたら、事務局にお任せいただいてよろしいでしょうか。
    (「結構です」と呼ぶ者あり)

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    それでは、事務局といたしましては工藤委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
    (「異議なし」と呼ぶ者あり)

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    ありがとうございます。
    それでは、工藤委員に座長をお願いしたいと思います。工藤委員、座長席の方にお願いいたします。
    座長代理でございますが、研究会開催要領において、座長が指名するとしております。工藤座長、御指名をお願いいたします。

  • 工藤座長
    では、久賀委員に座長代理をお願いしたいと思います。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    それでは、久賀委員、座長代理をお願いしてよろしいでしょうか。

  • 久賀委員
    はい、承知いたしました。僣越ながら引き受けさせていただきます。よろしくお願いいたします。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    ありがとうございました。
    座長、座長代理とも選出いただきましたので、これからの議事につきましては工藤座長の司会進行により進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

  • 工藤座長
    それでは、議事に入りたいと思います。
    議事の進め方ですが、議事ごとに事務局から説明を受け、各委員から御質問、御意見を頂き、一定の取りまとめを行った上で次に進めることとしたいと思います。
    では、議事の(3)研究会の開催計画(案)について、事務局より御説明の方をよろしくお願いいたします。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    研究会の開催計画につきまして、資料2、研究会開催計画(案)を御覧いただきたいと思います。
    本日は第1回目としまして、この後、漁業センサスの概要でありますとか、前回、2018年の統計委員会答申への対応、それから2023年漁業センサスに向けた課題と対応方針(案)ということで御説明をさせていただき、年度内はもう一回、新たな政策ニーズの把握等を進めまして、第2回目を12月に予定をしております。
    2023年漁業センサスにおける見直しの詳細と現地実態把握、これらにつきまして第2回目で御説明をさせていただきたいと考えております。
    本年度は2回ということで、来年度、令和4年度になりますけれども、6月に第3回目を予定して、調査項目でありますとか集計項目につきまして新旧対照の形でお示しをさせていただきたいと。10月に第4回ということで予定をして、このときに調査票の案、それから集計事項一覧の案として御説明をしたいと考えてございます。
    また、従来、調査前年に、幾つかの自治体の皆様にも御協力を頂いて実施をしておりました試行調査というものがありましたけれども、その代わりに今回は民間委託によりまして、調査内容でありますとか、調査手法の検証を並行して進めるように計画をしてございまして、第4回目ではそちらの方も御報告できればと考えております。
    一連の流れからいきますと、第4回の後、総務省への申請、統計委員会へのプロセスを経まして、その結果を令和5年3月、年度末になりますけれども、第5回目というようなことで計画しております。実質これが最終回という形になろうかと思いますけれども、ここで統計委員会の答申の御報告をしたいと考えております。
    研究会以降の話、流れになりますけれども、翌令和5年度に入りますと、各種規程を定めて、11月に海面漁業調査と内水面漁業調査、それから年明けの1月に流通加工調査という形で実査をするような運びとなります。
    それから、脚注に記載してございますけれども、各回の議論の状況によっては、必要に応じまして適宜臨時の会も設けていければと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
    以上でございます。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。
    ただいまの事務局からの御説明について御質問、御意見があればよろしくお願いいたします。
    ウェブで出席の方も実際にカメラに向かって挙手をお願いしていただければと思います。
    御意見、御質問ございませんでしょうか。今開催計画について御説明を頂いたわけです。長期にわたりますけれども、このような第5回を考えているということになります。
    よろしいでしょうか。
    それでは、次に議事の(4)漁業センサスの概要についてから(6)「活かすDB」については研究会の議論のベースとなる情報の共有ということで、まとめて事務局より資料の説明をよろしくお願いします。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    それでは、議事の(4)につきましては水産統計調査の体系から漁業センサスについての説明をさせていただきまして、続いて議事の(5)水産政策の改革の進捗状況について、こちらの方は本日出席を頂いております水産庁の河村企画課長より御紹介を頂いて、その後、また私に戻りまして、議事の(6)の「活かすDB」の活用についてということで漁業センサスの活用事例を若干御紹介させていただきたいと思います。
    それでは、では初めに資料3、漁業センサスの概要を御覧いただきたいと思います。
    ページをおめくりいただきますと、1ページ目、こちらに令和3年4月時点の統計部が所掌します統計調査を分野別に記しております。
    青枠の白抜きが基幹統計と一般統計、それから二重線の白枠が加工統計というふうな整理にして表記してございます。
    このうち、水産関係の調査を抜粋したものが2ページ目ということになります。
    こちらにつきましては、実線が基幹統計と一般統計、それから破線で調査名を囲ってあるものが加工統計としておりまして、それぞれの主な調査事項を記載してございます。
    現在、統計調査の一元化ということで、統計部以外で実施している調査を、その実施時期に合わせて統計部へ移管を進めているところでございまして、右下に記載をしてございます、今現在水産庁で実施をしているかと思うんですけれども、水産加工業実態調査は周期年で実施している関係もございまして、先ほど1ページで御覧いただいた3年4時点の表にはまだ記載がないというようなことでございますので、御留意いただければと思います。
    漁業センサスにつきましては後ほど細かく説明をさせていただきますが、3ページになりますけれども、漁業センサス以外の水産関係の調査の概要を整理したものでございます。調査の対象数でありますとか、調査の系統でありますとか、調査の事項とか周期とか載ってございますので、参考にしていただければと思っております。
    4ページ目以降が漁業センサスについての説明になります。
    まず役割と位置付けでございますけれども、御案内のとおり、漁業センサスは我が国漁業の基本構造、就業構造、漁村、水産加工業等の実態を明らかにすることと、各種水産統計調査の母集団情報の提供というようなことを目的としておりまして、それらを絵にしたものが下の方に書いてございます2の漁業センサスの役割というようなことになります。
    漁業センサスは大きく、海面漁業、内水面漁業、流通加工の三つに分かれておりまして、更にそれぞれ二つの体系ということで、計六つの調査ということで載っております。
    その結果につきましては、上の矢印のとおり、施策の活用ということで、水産基本計画の策定でありますとか、地方交付税の算定、それから水産振興のための基礎資料ということで活用されております。
    それから、もう一つの役割であります母集団情報の提供の流れというものが下の矢印ということでありまして、先に紹介をしました水産統計の多くが、こちらの漁業センサスを母集団として利用しておりまして、これらの結果につきましても同様に、各種施策に活用しているということになっています。
    それから、右下に記載をしております国民の「公共財」としての役割も当然のことながらございますので、調査結果につきましては報告書の作成でありますとか、ホームページへの掲載を通じまして広く国民の皆様の利用に供していると思っているところです。ただ、十分至っていないところもまだまだあろうかと思いますので、今後も利用される皆様のお役に立つような形にしていきたいと考えております。
    ちなみに、漁業センサスの集計範囲でありますとか集計項目は多岐にわたっておりますので、報告書でありますとかホームページ、e-Statへの掲載は限りがございまして、掲載できないものの提供可能な集計済みの統計表というものがあるんですけれども、こちらにつきましては集計事項一覧という形でホームページに掲載して、照会いただけましたら提供できるような形は取らせていただいているところでございます。
    5ページ目になりますけれども、こちらが漁業センサスの沿革ということでございます。
    初回を昭和24年に実施しまして、2023年漁業センサスで15回目ということになります。この間、その時々の状況に応じまして調査体系を見直しながら続けてきた大変歴史のある調査ということになっています。
    6ページ目以降になりますけれども、こちらが前回、2018年漁業センサスの概要をまとめたものでございます。
    まずは6ページ、7ページに2018年漁業センサスにおける主な改正点ということでまとめさせていただきました。
    調査体系別に色分けをしてございますので、見やすくはしているつもりなんですけれども、幾つか紹介をさせていただきますと、6ページ目の海面漁業調査の中の漁業経営体調査、こちらでは内部労働力の把握ということで、これまで個人経営体の世帯員についてのみ把握していた男女別でありますとか年齢別、それから従事日数等の属性を団体経営体における役員等の、いわゆる「責任のある者」と呼んでいるんですけれども、これらの方々でありますとか、雇用者であっても役職に就く方々、その方々を個人経営体の世帯員と同様の事項を把握したりでありますとか、漁業操業の実態をより詳細に把握するために、経営体においては販売金額の多い漁業種類や魚種、こちらを3位まで把握するようにしたりとか、動力漁船においては販売金額でありますとか出漁日数の多い漁業種類を3位まで把握するように見直しを行いました。
    7ページ目の海面漁業調査の漁業地域調査でございますけれども、従前、漁業管理組織調査と海面漁業地域調査として別々に実施をしておりましたけれども、こちらを一本化して、調査体系をスリム化して実施をしました。
    内水面漁業調査と流通加工調査につきましては、大きな見直しではございませんけれども、それぞれ実態に即した形での見直しを行って、もちろん、要望等も踏まえまして、右側に記載をした事項につきまして見直しを行いました。
    8ページが漁業センサスの6調査の体系でございます。各調査の規模感としまして、「調査対象数」欄に2018年の調査結果を記載しています。6調査のうちの一番上、漁業経営体調査につきましては唯一、都道府県・市区町村を含む調査系統で実施している調査でして、本研究会にも御出席を頂いております藤田委員の所属のように、自治体の中でも統計主管部局に御協力を頂きまして、約6,800名ほどの調査員にお願いをして実施しているものでございます。
    また、流通加工調査の実施時期、調査時期が他の調査と異なりますけれども、これは水産加工品の生産量の把握に当たりまして、漁業センサスの実施年以外に実施している調査との整合を取りまして、1月1日に設定をしているものでございます。
    一番右に各調査の「主な調査事項」を記載していますけれども、調査票の様式を参考3としてお付けしていますので、後ほど併せて御覧いただければと思っております。
    それから、9ページになりますけれども、調査手法の変更とオンライン回答の状況ということでございます。
    2018年漁業センサスでは報告者の利便性の向上ですとか、調査の効率的な実施の観点から、報告者が漁協でありますとか市場といった、ある意味特定されている、動きのない調査対象につきましては、調査でいきますと海面漁業地域調査、それから内水面漁業地域調査、それから魚市場調査なんですけれども、こちらにつきましては調査員調査から郵送調査ということに変更して、それから内水面漁業経営体調査では調査対象数が極端に少ない地域も存在しますので、それらについては調査員調査を原則としつつも、郵送調査でありますとか、職員による回収も可能としたという見直しも行いました。
    それから、2008年から魚市場調査と冷凍・冷蔵、水産加工場調査、5と6なんですけれども、こちらについてオンラインを導入してまいりましたが、対象を全ての調査に広げまして、全調査でオンラインを導入したということでございます。
    以下の表が、赤で示している部分が変更している部分ということになります。
    オンラインの回答の状況ですけれども、1の漁業経営体調査から4の内水面漁業地域調査に関しては初めて導入したということもございますので、回答率の評価というのは難しいかなというふうに思っているんですけれども、やはり対象が個人を含む経営体調査ではなかなか難しいのかなといったような感想でございます。
    一方で、導入してから3回目となります5と6の調査につきましては、記載はしておりませんけれども、初回は1%にも満たなかったというようなことでございましたけれども、2018年には10%台に乗ったというようなことで、希望者のみに配布していたオンラインの回答のためのIDを2018年では全員に配布をしたりとか、簡易版の操作ガイドも配布するようにした結果が徐々にではありますけれども、回答率が伸びている状況につながったのかなと思っております。
    それでも、調査項目に違いがあるとはいえ、約4割ほどあるかと思うんですけれども、まだまだ国勢調査のオンライン率には程遠い状況にあるというようなこともありますので、今後も回答しやすくする工夫というのは必要と感じております。
    10ページ目以降は、調査結果の概要ということで、ホームページにも公表はしているんですけれども、参考として調査結果の概要を掲載させていただきました。後ほど御確認いただければと思います。
    以上でございます。
    それでは、引き続きまして水産政策の改革の進捗状況につきまして、河村課長お願いいたします。

  • 河村企画課長
    改めまして、水産庁企画課長の河村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。着座にて御説明させていただきます。
    資料4をお開きいただければと思います。水産政策の改革の進捗状況でございます。
    1ページ目でございますけれども、これは全体像をお示ししておりますけれども、水産政策の改革、平成30年ぐらいからしっかりやっていこうという方向になってきておりまして、皆さん御存じのとおり、令和2年の12月に70年ぶりに漁業法を改正・施行いたしまして、水産政策、具体的には、資源管理を軸にしっかりやっていこうという方向になりました。
    改革の全体像で「資源管理」というだいだい色のところがございますけれども、科学的知見による資源評価をしっかりした上で、TACとかIQとか数量管理を基本とする管理方法とするということになりまして、また国際的な枠組みを通じた資源管理をやっていく、漁業取締体制も強化していくということを通じ、資源の維持・増大を目指していこうということで、後々出てまいりますけれども、令和12年、2030年には昔の水準、具体的には漁船漁業で444万トン、養殖では92万トンで合計536万トンというような資源の回復を目指して取り組んでいるという状況でございます。
    左下に「遠洋・沖合漁業」というのがございますけれども、IQを導入することと合わせまして、許可制度を見直しまして、トン数制限とか安全性の向上に向けた大型化などを阻害するような規制を撤廃していこうということを考えておりますし、「養殖・沿岸漁業」というところに入りますけれども、プロセスの透明化などをして、戦略的に養殖も振興していきたいと思っています。
    特に養殖は、農水省全体で2030年5兆円という輸出目標が設定されているわけでございますけれども、水産関係1.2兆円の目標となっており、輸出を目指していく中で養殖が非常に重要になってまいります。沿岸で行っていただいている養殖に加え、沖合で大規模にこれから養殖を展開していければと思っておりますし、冒頭、久賀先生からもお話がございましたけれども、陸上養殖も新しく出てきていると。この陸上養殖は、漁業法の規制の外にございまして、我々行政の関与をどうしていくかというのが今後の課題でございまして、行政の整理が統計の調査につながっていくものと思っております。
    一番下のところにございますけれども、「水産物の流通・加工」ということで、これは先般、令和2年12月に法改正させていただきましたけれども、違法に採捕された水産物の流通防止を目的とする水産流通適正化法が公布・成立したということで、適正な対応に流通面でも努めていきたいということでございます。
    ページをおめくりいただきまして、2ページ目になります。
    2ページ目、3ページ目が進捗状況になりますけれども、まず2ページ目の一番右端のグラフを見ていただきたいと思います。「資源管理の推進」でございますけれども、これはスケトウダラの動向ですけれども、グラフの下の二つ、「TAC」と「ABC」をまず見ていただければと思います。ABCというのは説明に書いてあるんですけれども、生物学的な許容漁獲量ということで、これ以上獲ってしまいますと資源量が減ってしまうという水準なんですけれども、ともすると水産庁の過去の政策に問題があるという御批判も受けてしまう図なんですけれども、昔はABCを上回るTACが設定されていたという形になっております。要は資源的に獲っていい範囲を超えて獲れる量を設定してしまっていたもので、グラフの黄色の親魚の量とか、青の資源量が減ってきてしまっているというグラフでございます。
    2015年以降は、これではいかんということで、TACとABCを同じ水準にする見直しを行いまして、これ以降、親魚の量ですとか資源量がどんどん回復してきている。破線は将来の見通しでございますけれども、資源管理をしっかり行っていけば漁獲量は回復していくんだという大前提の下で、一番左上の魚介類の生産量、2008年は503万トンあったんですけれども、2018年は395万トンになってしまっておりますが、2030年は536万トンという目標を設定し、この目標達成に向けてしっかり資源管理していこうということで、ロードマップを2020年9月に策定し、まず評価対象魚種を拡大していこうということを書いてございます。
    2020年現在では119種、2021年192種に増やしております。2023年までに200種程度をやっていこうということなので、ほぼ達成している状況にございます。
    このように今後しっかりデータを収集していかないといけないというのが1点目です。
    2点目は、「MSYベース」と書いてありますけれども、科学的根拠に基づいてTAC管理というものをやっていこうということで、2021年度から8魚種で導入され、漁獲量にすると6割はカバーできたわけですけれども、これは2023年までに8割にしていきたいと思っております。
    3点目は、大臣許可漁業についてIQ管理をしっかり導入していこうということです。これも2021年の漁期からサバ類でやクロマグロでスタートしておりますけれども、徐々にIQ管理対象魚種を増やしていこうということを考えているということでございます。
    その次はちょっと暗い話なんですけれども、地球温暖化などの様々な要因により、特定魚種で不漁問題が発生しているということでございます。水産庁においては不漁問題検討会を開催し、ご議論いただいたわけでございますが、その中で、今後は、特定の魚種に限定した漁法、例えばイカ釣り漁業だけに依存した経営だと、イカが不漁になった場合、漁獲高が減ってしまい、安定した収入が得られなくなるという問題が出てまいりますので、複数の漁法に対応できるような漁業という考え、方向性を示していく必要があろうということで取りまとめたところでございます。
    こうした問題についても現在御議論いただいている水産基本計画の見直しにしっかり反映していきたいと思っております。
    その次の黒ポツは所得向上に資する流通構造の改革ということで、密漁を抑止したり、IUU漁業という、違法漁業を撲滅していく観点から、先ほど御説明しましたけれども、水産流通適正化法を制定したとところでして、今後、対象の魚種を選定していくことになっております。国内流通で必要な規制をしていくのがアワビ、ナマコ、シラスウナギ、輸入関係で必要な規制をしていくのがサンマ、イカ、サバ、マイワシ。これらを今後、法令に指定していきたいと思っていますが、シラスウナギにつきましては少し先に適用していこうということ、また、対象魚種につきましては2年ごとに見直していこうと考えております。
    右側の方は、これも先ほど説明しましたけれども、生産性の向上に資する漁業許可制度ということで、IQ導入等の条件の整った漁業につきましてはトン数制限などの規制を撤廃していこうという話、あと漁協制度の見直しとして、漁協の組織・事業体制の強化として、水産業協同組合法も改正し、理事の見直しですとか、公認会計士制度の導入とかが新たに措置されたということでございます。
    3ページ目をお開きいただければと思います。
    3ページ目の左側は、漁業法が施行されました以降、海面利用制度等に関するガイドラインが制定されまして、「事例」というところに書いてございますけれども、岩手県などでは10月にサーモン養殖の区画漁業権を免許するとか、各地で新規の免許に向けた動きがスタートしてきているということでございます。
    次が「養殖の成長産業化」ですけれども、水産庁では、養殖業の成長産業化総合戦略を策定し、先般、貝類・藻類にも拡大したわけですけれども各地で省力化とか規模拡大を目指す養殖場も出てきており、新しい動きが各地で起こっているという状況ということでございます。
    資料は以上でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、今年は概ね5年に1度の水産基本計画の見直しの年でございます。現在、水産政策審議会の企画部会で、本日の委員の中にも複数人の方がその委員になっていただいておりますけれども、精力的に御議論いただいているところでございます。水産基本計画の検討の中で、統計の御相談もあるかもしれません。引き続き、皆様方と連携しながら対応していければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    以上でございます。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    ありがとうございました。
    それでは、引き続きまして私の方から提供事例としまして、「活かすDB」の活用についてということで、資料5を紹介させていただきたいと思います。
    ページをおめくりいただきますと、1ページ目に「活かすDBの概要」ということで示してございます。既に御存じでいらっしゃる方も、使ったことのある方もおられるかもしれませんけれども、これは漁業センサスで設定しています小地域と言われる漁業地区でありますとか、これでいきますと2,200ほどあるんですけれども、漁業集落、こちらは約6,000ということで、2008年から2018年の調査結果と、それから集落の範囲とか市町村とか、これらの範囲を切りました境界線データをホームページに公開しているものでございます。
    小地域単位での構造変化を分析したりとか、表やグラフに加工したりでありますとか、地図上に表示させたりというようなことが可能になりまして、さらに、漁業センサス以外のデータと基本指標といいますか、コードをつなげることで、地域に関する様々なシーンで使えるのではないかなと思っております。
    活用事例としまして、萩原委員と藤田委員の地元であります静岡県と大分県を使わせていただきまして、地図上に表示させた幾つかのパターンを2ページ目以降に記載させてございます。
    なお、色でありますとかハッチングが多少粗くて見にくいところもあるかと思いますけれども御容赦いただきまして、さらに、市町村のラベルが小島とかでも表示されてしまうので、ちょっとごちゃついて見える部分はありますけれども御容赦いただいて、イメージ図として御覧いただければと思っております。
    2ページ目、3ページ目の活用事例1ですけれども、こちらはホームページに掲載している二つのデータを使って、漁業集落別に地図上に表示させたものでございます。使ったデータは漁業経営体数と動力漁船のトン数のデータを使いまして、動力漁船のトン数につきましては同じく掲載をしてありますデータからの平均を算出しまして、二つのデータを地図上に表しております。
    4ページ目、5ページ目、こちらにつきましては事例2ということで、先ほどは漁業集落でしたけれども、少し範囲の広い漁業地区別に地図上に示しております。
    同様にホームページに掲載している二つのデータを使っていますけれども、39歳以下の漁業就業者の割合の増減のデータにつきましては、2008年と2018年の2時点の同じデータを使って、別個に算出しているということのイメージ図でございます。
    それから、6ページ目、7ページ目、こちらには活用事例3ということで更に範囲が広くなりまして、市町村別に地図上に表示させているというものでございます。こちらのデータにつきましては、漁業センサスと漁業センサス以外の、「活かすDB」のホームページに掲載していない二つのデータを使っております。漁獲量は漁業センサスで把握しておりませんし、漁業センサス結果の資源管理・漁場改善の取組の数というのも、この「活かすDB」の中ではデータ掲載はしていないんですけれども、市町村のデータがあれば、こんな使い方もできますということで紹介させていただいております。
    今回、一例を紹介させていただきましたけれども、繰り返しになりますが、表示させたいエリアのデータがあれば、規定のコードと紐付けをすることで様々な組合せが可能となります。
    8ページ目以降に、参考としてホームページに掲載しているものと同じものですけれども、マニュアルといいますか、分析事例及び作成方法の資料ということで付けてございます。こちらは、使用するQGISソフトのバージョンの違いで多少操作は異なるかもしれませんけれど、御覧いただきまして活用いただければと思っております。
    以上でございます。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございました。
    議事の(4)、(5)、(6)をまとめて事務局から御説明いただきました。御質問、御意見を頂きたいと思いますけれども、まず(4)から行きましょうか。漁業センサスの概要について資料3で説明していただきましたけれども、この内容について御意見、御質問ございますでしょうか。
    これまで実施されてきた漁業センサスについて非常に分かりやすく御説明いただいたと思いますけれども、よろしいでしょうか。また、後で質問いただいてもいいので、次に行きましょう。
    そうしたら、(5)水産政策の改革の進捗状況について、資料4に基づいて御説明いただきましたけれども、これについて御意見、御質問の方をよろしくお願いします。
    では、私の方から一つ。今後、資源管理の対象魚種を拡大していくということと少し関係してくると思うんですけれども、遊漁船の統計について質問があります。遊漁船の統計は、以前は漁業センサスで集計していて、地域ごとの遊漁船業者数、それから地区ごとの遊漁船の利用客数について集計していました。これらが分かっていると、採捕量を推計しやすかったんです。それが調査項目がなくなったので、遊漁の実態が把握できなくなっています。こういうような遊漁による採捕量の把握についてはどのようにお考えでしょうか。

  • 河村企画課長
    御質問ありがとうございます。次期水産基本計画の中で整理しないといけないと思っている課題の一つに遊漁がございます。というのも、漁業者が今後しっかり資源管理して行っていく中で、同じ回遊資源なのに、遊漁にだけ資源管理しなくてもいいというのはいかがなものか、遊漁についても漁業者と同じような資源管理を進めていくべきではないかという御意見がありまして、一定の整理が必要と思っております。
    遊漁の課題については、大きく二つに分けて考える必要があると思っています。一つは内水面、川とか湖とかの遊漁です。これについては内水面漁協のお力も頂きながら、iPhoneなどのアプリの活用による採捕量の情報収集や、アプリやコンビニで遊漁券の購入ができるようになってきており、管理が少しずつ進んできているところです。二つ目は海の遊漁です。こちらも遊漁船業者に対する登録制度が存在しているんですけれども、こうした方々を通じて遊漁量を把握して、資源管理をしていくようにするかどうかも含めて、水産基本計画の御議論の中で、整理したいと思っておりまして、そういった結果も踏まえながら、センサスなどの統計でどう反映いただくかということを整理していかないといけないと思っております。まだ議論の途上という状況でございますので、その状況を報告させていただきました。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございます。遊漁を含めた資源管理を実施していくにあたって、漁業センサスが貢献していかなければいけない部分もあるかもしれないということですね。よろしくお願いします。
    ほかに何かございますでしょうか。
    では、またちょっと進みまして、後でまた質問があれば聞かせていただきたいんですけれども、では(6)の「活かすDB」の活用について、これについて御質問、御意見ございますでしょうか。これは大きな改善点といいますか、かなり細かい分析ができるようになったんですけれども、委員の皆様何かありますか。

  • 内海委員
    「活かすDB」というのを聞きながら思っていたんですけれども、先ほど工藤座長もおっしゃられていましたように、センサスだとか統計で取った個々のデータにアクセスをして、例えば科学者の方だとか全然部外者の方がそのデータから、何かある一定の加工をしたり、結論を見いだしたりということはできるんですか。
    というのは、いろいろなまとめ方があるんですけれども、私も以前役所にいて、それでこういう統計データを扱いながらいろいろ分析せんといかんという宿題を上司からもらって、それで個々のデータ、個別のデータにアクセスしようかなと思って統計情報部さんにお願いしたら、それは無理ですと。加工したものを見ていただいて、それを使うまでで、部外者には個々のデータをお見せできませんという話で、そういうのを断念したところもあったんですけれども、先ほど座長が、FAOなんかではデータの細かいのを研究者が利用できて、それを基にいろいろな分析ができるというふうな話がありましたので、僕は広く科学者の方だとか、いろいろな方が個々のデータにアクセスして、それをいろいろな形で分析することでいろいろな物事が見えてくるんじゃないのかなと。特に水産の分野だと、こういうデータを基に分析していただく科学者の方なんかの数も少ないし、農業だと例えば農業経済の学者の方というのはたくさんいるんですけれども、少なくとも少ない学者の方々が武器として持つデータとしてこういうのが提供できれば、かなり面白いことができるのかなというふうに思うんですけれども、この「活かすDB」というのはそういう意味での個別データに部外者の方がアクセスできるのかどうかというのをお聞きしたいのですが。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    今の話でいきますと、完全に全てのデータがオープンになっているわけではないので、掲載しているデータをお使いいただくというのが今の現状、我々の方の限界ではあります。
    ただ、今お話があったように、集計をしている部分、詳細なデータにつきましても提供可能なものもございますので、問合せを頂ければ提供したいというふうに考えていますし、調査票、データの提供という形になりますと、統計法との絡みもございまして諸手続が必要な部分もあるので、今完全にフルオープンという形ではありませんが、御相談いただければ対応もできる部分はあろうかと思います。
    データの提供に関しては改善の余地もあると思うので、お知恵を借りながら進めていきたいと考えております。
    以上でございます。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。
    今日御説明いただいた「活かすDB」の話ですけれども、たしか2018年から漁業集落のデータがネットに公表されたと思います。今まで漁業地区までしかデータを得ることができなかったんですけれども、漁業集落のデータが公表されるようになりました。特に、境界線データが提供されたというのは非常に大きいと思うんです。
    私は、これを使って研究をさせていただいているんですけれども、何ができるかというと、国勢調査とか農林業センサスなどの地域集計とリンクさせることができるわけです。そうすると、漁業を取り巻いている集落の社会状況を把握することができます。例えば、漁業センサスだけでは漁業集落の人口は分からないんですけど、その人口とか年齢構成とか産業別の就業者構成などが分かります。農業センサスともリンクさせていけば、農業の状況も分かります。そういうふうにGISは、ほかの統計とリンケージしていけるという広がりがあると思いますので、これから研究の分野ではもっと生かしていけるんじゃないかなと思います。
    ほかに何かございますでしょうか。
    それでは、では(4)、(5)、(6)、忘れていたことも含めて、何か御意見ございますか。
    では議事の途中ですけれども、水産庁の河村企画課長におかれましては所用がございますので、ここで退席させていただくことになります。どうもありがとうございました。
    それでは、次に議事の(7)統計委員会答申(課題)への対応について、事務局より資料の御説明の方をよろしくお願いいたします。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    私の方から議事の(7)ということで、資料は資料6と参考1、それから参考2を使って説明をさせていただきます。
    まず初めに、統計委員会について少し触れさせていただきたいんですけれども、統計委員会は統計法に基づいて総務省に設置されているものでございまして、統計に関する基本的な事項でありますとか、基本計画の案、それから基幹統計調査の変更など、統計法に定める事項に関する調査審議、こういったことを行うこと、それと基本計画の実施状況に関して総務大臣などに勧告すること、また関係大臣に必要な意見を述べるというようなことを行う機関であります。
    漁業センサスは基幹統計でございますので、変更等をする場合には、まずは農林水産省から総務省へ承認申請を行いまして、総務省が統計委員会に対して諮問を行うと。統計委員会での議論を経まして答申が出され、初めて、その答申に基づいて総務省が農林水産省に対して承認をするというような運びになります。
    本日は御報告になってしまいますけれども、2018年漁業センサスの実施の際の変更申請に対する答申と、それから承認に際しまして総務省から留意事項ということで出されておりますので、こちらの対応について御説明をさせていただきます。
    まずは参考1を御覧いただければと思うんですけれども、参考1、諮問第111号の答申 漁業センサスについてを御覧いただければと思います。これが前回、2018年漁業センサスの承認の際に統計委員会から出された答申ということになります。
    1の(1)承認の適否の1パラ目の文章の最後に、「変更を承認して差し支えない」というような結論に至っているわけでございますけれども、2パラ目のただし書に、「「(2)理由等」のうち(ア)から(エ)で指摘した事項については、計画の修正が必要である。」というふうに文章的に結ばれております。
    それぞれの審議の過程が(2)の理由等にまとめられているわけなんですけれども、ざっと言いますと、変更事項の変更案のうち、審議過程で当初計画から修正されたものについて統計委員会修正案というふうな形で示されていて、具体的に言いますと、2ページ目を見ていただきますと、図1の海面漁業地域調査票の会合・集会等の議題のテーマの表記でございますけれども、図2のように修正する必要があるというふうにされまして、指摘されたこれらの事項については(ア)から(エ)ということで、これより後ろの方にもあるんですけれども、これらの事項については指摘どおり修正を反映した調査票で実施をしているということで、統計委員会の修正案に至るまでは統計委員会の審議の中で我々も一緒になって作ったものでございますので、そういった形で実際の実査の際には修正を反映して実施しているということでございます。
    それから、修正の必要のない変更案ということで7ページにちょっと飛んでいただきたいんですけれども、図10の下の(オ)、先ほどの(ア)から(エ)までの変更事項以外については適当であるというような整理がされております。それらの詳細が11ページに記載をされておりまして、変更案として持ち出した事項はこの答申の中に触れられておりますけれども、変更案で修正の必要のないものについては、11ページ、12ページで、これらについては適当であるというふうな整理がされております。
    それから、このほかにも審議の過程で今後の課題として整理される場合もございますけれども、2018年漁業センサスの答申では今後の課題として指摘された事項はございませんでした。
    ただ、集計結果の公表につきまして留意が必要な事項として参考2を御覧いただければと思うんですけれども、事務連絡の形で別途総務省から連絡がございまして、これへの対応についてまとめたものが資料6ということでございます。
    では、資料6で御説明をさせていただきますけれども、留意すべき事項としては2点ございました。
    1点目が調査項目を増やすなどして、操業状況でありますとか経営状況等について詳細に把握することとしたため、十分な秘匿処理を行った上で地域統計の充実化を図るようにというようなことでございます。
    対応状況を右側に記載をしてございますけれども、こちらにつきましては地域別の集計でありますとか、組合せによる集計、いわゆるクロス集計と言われるようなものですけれども、それらを行って充実化を図ったということでございます。
    それと、調査結果の有用性と秘密保護の観点から、当然必要な秘匿措置を施しての公表をさせていただいております。
    詳細は後ろに付けてございますけれども、別添の1から27、公表した統計表をそのまま付けてございますけれども、このような形で公表させていただいております。
    それからもう一点、一定数の漁業経営体が農業を営んでいるのであれば、それらは重要な情報となることから、漁業と農業の兼業状況に関する統計の充実を検討するようにということでございます。
    こちらについても同じように後ろに付けています別添ですが、28から35になるんですけれども、クロス集計でありますとか市町村別の集計を行って公表しておりまして、指摘のありました2点についてはこのような形で対応済みの旨、総務省へは報告をさせていただいているということで、以上、報告になりますけれども、対応状況について御説明させていただきます。
    以上です。

  • 工藤座長
    ありがとうございました。
    ただいまの事務局からの御説明について御質問、御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
    何かございますでしょうか。
    これは、2018年のセンサスへの指摘についての対応について御説明いただいたということで。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    そうです。

  • 工藤座長
    こういうような統計委員会からの指摘があるよということなんですよね。
    ないようでしたら、また次に進みたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
    では、次に議事の(8)2023年漁業センサスに向けた課題と対応方針(案)について、事務局より資料の御説明をよろしくお願いします。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    では、資料7の2023年漁業センサスに向けた課題と対応方針(案)という資料、一枚紙なんですけれども、御覧いただければと思います。
    これは2018年漁業センサスの実施後に都道府県の調査担当者の方々から頂いた意見とか要望とかのうちから、2023年漁業センサスに向けまして一定程度整理・検討の必要がありそうなものについて、検討の前提でありますとか、対応方針の案ということでまとめたものでございます。
    簡単に上から説明をさせていただきますと、まず調査周期についてですけれども、こちらは複数の調査を依頼されている調査客体が重複感でありますとか負担感を持たないように調査時期等を考慮してほしいといったようなものでございます。これにつきましては、どこの何の調査なのか、また調査ではなくて情報収集的なものなのかもしれないですので何とも言えない部分はありますけれども、漁業センサスは創設以来、5年周期で実施をしているものでございまして、各種施策の企画でありますとか推進、それから漁業センサスを母集団とする標本調査の設計等に影響を及ぼすおそれがあることから、実施年度の変更は困難というふうに考えております。仮に漁業センサスの、先ほどもありましたように六つの調査の体系で回しているんですけれども、各調査の中で重複しているのであれば、漁業センサスの全体像の理解を深めてもらうよう工夫をしたりとか、そうした上で地方自治体の負担軽減に向けた実施スケジュールとかも考えながら作業を検討していきたいとも考えております。
    それから、次の調査手法についてでございますけれども、こちらにつきましては都道府県系統からの要望としましては、都道府県・市区町村の系統で調査員調査として実施している海面の漁業経営体調査に関しまして、調査委託先の変更でありますとか郵送調査化、それからまた客体が極めて少ない地域では調査員調査ではなくて職員調査も可能にできるようにしてほしいといったもの、それから地方組織系統からの要望も同じようなものですけれども、調査員調査として残っている調査の郵送調査化でありますとか外部委託、それから郵送やオンラインで回収できなかった客体に対しまして調査員や職員が補完できるようにしてほしいといったものでございます。
    これらにつきましては、本調査が漁業の基礎的な事項を明らかにする唯一の基幹統計ということで、各種施策の企画推進、それから水産統計調査の母集団として活用されているといった性格上、調査結果の精度の確保の観点から回収率の低下が懸念される手法への変更は望ましくないと考えておりまして、海面漁業経営体調査は引き続き法定受託事務の調査員調査での実施を基本として考えていきたいと思っております。
    それから、現行でも客体が少ない場合には、市区町村職員の方を調査員として任命しまして調査を実施することも可能としておりますので、御紹介をさせていただければと思います。
    それから、調査対象が明確な漁協でありますとか魚市場を対象とした組織系統の調査に関しましては、2018年で郵送調査化にしたところですけれども、冷凍・冷蔵、水産加工場調査のうちの「個人」以外の工場、こちらもある程度特定されますし、動きも少ないだろうということで郵送調査化を含めて検討して、更なる外部化というようなところの可能性についても検討していきたいというふうには考えております。
    それから、次の調査範囲についてでございますが、漁業経営体の所在地で調査区を設定するのではなくて、漁協の管轄を調査員として設定した方がよいのではないかというようなことでございます。これにつきましては、調査区は調査客体の重複でありますとか漏れを防止して、調査員の受持ち範囲を明確にするために設定しているもので、それによりまして漁協に属さない調査客体についても漏れなく把握できるというような利点があって設定しているんですけれども、逆に言いますと、調査区自体は各自治体において設定をしますので、重複や漏れを防止して、かつ調査員の稼働範囲を明確にすることを前提に効率的に実施が行える範囲で設定してもらえばいいんですけれども、仮に調査区の考え方を見直した場合には、逆に調査客体に新たに基本指標の番号を付与しないといけないとか、そういったことで一定程度余計に労力も掛かるのではないかと思われますので、そのことも含めて設定の考え方等については変更した方がいいのかの良否について検討していきたいと考えています。
    「課題」の欄の三つ目のところに東日本大震災のことを書いてございますけれども、こちらにつきましては震災の被災地固有のものでございまして、仮設住宅等に入居をされて通いで漁業をされている方もまだまだおられた関係もあって、このような御意見があったんですけれども、当時はそういった、まだ通いで漁業をされているような方々につきまして震災以前の漁業地区・集落として実査をしたというところで、こういった御意見が上がってきたんじゃないかということでございます。その辺りは今回現地の状況とかも確認して、関係者と相談をさせていただきながら進めていければと考えております。
    2ページ目になりますけれども、次が小地域統計の地域範囲についてということでございます。
    漁業集落の名称の変更や、その範囲を見直したいというものでございまして、こちらにつきましては、現在の漁業地区、漁業集落は、2003年漁業センサス、2023年からいくと20年前ということになりますけれども、その時点で設定されていたものでございまして、それ以降は見直されてはいないと、継続されているということでございまして、その関係もございまして、経年によって経営体の所在が集落等の設定の外へ移転しているということが原因、要因なのかなと考えております。
    海面漁業地域調査の過去の見直しで、漁業集落に関する項目が廃止をされたということもございまして、調査範囲としての意味合いがある意味なくなったということで、現状は小地域統計の作成のための範囲となっておりまして、データの連続性と、一方でその実態に沿った正確なデータ、現状を表したデータということで、ある意味トレードオフの関係にあるかと思うんですけれども、この辺は実態も検証しながら、現状と大きく乖離しているというような状況がある場合には、正確なデータの提供という観点もありますので、見直しも検討したいと考えております。
    この点につきましては、内水面も同じようなことが言えるかなと思いますので、同じように利活用の実態でありますとか見直した場合の影響とかいったことも検証しながら、必要に応じて見直しを進めていきたい、検討していきたいと思っております。
    次の調査項目についてでございますけれども、調査項目の簡素化の意見や専門用語が多くて記入・審査が難しいといった御意見でございます。こちらについては、調査項目は当然行政部局、特に水産庁ということになるんですけれども、それから母集団として利用している調査担当、それらの方々と調整を行った上で設定しているものですけれども、施策を企画・推進する上で必要なデータの的確な把握ということは重要になってくるということですが、一方で正確な調査結果を得るためには報告者の負担とならないように当然配慮しながら、正しく理解して回答していただくといったことも大事かと思いますので、調査結果の利活用の状況でありますとか、新たな調査項目のニーズを把握した上で、ニーズの低下した事項については廃止・簡素化というところも視野に入れて検討していければと考えております。
    また、調査票の構成でありますとか表記、レイアウトといったところ、それから調査票の中で使われている単位はどうかといったことについても開催計画(案)で少し御紹介をさせていただきましたが、調査手法や調査内容等の検証業務を並行して進めさせていただきますので、その中でも併せて検証・検討していければと考えております。
    それから、最後の客体把握調査員についてでございますけれども、客体把握と海面漁業経営体調査の実査を一体化してほしいといったものでございます。
    調査客体数の多い海面漁業経営体調査では、調査を効率的にロスなく実施するために、実査に先立ちまして客体把握調査員を設置しまして、事前に漁協からの聞き取りによりまして客体候補者名簿の情報を最新の情報に補正しているといった工程を経ています。これによりまして客体の漏れを防いで適切に調査区を設定できるわけなんですけれども、漁業センサスの特性といいますか、客体把握調査員も実査調査員も漁協職員にお願いしているケースが多うございまして、同一の方からすれば、一連の流れを一緒に行えばよいのではないかというような御意見なんだろうと思います。
    これに関しましては、自治体における調査員の任命事務というのは当然減るんですけれども、一方で補正の行われない名簿で調査が進行していきますので、重複や漏れのない調査区の設定が困難になるというようなこと、それから各漁協におかれましては、実査で大変お忙しい時期に客体把握のために漁協の職員以外の調査員から問合せ等々が来るというような形になると思うので、一長一短があるのかなと。必ずしも効率化につながらないんじゃないかなというふうに思われますので、この辺は従来どおりが一番いいのかなと思っておりまして、従来どおりで進めていきたいと考えております。
    研究会の議論の中心は、調査項目、政策ニーズに応じた調査項目の御議論が中心になってくるんだろうと思いますけれども、資料7に挙げさせていただいたこれらの事項についても、当然我々の方で検討していく中で、御意見をお伺いしたいなと思う場面があれば、是非御協力をお願いしたいと思って御紹介させていただきました。
    以上でございます。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。
    ただいまの事務局からの説明について、御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
    では、私の方から一つ質問させてください。
    都道府県系統からの要望というのが紹介されて、それへの対応についてお話しされたと思うんですけれども、この都道府県系統からの要望というのは正式なルートというか、漁業センサスについて何か御意見くださいというようなことに対してこういうような意見が上がってきていると考えていいんでしょうか。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    今座長の工藤委員の方からあった流れで合っています。2018年漁業センサスを実施後に、各工程に対していろいろ不便だったとか、これが足りないとか、ああしてほしいとかいった御意見、多分あろうかと思うんですけれども、各都道府県の方から市町村の御意見をまとめていただいて上げられたものを更にまとめたものが今のこのペーパーになっているんですけれども、それぞれの現場現場での御意見は上がってきているものと思います。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。そういう意味では、この調査を担当された方々が調査をしてみて、こういう点を改善すればどうなんだろうかというような意見ですね。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    おっしゃるとおりです。

  • 工藤座長
    三浦委員、よろしくお願いいたします。

  • 三浦委員
    全漁連の三浦です。
    私の方からなんですけれども、改正漁業法が施行されて、2023年度までに県の方針に基づいた現行の資源管理計画というものを、「資源管理協定」へ移行するというふうになっているんです。
    そうした中で、参考資料のなかの(参考3)「2018年漁業センサス調査票」の23枚目に「海面漁業地域調査票」というところがあるかと思うんですが、これを1枚めくっていただきまして次のページのところ、そこに資源管理・漁場改善計画の取組ということで、2018年の調査票では、「資源管理計画」となっている中において、資源管理協定に移行した場合に、この調査項目というのがどうなっていくのかというのが非常に気になるところであるのかなと思っています。
    特に、先ほどの漁業センサスの概要の説明のところの資料3の7ページにもありましたように、2013年から2018年の調査に向けて、この「海面漁業地域調査票」というのが大幅に集約されたと。集約されたという経緯もある中で7ページの左の表のように、大幅に集約していっているわけです。様々な、自主的な資源管理といった、そういう取組も非常に集約された中において、またここでも集約されて項目が減るようなことがあると統計の連続性とか、それから継続性においても使い物にならなくなることもあるので、それをしっかりとやっていただきたいということが私からの質問、若しくは意見です。
    以上です。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    ただいまの三浦委員からの御指摘といいますか、御要望も兼ねているのかなと思いますけれども、こちらにつきましては、必要な項目等々については施策の動きにも関係して、調査の把握の方法とか表現とかも当然変わってくるだろうし、必要な項目は当然水産庁などとも協議をして設定していきたいというふうに思います。この場でどこまで言えるかというのはあるんですけれども、この項目、こういった情報は当然必要だったとか、落とし過ぎたというのは当然なくはないのかもしれないんですけれども、施策の動きとリンクして、そこは十分注意して協議していきたいと思っています。以降の研究会の中でも御紹介できる部分、御議論いただく部分はあろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思っています。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。三浦委員、よろしくお願いします。

  • 三浦委員
    ということであれば、過去に削られた項目、そういうものも復活することも検討の議題に上るということですよね。
    そうなると、我々が非常に要望したいと思っていたところもあったので、例えば管理対象魚種です。資源管理の対象魚種と漁業種類を結び付けるような項目というものがなくなってしまったのです。こういう漁法で獲っていて、こういう管理対象魚種をこういう漁法で獲っている、そういうような項目もなくなっていってしまった経緯もあるので、そういうことの復活も施策との絡みではあり得るということでよろしいでしょうか。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    完全に復活しますとは言い切れないんですけれども、そういった視点で今後、研究会とか水産庁との調整は進めていくことになろうと思いますので、私もその辺はこれから進めていくに当たって注意しながら考えていきたいと思っています。

  • 三浦委員
    分かりました。

  • 工藤座長
    そのほかに何か御質問、御意見はございますでしょうか。
    内海委員、よろしくお願いします。

  • 内海委員
    今、三浦さんの方から全漁連さんとしての要望というか、このセンサスに掛ける要望ということが出たので、どこで言えばいいのかちょっと迷っていたんですけれども、私の方からもこのセンサスに向けて要望といいますか、それと留意点というのが思い浮かぶので、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。
    一つは、先ほど水産庁の企画課長さんが漁業改革ということでお話がありました。それで、この漁業改革というのはかなり抜本的な改革を行っていくということで、例えば量的資源管理がどんどん進むことで、漁船の漁業種類というのがいろいろな形で複合したような船を造ることも可能になっていく。
    先ほどの資料のちょうど2ページですが、「水産政策の改革の進捗状況」と書いてあるところなんかでは、生産性の向上に資する漁業許可制度の見直しということで、トン数制限などの規制も撤廃されていくんだと。
    実は、漁業センサスなんかで資料を見ていると、ここに書いてある漁業種類というのがこの水産改革でこのカテゴリーからどんどん外れていく可能性があるなというのを危惧しています。それから、これは実はセンサスのみならず、漁業法を準拠している、例えば共済だとか、ああいう保険制度においても、それぞれ漁業種類というのは書かれているんですけれども、そこの縛りがなくなって、まき網もやっていいよ、底びきもやっていいよ、何やってもいいよということで新たな漁船像が出てくると、そういう部分の区分がなくなっていくので、センサスとしてその部分にどう対応していくのかというのが割と大きな対応になるのかなと。
    これは多分5年、10年、15年と進んでいくと、この改革に書いた世界がどんどん出来てきて、過去ここにあった船はどこへ行ったんだろうか、どこのカテゴリーなんだろうかということでの問題が出てくると思うので、その辺は水産庁さんとよく相談をされて、我々もどういうふうにそれをカテゴリーしていっていいのか分からないので、その辺の注意点が一つあるかなというふうに思っています。
    それから、多分センサスが、こういう統計が我々が見えない世の中の姿を統計を通じてクリアに見せていくとすると、これで何が変わったかということをこの統計を基に我々が認知できるようにしなければならないと思います。そうすると、先ほどちらっと出ましたけれども、今後の水産施策で重きを置かれる資源管理の世界だとか、それから輸出振興の世界だとか、そういう部分について漁業者の世界がどういうふうに対応して、どう変わっていったのかというのがうまくクリアに出ていかないと、今の時代での統計というふうにはならないかなと思っています。
    一番大事なのは、さっき三浦さんも言われたんですけれども、資源管理の部分で、実はよくいろいろな本だとか新聞にも書く人がいるんですけれども、漁業者は全く資源管理なんかしていないんだということをまことしやかに言いながら、そこで論理を組み立ててたくさんの本を書いて、それを世の中に出していく人がいる。ゆゆしきことには、そういう本を読んで水産庁に入ってくる人がその本を参考にしたようなことを若い子が言ってくるんですが、今の世の中というのは実はデータが示されていないと、それは世の中にないと若い子はみんな思い込んでしまう。
    例えば、僕らでも全然畑違いの農業なんかだと、自分でトマトを栽培すると、どれだけ害虫が付くかというのはよく分かって、本当の農業者の方はこれを防ぐためにどれだけ努力されているのかというのが身にしみて分かるんだけれども、トマトの栽培をしたことのない若い子なんかはトマトに害虫なんか付くわけはないと思ってしまうんです。データがないことは、その事実がないんじゃなくて、認知できなくて自分は知らないんだと若い子たちは思わない。
    非常によくないのは、資源管理の世界で正にそういうことが行われていて、漁業者は全く資源管理なんてしていないんだということがどんどん出ていくんですけれども、そんなことは全くなくて、例えばそういう問題意識を持った人がいれば、漁協に入っていって漁業権の管理規則を読ませてもらえば、それだけでそこの地先の資源をどうやって守っているのか。例えば口開けの日はいつで、どういう目合いを使わないと駄目だとか、どこが禁漁区にしてあるんだということは書いてあるんだけれども、そんなことを漁業者は一々世の中には提示しませんから、世の中の人が見ようと思っても見えないんです。
    大事なことは、センサスみたいなこういう統計がその部分を浮き彫りにしていって、漁業者のやっている資源管理がどういう形で、どんな形でできているのかというのが分かるようにしていただきたいと思うんです。
    それで、実は前のセンサスの資源管理については既にまとめがあるんですけれども、残念なことに、どんな資源管理をしているのかという大体の概要が個別にまとめてあって、それが全体を100%にするとどういうものがどれぐらいの割合ですよという程度にしか物事がまとまっていないと。
    資源管理の部分で、多分彼らがどれぐらいの労力を払いながら、日々そういう議論をしながら、どうやっているのか。これは基本的には自主的な管理という部分がありますから、これが今度の改革で例えば数量管理だとか公的な管理に動いていくんですけれども、その変わりようというのが統計、このセンサスを見ることによってきれいに見えてくるような、そういうデータの取り方みたいなことを是非していただきたいと思っています。
    それが見えると水産庁の水産改革が実は現場ベースでどれぐらい実現されていて、漁業者がそういう部分に真に向かい合っているかというのがよく分かる。それが一般的な消費者だとか、いろいろな国民に見えてくることで、日本の漁業者がどれだけ資源管理に汗をかいているのか、それに対して注力しているのかというのが見えてくる。残念ながら、そういうデータというのは今までどこにも積極的には出ていなかったので、正に日本の漁業者は資源管理していないという評価が、誰も気付かずに、それが正にまことのことであるかのごとく世の中に流布されていて、それに対してチャレンジできるのは最初に菅家部長の挨拶にあったように、統計データだけなんです。だから、このデータを取っていただくということは、水産行政においても、漁業界においても死活的に大事なことなので、是非その部分でちょっと知恵を働かせていただいて、その移り変わり、水産行政とともに資源管理について、誰が、どこで、どういうふうに努力していったのかという跡が見えるようなデータの取り方を是非やっていただきたいなというふうに思っています。
    私の要望は以上です。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。
    ただいま三浦委員と内海委員から資源管理に関する調査の指摘、重要な指摘があったと思いますけれども、何かございますか。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    先ほどの三浦委員への回答と同じような感じなんですけれども、必要なデータを必要なものとして協議をしながら水産庁とも進めていきたいと思います。
    一方で、調査客体への負担も考えながら、あるデータをどう見せていくか、集計のアウトプットの部分ですか、こちらの方でも何とかできる部分があれば考えていければと思いますので、よろしくお願いいたします。
    以上です。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。
    この資源管理に関わる漁業管理組織調査というのは、第8次漁業センサスから始まっているんです。これは資源管理型漁業を推進していくに当たって全国の自主的な管理の取組状況を把握したかったというのがあると思うんです。そこから始まって、当初の調査内容を基本にして、少しづつ修正を図りつつ今日に至ったと思うんです。
    当時から資源管理の重要性がうたわれていたわけですけれども、今日更に重要になってくる中で、果たしてこの統計でいいのかというのは非常に重要な指摘だと思います。漁業法が改正されてさらにこれから資源管理に取り組むということになっていますから、そういう中で効果を見るためにも、このような統計項目でいいのか、その辺は十分検討が必要なのかなというふうに印象を受けました。
    どうもありがとうございます。
    ほかに何か質問ございますでしょうか。御意見よろしくお願いします。
    三浦委員、よろしくお願いします。

  • 三浦委員
    先ほど内海専務の方からもあったんですけれども、施策の方向性を統計でしっかりと表していくということが重要というのは、正にそのとおりだと思っております。
    そうした中で、先ほども不漁問題ということで、水産政策の改革の進捗状況のところの資料4の2ページで「不漁問題」というところがあったわけでございますけれども、そうした中、特定の魚種で漁獲量が減少しているという言い方を水産庁がされたんだけれども、これは全国的、世界的なもので、今一番旬な情報でいくと北海道で赤潮が起きているみたいな状況もあるなかで、海洋環境変化によって魚が獲れなくなってきているんだというのが我々漁業者としての認識なんです。この10年間の海洋環境変化といいますか、地球環境の変化によって、魚というのは環境変化に非常に敏感なんです。水温が1度違えば、気温で言えば10度ぐらい違うということに当たってしまうので、直接肌に接していますから、例えば我々はマイナス20度の水にぽんとつかったら、すぐ死んでしまいますよね。しかしながら、マイナス20度の風に当たってもすぐに死なないというような形で、そこをすごく敏感に察知している中において、例えば各浜でどういうふうな海洋環境変化が起こっているのか、そういうことも今後こういう調査の中で見ていくことは非常に重要なのかなと思っていますので、検討していただきたいと思っております。
    以上です。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。
    ほかの委員の皆様、何かございますか。
    この点については、第2回の2023年漁業センサスにおける見直し内容の詳細についてでも議論するということになろうかと思いますけれども、今回でも、次回でも御意見を頂ければと思います。
    まだ御意見もあろうかと思いますけれども、時間の関係もありますので、この辺で閉めさせていただきます。今後とも積極的な御意見を下さりますようよろしくお願いします。
    最後の議事として、その他が設定されていますけれども、事務局の方から何かございますでしょうか。

  • 東経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    特にございません。

  • 工藤座長
    では、特にないようですので、本日予定されていた議事については以上でございますが、そのほか皆さんから何かございますでしょうか。
    ないようですので、進行を事務局に戻させていただきます。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    本日は貴重な御意見をありがとうございました。本日頂いた御意見につきましては、事務局で今後検討させていただきます。
    また、次回は12月の開催を予定しております。改めて日程調整の連絡をさせていただきますので、お忙しいと存じますが、よろしくお願いいたします。
    それでは、最後になりますが、当室の清水センサス統計室長より一言御挨拶申し上げます。

  • 清水(司)センサス統計室長
    皆さん大変お疲れさまでした。センサス統計室長の清水です。
    まずは工藤座長、本日は研究会の円滑な運営、大変ありがとうございました。これから1年半と長期にわたりお願いすることになりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
    それから、委員の皆様方におかれましては、コロナ禍ということでウェブを用いながらの変則的な会議設定となり、接続の調整も含めて多大なお時間を頂いたことにまず感謝申し上げたいと思います。
    また、本日は1回目ということではございましたが、幅広い意見を頂いたことも感謝申し上げたいと思います。
    私は統計行政は長いんですけれども、実はセンサス調査や、水産調査もこれまで携わったことがございませんので、今日もなかなか意見についていけないところもございましたが、これから委員の先生方から色々な御意見を伺いながら勉強して進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
    冒頭、藤田委員の方からもありましたけれども、コロナ禍ということがございまして、2年後収まっていることを切に願うわけですけれども、仮に統計調査員が使えない状況になりますと、幾ら良い調査票を作っても調査結果が得られないということになるので、最悪のことも考えながら調査手法についても考えておかないと公表ができないなんていうことにもなりかねません。今後、他府省の大規模統計調査も実施されると思いますので、その辺のやり方も情報収集し、また皆さんにお諮りしていきたいと思っております。
    それから、内海委員から、調査票情報を利用したいとの意見がありました。確かに税金で調査をした個票データなので役所だけではなく、もっとみんなが使えるようにして欲しいというのは当然の御意見だと思っております。一定の制約はありますが、統計法で許されている利用方法をまだフルに活用できていないところがございまして、役所とか大学の先生は申請いただければ調査票情報を使っていただけるのですが、それ以外の方は使えないという中で、実費を頂くことにはなっているんですけれども、オーダーメード集計といいまして、申請いただければ役所の方で集計をしてお渡しするというフレームもございます。実費を頂くのと、こちら側に余力がないとできないので、その範疇でということにはなるのですが、そういう利用方法も統計法で認められております。
    あともう一点、匿名データというものもあって、当然個人情報は出せないので、誰のデータか分からないようにデータセットしておいて、どなたでも使っていただけるというフレームもあるのですが、指標部を削ればいいとかいう、そういう単純な処理でもないようですので、これをやろうとすると組織を要求して、しっかり体制を組まないと対応できないのですが、統計法上はそういうフレームもあるので、漁業センサスとか農業センサスもそうですけれども、これだけの財産があるので、御意見を聞いていて、この場でやるとは言えませんが、そういうことも検討していかないといけないんだなということは感じたところです。
    それから、工藤先生が「活かすDB」もかなりお使いいただいているということを御紹介いただきました。本日は漁業センサスの「活かすDB」というものを紹介させていただいたんですが、先行的に農業センサスの方でも「活かすDB」というものを公開しておりまして、こちらの方はセンサスデータ以外にも国勢調査のデータとか経済センサスのデータとか、それから行政データとして各補助金の支払状況がどうかとか、集落営農がどうかとか、こういうデータを組み合わせてお使いいただけるようになっております。ここまでくると、例えば政策を打った地域はセンサスデータで見ると、これぐらいの後継者もちゃんといるとか、やっていないところはもう5年後後継者がいなくなりますよ、農地がなくなりますよとか、こういう評価にも使えますので、現在その検討を始めているところです。
    これもかなり労力とお金を要するのですが、せっかく漁業センサスもこういうデータベースがあるので、センサスデータだけではなくて、各種データも組み込めるようなデータベースができるといいかなと思いますので、すぐに対応はしかねるのですけれども、順次皆さんに、より使っていただけるようにしていければと思っております。
    それから、本日は1回目ということで、この後、水産庁と基本計画の動きを含めまして、どういった調査事項にすればいいかということについて調整して、次回12月の2回の検討会までには一定の整理結果をお示しできればと思っております。
    本日も委員の皆様方から調査項目をより増やして欲しいという要望を頂いております。これも貴重な意見ですが、統計調査の実施事情といたしまして、御承知のとおり政府統計は総務省とか統計委員会の手続きがあって、やみくもに私ども調査実施者の意向で自由自在に拡充することはなかなか困難な部分はあるのですが、ただ一方で漁業センサスを実施するのに約
    10億円掛かっているんです。統計部で年間200本調査しているのですが、それぞれもろもろ合わせても45億円という中で、10億円も投入しているので、投入しただけの利用を頂かないといけないとも思っています。また、継続という御意見も皆さんから頂いていたとおりだと思います。新しい項目については、どうしても水産庁の要望が強いと、何が何でも入れようとするので、使っているんだけれども、ちょっと利用が低いものを削ってしまって、先ほども御意見がありましたが、後でしまったと、あれやめるのはちょっとよくなかったなという議論にもなるのですが、復活というのもなかなか難しいので、削減するときにも慎重に検討した上で進めていきたいと思っております。
    いずれにしましても、実質的には1年ですけれども、これから1年半という長い期間にわたりまして、委員の皆様方からいろいろ御意見を頂きながら、調査実施部局としましては、少しでも充実した漁業センサスが実施できるように努力したいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。本日は、どうも本当にありがとうございました。

  • 清水(邦)センサス統計調整官
    では、これをもちまして第1回2023年漁業センサス研究会を閉会させていただきます。今日は皆さん、本当にどうもありがとうございました。

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