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農林水産省

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第3回 2023年漁業センサス研究会 議事録

1. 日時

令和4年6月14日(火曜日) 10時~12時

2. 場所

農林水産省第3特別会議室

3. 出席者

(委員)
内海 和彦  久賀 みず保(Web)  工藤 貴史  佐々木 貴文(Web)
花井 孝之(Web)  三浦 秀樹  宮澤 洋(Web)  行友 弥(Web)
水産庁漁政部企画課課長(オブザーバー)

(農林水産省)
大臣官房統計部センサス統計室長 他

4. 議事

(1) 新たな水産基本計画(令和4年3月25日閣議決定)の概要について

(2) 第2回研究会における委員意見に対する見解及び対応方向について

(3) 2023年漁業センサスにおける調査項目の変更案等について

(4) 漁業地区・漁業集落、内水面漁業地域・内水面漁業集落について

(5) その他


  • 中根センサス統計調整官
    定刻となりましたので、ただいまから第3回2023年漁業センサス研究会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。それでは、初めに、4月の人事異動で委員のうちお二方に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
    まずは、静岡県経済産業部水産・海洋局水産振興課長の花井孝之様でいらっしゃいます。花井課長様、マイクをオンにしていただき、一言お願いいたします。

  • 花井委員
    皆様初めまして。静岡県水産振興課の花井と申します。今日は、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 中根センサス統計調整官
    お願いいたします。続きまして、大分県企画振興部統計調査課長の宮澤洋様でいらっしゃいます。宮澤課長様、マイクをオンにして一言お願いいたします。

  • 宮澤委員
    大分県の統計調査課、宮澤です。4月に着任いたしました。大役が自分に務まるか不安ですけれども、一生懸命貢献できるように頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 中根センサス統計調整官
    よろしくお願いいたします。また、我々事務局にも異動がありましたので、紹介申し上げます。センサス統計室構造企画班担当課長補佐の笹島です。

  • 笹島経営・構造統計課課長補佐(構造企画班担当)
    笹島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 中根センサス統計調整官
    続きまして、漁業センサス統計班担当課長補佐の佐藤です。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    佐藤です。よろしくお願いいたします。

  • 中根センサス統計調整官
    そして、本日の司会を務めさせていただきますセンサス統計調整官の私、中根でございます。よろしくお願いいたします。以上の3名が交代いたしました。よろしくお願いいたします。

    続きまして、資料の確認をさせていただきます。
    議事次第の下段に資料一覧を記載しておりますので、御覧いただきながら御確認をお願いいたします。
    まず資料1といたしまして、新たな水産基本計画(令和4年3月25日閣議決定)の概要について。
    資料2、第2回2023年漁業センサス研究会における委員意見に対する見解及び対応方向について。
    資料3、養殖業経営体の対象調査について。
    資料4、調査項目の変更(案)(令和4年6月時点)。
    資料5、調査項目(案)の新旧対照表(追加・変更項目のみ)(案)。
    資料6、調査項目の変更に伴う集計項目の変更(案)(令和4年6月時点)。
    資料7、漁業地区及び漁業集落の見直しの検討について(案)。
    資料8、内水面漁業地域及び内水面漁業集落の見直しの検討について(案)。
    資料9、現地実態把握について(案)。
    それから、参考といたしまして、2018年漁業センサス調査票。以上になります。よろしいでしょうか。それでは、これより議事に入りたいと思います。工藤座長、よろしくお願いいたします。

  • 工藤座長
    本日は第3回研究会ということで、どうぞよろしくお願いいたします。
    議事の進め方ですけれども、前回同様、議事ごとに事務局からの説明を受けまして、それから各委員から御質問、御意見を頂きまして、一定の取りまとめを行った上で次に進めるということにしたいと思います。
    それでは、まず議事の(1)、今年の3月に閣議決定されました新たな水産基本計画の概要について、水産庁の河村企画課長より、御説明の方をよろしくお願いいたします。

  • 河村水産庁漁政部企画課長
    ただいま御紹介いただきました水産庁企画課長の河村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、着席して御説明をさせていただきます。
    資料1でございます。新たな水産基本計画の概要ということでございます。10分程度でということでございましたので、3枚の資料で簡単に御説明したいと思っております。
    水産基本計画というものの、そもそも論から皆さんに御説明した方がいいかなと思っているんですけれども、これは、水産基本法という法律に基づいて定められているものでございます。この水産基本法は平成13年にできました。農業には農業基本法という法律が随分前からあったんですけれども、その農業基本法を参考にして作ったものが水産基本法でして、これに基づき水産基本計画ができているということでございます。最初の水産基本計画は平成14年にできまして、それから4回、5年ごとに見直しをしておりまして、今回のものはこの3月25日に閣議決定いたしました。
    資料の1ページ目を御覧いただきますと、左側のところに「前計画」というのがございます。この前計画というのは5年前に策定した平成29年の計画ということになります。この平成29年の計画では、浜単位で所得向上を図っていくということを前面に出して施策を展開したわけでございまして、柱を三つ書いてございますけれども、1にございますとおり、沿岸漁業については浜プランというものを策定して、所得の向上というのを「浜」単位で図っていこうというもの。
    2の沖合漁業・遠洋漁業については、国際競争力の強化ということを目指していくというもの。さらに、水産資源とそれを育む漁場環境の保全・管理。水産業・漁村の持つ多面的機能の十分な発揮という3のもの。これら三本柱で形作られていたということでございます。
    その下に「+」と書いてあって、さらにその下に「情勢の変化」というのが書いてございますが、これは、平成29年に計画を作った後にどんなことがあったかということでございます。まず行政側の話を書いておりますが、具体的には、水産改革というのを実施していこうということになり、漁業法を70年ぶりに改正し、科学的根拠に基づいた新たな数量管理の導入とそれを実現するためにロードマップを作って、そのロードマップの中に「漁業者の理解と協力の下」というのが明確に書いてあるわけでございますが、漁獲量444万トンを目標として設定したなどのことが書かれています。2が養殖戦略の策定についてでございまして、これはマーケットイン、市場が求めるものを作っていこうということで計画を策定しております。そして3が輸出戦略。実は養殖と輸出は密接に関係しているんですけれども、農林水産省全体の目標として5兆円という輸出目標がございまして、そのうちの1.2兆円が水産関係ということになっておりますので、その1.2兆円の達成に向けて、どういった品目をどうやって増やしていくかということを策定したというのが行政側の話でございます。
    その下に「自然環境・社会経済」と書いてございますが、水産をめぐる情勢は非常に厳しい状況にございます。地球規模の環境変化もあって、サンマ、イカ、サケなどの不漁が長期化してしまったりとか、操業に必須のA重油などの燃料価格が高止まりしている状況ですとか、配合飼料価格も高止まりしているとか、火山が噴火して軽石の被害があったりとか、北海道で今まで発生したこともなかったような赤潮が発生したりとか、新型コロナの関係で外食向けの需要が減ってしまったりとか、本当にいろいろなことが起こっております。さらに、最近ではロシアのウクライナ侵略の関係で、北海道の一部の地域では漁業が営みにくい状況にあったり、ミサイルが我が国のEEZ付近まで飛んできている状況下において漁業者の方々は命を懸けて操業いただいているとか、漁業者は様々なリスクに直面しているということでございます。そういう話に加え、2にございますけれども、国際的な流れもありカーボンニュートラルを推進していかないといけないという動きが広がってきていますし、デジタル化も進展してきております。先ほども少し触れましたが、新型コロナの関係で社会経済活動の制限とか個人の行動様式というのが変わってきておりまして、そうしたものを踏まえて対応していかないといけないという状況にあります。
    このような、行政側の話と、あとは社会環境の変化という話を踏まえて、今回新しい計画を策定いたしました。
    右側の方に目を移していただきまして、新計画は「持続性」がキーワードでございます。水産業が持続していくためにどうするべきか。リスクがたくさんあることはわかったので、分散できるところは分散して、適応できるところは適応して、成長産業化に結び付けていくと。そして水産業の成長産業化と併せて、これは今回の大きな柱でもあるんですけれども、漁村も活性化していけるように、まずは漁業を軸に目指すわけですけれども、どうしていくかということを考えていくというのが今回の基本計画の「みそ」でございます。そして、それを実現するために、1、2、3がございますけれども、三本柱で考えていくということでございます。
    まず、第一の柱が青い部分、「海洋環境の変化も踏まえた水産資源管理の着実な実施」ということでございます。
    第二の柱は緑色の部分、「増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化」ということで、漁船漁業、養殖、輸出、人材、経営安定対策などが書かれていると。
    そして、第三の柱が「地域を支える漁村の活性化の推進」ということで、まず漁業の振興を軸に漁村の活性化を図ると、あわせて漁業以外の、これは「海業」と呼んでいますけれども、漁業以外の産業も取り込むことによって漁村の活性化を図っていくと。
    そのほか各種の施策を盛り込んだというのが大きな流れでございます。具体的に細かいものが次の2ページ目にございます。2ページ目は柱ごとに1ページ目と同じ色で整理しております。
    まず、第一の柱が左側の青い部分でございまして、これは資源調査・評価をしっかりやって、新たな資源管理の着実な推進をしていこうと。具体的には、資源管理ロードマップを策定しておりますので、その中に書いてあることを着実に実施していくと。
    そして、真ん中よりも下ぐらいのところに「海洋環境の変化への適応」というのがございますけれども、これは不漁とか、そうした状況にどう対応していくかということで、海洋環境の変動のリスクをきちんと把握するとか、資源変動にきちんと適応できるような漁業経営体を育成していかないといけないということでございます。
    近年、不漁になっている魚種はイカ、サンマとかですが、これらは例えばイカはイカ釣り漁船、さんまはさんま棒受網漁船と、特定の魚種を漁獲するためだけの船形になっているため、サンマやイカが獲れなくなると、当該漁業者の収入がなくなってしまうという厳しい状況になってしまっています。このため、イカ、サンマに限りませんが、複合的な漁業経営が行えるよう、船形や我々が行う許認可も見直していかないといけないだろうと。
    そして日本の海の水産資源を守るための国際交渉をしっかりやっていかないといけません。また、国内の漁業者に資源管理をしっかりやってもらうのに、海外で密漁とか、違法操業とかが行われていると、国内の漁業者に資源管理をやってもらっている意味がありませんので、そういう漁業取締りとか密漁監視体制というのもしっかり強化していかないといけないということでございます。
    括弧書きで「P7」とか「P8」とか書いてあるのは水産基本計画本体のページでございまして、ホームページに公表されておりますけれども、御関心のあるのを追って御覧いただければと思います。
    第二の柱は真ん中の緑色の部分でございまして、これは成長産業化の部分でございます。
    まず漁船漁業の構造改革ということでございまして、沿岸漁業につきましては、中核的な現役世代を中心に漁場の有効活用というのをしっかり推進していく必要があります。また、未利用魚を有効活用していくということ、高付加価値化していくということも重要だと思っています。さらには、沖合漁業につきましては既に漁獲魚種が先鋭化していると思いますので、それを段階的に複合化の方向に転換していく必要があると思っており、そのため、先ほどご説明した通り、船型とか漁法、許認可を見直していかないといけないと。
    遠洋漁業については、新たな操業形態を検討していかないといけないと思っていますし、海外市場を含めた販路の多様化というのも確保していかないといけないと。
    養殖は、マーケットイン、あと大規模沖合養殖の推進ですとか、あと陸上養殖については今まで水産庁は直接関与していなかったため、届出制を導入して実態を把握していきたいということでございます。
    輸出につきましては先ほど申しましたとおり、1.2兆円の達成に向けて輸出重点品目について取り組んでいくと。
    人材育成、これは大きな課題でございまして、新規就業者を育成・確保していくために、ICTとかいろいろな技術を習得いただきながら新規就業者を育成していかないといけませんし、あと海技士ですね。船を出すために海技士免許を持った方が乗船することが、一定の大きさ以上の船になりますと必要になりますので、海技資格の早期取得に向けた取組の推進ですとか、外国人材も場合によっては、日本国内だけでは対応できない場合には受け入れていけるような環境を整備していく必要があろうと。
    経営安定対策。これは積ぷらとか、あとは燃油の対策とかでございますけれども、これらの対策は引き続きしっかり行っていく必要があると思っておりますが、漁業法の改正の中で附則で、漁業収入安定対策の在り方を検討しろと書いてあるわけでございます。漁業をめぐる情勢が非常に厳しい中、直ちに在り方の検討みたいなのをすると皆さん大変だろうということでございまして、新型コロナの影響ですとか漁獲量の動向とか、経営状況を配慮しながら、国会、立法府から御指摘いただきました附則に基づく検討というのを進めていこうということを書かせていただきました。
    右側が三本目の柱、赤い部分でございますけれども、浜の再生・活性化ということで、まず漁業で活性化を図っていこうということで、拠点漁港を再編整備したりとか、漁協を集約化したりしながら機能強化を図っていくと。そうしますと、漁港とかが空いてまいりますので、空きスペースを活用して漁業以外の産業も取り込んでいこうと。ある意味リスクの分散でありますけれども、そういうことを漁業プラスアルファで漁村の活性化というのを進めていこうということで、「海業」という概念を─まあ、新たにというのか、これはそもそも三浦市で命名された古くて新しい概念でございますけれども、海業を振興していくということですとか、あと「浜プラン」も少し見直して、都市と漁村の交流ですとか、人材確保の話とかも付け加えていこうということを検討したいということが書かれております。
    加工・流通・消費の関係では、国産加工原料を安定供給していくとか、中核的な水産加工業者が育成されていかないといけなくて、必要に応じて外国人材というのも活用していこうと。
    流通はIUU漁業という無通告の違法な漁業というのを撲滅していかないといけませんし、あと流通適正化法というのも国会で認めていただきましたので、こうしたものの対象品目を2年ごとに見直していこうとか、消費については国産水産物というのを消費拡大していこうとか、水産エコラベルというのを活用していこうというようなことが書かれています。
    左下に「水産業の持続的な発展に向けて横断的に推進すべき施策」とございますが、みどりの食料システム戦略の話ですとかスマート水産技術の話ですとか、カーボンニュートラルへの対応ですとか、新型コロナウイルス対応とか、震災からの復興とか、そうしたことが書かれていると。
    最後、右端でございますけれども、「水産物の自給率目標」というものがありまして、これが閣議決定当時少々注目されましたけれども、先ほど申しましたロードマップに沿って444万トンに回復するとか、輸出1.2兆円を目指すとか、こうしたものを達成しますと、実は自給率というのが右端の表にございますけれども、令和14年で94%、食用魚介類でなっていかないといけないということになりまして、今の令和2年度が真ん中にございますけれども、57%なので、こんな目標、達成できるのかという御意見もあったわけでございます。しかしながら、その後、ロシアによるウクライナ侵略とかがあって、食料安全保障の重要性みたいなものが再認識されておりまして、農地の制約とかのない水産で、食料安定供給を確保していくということは、食料安全保障の観点から非常に重要となってきている状況でございまして、そうした意味でも目標をしっかり達成できるように種々の取組を着実に実施していきたいというふうに思っております。
    3ページ目は参考でございますが、水産基本計画には直接記載されていない部分でございます。「水産施策の主なKPI」として、漁業関係では漁獲量を444万トンまで回復させることを目指すと書いてありまして、真ん中の進捗状況、今は317万トンですよということが書いてありまして、右側、これはKPIが書かれている計画などの根拠が示されているという表でございます。漁業、養殖業、輸出、水産業全体の話、自給率の話などが書かれているということでございます。駆け足でございましたが、私からの説明は以上でございます。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございました。ただいまの御説明の内容のうち、漁業センサスに関連する内容につきましては、この後の議事の際に併せて御質問いただければと思います。
    それでは、引き続きまして、議事の(2)第2回研究会における委員意見に対する見解及び対応方向について、事務局の方から資料の御説明の方をよろしくお願いいたします。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    この4月から漁業センサス統計班を担当しております佐藤でございます。改めまして、よろしくお願いをいたします。
    議事の(2)、前回、第2回の研究会におきまして委員の皆様から頂いた御意見に対する対応方向について説明をさせていただきます。
    資料は2番、3番、4番の三つを使いますので、その都度一緒に見ていただいたり、資料を行き来したりすると思いますが、御容赦いただければと思います。
    それでは、初めに資料2の方を御覧いただきたいと思います。
    1ページ目につきましては、漁業種類について頂いた御意見でございます。
    こちらは第2回研究会の際に、統計調査間の整合を図るために海面漁業生産統計調査の漁業種類に合わせて変更するということで提案をさせていただきましたが、統合される漁業種類が何経営体あるのか、具体的なデータを示すことで、問題点など分かるのではないかという御意見を頂いております。続いて2ページ目になりますが、こちらにつきまして久賀委員から、漁業種類の統合に当たって、遠洋いか釣が将来的に復活する可能性もあるので、その統合については慎重に考えて、残すような選択肢はないのかというような御意見を頂いておりました。これに対する資料について、数字を示しながら解説をしたいと思います。
    資料4の1枚目のA3の紙をめくっていただくと、右上に別紙1と記入された資料があるかと思います。そちらを御覧いただきたいと思います。
    資料4の別紙1ですが、海面漁業調査の漁業経営体調査に用いる漁業種類の変更案の資料になっております。左側の数字が2018年の際の漁業種類の数でございます。右側が2023年の漁業種類の案になります。初めに、黄色で印を付けさせていただいておりますが、沖合底びき網の「1そうびき」と「2そうびき」の統合案でございますが、「1そうびき」が前回営んだ経営体として239、「2そうびき」の方が25という結果になっております。それを2023年では「沖合底びき網」というような統合案にしたいと考えております。
    続きまして、大中型まき網でございますが、「1そうまき近海かつお・まぐろ」が11経営体、「1そうまきその他」が45経営体ということで、こちらを統合しまして、「1そうまきその他」としたいと考えております。
    もう少し下に下りていただきまして、「遠洋いか釣」が1経営体、「近海いか釣」が44経営体ということで、こちらを「遠洋・近海いか釣」という形で統合をできればと思っております。
    いずれの漁業種類も一方の経営体数が少なくなっており、こちらにつきましては海面漁業生産統計と合わせる形で統合したいと考えております。
    もう少し下段に下がっていただいて、今度は海面養殖のところにも黄色で付けておりますが、こちらにつきましては2013年の際の養殖種類を基本に考えまして、その中から養殖業成長産業化総合戦略において戦略的養殖品目に指定されております「にじますの養殖」と「その他さけ・ますの養殖」、こちらを魚類養殖の「その他の魚類養殖」から分離しまして、海面漁業調査の方で捉えていきたいと考えているところです。以上が漁業種類の統合の解説になります。
    続きまして、資料2にお戻りいただきまして、3ページを御覧ください。こちらにつきましては三浦委員から、資源管理に関する調査におきまして、漁業種類の調査項目が前回からなくなっている。漁業種類、魚種、資源管理の三つがセットになって分かるような調査結果の、復活をお願いしたいということで意見を頂いておりました。こちらの対応としましては、省内から要望把握をした際に、漁業種類の要望はなく、今後、総務省の方に調査計画の審議を諮る際に、要望がない項目について、なかなか復活を行うことはできないものと考えているところでございます。ただ、資源管理計画につきましては、水産庁で令和2年度からウェブサイトで一覧表の形式で個々の管理計画なり、漁業種類、魚種、管理措置等が把握可能となっております。さらには、資源管理協定移行後につきましても、水産庁又は都道府県のウェブサイトにおいて順次公表される予定と伺っているところでございます。
    なお、漁業種類や魚種、管理措置の中で、漁業種類を明確に示して調査をした方が調査の間違いが少なくなるかどうか、そういったところにつきまして今現在、並行して進めております検証業務を通じて調査対象者に対してヒアリングで確認をしてまいりたいというふうに考えているところです。
    続きまして、資料2の4ページを御覧ください。こちらは、養殖業について御意見を頂いた点になります。
    1点目ですが、工藤座長から、養殖する場所と水質によって、養殖業経営体をどの調査で捉えるのか、資料を作成して示してほしいということで御意見を頂いております。こちらにつきまして、資料3をご覧ください。図式で簡単に養殖業経営体の対象について記載をさせていただいた資料になります。まず左側の軸に「地理的属性」ということで「沿海市町村」なのか、「非沿海市町村」なのかというような形に区分しております。表頭の方になりますと「飼養環境」ということで、「海面」「陸上、河川・湖沼」ということで分離をさせていただいております。
    さらに、「陸上、河川・湖沼」のところで、海水を使っているのか、淡水を使っているのかで分けられておりまして、まず一番左、海面において養殖する際については海面漁業調査で把握をするというような形になります。
    一番右側になりますが、陸上や河川・湖沼で淡水を使用した場合、こちらは沿海市町村、非沿海市町村にかかわらず、内水面漁業調査で捉えるということになります。真ん中がそれぞれの調査で異なる点になりますが、沿海市町村で陸上において海水を使って養殖をした場合につきましては、海面漁業調査で把握をするという形になります。非沿海におきまして陸上で海水を使っている場合については、内水面漁業調査で把握をするということになります。言葉での説明よりもこういった図で見ていただいた方が分かりやすいと思います。この資料3の裏面になりますが、参考としまして、漁業センサスの調査対象の定義について記載をさせていただいておりますので、後ほどお時間があるときお目通しを頂ければと思います。
    それでは、また資料2の4ページに戻らせていただきますが、養殖業の2点目、中段になりますが、工藤座長から、さけ・ます類の種類がいろいろあり、調査対象者が分かりやすくするための具体例を示していただきたいということで、資料4の別紙の3をお開きいただければと思います。こちらに、「にじます」と「その他さけ・ます類」の具体例につきまして、こういった場合は「にじます」に該当するのか、「その他さけ・ます類」に該当するのか、網羅的に示した具体例になります。こちらのような表を調査対象者へ配布をいたします記入の仕方等で、調査対象者が間違わずに回答できるような形で工夫をしてまいりたいと考えております。以上がさけ・ます類の分類の説明でございます。
    また、資料2の4ページにお戻りを頂きまして、一番下の久賀委員から頂きました「種苗用」の「ます類」を「さけ・ます類」に変更した方がいいのではないかという御意見につきまして、資料4の別紙2で取りまとめさせていただいておりますが、こちらが内水面漁業調査の養殖種類の分類になります。
    基本的に、2018年のときには「その他ます類」としていた項目が幾つかございますので、そこのところにつきましてはきちんと誤解を招かないように、「その他さけ・ます類」というふうな表記にさせていただければというふうに思います。以上が養殖業についての説明となります。
    引き続き資料2にお戻りを頂きまして、5ページ目を御覧いただければと思います。
    こちらにつきましては、前回の研究会の際に遊漁について2点ほど御意見を頂いているところです。三浦委員から、遊漁の状況把握については今重要な状況となっており、調査項目に是非追加をしていただきたいという御意見を頂きました。また、下段の方になりますが、工藤座長から、遊漁の採捕量調査については必要であるということは承知をしているが、そこについては5年に1度の漁業センサスという枠組みではなく、別の調査において採捕量を把握していく必要があるのではないかということで御意見を頂いておりました。こちらにつきましては、省内からの調査項目の要望を把握した際に、要望が寄せられませんでしたので、今後、総務省の審議等を踏まえますと、調査項目の追加につきましては難しいというふうに考えているところでございます。
    なお、水産基本計画の中において「今後、アプリや遊漁団体等の自主的取組を活用した採捕量の情報収集に強化をしていく」というふうに記載がございますので、水産庁において、採捕量の情報収集に関する取組が検討されていくものと伺っているところでございます。
    続きまして、資料2の6ページを御覧いただきたいと思います。こちらにつきましては、エコラベルについて3点御意見を頂いております。
    初めに、内海委員から意見を頂きました、エコラベルの取得状況の把握をお願いしたいということで御意見、御要望を頂きました。エコラベルの取得状況につきましては省内からも追加の要望がございまして、取得状況につきまして調査項目に追加する方向で検討させていただければと思います。
    ただ、漁業者の方のエコラベルに対する意向的な部分の把握につきましては、漁業センサスにはなじまないところがありまして、統計部に設置している「統計データ分析支援チーム」がございまして、そこの中で水産庁と協議をしながら、その意向把握について検討することとしております。
    続きまして、2点目の中段でございますが、内海委員の方から、このエコラベルの調査項目の採用に当たって、KPI等の数字として捉えていくのは、今後数字が増えない際には「そんな認証制度、やめてしまえ」というような意見が上がってくるのを懸念しますので、そういったことにならないようにお願いをしたいと。また、久賀委員からも、調査で捉えるに当たりましてきちんとした定義を、「GSSIから承認を受けたスキーム」とするなど、きちんと定義付けをして調査をお願いしたいという御意見を頂いております。
    こちらにつきましては、水産庁においてエコラベルの取得状況について、今後各種計画・戦略等の施策目標値として対外的な説明等に利活用がされるということが見込まれており、そういった形でこの漁業センサスに新規項目として追加をさせていただいたところです。その点、御了承いただければと思っております。
    さらに、エコラベルの定義につきましては、用語の解説等においてGSSIから承認された生態系や資源の持続性に配慮した方法で、その漁獲等が認証されたスキームであるということについて明確に示してまいりたいというふうに思っております。
    最後になりますが、7ページを御覧いただきたいと思います。
    こちらは三浦委員から、不漁問題なり海洋環境の変化について、現場においてその状況を実感している漁業者から「何らかの形で把握することができないものか」と御意見を頂いたところでございます。こちらの回答につきましては、海の状況に関して最も詳しいのはやはり漁業者の皆さんだということは承知をしておりますが、この定量的な構造統計を把握する漁業センサスの調査項目としてはなかなかなじまないものかなと考えており、漁業センサスでの項目追加についてはできないものと考えております。
    なお、こちらも水産基本計画になりますが、今後、地球温暖化等を要因とした海洋環境の変化が水産業へ及ぼす影響や、原因を把握して、その変化に応じた具体的な取組を進めていくというふうに規定をされておりますので、水産庁のところで今後関連する取組が検討されていくと伺っているところでございます。事務局からの説明は以上でございます。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御質問、御意見を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。三浦委員、お願いします。

  • 三浦委員
    全漁連の三浦でございます。前回までの発言に対する御回答、ありがとうございました。このなかで特に資料2の7ページ、海洋環境の激変のところですが、定量的な構造統計のための悉皆調査を行う漁業センサスの中で、アンケート調査のような項目がなじまないということは私も十分承知した中での発言でしたので、その辺は理解もしているところです。「見解及び対応方向」のところにもしっかりと海洋環境の激変について水産庁において「原因把握に関する取組を検討していく」との記載がありますので、こうした検討に当たりましては、海の変化というのはなかなか見えづらいし、10年たって分かってきてももう遅いのです。そうしたことをいち早く知っているのは、やっぱり日々、毎日漁に出ている漁業者でありますから、漁業者の声を十分生かすような調査・分析の方法を検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。事務局の方から何か追加的に説明はありますか。

  • 清水センサス統計室長
    ありがとうございます。ただいまの御意見についてはしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。このセンサス研究会は、何かを決定するというよりも、むしろ幅広い見識をお持ちの委員の皆様方からセンサス統計をより良くしていくためのご意見をいただく場でありまして、三浦委員のご意見は、正に全ての漁業者の方に協力をいただいて調査するセンサス統計を、もっとほかに活用できるのではないかというご意見と受け止めております。海洋環境に関する調査事項としておっしゃっていますが、この後に出てくる遊漁の話とか、結果としては今回の検討では対応できなかったのですが、例えばビッグデータで統計が作成できないかということを含めて統計部でも検討させていただきました。三浦委員から頂いた御意見については引き続き今後のセンサスの在り方としても、しっかり検討していきたいと思っております。
    海洋環境に関する具体的なことに関しては、また水産庁の方でも取組は検討されるというふうに聞いておりますので、農水省としては、それぞれの部署でできることを今後もしっかり検討していきたいなと思っております。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。

  • 河村水産庁漁政部企画課長
    水産庁でございます。三浦委員がおっしゃっていただいたのは正にそのとおりでございまして、水産基本計画を検討する上でも、不漁問題というのは一番大きな水産業をめぐる中長期的なリスクというふうに認識して、それにどう立ち向かっていくかということで、まずリスクを評価していくところからやっていこうと整理したわけでございます。具体的には、試験研究機関ですとか行政機関に加え、日々操業されていて最も実情に明るい漁業者の方々のデータも頂きながら整理していく必要があろうということになっておりますので、正におっしゃっていただいている方向で水産庁としても検討していきたいと思っております。実施にあたってはいろいろな面で御協力いただくこともあろうと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

  • 工藤座長
    よろしいでしょうか。ほかに何かございますでしょうか。
    では、私の方から2点ありますけれども、一つは漁業種類についてです。
    資料4の別紙1にまとめていただきましたけれども、この中で沖合底びきがあります。「1そうびき」と「2そうびき」に分かれていたのを一つにするということなんですけれども、これはどうかなと、いかがかなという感じがします。大中型まき網の方で「1そうまき網近海かつお・まぐろ」と「1そうまき網その他」が一つになるというのとは少し性格が違うのかなというふうに思うんです。大中型まき網の場合は、一つの経営体が「1そうまき網の近海かつお・まぐろ」もやっているし、いわしとか、さばとかの「その他」という操業もしている経営体が存在しています。これが一緒になるということはあるとは思うんですけれども、沖合底びきの場合は、「1そうびき」は「1そうびき」、「2そうびき」は「2そうびき」ですから、経営体が重複していないんです。だから、これを一つにしてしまうと、特にこの「2そうびき」の動向というのが見えなくなってしまうということです。確かに経営体数は少なくはなってきているんですけれども、例えば大中型まき網の2そうまきと大体同じような経営体数になっているので、これを「1そうびき」と一緒にするのはどうなのかなというような疑問を持ちました。もちろん、これは生産統計が沖合底びきで一本になったので、センサスも一本にするということは分かるんですけれども、果たしてどうなんでしょうかというところが一つあります。
    この点いかがでしょうか。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    漁業種類の沖合底びき網につきましては、今座長から頂いた内容で検討させていただきたいとは思いますが、先ほど申し上げましたとおり、海面漁業生産統計と漁業種類を、合わせて表記をして、記入者の回答負担を減らしていきたいと考えて御提案をさせていただいたところでございます。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。前回、久賀委員の方から遠洋いか釣についての指摘がありまして、それに対する対応がされていますけれども、「遠洋・近海いか釣」に名称を変更するということなんですが、この点、久賀委員の方から何か意見ございますか。特にないでしょうか。なさそうなので、次に進みます。
    では、時間がないのでもう一点、養殖業についてというところで、資料3で御説明いただきました。要は陸上の海水養殖の漁業センサスによる把握はどうあるべきかというところが論点になっています。実態として、近年、多様な陸上海水養殖が発展しています。トラウトもありますし、ウニの陸上養殖、あとは、スジアオノリとか海藻の陸上海水養殖というのが出てきています。水産基本計画においても、こうした陸上養殖の実態把握をしていくことになっていますし、漁港漁場整備長期計画でも、漁港の有効活用の一つの方法として陸上養殖を発展させていくことになっています。
    資料3を見ていただきますと、要は陸上で海水を使用した養殖が二つの調査によって把握されているということです。この二つの調査は何によって違っているかといえば、沿海市町村の調査か非沿海市町村の調査かということですが、まず一つ質問させていただきたいのは、この沿海市町村と非沿海市町村というのはどのように区分しているのかという点なんです。
    2018年の漁業センサスを見ると、例えば分かりやすいところで言うと、千葉県の南房総市ってあるんですが、ここは海に面した市町村だと思いますが、非沿海市町村として調査されているわけです。恐らくは市町村合併などで決めているのかなと思いますけれども、この点について、まず御質問させてください。


  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    ただいま座長からありました質問について、同じく資料3の裏面を御覧いただければと思いますが、調査定義について記載をしております。まず、海面漁業調査の漁業経営体調査の定義になりますが、海面に沿う市町村について調査を行うという定義になっていますので、そこにつきましては調査時点で市町村合併をしている場合については、海に面している所は調査対象市町村になるという考え方で調査をしております。
    内水面につきましては、市町村の制約がございませんので、基本的には沿海市町村の所で淡水を使用していれば、内水面漁業調査の調査対象になるというような形になってございます。以上でございます。

  • 工藤座長
    例えば、なぜ南房総市が非沿海市区町村として内水面で調査されているのかというのがちょっとよく分からなかったんですけれども。まあ、いっぱいあるんですよね、市町村を見ると沿海の市町村が。

  • 清水センサス統計室長
    今事務局ですぐに答えられなかったんですが、その市町村統合の時期の問題なのかというのは改めて整理して御説明に上がりたいと思います。

  • 工藤座長
    分かりました。私が言いたかった趣旨としては、これから市町村統合が進むこともあるわけで、そうすると、以前は内水面で把握されていたものが、今度海面で把握されますということもあり得るのかなと思います。そういうような形で統計の把握の仕方がちょっと不安定かなという感じがしました。それがまず一つです。
    もう一つは、沿海の海面漁業調査で陸上の海水養殖を把握したときに、このセンサスの報告書の中では、それは海面での養殖と一緒に報告されてしまうというところがあるわけですよね。例えば、海の区画漁業権の中で行っているにじます養殖というものと、陸上の海水養殖施設でやっているにじます養殖は「にじます養殖」として同じカテゴリーの中で経営体数としてカウントされてしまうと。だから、つまり海面漁業調査では陸上養殖というカテゴリーがカウントされていないんだと思うんです。にじます養殖だけではなくて、ウニ養殖とか、すじあおのりの養殖とか、そういうものも海面でやろうが、陸上海水養殖施設でやろうが、同じ養殖経営体としてカウントされていると思うんです。ですから、そこの部分はこれから陸上養殖が発展していく中で、どう捉えていったらいいかというのは課題として残るのかなというのが私の印象なんですけれども、御意見を頂きたいと思います。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    ただいま座長から頂きました、海水を利用した陸上養殖の実態につきましては、確かに今現在の漁業センサスの養殖種類の中の分類では分からないような形になっております。今現在、海面漁業調査で陸上施設での養殖を把握できるのが、「ひらめ」と「とらふぐ」の二つだけになっております。にじますなり様々なところで今後陸上養殖が発展をしていくというようなことはお聞きをしておりますので、まだその発展具合が入口に到達してきている、今後増えていくような状況になっていくのかなと考えておりますので、今般の2023年につきましては現行の海面養殖の分類で進めさせていただきまして、将来的に陸上で養殖するところが今後どのぐらい分類をしていくか検討してまいりたいと思っております。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。水産基本計画の中でも、「陸上養殖については、実態把握調査を実施するとともに、都道府県を通じたフォローアップ調査を定期的に実施して、調査結果について公表して実態の「見える化」を促進する」と書いてあるんです。だから、これは漁業センサスとは別でこういう調査をやるということだと思うんです。
    その調査結果を待って次の次の漁業センサスの中で、こうした陸上養殖を漁業センサスでどういうふうに把握していったらいいかという議論をしていくのが確実かなという気もしましたので、この点は持ち越しになりますけれども、少し重要な論点として皆さんで共有していった方がいいかなというふうに思いました。私からは以上になります。

  • 河村水産庁漁政部企画課長
    水産庁ですけれども、正に今座長がおっしゃっていただいたとおりでございまして、陸上養殖、我々もまだ全体が把握できていない状況でございますので、これから実態把握をまずしたいと思っております。例えば、採算が取れるのかどうかなどの根本的な課題もありまして、水産庁として、言い方が難しいんですけれども、どういうふうに陸上養殖と向き合っていったらいいかというのがまだ見えていないというのが正直なところでございます。実態をきちんと把握し、将来の方向性が明らかになってきたら、いよいよ統計にどう位置付けていくのか整理していくことになると思います。そうした意味でも、まずは実態把握のところからさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。ほかに何か。違う別件でいいと思いますけれども、御意見、御質問をよろしくお願いします。ウェブで参加の委員の皆様も、どうぞ御意見があればおっしゃってください。

  • 工藤座長
    では、まだ御意見もあろうかと思いますけれども、時間の関係もありますので、取りあえずこの関係はこの辺りで締めさせていただきます。
    次に、議事の(3)2023年漁業センサスにおける調査項目の変更案等についてに入ります。事務局の方から、御説明の方をよろしくお願いします。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    それでは、引き続き議事の(3)について御説明をさせていただければと思います。資料は、資料4、あとは資料5、6になります。資料4を御覧いただければと思います。A3判の大きな横紙の資料を御説明したいと思います。
    こちらの資料につきましては、調査項目の変更(案)として、令和4年の6月時点の内容となっております。前回、第2回につきましては、11月時点の変更案をお示ししていたところでございますが、その中で「適用区分」がおおむね調整中というふうな形になっているものが多数ございましたので、6月時点版ということで改めて御説明をさせていただければと思います。なお、先ほどの議題の(2)と重複する部分が多々ございますので、そこにつきましては割愛をさせていただければと思います。
    まず初め、1点目につきましては、「国際的なエコラベル認証の取得状況」でございますが、こちらは先ほど議事(2)で御説明をしたとおり、調査項目のところに組み入れていきたいと考えております。
    続きまして二つ目の変更点ですが、「漁業種類」について、こちらについても先ほど御説明をした漁業種類について、海面漁業生産統計と平仄を合わせながら修正をしてまいるという形で考えているところです。
    三つ目としまして、「にじます養殖」「その他のさけ・ます養殖」の関係でございますが、こちらにつきましては資料2で御説明をいたしましたが、養殖業成長産業化総合戦略ということで、戦略的な養殖品目に指定をされておりますので、こちらについては分類をして詳細を把握していきたいと考えているところでございます。
    裏面にまいりまして、一番上のところでございますが、「漁業収入安定対策事業の加入状況」又は「漁業共済の加入状況」になりますが、こちらにつきましては、現在経営体ごとの加入状況が明らかではないという状況のことから、今後未加入経営体の傾向や特徴を把握しながら、その事業の進捗指標等のところで利活用されていくということで御要望を頂いておりまして、こちらについて追加・拡充したいというふうに考えているところでございます。ただ、内水面につきましては、共済につきまして加入状況が非常に少ないということで、今回は見送りをさせていただいて、海面漁業調査の方で捉えてまいりたいと考えております。
    続きまして、真ん中の段になりますが、「資源管理協定の取組」についてでございます。こちらについては新たな漁業法のところで今後、資源管理計画が資源管理協定に移行されていくということになっておりまして、その完了年次が2023年度末となってございます。2023年の漁業センサスの調査のちょうど調査時点では、その移行が完了しておりませんので、管理協定と管理計画がそれぞれ併存するような形が考えられますので、海面漁業地域調査の取組区分のところに「資源管理協定」という項目を追加して、調査をしてまいりたいと考えているところでございます。
    なお、次回の2028年の漁業センサスにおきましては、資源管理計画から資源管理協定へ移行された後の状況となりますので、その調査を検討する際に、改めて内容を見ながら今後の調査について検討してまいりたいと思っております。
    最後になりますが、ここが前回までなかった項目になりまして、今回新たに追加をした項目になります。「輸出向けの販売金額」について把握をしていく項目になりますが、要望の背景といたしまして、農林漁業者の輸出向け販売金額を把握しながら、その実態を正確に捉えてまいると。輸出促進に関わる各施策の効果を検証するために、その実態を捉える必要があるということで、関係部局の方から御要望を頂いております。このことから、漁業センサスにおきましては、生産者である漁業経営体調査、こちらは海面、内水面の両方で、さらには漁協を単位とした調査であります海面、内水面の地域調査においても、その漁協での輸出販売の実績、さらには水産加工場における海外の輸出向けの販売金額について、それぞれ販売金額がどのぐらいの割合があるのか、又はその販売金額がどのぐらい、割合ではなくてランクでどのぐらいあるのかというところを追加・拡充していきたいと考えているところです。以上が追加、変更の要望の背景となります。
    資料の5番、6番を説明したいと思います。
    初めに資料5になりますが、こちらは今ほど資料4を説明した調査項目の変更案を2018年の調査項目を新旧の表で項目ごとに照らし合わせた資料になります。
    左側に2023年の調査票にこういった形で掲載をしてまいりたいという形で、右側が2018年のときの調査票の項目になります。
    一番右側については、変更理由について記載をしておりますので、後ほど追って御確認を頂ければ、こういった項目についてはこういった調査項目に変更されるというのが分かるかと思います。続きまして、資料6になります。こちらは、今ほどお示しをしました調査項目の変更に対して、それのアウトプット、集計項目の変更(案)になります。
    黄色で記載をしているところが、今般の変更で追加をされたり、変更されるようなところを各調査ごとに示しているような資料になります。今後、出力された調査票についてクロス集計結果表等を示す場合には、その組合せ事例としまして、表頭の下に青字で組合せ例を幾つかお示しをさせていただきましたので、こちらも後ほど御確認を頂ければと思います。私の方からの説明は、以上でございます。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございます。それでは、ただいまの御説明について、御質問、御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。内海委員、よろしくお願いします。

  • 内海委員
    新たに付け加えていただくものについては異論ないんですけれども、1点ちょっと気になったのが、輸出の調査の場合に、例えばそれぞれの経営体で輸出に振り向けた分がどれだけあるんですかと聞いて、それが漁協がまとめて例えば北米向けに何々します、あるいは加工屋を通して何々を輸出しますと。その場合に、例えば物が重複してカウントされるということはないんですか。ちょっとそこが気になったので。

  • 清水センサス統計室長
    輸出に関しては、農林業センサスでも同じように取ろうとしているのですけれども、実態がまだ本当のところ良く分かっていない部分もありまして、現在、民間事業者の方で調査票サンプル作って、これで重複なく正確に把握できるかということを現場で実証しておりますので、その結果を踏まえて調査票の工夫をしたいと考えています。当然そこダブりがあっては数字がおかしくなるので、経営体は直接御自身で輸出されている部分を捉え、漁協の方ではそうではなくて、皆さんから集まったものの中から漁協として輸出される部分を取るということで、そこはちゃんとすみ分けできるように調査票の工夫をしないといけないというのは課題として残っております。その部分について具体的な調査票どうするというのは次回の研究会のときに、現場の方で十分ヒアリングもして調査票を作ろうとしておりますので、あらためて御説明したいと思っておりますが、考え方としては当然重複のないように、それぞれで把握をしたいと考えております。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。この輸出の把握について、何か委員の皆様から御意見ございますか。三浦委員、よろしくお願いします。

  • 三浦委員
    今のご発言と大体同じ趣旨なのですが、これは「生産者が直接シッパーとなって輸出するということ」と「漁協が集荷し輸出している、漁協がシッパーとなっている」という場合と分けて書かないと、回答者は混乱してしまうのではないでしょうか。この場合、「生産者が漁協などを介さないで直接にシッパーとなったもの」を調べるという形でよろしいのでしょうか。

  • 清水センサス統計室長
    私どもで考えていたのは、今三浦委員がおっしゃったとおりで、経営体の方に聞く部分については直接輸出されているような、もう明確に輸出物として出荷されたものを把握し、漁協の方では、そうではなくて漁協として輸出されたものを別途聞こうかなというふうに考えております。

  • 三浦委員
    そのあたりを明確にしておく必要があると思います。漁協にせよ生産者にせよ、輸出はなかなか複雑なものですから、直接自分自身がシッパーになって輸出するというのは余りありません。やはり商社なり輸出業者を介した形で輸出はされている。しかしそれでも「自分たちも関わりながら輸出のものを作っている」という自負があるので、輸出をしていると認識していることが多いと思います。このあたりの調査票での定義ははっきりとした方がいいかと思います。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。何かございますか。

  • 清水センサス統計室長
    ありがとうございます。確かに調査票のところでしっかりと「こういうものを御記入ください」と書かないと、定義はしっかりしていても、記入いただく経営体の方が定義を御理解して記入していただかないと、御指摘のようなダブりとか漏れとか出てきますので、そこはしっかりと調査票のところで工夫をしたいなと考えております。

  • 工藤座長
    今非常に重要な御指摘を頂いたと思います。漁業経営体あるいは漁協という立場で、自分たちが生産したものがどれだけ輸出に回っているかというものは正確に知っているかというと知らない経営体が多いので、そこがなかなか把握するのは難しい調査になるだろうなという感じはするんです。では、この輸出、あるいはそれ以外の点について、ほかに何かございますでしょうか。内海委員、よろしくお願いします。

  • 内海委員
    輸出については、基本的には日本では税関の統計というのが、あれが一番パーフェクトといいますか、国境を越える所で全部チェックが掛かっているので、あれとこのセンサスの結果がどういうふうになるかというのが今後問題になると思うんですけれども。例えば品目なんかにすると、税関の貿易統計というのは、もう事細かに全部、いろいろな品目が、冷凍だとか生鮮だとか、魚でも出ていますけれども、そことの品目の区分けみたいなのは何か意識してやるんですか。それとも、従来の漁獲の統計のそういう区分で取るのか。その辺はどうなんですか。

  • 清水センサス統計室長
    表章のところをどうするかというのはあるのですが、今までやったことない調査ですので、まずは経営体として販売金額がどれぐらいで、その販売金額のうちどれぐらいの割合で輸出されたのかという聞き方をするしかないのかなと思っておりまして、魚種別だとか、そういうものは今回の調査の中では限界があるのかなと思っております。どれぐらいの経営体が輸出をされていて、全体の販売金額に対する輸出の割合を聞きくことにより輸出の販売金額も推計できますので、それがどのようになっているのかということを把握したいなというふうに思っております。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。ほかに何かございますでしょうか。よろしくお願いします。

  • 久賀委員
    鹿児島大学の久賀でございます。本日、オンラインの状況が余りよくないようでして、少し声が途切れ途切れになってしまうので、もしかしたらタイミングよく発言できていないのかもしれないんですけれども、輸出のところで質問したいのですが、よろしいでしょうか。

  • 工藤座長
    どうぞ。

  • 久賀委員
    先ほどから議論になっている点かもしれないんですけれども、輸出の項目についての精査はもう少し行った方がいいのではないかなというふうに思っています。
    この質問、資料5の3ページ、あるいは4ページの輸出、海外向け販売金額の割合のところです。先ほど三浦委員の方からも御指摘があったかもしれないんですけれども、漁業者自身、あるいは漁協自身が自ら輸出しているということは、ほとんどパターンとしては少ないと思います。そこをまず踏まえておく必要があると。
    それから、直接輸出していない場合の数字も何とか把握したいというようなことなんですけれども、それが頂いた資料で明記されているのが、本日の朝配付された、机上配付のサンプルがございますよね。2023年漁業センサスの、机上配付されている調査票のサンプルがございますけれども、これの例えば4ページに、実際にこんな感じで輸出について聞きますというサンプルを示していただいていると思います。
    例えば4ページの真ん中辺りの6のところですけれども、過去1年間の漁獲・収獲した水産物を輸出している場合は、その金額を書いてくださいと。
    そこに注釈が丁寧に記されてあるんですが、この注釈についても大変答えにくいのではないかなというふうに思うわけです。注釈のところを読み上げますと、輸出というのは、自ら収獲し、水産物を直接海外向けに出荷(輸出)した場合、又は海外向けの出荷した、団体等に出荷した場合が該当しますと。
    前半の場合であれば、自分が輸出したんですからはっきりと答えられると思うんですけれども、後半の部分は、これはかなり情報を把握している人もいれば、そうでない人もおられると思うんです。自分の魚が輸出されているのかどうか、出荷先の企業がそもそも輸出しているかどうかもちょっと分からないかもしれないですし、例えば出荷先から、あなたのところの魚、輸出したよという情報を得ている人もいれば、そうでない人もいると思うので、かなり答える人によっても答える内容が変わることが想定されるし、いずれにせよ、伝聞情報になると思うので、かなり曖昧な情報しか集まらないのかなというふうに思います。答える方も、答える人によって内容が変わってくるということがあるかなと思いますので、ここはもう少し検討の工夫が必要かなと思います。直接するものと、そうでないものを分けるとか、少し答えやすい工夫をするべきかなと思いました。以上です。ありがとうございます。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございます。何かどうも私のマイクが余りつながっていないのかもしれないですね。聞こえますか。久賀先生、私の声が聞こえていますか。

  • 久賀委員
    聞こえます。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございます。非常に重要な指摘だったかなと思います。経営体レベル、あるいは漁協レベルで輸出の実態を把握しようとしたときに、この書き方ではちょっと難しいのかなという感じがするんです。何か工夫が必要ですよね。例えば、輸出は多分しているけれども、その量を把握していないという経営体もいるだろうし、それが自分で分かるという人もいるかもしれないし。そうしないと、分からない人はゼロ%になっちゃうのかなという感じもあるし。ここはなかなか難しいですね。ほかに何か。よろしくお願いします。

  • 清水センサス統計室長
    御指摘ありがとうございます。久賀委員がおっしゃるとおり、直接輸出しているものについては比較的答えやすいのかもしれないのですが、どこかを経由して輸出している場合に、貿易商社はまだ分かりやすいかもしれないのですが、卸の場合に、その卸が輸出専門であればよいのですが、そうでない場合に自分が出荷した魚が輸出されているのかどうかをどこまで把握しているのかとかというところもあると思います。
    お配りした調査票のサンプルは、あくまで現場で実証、ヒアリングを行うためのもので、ほかのエコラベル等も含めて正確に聞けるのかを確認するための調査票ですので、その検証結果がもうすぐあがってきますので、それを踏まえて正確に聞けるように、それから重複がないように、次回の研究会までに調査票を工夫したいと思います。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございます。この輸出に関係するところで御意見ありますか。三浦委員、よろしくお願いします。

  • 三浦委員
    補足でなんですけれども、単純に考えて代金回収や商談、書類を含めた英語や英語に限らず他の言葉も含めた外国語での書類のやり取りといったことを考えたときに、生産者が直接シッパーとなって輸出を行うというのは、非常に難しいかなと思います。例えば、鹿児島県の東町漁協などは輸出で有名ですが、東町漁協につきましても大体のところは輸出商社を介した中で輸出をしているという現状もありますので、そのあたりももう少し考慮して、この調査票を作成していった方がいいのかなと思います。

  • 工藤座長
    ありがとうございました。それ以外の部分で何かございますか。ないようでしたら、少し時間が押していますので、この関係はこの辺りで締めさせていただきたいと思います。
    次に、議事の(4)に進みたいと思います。漁業地区・漁業集落、内水面漁業地域・内水面漁業集落について、事務局の方から資料の御説明の方をよろしくお願いいたします。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    それでは、議事の(4)漁業地区・漁業集落、内水面漁業地域・内水面漁業集落について、見直しの検討について御説明をしたいと思います。資料7を御覧いただきたいと思います。
    こちらにつきましては、海面漁業調査で現在使用しております漁業地区及び漁業集落について記載をした資料となってございます。
    漁業地区、漁業集落につきましては、2003年の漁業センサスにおいて設定をされたものとなっております。この漁業地区、漁業集落は、漁業経営体調査における小地域統計の集計範囲のほかに、設定された2003年当時につきましては海面漁業地域調査というものがございまして、その対象を漁業地区としておりました。そのため、集落ごとの施設の設備状況等、そういった項目について調査をする必要がありましたので、その漁業地区と漁業集落の地域範囲につきましては明確にしておく必要がございました。
    しかしながら、2008年における調査項目の見直しにおいて、この海面漁業地域調査では、その調査の対象を漁業協同組合としまして、その範囲につきまして、調査の集落ごとの施設等に関する項目について廃止がされました。そのため、現在では、この漁業地区、漁業集落につきまして小地域統計としての集計範囲として用いられているものとなっております。なお、2018年の際の漁業地区の数と集落の数については赤い字で記載をしていますとおり、漁業地区が2,182、漁業集落が6,298となってございます。
    括弧書きが、その漁業地区、漁業集落の設定の定義になってございまして、1番が漁業地区の定義でございますが、共同漁業権を中心としました地先漁業の利用関係等で設定をさせていただいております。
    2番目が漁業集落の設定定義でございますが、漁港を核として、その漁港を利用されている漁業世帯の居住する範囲を一体性に基づいて設定をしまして、漁業世帯数が多い地域から順に全体の8割に達するところの区域を、さらには4戸以上存在をしているところを漁業集落として2003年に設定をさせていただいたところでございます。
    下が地図でサンプルとして表示させていただいておりますが、右側の宮城県東松島市を例に取っていますが、こちらを御覧いただければと思います。赤い線で区切っていますのが漁業地区というふうな形のエリアになります。さらに、その中に緑色やピンク色で色を付けている所が漁業集落の範囲となってございますので、漁業地区の中の一部が漁業者の集まりということで、漁業集落に設定されているということがこちらの図から分かるかと思います。
    2ページ目をお開きいただいて、今回、この見直しの検討につきましてどういった理由でこの見直しを検討するに至ったかという背景について記載をさせていただいております。
    初めに上段の方になりますが、2011年の東日本大震災におきまして漁業経営体の多くが津波被害等により移転を余儀なくされております。2018年の調査時は震災から7年ほどたってはございましたが、一部の漁業経営体におきまして、まだその所在が定まっていないというような状況もございました。その上で調査をした結果から得られた住所情報を基に、それぞれの漁業経営体の所在が今どこにあるのかというところで検討しまして、各関係する自治体や漁協と協議をさせていただきながら、結果として、宮城県におきまして五つの集落を新たに設定、再集計をさせていただいたところでございます。
    また、下段にも記載をさせていただいておりますが、この漁業地区、漁業集落が設定から約20年経過をしてございますので、実際に漁協の統合であったり、漁業者の移転、転居等もございまして、そういったところで実際の線とずれが出てきていないかというところで今後検討していかないといけないのではないかということが背景となってございます。
    続きまして3ページに移りまして、こちらが確認方法について記載をさせていただいております。まず2018年で得られた経営体の所在情報から、漁業地区、漁業集落の境界の地図の上に重ね合わせをしまして、それぞれどのぐらいの数がそこに存在をしているか確認をさせていただいたところです。確認結果としまして、中段に表を載せさせていただいておりますが、左側が2003年のときのデータになっておりまして、右側が2018年のデータというふうになってございます。まず、上から3行目の漁業地区のところの記載になりますが、2003年の一番右の欄を見ていただければ、100%となってございます。2003年当時は全ての経営体が漁業地区の中に収まっておりました。今回、2018年の結果としましては、99.97と、僅かながら漁業地区の外に経営体が存在をしているというような状況になっています。
    続きまして漁業集落ですが、上から6行目になりますが、2003年当時は全体の93.4%が漁業集落の中に存在をしておりまして、今回、2018年では約1%落ちましたが、92.35%というような状況になっております。こういった状況を加味しながら、目視で確認をした結果、一部で基本指標(番号)が異なる経営体等につきましては確認をされましたが、新たに漁業集落を形成するような固まりについては、集まりは見られなかったというような結果となっております。その結果として4ページ目になりますが、漁業地区について、漁業経営体のいない漁業地区も一定程度存在はしている状況になりますが、設定基準であります各都道府県の第1種共同漁業権の数と漁業地区数の数がおおむね同様のこととなっておりまして、データの連続性等を考慮しまして、今回漁業地区について見直しは行わない方向で考えているところでございます。同様に、漁業集落につきましても経営体の存在しない集落が全国で幾つかございまして、そこにつきましては、過去から今現在、経営体がどのぐらい減少しているのかという指標等もございますので、こちらについても一定程度の見直し等は検討したところでございますが、経営体調査の小地域統計のデータの連続性を考慮しまして、漁業集落も見直しは行わないというふうにしたいと考えております。なお、調査を実際に行って、経営体の基本指標の番号と実際に所属する集落番号等に相違がある場合につきましては、実査の中で適切に基本番号を振っていきたい、指標を付けてまいりたいと考えております。
    続きまして、資料の8番になります。こちらが内水面漁業地域と内水面漁業集落の見直しについての検討になります。内水面漁業地域と内水面漁業集落も、海面漁業調査と同様に2003年に見直しを行ってございます。こちらも2003年当時に内水面漁業地域調査というものがございまして、そちらの中で地域範囲を明確にして、様々な調査項目の回答に対応する必要がございました。内水面地域調査においても、2008年の調査項目の見直しにおいて、その調査項目について削減されたために、今現在、海面同様、小地域統計の表章として地域、集落それぞれ使用していることとなってございます。こちらの数につきましては、2018年で内水面漁業地域が964、漁業集落が49となってございます。設定の定義につきましては、海面に準ずるよう、同じような流れで設定をさせていただいているところでございます。一番下段のところに、今回の見直し検討の背景について記載をさせていただきましたが、内水面漁業経営体が2008年調査時点で6,478経営体でした。今回の2018年の際には4,772ということで、1,500ほど減少している状況になっております。この結果、その結果を表章する際の秘匿措置が必要な内水面漁業地域や漁業集落が非常に多くなってまいりました。特に一部につきましては、市町村の結果も秘匿をせざるを得ないような状況も出てきていることとなっております。
    続きまして1枚めくっていただきまして、2ページ目をお開きいただければと思います。少し小さい表で見づらくて大変申し訳ございませんが、こちらが2018年の結果を表章した際の統計表となります。
    左側が養殖業経営体で、右側が湖沼漁業の経営体を表章した内容となってございます。
    御覧いただければと思いますが、一番左が経営体の数ですので、それぞれ表記は可能ですが、その2列目以降、2経営体未満のところにつきましてはX、秘匿措置を講じているところでございます。御覧いただいて分かるかと思いますが、かなりの多くのエリアでその秘匿がされているというような状況になってございます。その数につきまして3ページ目に取りまとめをさせていただいております。3ページ目を御覧いただければと思いますが、上の表が養殖業経営体の表になってございまして、下のところが湖沼漁業経営体の表になっております。それぞれ経営体の数の多い都道府県から並べておりまして、順に少ない県というふうな形になってございます。まず一番左が市町村を表した数になってございまして、一番上、養殖業経営体の全国のところを御覧いただければと思いますが、市町村、全国で1,741の調査対象市町村がございまして、その中で経営体のいない市町村が1,032ほどあります。ですから、約700の市町村のうち秘匿が必要な市町村が65.6%と、6割以上秘匿をしている状況になってございます。隣に移っていただきまして、内水面漁業地域でございますが、こちらも964あるうち、延べで1,154ほどありまして、そのうちいないのが850の地域になります。ここで秘匿をしている数が222になっておりまして、全体の漁業地域から見ると、約73%秘匿をしている状況になってございます。下の方に移らせていただきまして、湖沼漁業経営体の表になりますが、左側、同様に市町村ですが、763のうち経営体がいない市町村が684。市町村の数としては80くらいございます。そのうち秘匿をするのが26ということで、全体の32.9%、秘匿をしている状況です。隣に移動しまして、漁業地域につきましても、434の地域のうち、延べで537ほどございますが、このうち経営体がいないのが441で、秘匿として必要なのが39か所、全体としては経営体のいる内水面漁業地域のうち約4割秘匿をさせていただいている状況にございます。
    4ページ目の対応方向について記載をさせていただいておりますが、今ほど数については3ページの中の表で御説明を差し上げたとおり、養殖業経営体のところでの秘匿措置の割合が非常に高くなっているような状況になってございます。同様に、湖沼漁業経営体につきましては、養殖業経営体に比べては秘匿する数は少なくはなっているものの、全体の市町村で30%ほど秘匿をしている状況になってございます。
    なお、この表章につきましては県、市町村、あとは漁業地域、漁業集落というふうな流れになってございますが、そのほかにも湖沼漁業につきましては湖沼単位で集計をさせていただいているところです。今後、2023年以降も、調査の内水面漁業経営体の数が今後も減少をしていくと仮定をさせていただければ、更なる秘匿措置の必要な地域なり集落が多数出てくるということが懸念をされております。そのため、今回、X表示、秘匿措置が講じられますと、その集計結果の全体像が見えにくくなっているというところもございますので、今後、2023年以降につきましては内水面漁業地域、漁業集落の集計については取りやめをさせていただいて、都道府県、市町村までの集計をしたいと考えているところでございます。なお、湖沼単位での結果も必要だと考えてございますので、市町村別のほかに、湖沼単位での集計も必要である、実施をしてまいりたいと考えているところでございます。事務局からは以上でございます。

  • 工藤座長
    どうもありがとうございました。では、ただいまの御説明について御質問、御意見の方をよろしくお願いいたします。
    では、私の方から一つ質問なんですけれども、漁業地区及び漁業集落の見直しの検討ということで、資料7の2ページがあると思いますけれども、ここは南三陸町の事例を出していただいたんですが、この見直しをしないということになるんですか、今回のセンサス調査では。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    御回答いたします。右側の表の赤字で記入されている五つのところかと思いますが、2018年の結果を受けて、現地の方の自治体や漁協と協議して、新たにこの表章単位に設定をしましたので、2023年もこの集落の数で調査をさせていただくような形になります。これが見直し後になりますので、2023年はこの集落の数で調査をさせていただきます。

  • 工藤座長
    見直し後の集落の単位でしていただけるということですね。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    はい、そうなります。

  • 工藤座長
    分かりました。ありがとうございます。実は私はこの地区を分析したことがあって、地理情報システムを使って国勢調査とこの漁業センサスのデータをリンクさせることができるんです。そうすると、国勢調査でほとんど人が住んでいない所に、漁業センサスの集落で見ると漁業者がたくさんいるみたいな事例があるんです。でも、実態としては、そこはもう集落、移転していて、漁業者さんも住んでいないということが出てきたんです。ですから、東日本の震災の結果、この事例のように集落を移転した人については、正しい集落で把握した方がいいのかなというふうに思います。
    あともう一点です。漁業の場合は漁業地区・漁業集落というものが非常に重要な統計の単位だと思うんです。つまり、漁業地区というのは旧漁協の単位ということで、我々の研究分野でも、基本的に漁村の調査というのはこの漁業地区が基本の単位になっていると思うんです。漁業集落というのも漁港を使っていますので、こういうような単位というのも非常に重要になると。一方、内水面の場合は、共同漁業権があるんですが、それは湖沼別になっていると思うんです。内水面において漁業地区という概念というのは、それほど重要ではないのかなという感じがしたんです。実際、内水面漁業のセンサスの報告書を見ても、内水面漁業集落という単位での表章というのはなかったかなと思うので、実質的にはこの見直しをしても大きな影響はないかなというのが私の正直なところです。私の方からは以上です。ほかの委員の皆様から、何か御意見ございますでしょうか。結論から言えば、海面の方は大きくは変更しないと。東日本大震災で変わった部分だけは見直すよということです。内水面の方は集落単位ではもう統計を取らないですよということだと思います。
    では、余りないようですので、次に進みたいと思います。
    以上で議事の(1)から(4)について、それぞれ御意見を頂きましたけれども、全体を通して発言し忘れたことなど何かありましたら、お願いします。特にウェブで参加されている方は少し聞きにくかった部分があると思いますので、確認も含めて何か意見があれば、よろしくお願いします。特にないようですので、次の議題に進みたいと思います。最後の議事として、その他が設定されていますけれども、事務局の方から何かございますでしょうか。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    それでは、事務局の方からその他ということで、資料9について御説明をしたいと思います。
    前回、第2回の研究会におきまして、委員の皆さんから現地実態把握の意向把握をさせていただきますと研究会の中で御提案をさせていただきましたが、ちょうど2月、3月の頃は新型コロナウイルスが拡大をしておりまして、実際の現地実態把握につきましては取りやめをさせていただいた経過がございます。今般、新型コロナウイルスの感染拡大については大分収まってはきているところでございますが、今から計画をして1か月、2か月先にどうなっているかというのがなかなか見通せないということで事務局は考えているところでございます。そこで、今回、研究会といたしまして、記載の以下の対応をしたいというふうに考えているところでございます。
    1番としまして、今現在この研究会と並行で行っております調査手法、調査内容等の分析・検証調査業務というものを民間事業者を活用しながら対応しているところでございます。これにつきましては、調査対象者のところへ直接ヒアリングに行くような業務内容となっておりまして、日程につきましては真ん中のところに表書きで記載をさせていただいているところです。早いところでは、もう明日、15日からヒアリングの方が始まるような状況となってございます。我々農林水産省職員としても、その現地ヒアリングの対象地域に何か所か随行、同伴するような形を検討しておりまして、そこに各委員の方から日程がつきましたら、御参加を頂くような形で対応したいと考えているところでございます。
    なお、これから日程の調整などいろいろな様々なことがございますので、7月中旬以降のところで、こちらから改めて各委員の方へ日程調整の御案内を差し上げて、それぞれの委員のところで御都合がいいところに参加を頂くような形でお願いできればと思っております。なお、人との接触を極力低減させていきたいという考えから、それぞれの地域につきましては、各委員、1か所で2名程度の募集とさせていただければと思っておりますので、御承知おきいただければと思います。後ほど改めて事務局の方から各委員の方へ意向把握のメールを送信させていただければと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。以上でございます。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。ただいま事務局の方から御説明いただきました。現地実態把握について何か質問等ございましたら、よろしくお願いします。

  • 内海委員
    これは委員においてはマスト(必須)ということではないんですよね。行きたい気持ちはやまやまなんですけれども、ちょうどこの6月、7月というのがいろいろな総会だとか理事会で埋まっているものですから、なかなか動きが取れないなと思っています。まあ、マストでなければというふうに思ったんですけれども。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    現地実態把握につきましてはマストではなく、実際に研究会で議論をさせていただいているところの内容を、現地に行って、どういった状況かという確認をするような一つの手法となっておりますので、それぞれ委員の御都合に合わせて御対応いただければと思っておりますので、マストではございません。御都合のつく方から御参加を頂ければと考えているところでございます。

  • 工藤座長
    ありがとうございます。それから、私の方からちょっと1点なんですけれども、例えば3日間、4日間と、こういうふうに日程があるんですが、途中で先に帰るとか、そういうのは余りやめた方がいいんですか。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    そこにつきましても御検討して、御案内する際にお知らせしたいと思いますが、基本的にはそれぞれの委員の日程等の御都合もございますので、必ず我々の組んだ日程、全部随行ということではなくても結構かと考えているところです。

  • 工藤座長
    分かりました。まあ、場所場所でいろいろ事情があると思いますから、その都度、ちょっと事務局の方と相談して決めていただければと思います。ほかに何かございますか。特にないようであれば、本日予定されていた議事については以上でございますけれども、皆様からその他何かございますか。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    座長、1点だけ御回答させていただいてよろしいでしょうか。

  • 工藤座長
    はい、よろしくお願いします。

  • 佐藤経営・構造統計課課長補佐(漁業センサス統計班担当)
    座長から先ほど南房総市の御質問を頂いた内容ですが、沿海市町村ですので海面の方の調査対象市町村になっておりまして、内水面の報告書に記載されている南房総市は淡水を利用した内水面経営体になっていますので、両方の報告書に数が掲載をされるというような流れになっています。

  • 工藤座長
    分かりました。そうですね。先ほど議論したとおりで、やはり陸上養殖については実態把握について慎重に調査していって、その結果を踏まえて漁業センサスの方でどう対応するかということを議論することが重要かなというふうに思いました。どうもありがとうございます。それでは、特にないようですので、進行を事務局の方に戻させていただきます。

  • 中根センサス統計調整官
    工藤座長、ありがとうございました。本日は貴重な御意見をありがとうございました。本日頂いた御意見につきましては、事務局で今後検討させていただきたいというふうに思います。次回の開催は10月を予定しているところであります。改めて日程調整等を連絡させていただきますので、お忙しいこととは存じますが、よろしくお願いいたします。それでは、最後に当室、清水センサス室長より一言申し上げます。

  • 清水センサス統計室長
    工藤座長、本日は円滑な議事運営、本当にありがとうございました。また、各委員の皆様、ウェブ参加の委員の皆様、本日は熱心な議論を大変ありがとうございました。本研究会は4回の開催を予定しておりまして、今回が3回目ということになります。この間、次回の漁業センサスの大きいフレームである調査項目の追加や、結果的には効率化はほとんどないのですけれども、調査項目の追加・削除について御議論を頂いたところで、大体の項目については今回の3回目の研究会で形をお決めいただけたのかなと思っております。
    この研究会は、先ほど委員からも出ておりましたが、折角これだけの漁業者の皆さんに協力いただいて調査をする漁業センサスですので、よりよい調査にするためにどうやればいいのか、もっとこういう項目取った方が活用できるのではないかということで、今回の研究会では本当に幅広い御意見を頂いたところです。
    検討の結果、次回のセンサスには盛り込めなかった項目も幾つかございます。資源管理と漁業種類を結び付けた方がいいんではないかとか、それから先ほどの海洋環境と不漁問題とか、本当に重要な問題です。遊漁の問題等々御指摘いただいて、我々としても頂いた意見については一つ一つ真剣に検討し、盛り込めないかということも検討したところです。
    結果として盛り込めなかったものもあるのですが、一方で削減はほとんどなく、この研究会の冒頭でも委員の皆様の意見として、調査の継続というのを是非お願いしたいというのが第一にあって、我々としてもそこを踏まえつつ、本日の冒頭に水産庁の河村課長から、基本計画の中の第二の柱、第三の柱ということを御説明いただきましたが、養殖のところの漁業種類の拡充であるとか、エコラベル、共済、それからちょっと宿題も頂きましたが、輸出とか、これから非常に重要になる施策の指標となるデータを追加するということで、かなり拡充一辺倒にはなっておりますけれども、非常によい議論をこれまで展開していただいております。
    この先、10月以降、総務省統計委員会での議論は、逆に今いろいろ政府統計の不適切な事案もありまして、より効率化といいますか、負担軽減、正確性のためにも負担軽減をしろという話もあって、頂いた意見をこれから私どもはどのようにそこを説明し、理解し、実現していくかということが課題となっておりますが、それに向けてしっかり対応していきたいと思います。
    次回、10月に向けては頂いた項目が本当に回答いただけるのかということで、調査票の工夫であるとか、それから一部調査手法についても民間事業者を活用したいと考えているところもありますので、その部分を今検討しておりまして、そこを一式パックにして10月には御説明したいと思いますので、引き続きこの研究会での御協力、御意見をよろしくお願いしたいと思います。本日は大変ありがとうございました。

  • 中根センサス統計調整官
    では、これをもちまして第3回2023年漁業センサス研究会を閉会させていただきます。皆さま、ありがとうございました。

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