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農林水産省

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第1回 2025年農林業センサス研究会 議事録

1. 日時

令和4年7月28日(木曜日) 10時~12時

2. 場所

農林水産省北別館3階統計第1会議室

3. 出席者

(委員)
安藤 光義、池田 絹子(Web)、古閑 久美子(Web)、小寺 恵子(Web)、高橋 大志(Web)
竹田 麻里(Web)、坪谷 利之(Web)、橋口 卓也(Web)、林 宇一(Web)、山﨑 美穂(Web)

(農林水産省)
大臣官房統計部長  センサス統計室長 他

4. 議事

1)研究会の運営について
2)座長選出
3)研究会の開催計画(案)について
4)農林業センサスの概要について
5)農林業センサスの課題と対応方針(案)について
62025年農林業センサスに向けた検討の方向性(案)について
7)その他

○中根センサス統計調整官
定刻より若干早い時間でございますけれども、皆様おそろいのようでございますので、ただいまから第1回2025年農林業センサス研究会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。議事に入りますまで、本日の司会進行を務めさせていただきますセンサス統計室センサス統計調整官の中根でございます。どうぞよろしくお願いいたします。初めに、研究会の開催に当たりまして、菅家統計部長より御挨拶を申し上げるところでございますけれども、急遽大臣レクの対応が入り、出席が遅れております。御了承いただきたいと思います。出席され次第、改めて御挨拶を申し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日、御出席いただいております委員の皆様を順番に御紹介させていただき、今回は第1回目ということでございますので、研究会での議論に先立ちまして、皆様方から、農林業センサスへの思いや期待などがございましたら、一言ずついただきたいと思います。恐れ入りますが、マイクがミュートの場合は解除してからお願いいたします。
それでは、名簿順に御紹介させていただきます。東京大学大学院農学生命科学研究科教授、安藤光義委員でございます。よろしくお願いいたします。

○安藤委員
ただいま御紹介にあずかりました東京大学の安藤と申します。
私は、センサスを使っていろいろな分析をしている研究者でございます。このセンサスは大変重要だと思っており、25年センサスもしっかりと調査をする必要があると考えています。この検討会が実り多きものになればと思っています。よろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、群馬県総務部統計課長、池田絹子委員でございます。よろしくお願いいたします。

○池田委員
群馬県統計課の池田と申します。統計課長として昨年の4月に配属になりまして、残念ながら農林業センサスの調査経験はありませんが、前回の調査の反省点なども踏まえて、この議論に加わっていければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、株式会社博報堂DYメディアパートナーズメディア戦略推進局局長代理(兼)メディアアカウント統括グループグループマネージャー、古閑久美子委員でございます。よろしくお願いいたします。

○古閑委員
御紹介にあずかりました古閑と申します。今回のこちらの活動におきましては、こういった調査を御協力いただくためにどういったメディアを使って発信していくとより御協力が得られるのかという辺りについて貢献できればというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、岡山県農林水産部農政企画課長、小寺恵子委員でございます。よろしくお願いいたします。

○小寺委員
岡山県庁農政企画課の小寺と申します。私はこの4月から農林水産部の方に異動になっております。この農林業のセンサスにつきましては、都道府県で施策を検討していく上でも大変重要な数値ということで常に使わせていただいております。少しでも実施に当たってお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授、高橋大志委員でございます。よろしくお願いいたします。

○高橋委員
御紹介、ありがとうございます。慶應大学ビジネススクールの高橋と申します。私は、ビジネススクールで金融の研究、教育を行っております。センサスについてはこれまで余り詳しく扱っていないのですが、経営学の視点から何らかの貢献ができればと思っています。あと総務省に公的統計へのビッグデータの活用に関するビッグデータ連携会議というものがあるのですが、その会議にも参加させていただいており、そのような視点からも何か貢献できればなと思っております。よろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、東京大学大学院農学生命科学研究科助教、竹田麻里委員でございます。よろしくお願いいたします。

○竹田委員
よろしくお願いいたします。今、御紹介いただきました東京大学の竹田でございます。私自身は学生の頃から今まで農林業センサスには大変お世話になってまいりました。実証的な研究を行うときに、近年ではマイクロなデータであること、それからパネルデータであることが重視されると思うんですけれども、農林業センサスはその要素を含めておりますので、研究にとってもとても重要な情報であると感じております。さらに、近年ではほかの統計とのリンケージということもされていまして、空間的な分析もできるようになっているということで、私自身もそれから研究室の学生も利用頻度が非常に高いものだと認識しております。このような重要な統計に関する議論を今後させていただけるということで、重要な機会に参加させていただけることに大変感謝しております。統計の作成や調査の御苦労に思いをいたしながら、議論に参加させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、農事組合法人木津みずほ生産組合、坪谷利之委員でございます。よろしくお願いいたします。

○坪谷委員
皆さん、こんにちは。新潟市でおおむね50ヘクタールほどの水稲が主体の農業法人の代表をしている坪谷と言います。農林業センサスの統計、非常にこれは重要なものだと認識しておりますが、農業現場ではかなり機械化というか、機械の進歩によって現場の作業がかなり昔と変わってきていると思います。その辺りを踏まえたことが統計に生かせることに、微力ですが関わっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、明治大学農学部食料環境政策学科教授、橋口卓也委員でございます。よろしくお願いいたします。

○橋口委員
皆様、おはようございます。ただいま御紹介いただきました明治大学農学部の橋口と申します。私自身は農業政策、農村政策の研究を専門としておりますけれども、これまで農林業センサスを多くの場面で活用させていただきました。農業、農村政策の遂行の上でも非常に重要な貴重な情報を提供していただいている統計だと認識しております。今回は、2025年ということで、21世紀に入って四半世紀ということでも一つの大きな区切りとして多くの注目を集めるのではないかと思っております。その一方で、非常に大きな変更も御提起されるようでありますので、慎重にかつ積極的に議論に参加させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、宇都宮大学農学部森林科学科助教、林宇一委員でございます。よろしくお願いいたします。

○林委員
よろしくお願いいたします。委員の中で唯一の森林分野ということで、なるべく専門、現場に沿った御意見、御提案をしていければいいかなと思っております。私自身は森林政策学分野の方の担当をしておりますけれども、農林業センサスは唯一の全国の農林業経営体を対象とした調査になりますので、建設的な意見を伝えていければいいかなと思います。よろしくお願いいたします。

○中根センサス統計調整官
続きまして、農業生産法人有限会社アグリ山﨑、山﨑美穂委員でございます。よろしくお願いいたします。

○山﨑委員
よろしくお願いします。おはようございます。茨城県でお米の生産から販売まで行っている有限会社アグリ山﨑の山﨑と申します。国内はもとより海外にも販売をしております。現場からの声を届け、少しでもお役に立てたらと思いますので、よろしくお願いします。

○中根センサス統計調整官
それでは、これより議事に入らせていただきますが、その前にお手元の資料を確認させていただきます。議事次第の下に資料一覧を記載しております。御覧いただきながら確認をお願いいたします。
まず、資料No.1、2025年農林業センサス研究会開催要領、
資料No.2、2025年農林業センサス研究会開催計画(案)、
資料No.3、農林業センサスの概要、
資料No.4、農林業センサスの課題と対応方針(案)、
資料No.5、2025年農林業センサスに向けた検討の方向性(案)。
参考資料1、諮問第114号の答申(農林業センサスの変更について)、
参考資料2、農業経営統計調査の審議を契機とする部会長メモ、
参考資料3-1、2020年農林業センサス農林業経営体調査客体候補名簿、
参考資料3-2、2020年農林業センサス農林業経営体調査票、
参考資料3-3、2020年農林業センサス農山村地域調査票(市区町村用)、
参考資料3-4、2020年農林業センサス農山村地域調査票(農業集落用)、
参考資料4、2020年農林業センサス公表事項一覧表、
参考資料5、農林業センサス等に用いる用語の解説、
参考資料6、2020年農林業センサス農林業経営体調査ご協力のお願い、
参考資料7、2020年農林業センサス農林業経営体調査票の記入の仕方、
参考資料8、2025年農林業センサスに向けた5か年計画について。以上でございます。
それでは、初めに議事の(1)研究会の運営につきまして、事務局から説明させていただきます。よろしくお願いします。

○東課長補佐(農林業センサス統計第1班担当)
農林業センサス統計第1班の東でございます。本日はよろしくお願いいたします。それでは、研究会の運営につきまして、資料1、研究会開催要領で御説明をさせていただきます。まず、第1の目的についてでございますけれども、農林業施策の推進に必要な基礎的かつ総合的なデータ及び各種農林統計の作成に必要な母集団情報の提供ということを目的としている農林業センサスについて、調査環境の変化する中で、2025年農林業センサスの円滑かつ効率的な実施に向けまして、幅広く検討を行っていただくということを目的として開催するものでございます。第2の研究事項についてでございますけれども、本研究会では2025年農林業センサスの実施に向けまして、1つは基本計画等に基づく新たな施策ニーズと調査結果の利活用状況を踏まえた調査項目の検討ということ。
それから、2つ目としまして、個人情報保護意識の高まり等による調査環境の変化でありますとか、調査員、調査客体の負担軽減への対応ということで、こちらは別途、民間事業者へお願いしまして、ヒアリング等の検証を行いながら改善案を作成していただくこととしておりますので、その結果につきましても研究会で御報告できればと思っております。
それから、3つ目としまして、調査実施計画の策定ということでございますけれども、こちらは本研究会での御議論を踏まえて、当方で検討するといったものでございます。
それから、4つ目のその他に記載してございます事項につきましては、これまで研究会で余り多く議論されてこなかった部分かと思いますけれども、前回2020年で約6%だったオンライン調査の利用率向上でありますとか、農林業センサスはせっかく多くの調査結果があるわけでございますので、別の角度からの高度利用というようなことができないかとか、それから調査を実施するに当たりまして、まだまだ周知が足りないというような御意見もございますので、PRの強化についてなど、専門的な知見をお持ちの委員の皆様にも御参加いただいておりますので、御意見をいただければと考えております。
それから、第3の研究会の構成についてでございますけれども、皆様に加えまして必要に応じて、委員以外の有識者の方の参加を求めることができることとしております。それから、座長につきましては委員から互選、座長代理につきましては座長が指名する方にお願いすることとしております。それから、ページをおめくりいただきまして、第4、運営につきまして、今一度確認していただきたい点としましては、2にありますとおり、本研究会は、意見交換の場としておりますので、研究会における意見の取りまとめ、こちらにつきましてはあくまで意見交換の結果と位置付けをさせていただきたいと思っております。また、4と5に記載してございますけれども、原則公開とさせていただきまして、議事録を作成して公表するということにしております。以上でございます。

○中根センサス統計調整官
ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ないようでしたら、議事の2にあります座長選出ですが、ただいま御説明したとおり、研究会開催要領にもございますとおり、座長並びに座長代理を各1名置くこととなっております。なお、座長の選出については研究会開催要領において、委員からの互選ということになっておりますけれども、どなたか推薦される方がいらっしゃいますでしょうか。おられないようでしたら、事務局にお任せいただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、事務局といたしましては、安藤委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。それでは、安藤委員に座長をお願いしたいと思います。安藤委員、座長席の方にお願いいたします。続きまして、座長代理でございますが、研究会開催要領において座長が指名するとしております。安藤座長、御指名をお願いいたします。

○安藤座長
経験豊富な橋口委員に座長代理をお願いしたいと思います。

○中根センサス統計調整官
それでは、橋口委員、座長代理をお願いしてもよろしいでしょうか。

○橋口委員
承知いたしました。

○中根センサス統計調整官
ありがとうございました。座長、座長代理とも選出していただきましたので、これからの議事につきましては安藤座長に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○安藤座長
座長に選出されました安藤です。円滑な議事の進行に努めたいと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。それでは、議事に入りたいと思います。議事の進め方ですが、議事ごとに事務局からの説明を受け、その後、各委員から御質問、御意見をいただき、一定の取りまとめを行った上で、次に進めていくことにしたいと思います。センサスが初めての委員の方々も多いと思いますので、説明がかなり多くなるかもしれません。その点、御了承いただければと思います。最初に、(3)研究会の開催計画(案)につきまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○東課長補佐(農林業センサス統計第1班担当)
研究会の開催計画につきまして、資料2、研究会開催計画(案)を御覧いただきたいと思います。本日、第1回目としまして、農林業センサスの概要でありますとか、2025年農林業センサスに向けた課題と対応方針(案)について御説明をさせていただきます。本研究会は年度内に4回計画をしておりまして、9月に予定している第2回では調査項目の見直しの詳細をお示しして、御議論していただきます。11月に予定している第3回ではそれを調査票ベースで御議論していただくとともに、効果的な広報の方法でありますとか、調査結果の高度利用に係る検討もお願いできればと考えております。民間事業者にお願いしている改善案も随時御報告できればというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
そして、最終回の第4回を年明け、令和5年2月に予定しておりまして、2025年農林業センサス調査票(案)、それから集計事項一覧(案)というような形で御説明をしたいと考えております。それから、研究会で御議論していただいた後は、総務省申請、統計委員会のプロセスに入っていくこととなりますけれども、参考として下段に前回ベースではございますけれども、予定スケジュールを記載してございます。第4回研究会の後、間もなく総務省申請のための事前の書類提出を行いまして、年度明けの5月頃に統計委員会へ諮問、それから部会が数回開催されると思いますけれども、そこで御議論していただきまして、8月頃に統計委員会から答申をいただいて、9月頃に総務省承認というような流れで進んでいくということでございます。その後、各種、調査の準備を行った上で、令和7年2月に実査という運びとなります。以上でございます。よろしくお願いいたします。

○安藤座長
ありがとうございました。ただいま、資料2についての説明がありました。今後のスケジュールとこの研究会の後のスケジュールでした。こちらにありましたように総務省の方でも最終的に審査があり、そこも終わらないとセンサスが実施できないことになっております。今の資料2につきまして、御質問、御意見等があれば頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。皆さん、カメラに向って、御発言等がある場合には挙手をお願いできれば幸いです。いかがでしょうか。よろしいですか。このようなスケジュールで年明け2月に4回目を開催します。今日を入れて4回あるということです。よろしいですかね。今後、日程調整等でいろいろと御迷惑をお掛けすると思いますが、よろしくお願いいたします。続きまして、議事の(4)農林業センサスの概要につきまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○東課長補佐(農林業センサス統計第1班担当)
それでは、資料3、農林業センサスの概要の資料を御覧いただきたいと思います。ページをおめくりいただきますと、1ページ目に全体像として令和4年4月時点の統計部が所掌します40本ほどの統計調査を分野別に記しております。このうち赤枠で囲まれた調査、少し小さくて申し訳ないですけれども、これが国が行う重要な調査であります基幹統計というものでありまして、農林水産省で実施している基幹統計は7本ありますけれども、このうちの一つが左から2列目の構造統計分野の一番上にある農林業センサスとなってございます。2ページ目以降が、農林業センサスについての説明となります。おめくりいただきまして、2ページなんですけれども、まずは役割と位置付けについてでございますが、御案内のとおり農林業センサスは、我が国農林業の生産構造でありますとか、就業構造の実態、それから農山村地域の現状を明らかにして、農林業施策の推進に資すること、それから各種統計調査の母集団情報の提供を目的としておりまして、それを絵にしたものがこちらになってございます。農林業センサスは更に農林業経営体調査と農山村地域調査の2つに分かれておりまして、その結果は上の矢印のとおり、農林業施策への活用ということで、具体的な例としましては基本計画策定の基礎資料でありますとか、地方交付税や森林環境譲与税の算定基礎というようなことに使われているということでございます。もう一つの役割であります母集団情報の提供の流れがその下の矢印でありまして、1ページ目で紹介しました農林水産統計調査のうち、水産統計以外の調査の多くが農林業センサスを母集団として利用しておりまして、これらの結果につきましても同様に各種施策において活用されているというものでございます。また、左下に記載してございますデータ提供としての役割も当然のことながらございますので、調査結果につきましては報告書の作成でありますとか、ホームページでの掲載ということのほかに、他統計や行政情報を合わせて農業集落単位でのデータを提供したり、地域経済分析システムへのデータ提供を行いまして、広く国民の皆様に利用していただいているといったところでございます。ちなみに、農林業センサスの集計範囲や集計項目は多岐にわたっているということもございまして、報告書でありますとか、e-Stat、ホームページでの掲載には限りがございますので、掲載できないものの提供可能なものもございまして、そちらにつきましては集計事項一覧の形でホームページに掲載しているところでございます。
それから、3ページになりますけれども、農林業センサスを母集団とした統計調査結果の利活用の具体例ということで記載してございます。それぞれ、先ほど少し触れましたけれども、重要な調査結果であるということがお分かりいただけるかと思っております。
それから、4ページでございます。農林業センサスの沿革を記載してございます。農林業センサスとしては、1950年、昭和25年にスタートしまして、この間、そのときどきに応じて調査体系を見直しながら続けてきた大変歴史のある調査ということでございます。
次、5ページから7ページにつきましては、前回2020年に実施しました農林業センサスの状況ということで記載させていただいています。5ページですけれども、農林業センサスは農家や法人等の農林業経営体を対象とした農林業経営体調査と、市区町村及び農業集落を対象とした農山村地域調査に分かれておりまして、どちらも2月1日現在を基準日として実施しております。それぞれ少し御紹介いたしますと、左側の農林業経営体調査は都道府県、市区町村の系統で実施する調査となっております。農林業の労働力でありますとか、経営耕地面積、保有山林面積、それから農産物、林産物の販売金額といった事項を調査しておりまして、前回は個人経営体と団体経営体の従事者に関する詳細な情報を一体的に調査して、労働力の全体像を把握したり、後継者の確保状況や青色申告の状況などを新たに把握するようにした一方で、専兼業別統計でありますとか、農業就業人口などのニーズの低下してしまった調査事項の廃止といった見直しを行ったところでございます。右側の農山村地域調査につきましては、農林水産省の地方組織の系統で実施する調査となっておりまして、総土地面積でありますとか、林野面積、それから農業集落で行われている活動等の状況といった事項を調査しております。前回は環境譲与税の譲与基準の一つとなる私有林人工林面積を新たに把握したり、農業集落に係る把握内容を拡充した上で、把握方法を効率化するといった見直しを行ったところでございます。
6ページですけれども、前回の実施状況でございます。先ほどの5ページで御説明しました内容と重複する部分もありますので、その点は割愛させていただきますけれども、農林業経営体調査は約109万経営体のほか、客体候補名簿による聞き取り対象であります自給的農家の約267万を加えますと、380万ほどの調査対象、全国約14万の調査員で実施してございます。また、農山村地域調査は約1,900の市区町村と同じく約13.9万の農業集落を民間事業者を活用しながら実施してきたところでございます。
それから、7ページでございます。前回の改正点の主なものとなってございまして、こちらも5ページで少し触れさせていただきましたので、その点を割愛させていただきますが、それ以外ということで、農林業経営体調査では調査対象の属性区分の変更を行いました。これは2005年農林業センサスで経営体の概念を導入して以降、2015年まで農業経営体は家族経営体と組織経営体に区分しておりましたけれども、法人経営を一体的に捉えるという考えの下に、法人化している家族経営体、いわゆる一戸一法人といわれるような方々を組織経営体に統合しまして、これに非法人の組織経営体を合わせて団体経営体。法人化していない非法人の家族経営体を個人経営体というふうに区分するようにいたしました。また、右下にございますけれども、調査手法の見直しとしまして、2015年は一部で導入していたオンライン報告を全面に導入して実施したところでございます。オンライン回答率は、既に電子メールで配布回収する方法で実施してございました市区町村調査、こちらは9割を超える実績ですけれども、農家、法人等を対象とする農林業経営体調査は約6%にとどまっておりまして、利用率向上に向けた検討が必要と考えているところでございます。
それから、8ページでございますけれども、先ほど御説明しました調査対象の属性区分の変遷でございます。農林業センサスが始まった当初は、農家と農家以外の農業事業体、こちらを対象としておりましたけれども、平成2年の1990年センサスで、農家を販売農家と自給的農家に分けるとともに、委託を受けて農作業を行う事業所を農業サービス事業体として対象に加えました。また、平成17年、2005年センサスで経営体概念を導入しまして、実質的にこれまでの調査対象を統合した体系に変更してきたところです。これを前回2020年センサスで、更に家族経営体と組織経営体の区分から先ほど御説明しました個人経営体と団体経営体の区分に変更したということでございます。以上でございます。

○安藤座長
ありがとうございました。ただいま事務局から資料3、農林業センサスの概要につきまして、御説明を頂きました。これについての御質問、御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。センサスは、他の統計調査の母集団になっている重要な統計であり、政策評価にも用いられており、地方交付税の算定基礎単位にも使われている大変重要な統計であるというお話と、センサスは農林業経営体調査と農山村地域調査の2つからなっていることと、その調査の実施方法についての御説明がありました。それから、農業構造も時代とともに変わっており、それに応じて調査対象の定義や区分を変えてきたという歴史、また、時代の情勢に応じて質問項目の入替え等が行われてきているというお話でした。そのような統計ということです。そして、2025年に向けて、情勢の変化も踏まえて、この統計をいいものにしていくための検討をこれからしていくということですが、資料3につきましていかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、続きまして、議事の(5)農林業センサスの課題と対応方針(案)につきまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○東課長補佐(農林業センサス統計第1班担当)
では、資料4を御覧いただきたいと思います。ページをおめくりいただきますと、1つ目としましては、各種施策の展開方向に対応した調査項目の設定ということで、食料・農業・農村基本計画の抜粋を付けさせていただいております。同計画に基づく各種施策の推進に必要なデータの提供というのは、農林業センサスの重要な役割の1つでございますので、施策ニーズに合った調査項目の設定が必要とされております。また、1枚おめくりいただきまして、2ページ目にお付けしておりますけれども、直近でいきますと、6月には農林水産業・地域の活力創造プランが改訂されまして、これらに即した調査項目の見直しも必要とされております。そのような考えの下、これまでの農林業センサスにおいても、調査項目の見直しが行われてきたわけですけれども、例えばこの2ページ目の右側中断のところでございますけれども、農林水産物・食品の輸出促進に係る項目につきましては、これまで手薄だったという部分もございまして、今回見直しを検討していきたいと考えてございます。なお、見直しに当たっては、調査に御協力をいただきます対象者や調査の関係者の方々の負担も考慮する必要がございますので、真に必要なものかということを精査するとともに、利活用度が乏しくなってしまった項目、こちらにつきましては廃止をするなどして進めていきたいと考えております。
3ページになりますけれども、2つ目としまして、統計委員会からの指摘事項がございます。統計委員会は、統計法に基づいて総務省に設置されているものでございまして、基幹統計である農林業センサスは調査計画を変更する場合、まずは農林水産省から総務省へ承認審査を行いまして、総務省が統計委員会に対して諮問、それから統計委員会での審議を経まして、答申というものが出されます。その答申に基づいて総務省から承認が出されて調査が実施できるという運びになっておりまして、前回、2020年センサスの際の統計委員会の答申の抜粋を記載してございますけれども、この答申の中で、今後の課題として大きく3点の宿題が出されておりました。後ほど御説明しますけれども、いずれも2020年センサスの実施のときに対応済みのものとか、それから次回対応予定といったもの、それから整理済みといった内容でございます。また、調査計画の変更に対する答申の全体は参考資料1ということでお付けしてございますので、後ほど御確認いただければと思っております。
では、資料4の3ページで御説明をさせていただきますけれども、1点目は客体候補名簿の位置付けの検討ということでございます。ここで挙げられました客体候補名簿は調査実施に当たりまして、統計調査員が調査対象の候補段階の方々を訪問して調査に御協力していただく農林業経営体に該当するか否かを聞き取りによって判別するためのものということで、判別のために必要な確認事項が記されたものでございまして、お手元の参考資料3-1を少し御覧いただきたいと思いますけれども、実際の客体候補名簿でございます。中ほどにちょっとサンプルと入っていますけれども、こちらに統計調査員が訪問するために必要な情報が記載されているんですけれども、そのほかに裏面の2ページを御覧いただきますと、土地でありますとか販売などの経営状況について聞き取る項目を設定しております。こちらの名簿について3点、先ほどの資料4に下線を引いてございますが、指摘がございました。また、資料4に戻っていただきまして、3ページ、1つ目は(ア)客体候補名簿により有用な情報が収集されていることから、その情報の有効利用や調査計画上の位置付けの明確化について検討する必要があるということ。
それから、その下、2つ目としましては、調査客体候補名簿で把握する項目のうち、貸している耕地面積を削除しようとしていたのですが、こちらは継続が必要ではないかということ。それから、3つ目は客体候補名簿と農林業経営体調査票を一体型にして、農林業経営体に該当するか判定した結果、調査票を配布する場合には客体候補名簿を切り取って、調査票部分のみを配布するというふうに計画していたところ、統計調査員による誤配布や報告者の誤解を招いてしまうのではないかということで、それを回避するために分離する必要があるのではないかといったものでございます。
4ページになりますけれども、客体候補名簿の位置付けにつきましては、客体候補名簿は母集団名簿に位置付けられているものであり、調査票ではないということでこれまで整理しておりましたけれども、総農家数などの客体候補名簿から得られる情報による集計結果も広く利用されている状況を踏まえまして、2025年センサスの調査計画では客体候補名簿を利用した統計表につきましても、調査結果の集計事項一覧に記載する方向で総務省と調整していきたいと考えております。また、2つ目の貸している耕地面積の把握、こちらにつきましては、取りやめを計画してございましたけれども、御指摘を踏まえて、前回2020年センサスにおいても、把握を継続しておりまして、こちらは対応済みということでございます。
3つ目の客体候補名簿と農林業経営体調査票の一体型仕様につきましても御指摘を踏まえまして、前回2020年センサスにおいても分離した仕様で調査を実施しておりまして、こちらも対応済みということでございます。また、指摘の2点目でございますが、4ページの下にございますけれども、農林業経営体調査票の分割の検討というようなことでございます。お手元にございます参考資料の3-2、こちらが前回2020年の調査票でございますけれども、横に置いて見ていただきながらだと分かりやすいかと思いますが、個人経営体と団体経営体を同一の調査票で調査することとしているのですが、こちらにつきましては報告者にとって調査の負担感がより大きくなる要因にもなり得るのではないかということで、個人経営体と団体経営体の調査票を分離することについて検討する必要があるのではないかという御指摘でございました。
5ページになりますけれども、調査票を分割した場合に、統計調査員が個人か団体かを判定した上で、該当する調査票を配布する必要があるということでございますので、統計調査員の負担が増加するほか、調査票の誤配布のリスクもあるということもございまして、調査票の分離は適切ではないのではないかと考え、前回の2020年センサスでも調査票の分割は行わずに実施をしたということでございます。なお、ただし書にございますけれども、農業と林業を読み替えて記入していただくというような項目もございますし、それから世帯員、役員・構成員のいわゆる内部労働力と言われるような項目につきましては、報告者の負担軽減を図る観点から改善を検討していきたいと考えてございます。それから、統計委員会からの指摘の最後になりますけれども、3点目、こちらは経済センサス活動調査との役割分担の検討ということでございます。農業経営の法人化が進みますと、今後、経済センサス活動調査の対象となる農林業経営体も増加していくことが予想されるため、報告者の負担軽減や調査の効率化の観点から経済センサス活動調査との役割分担について検討する必要があるのではないかという指摘でございます。こちらは農林業センサスでは、農林行政の推進でありますとか、農林統計調査の母集団情報として必要な生産構造、就業構造を経済センサスより詳細に把握している一方で、経済センサスで把握している費用や資本に関する事項は農林業センサスで把握していないので、既に役割分担がされていると認識しておりますので、これは整理済みということで変更の予定はございません。
次に、6ページになりますけれども、3つ目としまして、同じく統計委員会での審議で挙げられた事項でありますけれども、こちらは農林業センサスではなくて、農林水産省が別途実施しております農業経営統計調査の審議の際に挙げられた部会長メモということでございます。部会長メモの全体は、参考資料2として付けてございますので、それは後ほど御確認をいただければというふうに思います。1995年センサスから用いている主副業別分類でありますが、こちらは主業、準主業、副業的の3区分に分ける分類ですけれども、これは区分設定から四半世紀以上経過していて、農業経営体の構造にも変化が生じていると考えられることから、2025年センサスに向けてはここに記載してありますとおり、(ア)副業的経営体など区分の名称が適切か。それから、(イ)としまして年齢、65歳を区分の指標として用いることが適切か。それから、(ウ)の3区分を継続する場合も、現状とは異なるより適切な指標を用いることはできないか、などの観点から再検討を行う必要があるのではないかといった御指摘でございます。こちらは、副業的に分類されている経営体であっても農業の中核的な存在の方が少なくないと考えられる中で、65歳というだけであたかも中核ではないかのようなカテゴリーに分けられることに違和感があるといった趣旨であることもございまして、検討に当たっては統計の連続性を担保する観点から、既存の区分と比較可能な形とし、65歳で区分することにつきましては、ほかの人口統計やOECDの統計等でも65歳を年齢区分としておりますので、比較可能な区分は引き続き継続するということも必要でございますので、このことから副業的の定義はそのままに、名称の変更や必要に応じて農業所得が主の経営体が分かるように見直すことを考えていきたいと思っております。以上でございます。

○安藤座長
ありがとうございました。資料4のタイトルは、農林業センサスの課題と対応方向となっています。これについて御説明をしていただきました。最初の方の資料は政策の変化、経済的情勢の変化も踏まえて、どのような変更を行っていく必要があるかを検討するための資料でして、その後、統計委員会からの指摘事項についての御説明がありました。この総務省の統計委員会からの注文に対応していく必要があります。20年センサスについても、一定の対応は行いましたが、まだやらなければいけないことが幾つか残されており、これは25年センサスで対応していきたいということでした。特に、農業を林業と読み替えていった林業経営に関する項目の分割や内部労働力、個人経営体の世帯員と団体経営体の役員、構成員に関する項目の統合等の改善も検討していきたいという話が事務局の方からされていたと思います。センサスの具体的な調査方法と課題についても御説明がありました。これから調査を実施される担当者の方々もいらっしゃると思いますので、この資料4についてはかなり意見が出てくるのではないかと思っています。委員の皆様方から、特に指名等はいたしませんので、確認したい点や、説明がまだ不足しているのでもう少し説明をお願いしたい点などがございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。御遠慮せずに手を挙げて御発言いただければと思いますが、いかがでしょう。指名しないとお話ししましたが、林業経営体について、林委員、いかがでしょうか。

○林委員
特に林業経営体、2005年から農林業経営体として農業と林業との経営体、一括的に調査していただけるようになって、林業経営体の中の一部に林家というのがいるんですけれども、要は農業と林業の両方を行っている経営体というのが一定程度おりまして、その経営状況の把握というのも非常に重要なところになっております。ですので、今回、2020年の場合、農業を林業と読み替えて調査するという関係から、農業経営体かつ林業経営体の経営体には2つ調査票を配るというような形で配布されていたかと思うんですけれども、それを読み替えるようなことをやめるということなので、できれば林業経営体で農業もされているようなところには農業の部分もお書きいただく。書いていただけるところは記入していただく。と同時に、農業経営体で林業をされているところには、農業経営体として林業経営体の定義には外れるかもしれないけれども、林業をされているのであれば、その部分、分かるところは御記入いただくような形で、今回、調査票を読み替えて行う形式からの変更を指摘していただいているので、もし、2025年調査が2015年と同じような形で一体化するのであれば、是非、林業経営体で農業経営体に該当するほどではないけれども農業をやっているところとか、農業経営体で林業経営体の定義には当てはまらないけれども林業をやっているところの状況というのを拾っていただけるような調査をしていただけると有り難いなと思っております。是非、御検討いただければと思います。

○安藤座長
ありがとうございました。具体的な検討の方向性につきましては、次の資料5の御説明を受けてから意見交換したいと思いますが、20年センサスについては、林業研究者の方々からすると、御発言いただいたような課題を抱えていたのではないかということだと思っております。
ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。実際に調査をされる実務の統計担当の方々はどうでしょうか。よろしいですか。大丈夫ですか。客体候補名簿の位置付け等、最初の入り口のところではありますが、この辺りはいかがでしょうか。大丈夫ですかね。よろしいですか。それでは、御意見が特にないようですので、続きまして、議事の(6)2025年農林業センサスに向けた検討の方向性(案)につきまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。こちらの資料は2025年センサスの具体的な検討の中身となりますので、ここで皆様方からいろいろな御意見が出てくるのではないかと思っております。それでは、事務局よりよろしくお願いいたします。

○東課長補佐(農林業センサス統計第1班担当)
は、資料5を御覧ください。2025年農林業センサス研究会で御議論いただく内容の主な検討の方向ということで整理してございます。
1ページにございますけれども、調査項目の設定に関しましては、まずはここに挙げました調査項目の追加・拡充でございますけれども、追加・拡充の検討に当たりましては、省内の政策部門から要望を把握した上で、真に必要な項目として3点ほど、1つ目は事業者の輸出実態把握のため、農産物販売金額、それから農業生産関連事業の売上金額に占める輸出割合の把握ということ。それから、2つ目としましては、農業経営におけるデータ活用の実態を詳細に把握するため、定義を正確に理解して記入していただくとともに、外部サービス、サポート、こちらを利用したデータ活用の実態も正確に記入できるように、既存項目を見直していきたいということ。それから、3つ目は、再造林促進の分析のため、保有山林における立木販売面積の把握ということを検討していきたいと思っております。
次に、2ページ、上段になりますけれども、見直しに当たっては調査に御協力をいただきます対象者でありますとか、調査関係者への負担も考慮する必要がございますので、利活用が乏しくなってしまった項目として、地域の集落営農組織への参加への有無や青色申告の継続年数といった項目につきましては、削除、又は簡素化を考えていきたいと思っております。下段に挙げましたけれども、調査対象の負担軽減を図り、実査段階で未回答を防止する工夫も必要と考えてございまして、2020年調査票における課題ということで、3点ほど、1つ目は先ほども少し話がありましたけれども、農業と林業を読み替えて記入していただいていましたが、それをやめてそれぞれ記入するように見直すということ。それから、2つ目としましては、農業と農業生産関連事業の労働力を一体で把握してございましたけれども、これを分けて把握するように見直す。それから、3つ目、多数の常雇いのいる法人等では雇用者別の把握は非常に困難とございまして、ここはグレード、階層別の実人数の把握に見直すといったことを考えていきたいと思っております。
それから、3ページになりますけれども、農山村地域調査のうち農業集落調査の廃止を考えてございます。参考資料3-4ということで調査票をお付けしてございますが、この農業集落調査はこの資料にもございますとおり、農業集落精通者に対して調査票を配布、回収する調査、又は調査員又は職員による面接調査として実施しておりまして、寄り合いの開催状況や地域活動の実施状況などの項目を把握するとともに、最も近いDIDや生活関連施設までの交通手段別所要時間、それから総戸数とかいったものにつきましては、行政情報でありますとか、民間データを活用して代替把握ということを行っておりました。こちらにつきましては、調査の実施に当たりましては地方農政局の支局というものがございまして、そこから市町村に対しまして、調査対象者であります農業集落の精通者に関する情報を依頼して提供していただいておりましたけれども、近年、個人情報保護条例等の関係もあり、提供できないと言う市町村が年々増えてきているという状況にございまして、前回2020年では、そういった情報を入手できなかった農業集落につきましては地方農政局の職員が各種会議等に出向いて聞き取るなどして、どうにかこうにか調査が行えていたという状況でございまして、地方農政局の職員も毎年少なくなってきている現状もありまして、近くで統計調査を行える統計担当職員がいなくなるということから、前回同様の手法で調査を実施するということが不可能な状況となっております。そのため、農業集落調査は廃止をせざるを得ないのではないかと考えたところでございます。
最後、4ページになりますけれども、その他といたしまして、調査の手法や調査の内容、それから効果的な広報の在り方、集計・編集・公表といった調査の実施から集計・公表に至る工程のそれぞれの課題の検討につきましても、別途民間委託による検証業務を実施しますけれども、こちらも進めながら併せて検討していきたいと考えてございます。以上でございます。

○安藤座長
ありがとうございました。資料5についての御説明でした。
2025年農林業センサスを具体的にどう変えていくかについての踏み込んだ御提案、具体的な提案がありました。皆さんとの会議が対面であれば、先ほどの御説明で使われた参考資料3-2や参考資料3-4、例えば、この参考資料3-2を手元で見ていただきながら、農林業経営体調査票のどの項目がなくなり、どこにどういう項目が新しく入ってくるのかという話をすることになると思います。そして、どこにこの項目を入れれば誤記入が少なくなるのではないかといったことをこの後に検討しなければなりません。この参考資料3-2についての議論が特に多くなると思いますが、その議論の際にはこれらの参考資料を併せて見ていただけると具体的なイメージが湧くのではないかと思っております。かなりいろいろな変更があるようです。これらにつきまして御質問、御意見等がございましたらお願いしたいのですが、いかがでしょうか。それでは、橋口委員、お願いいたします。

○橋口委員
何点かございますけれども、これはまとめてか、ばらばらか、どちらがよろしいでしょうか。1つは簡単なことなのでまず1点だけ、独立して御質問なんですけれども、資料5の2ページ目に、上の方に調査項目の削減縮小ということでありまして、菱形のマークの後には削除・簡素化する項目とあって、4行にわたって書いてあるんですけど、このうちどれが削除で、どれが簡素化か、もし明確になっておりましたら教えていただきたいんですけれども。

○安藤座長
それでは、お願いいたします。

○清水センサス統計室長
センサス統計室長の清水です。資料では削除と簡素化を一緒に書いておりますが、削除になる項目が、集落営農組織への参加の有無、それから青色申告の継続年数、その次の生産関連事業の従事日数、ここまでが削除になります。それ以下については、例えば林業に従事した世帯員及び役員・構成員は、これまで人別に聞いていたものを実人数の合計で把握というように、数字自体はあるんですけれども人別が出なくなるという、そういうところを簡素化しようと考えております。また、農業とか常雇いについても、それぞれ人別に聞いていたものを年齢階層別とか合計人数で聞くという簡素化をするということになります。以上です。

○橋口委員
分かりました。文言を忠実に理解すれば分かったのかもしれませんけれども、ありがとうございました。

○安藤座長
削除する項目と簡素化する項目についての確認でした。
それでは、ほかはいかがでしょうか。調査票に記入する側からすると、農業と農業生産関連事業の労働力の区分は、実際はどうでしょうか。農業者の方から御意見を伺いたいところですが、どうでしょうか。農作業と関連事業との区分が必要だという話があるようですが、この辺りについて、山﨑委員、どうでしょうか。

○山﨑委員
これは農業と農業生産関連事業の労働力を一括して把握しており、項目で不整合が生じたということですけれども、今度は別に分けてということでよろしいですか。

○清水センサス統計室長
そういうことです。生産関連事業については今まで農業経営と一緒に聞いていたのですが、まずは農業経営について聞き、その後に生産関連事業という項を別に起こして、その中でお聞きしたいと思っております。資料No.5では、文章としてこういうところを見直しますとしか記述していないのですが、次回は調査票の形で明確にお示ししたいと思います。申し訳ございません。

○安藤座長
ありがとうございました。

○山﨑委員
あと1点ちょっと確認ですけれども、輸出のところで農産物の輸出の方の把握が必要ということで項目が追加されるかと思うんですが、これは売上金額に占める輸出の割合というだけの項目を追加するのでしょうか。それともこの売上金額とは別に、例えば輸出方法だったり、間接輸出だったり、直接輸出だったりという違う項目もあって追加されるのでしょうか。もしお分かりでしたら聞かせていただければと思います。

○安藤座長
参考資料3-2でいうと、8ページのところのどこがどう変わるかという話になると思いますが、お願いいたします。

○清水センサス統計室長
参考資料3-2の8ページを御覧いただきたいと思います。8ページのところで、前回2020年のときの調査票で言いますと、8ページの上に【5】に、過去1年間の農産物の販売金額をこういったレンジでお聞きしておりました。今回、輸出については、委員のご質問のようにどういうふうな系統をたどって輸出されているとか、品目別とかを詳細にお聞きしたいところですが、これまで輸出の実態を調査をしたことがなかったのが一つと、いろいろなところへ出向いて状況をお聞きしているのですが、かなり複雑だということもありまして、今回の農林業センサスでは余り複雑に聞けないので、前回のこの農産物販売金額のうち、輸出の割合をパーセントでお聞きできないかというふうな考えを持っております。そのときにも聞き方としては、海外向けに出荷しているのか、していないのかということをまずお聞きして、出荷しているとお答えいただいた経営者の方には直接出荷しているのか、間接といいますか、貿易会社とか商社を通して輸出しているのかを販売金額に占める海外向けの出荷割合でお聞きできないかと考えています。少し悩んでいるのは、もう一つ農協を通して出しているのかということが入るか入らないのかというところがありますが、最大そこまでかなと思っております。繰り返しですが、販売金額を従来お聞きしていた項目の中に、そのうち海外向けに出荷されているのか、されていないのか。出荷されているという方については直接その経営者の方が海外のところに出荷されているのか。もしくは貿易会社とか農協とかを通して出荷されているのかということを割合、パーセントでお聞きしたい。そこぐらいまでだと思っております。

○安藤座長
ありがとうございました。
次回にはレイアウトしたものが出てくるかと思いますので、誤解なく記入できるようなものになっているかどうかということも含めて議論できればと思っております。ほかはいかがでしょうか。坪谷委員、お願いいたします。

○坪谷委員
今の輸出のことなんですが、私のところも輸出をやっているんですが、我々の輸出に関してはエンドユーザーに届くんですよね。それはさっき言った農協を通して輸出するとか、商社を通して輸出するというのはエンドユーザーが誰だか分からないわけですよね。むしろそういう方を把握した方が対策になってくるんじゃないですかね。輸出を広げるに当たって、いくらでもいいからただ数量だけ出せばいいということじゃなくて、ちゃんとエンドユーザーを把握した上で輸出をしていく、そこで取引が継続できるというのもあるとすれば、もうちょっと設問の仕方を変えていく必要があるような気がします。単なる商社に出す、JAに出すのではなくて、エンドユーザーがちゃんと分かっているかどうかというのも1つ必要になってくるような気がしますので、もうちょっと考えていただきたいなと思います。以上です。

○安藤座長
ありがとうございました。
今、事務局の方から、調査票のこの辺りを検討したいというお話でした。そこについてはまだ1回目の検討会ですので、そこでの議論を踏まえながら、この後も、いろいろと御意見を伺いながら原案を詰めていきたいと思います。

○清水センサス統計室長
坪谷委員、ありがとうございます。先ほど私も申し上げた直接か間接かのときの、直接のところだと思いますので、今、座長からもございましたが、次回までにちょっと検討を進めたいと思っておりますが、現時点で統計部として輸出・国際局と打合せしている中では、直接というのは例えばその経営者の方が現地法人を作って、そこにお米なり果樹をそのままで輸出をして、現地法人の方でそれぞれの経営体ごとに、仕向けなり規格を統一して出荷されているのが直接かなと思っておりました。それから、そのほかにいろいろな方にお聞きすると、今、坪谷委員がおっしゃったように、エンドユーザーまでしっかり把握している、又は海外の方に出向いて直接レストランなりスーパーなどと契約もされてきている。それで輸出されている場合もあるのですが、そのときにも直接ではなくそういうエンドユーザーと契約はしつつも、貿易会社を通して出されているというところがあるということが分かってきて、その場合、我々が捉える直接出荷というのはどこで分けた方がいいのかというのが少し課題になるということも分かってきておりますので、捉えたいものは直接なのか、間接なのかということを捉えたいのですが、どうもいろいろな経営体があるということも分かってきましたので、座長からもございましたが、次回、もう少し調査票のイメージで、項目も含めて提示をしたいと思いますので、引き続き御意見をいただければと思っております。

○安藤座長
よろしいでしょうか。
ここで使われている用語の定義も分かりやすい言葉で記入し、そうした解説も付けていかなければいけません。また御意見をいただければ思います。ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。それでは、竹田委員、お願いいたします。

○竹田委員
御説明、ありがとうございました。私の方からは、3ページ目にあります農山村地域調査のうち、農業集落調査の廃止についてという部分について、ちょっとお伺いしたいと思います。いろいろな事情があって、なかなか農業集落調査が難しくなってきているということは御説明で大変理解したんですけれども、その一方で、例えば資料3の農林業センサスの沿革などを見ていただきましても、この農業集落調査が名称はそのときどきちょっと違う場合もあるのかもしれませんけれども、あと項目もそのときどき違う部分もあると思うんですけれども、ずっとパネルデータとして、唯一農業集落の活動状況という、人に聞かなければ分からないような、例えばドローンを飛ばして、どういうことをやっているかということを把握するようなわけにはいかないようなことを把握している唯一の調査としてずっと継続されてきたというところがあるかと思います。そういったところが例えば農業政策においても、いわゆる地域政策を議論していく上で非常に重要なエビデンスになってくると思っておりまして、それは今、農林水産省等が進めておりますEBPM、エビデンスに基づく政策形成という意味でも、大変重要な根拠にもなる、政策の根拠になるようなデータなんじゃないかと思っております。そういう意味で、調査の仕組みを変えるというか、廃止するのではなくて調査のやり方を変える。例えば、個人情報の関係でなかなか農政局の方が実際に調査に行かなければいけないとか、そういうことではなくて、今、市町村も市町村合併等でなかなか人員が足りないということは十分わかっているんですけれども、例えば市町村等に調査を委託して、その分の助成をするとか、これは1つのアイデアかもしれないですけれども、何か仕組みを変えることによってこの調査を継続するということが重要ではないかというふうに私自身は思っておりまして、その辺りについて、廃止を前提に議論するというのではなくて、どういうふうに継続できるかということも併せて検討するということをお考えいただくのも1つかなというふうに思うんですが、その辺りはいかがでしょうか。

○安藤座長
事務局の方、いかがでしょうか。

○清水センサス統計室長
集落調査の廃止についてですが、廃止を前提に考えた場合、そういうふうに受け止められるとは思うのですが、ここの議論は2020年のときもありましたし、その前からも実はありました。やめざるを得なくなった理由が二つございまして、一つは先ほど竹田委員もおっしゃいましたが、これまで地方農政局の支局というものが各都道府県にあって、そこに統計調査の国の職員がいましたので、そこで調査をやってきたのですが、その職員がいなくなるという、調査実施者側の問題が一つ、あともう一つは、調査対象者、先ほど市町村に調査を委託すればできるのではないかという御提案をいただいたのですが、市町村が調査を掛けるにしても、誰かを調査対象者に設定しなければいけないのですが、これまでは実行組合長や自治会長等へお願いしてきましたが、そこもなかなか難しくなっている。個人情報保護の観点から我々には情報を提供してもらえないということがあり、そこが設定しづらい。あと、統計調査を市町村にお願いしようとすると、今まで国がやっていたものを新たに一本追加するということとなり、委員の中に県の方もおられますけれども、正直不可能な状況で、そもそも都道府県や全国の協議会からは100万戸の農林業経営体調査についても簡素化してもらえないかという要望を毎年いただいており、そこを何とかお願いして調査を継続している中で、新たな調査を一本立てるというのは正直、困難な状況ということもございまして、今回、廃止ということを考えているところです。農林水産省の中においては、農村振興局も中山間制度の評価等に使っておりますので、そことも協議をする中で、是非継続して欲しいという要望は当初あったのですが、こちらの調査実施、農政局の状況等を踏まえればやむを得ない。その代わりに何もデータを提供しないということではなく、経営体調査の方でデータベースは作っているので、そういったもので農業集落の状況については分析する形で、代替的なデータを提供していくということも含めて、今のところ廃止の方向で調整を進めてきているという状況でございます。以上です。

○安藤座長
ありがとうございました。竹田委員、よろしいですか。

○竹田委員
はい、とりあえず状況については把握させていただきました。ありがとうございます。

○安藤座長ほかはいかがでしょうか。この件は、一応省内では……。橋口委員、お願いします。

○橋口委員
今、安藤座長が事務局の方に呼びかけられたので、その後でも結構ですけれども、よろしいでしょうか。関連する内容なんですけれども、よろしいでしょうか。

○安藤座長
お願いします。

○橋口委員
今、竹田委員がおっしゃった件と全く同じところなんですけれども、2025年センサスの最大のトピックは何かと言われると、実はこの農業集落調査が廃止になったことだと世間でも注目されかねないような重大な内容だと思いますので、ちょっと恐縮ですけれども、重ねて御意見を申し上げたいんですけれども、最近の一番新しい白書でも寄り合いの開催回数が年間5回、集落の割合を地域別に見ると、という形で、非常に大きく注目されている内容でもあるかと思います。一方では、集落機能がそうやって低下が危惧されている中で、センサスの2020年までの農業集落調査で、近年ではほかの集落と共同で一緒に地域資源の管理を行っているとか、あるいは都市住民からの支援を受けているとか、そういう集落が増えてきて、そういう方向性で政策も考えようということで、例えば中山間地域等直接支払制度では集落連携などに加算措置をするとか、そういったようなことも政策に反映されてきたのではないかと思っています。これも竹田委員がおっしゃったことのもうちょっと具体的な例かと思います。したがって、集落調査がなくなって、寄り合いの開催回数が分からないとか、資源管理の状況が分からないというのはかなり致命的な問題なのではないかなと。ただ、一方で調査が全く不可能だということであれば、それも致し方ないのかもしれませんけれども、総務省と国土交通省が合同で過疎地域の集落の現況を把握調査というものをおおむね4、5年おきに実施していまして、直近では2019年でしょうか、約1,000の市町村、7万5,000集落の調査結果が公表もされていますけれども、年齢別の人口など、行政データをそのまま活用できる項目もありますけれども、それ以外にも生活サービス機能の立地状況とか、あるいは地域サポート人材のような活動状況とか、集落機能の維持状況、あるいは集落の存続に対する見通しなど、細かく区分すると、100項目ぐらいの調査が行われていて、基幹統計として国としても重要な調査である農林業センサスが、これよりも少ない調査項目が実施できないというのは、ちょっとにわかには納得できないということもありまして、この農業集落調査の重要性と何とか代替的に調査する手段はないのかということを改めてお考えいただければなというふうに思う次第です。かなり先ほどの御意見と重複していた部分もありましたけれども、失礼します。ありがとうございました。

○安藤座長
ありがとうございました。今の橋口委員からの御意見ですが、いかがでしょうか。

清水センサス統計室長
橋口委員、ありがとうございます。我々としましては農林業センサスに限らないのですけれども、農政局の職員が減る中において、調査の効率化をしなければならないのですが、その際に、単に調査を廃止して終わりではなく、極力代替データで何か代替ができないかとか、一番いいのは調査方法を今まで人がやっていたものを違う方法で集められないかということは検討してきました。前回DIDの調査はやめたのですけれども、行政データを活用して統計としては継続して提供してきているところですので、今回のこの農業集落の調査の廃止についても、正直実施者側としては継続ができないので、調査自体は廃止せざるを得ないということはあるのですが、それで終わりということではなくて、何かしら代替データがないかということで、先ほど橋口委員もおっしゃいましたが、私どもも総務省と国土交通省が隔年で、総務省が実施したら次は国土交通省というやり方をしているのですが、この調査が全国の14万農業集落のうち7万なので、約半分のところについてはデータがある。統計調査はできないけれども、従来調査をしてきた集落調査に代わる行政民間データや行政データとして統計が作れないかということも検討させていただきました。ただ、この総務省が行っているのは統計調査ではなく、アンケートという位置付けで実施しているものとなっております。数字が確かに出てくるのですが、それは農業集落の人口、世帯員、生活サービス施設までの距離や時間とか、いわゆる市町村があらかじめデータとして把握しているもの、一部将来の見通しや集落機能の再編等について聞くところもあるのですが、こちらも総務省にも再度確認したのですが、各市町村がこのアンケートを記入するに当たって、集落に改めて聞き取るとか、そういう必要は全くないと。その市町村の集落担当者のところで把握しているデータをもって記入すればいいという位置付けのアンケートになっているようで、統計の中にも不明というところも一定数入っていたりという状況で、まずこの農業集落の代替データとしてはちょっと使えなかったということがございます。市町村で調査すればいいかということなんですが、市町村が農業集落の状況を把握していれば市町村を対象に民間委託するなりして、調査を仕組むという方法もあったのですが、そういった寄り合いの回数やテーマだとか、そこまではやはり市町村では把握されてないということもございまして、代替データとして使えず、市町村を対象にした調査というのも仕組めなかったというのが現状でございまして、資料No.5としては、この農業集落調査については廃止せざるを得ないという提案をさせていただいているところです。取りあえず現状です。

○安藤座長
ありがとうございました。橋口委員、いかがでしょうか。

○橋口委員
先ほど竹田委員がおっしゃったんですけれども、市町村のルートというのは何らかの形で実施する方法も色々あるかもしれませんが、これまでもし集落事情の精通者を一人一人特定されておられるんだとしたら、もうちょっとまとめて把握していただくとか、例えば10集落とか、あるいは旧町村の範囲、学校区単位とか、集落事情の精通者の方、集落一つ一つに対して調査をお願いするのではなく、もうちょっとまとまった単位で設定して、その方に市町村経由で事情を聞いていただくとか、何らかの手段はないのかなというふうに依然として考えるんですけれども、これを廃止するということは予算が大分余っちゃうということになるんでしょうか。もしそうであればその予算を使って何か新しいルートの開拓なり、調査体系の設定とかができないのかなという気はするんですけれども、とりあえず、以上です。

○安藤座長
予算の話が出ましたが、どうでしょうか。

○清水センサス統計室長
予算のこともございましたが、予算は農政局の職員を使っているので、ほとんど掛かっていないんですね。この集落調査だけで言えば、そんなに予算は掛かってないのですが、センサス全体で言えば経営体も減るので、何かしらの民間委託とか行う場合にお金が全く生み出せないということではないのですが、単体で言うとそんなに予算は掛かっているものではないということです。あと今、橋口委員からありました、併せて精通者に聞くとか、統計調査員の方は、基本的にはその担当の農業集落の中か、近くにお住まいの方を統計調査員としているので、何かしらの情報をお持ちでないかということも併せて統計調査員の方に聞いてみるとか、いろいろ考えてはみたのですが、なかなか集落全体として寄り合いが何回行われていて、どういうテーマでというところまで統計調査として調査票項目を設定し、それを取りまとめ集計するまでの調査の仕組みとしてはそこも成り立たなかったということで、現状としては代替の調査方法が見つからないという状況となっております。以上です。

○安藤座長
ありがとうございました。竹田委員、お願いいたします。

○竹田委員
もし御存じでしたら参考までに教えていただきたいんですけれども、農業経営体調査の方は、客体候補名簿がかなり重要になるので、毎年調査員の方が訪問されて、それを更新されているということだったんですけれども、集落精通者の方が客体候補名簿として農家として、農林業経営体として把握される率というのはどれぐらいあるんでしょうか。要は、集落精通者と、農林業経営体調査の客体候補名簿に両方とも重複してくる率みたいなものがちょっと分かればと思ったんですが、いかがでしょうか。

○安藤座長
いかがでしょうか。

○清水センサス統計室長
今日、出していただいている意見については次回までに正式にきちんと調べてお答えしたいと思っておりますが、今日は御意見が出たところを分かる範疇でお答えさせていただくということになりますが、今の竹田委員がおっしゃっている正式な数はカウントしたことはないので、何割ぐらいが精通者の方が経営体調査の対象になっていたか分からないです。分からないですが、基本的に精通者は実行組合長の方とか、そういう方だと思われますので、かなりの割合は精通者の方も調査対象になっていたのではないかと思います。正式な数は今日は分かりませんので、整理した上でお答えしたいと思います。

○竹田委員
急な質問で大変申し訳ありませんでしたけれども、例えばそういうところの重複とかも使って何かしら調査を継続する仕組みも併せて検討していただけると、このデータはもちろん政策上も重要なんですけれども、研究上も非常に使っている研究者も多いデータでして、大変有り難いと思っております。以上でございます。

○安藤座長
ありがとうございました。正確な数字につきましては次回の検討会のときに御提出していただけるということでした。
先ほど言いかけた話です。この点ですけれども、農業集落調査の廃止につきましては、省内では一応協議が整っていて、特に農村振興局が一番大きく関わると思うのですが、一応了解は得られているということなのでしょうか。

○清水センサス統計室長
資料No.5の中で、調査の廃止もそうですが、それ以外の調査項目の簡素化とか、廃止についても全て省内には意見を聞いた上で、整理をしたものとなっております。この集落調査の廃止についても農村振興局が実際に使っておりましたので、個別にも協議をさせていただいたのですが、欲しいのは欲しいのだけれども、やむを得ない。ただし、調査結果がなくなると、施策の中間評価ができないので、代替案としてその集落データベース等を用いて分析をして、それでその政策効果を出せるようにしてほしいという要望を受けておりますが、そういったことも合わせて検討する中でやむを得ないという了解をいただいているところです。

○安藤座長
ありがとうございました。坪谷委員、お願いいたします。

○坪谷委員
今の参考資料の3-4を見ているのですが、これは農地・水・環境保全対策から派生した多面的機能支払交付金制度を活用して、これは草刈りとか、用水路の泥上げとか共同でやっている地域はかなりあるので、何かもうちょっと簡単に、回答する対象者を絞った上でやることができるような気がするんですけど。ほとんどの多面的機能支払交付金を使っているところはどれかやっていると思いますよ、かなり。

○安藤座長
ありがとうございました。政策の業務統計としてある程度把握できるところはあるのではないかという御提案だと思いますが、いかがでしょうか。

○清水センサス統計室長
先ほどの保全活動のところ等についてはそういうデータを用いてできないか等も含めて検討させていただきたいと思いますし、今ほど竹田委員なり橋口委員も、私どもとしては調査項目の追加なり、削除についてはまずはその行政上の利用があるかということは当然確認しておりますが、それが全てではないということも承知しておりますので、精通者ではなくて経営体の方から何か聞けないのかというところも御提案していただきましたし、坪谷委員も対象を、橋口委員と一緒ですかね、ちょっと広げるような形ででも把握できないのかという御意見もいただきましたので、次回に向けて、何かしらの代替、おそらく同じものはなかなか難しいと思うのですが、何かしらゼロ、廃止ですということではなくて、何かできないのかという御意見は重く受け止めて検討していきたいと思います。

○安藤座長
坪谷委員、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。県の方々、いかがですか。群馬県の池田委員、あるいは岡山県の小寺委員、何かあればお願いしたいのですが、どうでしょうか。

○小寺委員
岡山県の小寺です。今、皆様の議論をいろいろ聞かせていただいて、岡山県の農林水産部におきましても、先ほどからお話の出ております農業集落の関係等のデータ等も使わせていただいておりますので、なかなか統計を継続するというのは、同じ形で継続するというのは難しい面もあると思いますけれども、是非また代替で先ほど言われました中山間関係のデータですとか、正式な統計ではなくてもというようなことがあればなというのを聞きながら感じておりました。それから、少し話が元に戻りますけれども、輸出の関係で多様な輸出の方法というのがあるというのも岡山県の方でも他県さんの状況等も聞いておりますけれども、やはり岡山県の場合、一番多いのが大阪なり東京なりの市場に出すところまでしか実際の生産者の方、農業者の方が分かっていらっしゃらない、その後、どちらに行っているのかというのが海外なのか、国内なのかというのも分からない中でというような例も多数ございますので、なかなか先ほどの調査票を少し簡単に書き加えただけでは皆様回答に惑われるのではないかなというようなこともちょっと感じました。以上でございます。

○安藤座長
ありがとうございました。県の側からの具体的な統計のニーズついてのお話と、輸出金額についての記入の仕方についてのお話でした。後者については次回までの宿題になるかと思いますが、輸出の関係についてはそれでよろしいですかね。

○清水センサス統計室長
輸出については、確かに複雑な系統があるのですが、今回は生産者の方が直接認識されている、把握されているものについて捉えたいというふうに考えております。今、小寺委員がおっしゃったように出荷された後、それが輸出に回っているというのは当然あるのですが、そういう部分については今回のセンサスでは調査対象外になるので、そこは捉えられないということは輸出・国際局とも協議の上、あくまで経営者の方が認識されていて、直接だったり、先ほどの貿易会社を通して輸出されている部分を捉えたいというふうに考えております。また、別途農協調査というのもございまして、そちらの方で、農協が自ら輸出されている部分はそちらで捉えたいと思っておりますので、これは経営体として、経営者が輸出されている部分を捉えたいと思います。調査票の作り方とか解説をしっかり作りたいと思っております。

○安藤座長
小寺委員、ありがとうございました。
ほかはよろしいですかね。センサスはかなり特殊なところがあり、初めて委員として加わられた先生方にはなかなか御発言が難しかったのではないかと思いますが、よろしいですか。次回は調査票の具体的なイメージも示されますし、具体的にこれを使ってどのような分析ができるのかといった視点からのアドバイスもいただけるのではないかと思います。こういうレイアウトの方が見やすいといった具体的な御提案もいただけるのではないかと思っています。

○林委員
林業部門の方から、今回、調査項目の追加・拡充のところで、立木販売面積を把握するというようなことが1つ加わったかと思います。実際、調査票を見させていただきますと、2020年の調査票で、8ページ目のところで、販売に関してのところで、立木の販売というのが項目としてございます。こういうところから踏まえると、既に立木販売について把握をされているのかなというふうに思えるんですけれども、一方で、林業経営体の定義のところを見てみますと、3ha以上で育林又は伐採を行っているまたは森林経営計画を立てているところが林業経営体というような定義になっております。実際のところ、例えば育林も伐採も、それから森林経営計画も立てていなくて、されど立木販売は行った、という経営体がこれまで含まれていたのかどうかということと、もし含まれていないのであれば、これまでは含まれないまま、その対象に対して立木販売状況の調査が行われてきたことになります。もしこれまでの調査で含まれていないのであれば、今回立木販売のところを調査拡充して森林計画立案の参考にされるのであれば、ちょっと定義のところでも育林又は伐採、又は立木販売というような風に検討していただけるといいのかなと感じました。
それから、あとこれはどこにも触れられていないんですけれども、実は林業では近年はバイオマスとしての利用というのがかなり進んでおります。実際にその用材の定義とかで見ると、要は普通の製材と合板、パルプ・チップなどに利用するというような形の定義になっておりまして、このバイオマスというのがどう扱われているのかというところが気になるところです。
木材需給表とかを見てみると、前々回の2015年調査のときだと、大体190万立米ぐらいだったのかな。それが、2020年調査に該当する頃になると、大体690万ぐらいにバイオマスが増えているんですね。その増えたバイオマスというのをトレースしないでいいのか、それとももう既にされているのかどうかというところと、もしされていないのであればやっぱりトレースは考えなければいけないんじゃないだろうかとは考えているところです。
あともう1点は、2020年だと11ページのところに、保有山林のうち任せている山林面積と任されている山林面積というのがあるんですけれども、通常、大体森林組合とかを対象としたケースでは、森林組合に頼まれて補助金を利用するということから、所有者である組合員が判子を押して、森林組合が森林経営計画を立てる。要は任されて経営計画を立てるわけですね。ところが、実際は林業作業、実際に入る林業作業に関しては所有者である組合員と相談して決めていくというような実態になっている。こういうときに任されている面積と任せている面積というのがどういうふうに各回答者が判断して書いているのかというのが、分かりにくいなと見ていて思いました。なので、これは先々、次回調査票とかが出るときに関わる話だと思いますので、またそのときに回答というか、対応ということになるのかもしれませんが、ちょっとこの辺りを御検討いただければなというふうに思います。以上です。

○安藤座長
ありがとうございました。林業経営体の定義と、バイオマスを把握してないので、こちらについても考えてほしいということ、任されている、任していることについての明確な説明が欲しいということという具体的な3点の御提案でした。こちらにつきましては今、林委員が言われましたように、次回の検討会のときに、詳細を詰めた形で御提案するということでよろしいでしょうか。バイオマスとしての利用はかなり増えております。使うのが難しい用材をバイオマスに回して成功を収めている西粟倉村のような事例も出てきております。重要な指摘だったと思います。林委員、ありがとうございました。
それでは、お時間が来てしまいました。まだまだ御意見があるかと思いますが、この辺りで閉めさせていただければと思います。最後の議事として、その他がありますけれども、特に事務局の方からはよろしいでしょうか。

○東課長補佐(農林業センサス統計第1班担当)
1点だけ御連絡させていただきます。次回は、9月を予定しておりますので、日程の関係でございますけれども、事前に皆様方に9月の予定をお伺いしたところ、皆さんお忙しくて、全員がそろう日がないといった状況でございます。そのため、一番多く皆さんが御参加いただける日ということで設定をさせていただきたいと存じますけれども、現時点では9月22日、木曜日になりますが、この22日の午前中が有力でございますので、その線で進めさせていただければと考えております。既に予定が入ってしまっている林委員と古閑委員におかれましては、大変恐縮ではございますけれども御理解していただければと思っております。以上でございます。

○安藤座長
それでは、これをもちまして、進行を事務局の方にお返ししたいと思います。
部長さんも来られましたので、御挨拶があると思います。よろしくお願いします。

○中根センサス統計調整官
座長、ありがとうございました。菅家統計部長が出席されましたので、ここで御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○菅家統計部長
統計部長の菅家でございます。冒頭に御挨拶するべきところだったのですが、大臣への説明等で、ちょっとかないませんで、大変失礼いたしました。本日、御出席をいただきました委員の皆様、大変お忙しい中、どうもありがとうございました。また重ねてということではございますが、大変御多用の中、この研究会の委員をお引き受けいただきまして、重ねて心より感謝を申し上げる次第でございます。昨今の農林業を見渡しますと、やはり大きな話題になっておりますのが、御案内のとおりでございますが、食料安全保障とそれからウッドショック、こういったことでございます。いずれもコロナからの経済の回復過程で非常に需要が急上昇したとか、サプライチェーンが混乱をしたとか、そういったところに例のウクライナの問題があり、さらには、現在の急激な円安ということがあって、食料、木材、それから資源など、我が国が輸入に非常に依存している物資の価格が現在高騰しているという状況でございます。このような中で、食料、木材等の安定供給やあるいは農業生産に不可欠な輸入生産資材、こういったものの安定供給がきちんとできるのかというところに今非常に焦点が当たっている状況だと思います。今後短期的な対策、それから中長期的な対策が取られていくわけでございますけれども、こういった状況の下で、我が国の農業、林業の現在の姿を数字で描き出す農林業センサス、特に2025年の次回のセンサスというのは時期的にも非常に重要なものになってくるというふうに考えております。その一方で、非常にこれは頭の痛い話ではあるのですが、調査を実施するに当たりまして、調査環境と申しますか、調査対象者が非常に高齢化をされている。それから、昨今特に個人情報保護意識が高まっているということがございます。さらには地方農政局の統計関係の職員も大幅に減少しております。こういった中で、私ども統計部局としてしっかりとした調査結果を出していくためには、ちょっと逆接的な言い方かもしれませんが、調査方法、それから調査内容、これをかなり徹底して効率化を図っていくということも避けては通ることのできない道なのかなというふうに考えてございます。本研究会におかれましては、皆様方の幅広い視点から忌憚のない御意見を賜りますことをお願い申し上げまして、簡単ではございますけれども、私からの御挨拶とさせていただきたいと思います。来年2月まで長い期間、御検討を賜ることになりますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

○中根センサス統計調整官
菅家統計部長、ありがとうございました。それでは、本日、貴重な御意見を頂きましてありがとうございました。本日頂きました御意見につきましては、事務局で今後検討させていただきたいと思います。また、次回の開催については、9月22日木曜日の午前中ということで調整をさせていただいているところでありますけれども、詳細な日程につきましては、改めて連絡をさせていただきますので、お忙しいこととは存じますが、よろしくお願いいたします。それでは、最後になりましたが、当室、清水センサス統計室長より一言御挨拶を申し上げます。

○清水センサス統計室長
委員の皆様、本日は2時間にわたり、熱心な御審議、ありがとうございました。本日、委員の皆さんからいただいた輸出の問題、それから林業関係、それから特に農業集落調査の廃止についてはかなり広範な御意見をいただいたところです。先ほどお答えしたのは、今日の時点で私どもの考えを述べさせていただいたところですが、次回に向けてはいただいたものを一つ一つ文字に整理して、改めて御提示するとともに、分かりづらかった調査項目の内容については調査票のイメージ等も提示しながらまた議論を深めていただければと思っております。本日、改めて皆様方から、行政以外、研究者としてもいろいろなデータが必要だ、都道府県においてもデータを活用していただいているという話をお聞きいたしましたので、その点も踏まえつつ、ただ一方で、先ほど統計部長からも御挨拶いたしましたが、調査実施者としては農政局もそうですし、都道府県・市町村の統計の調査を実施していただいている部局のところについてもかなり厳しい状況ということもございますので、その辺りも加味しながら本日いただいた意見に対する検討を深めて次回提示したいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。次回は、基本的には9月22日、午前中を目途に調整をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

○中根センサス統計調整官
それでは、これをもちまして、第1回2025年農林業センサス研究会を閉会させていただきます。皆様、ありがとうございました。

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