このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

令和8年度食品の安全性に関するリスク管理検討会(第2回)議事概要

議事概要(PDF : 300KB)

日時

令和8年9月11日(金曜日)10時00分~12時00分

場所

農林水産省共用第2会議室(本館7階 ドアNo.767)(web併催)

出席メンバー

(常に参加するメンバー) 
田中氏、天坊氏、西川氏、早川氏、廣田氏、森田氏、山口氏、(島原氏は欠席)

(構成員以外の有識者) 
浅見氏、畝山氏、鈴木氏、堤氏、松井氏

各議事の内容

1.議題と主な議論

議題1:食品中のPFASに係る農林水産省のこれまでの取組

資料3に基づき、事務局から説明。

議題2:令和7年度国産農畜水産物中のPFAS含有実態調査の結果について

資料4に基づき、事務局から説明。資料内容に関する主な議論は以下のとおり。

〇PFAS含有実態調査の結果について

(田中氏)令和6年度、令和7年度の結果からTDIと比較して十分低い結果と言うことは理解した。一方で、鶏卵でPFOSが高い値(外れ値)を示している点や、水産物で濃度が高くなる傾向について、何か知見はあるか。また、水から農産物への移行調査も安心できる結果とは理解できるが、農産物ではPFOAが吸収されやすいように見受けられる。これに関する移行性等の情報はあるか。

(農水省)本調査に限らず、全体の傾向として、PFOSについてはタンパク質との結合のしやすさという観点から、動物の方が検出の報告が多いと認識。一方、PFOAについてはPFOSより水にとけやすく、農産物に移行しやすい可能性があると認識。ただ、本調査の結果のみから考察することは難しい。

(田中氏)タンパク質との結合や極性の問題も含めて、科学的根拠を揃えると消費者への適切な情報提供に役立つと考える。今後、情報提供を行う際には検討していただきたい。

 
(浅見氏)摂取量推定からは、特定の食品に偏るのではなく、多くの食品から摂取していると読み取れる。特に主食からの摂取量は大きくないことが分かる。摂取量推定では分析値が定量下限値未満のものの取扱に注意が必要。定量下限値未満のサンプルについては定量下限値を代入して試算しているが、これを、定量下限値の2分の1として試算した場合、摂取量が3割程度減ると思う。また、個別の分析値に摂取量をかけ、食品群ごとに寄与率を示してもらうと、摂取量全体の構成がより分かりやすい図が描ける。国衛研のトータルダイエットスタディと比較する際、輸入食品も含めた全体的な傾向を一緒に解説してもらえるとよいと思う。

(農水省)現在の試算は、保守的に見積もっている。3か年分の調査結果で並びを取ってデータを整理していくのですぐには変更できないが、国際的な最新の考え方を精査した上で最終的な結果の取り扱いは整理していく。個別分析値に摂取量をかけて図を作成することは今後検討したい。方法が異なる他の調査結果と比べて考察することには注意が必要だが、リスクコミュニケーションに盛り込んでいくことも今後検討したい。
 

(早川氏)国産農畜水産物の実態を大きくとらえようという目的は、達成されていると思う。外れ値の地域性については、まだはっきりしてはいないと思うが、地域性が分かった際には自治体と協力して低減策を模索して欲しい。

(森田氏)品目を増やしても、十分にTDIよりも低いレベルであることがわかり良かった。ある程度PFOS・PFOAが高い地域でも農産物へ移行しないことがわかることは重要。
また、加工食品については、今後も調査していかないのか。調査しないのであれば、食品の加工時にPFASが減衰・濃縮するかのデータを示して欲しい。アユに関しては、令和6年度調査の1点は特異なものと理解していたが、令和7年度でも2点出て驚いた。農産物の移行調査では環境中濃度の高いところで試験しているが、アユに関しても環境中の要因との関係を解析する必要があるのではないか。

(農水省)食品加工時にPFASの減衰・濃縮の可能性があるかという点について、加工中に分解することは考えにくい。基本的にはPFASの由来は農畜水産物となるため、これらの加工品について調査してきていないところ。環境中の要因との関係については、水やエサの影響はあると考えており、その点も含めて検討したい。

 
〇分析法・サンプリング、摂取量試算法方法について

(松井氏)健康栄養調査のコメはコメ加工品が入っており、それを玄米に戻しているのではないか。精米と玄米を比べて、より保守的な試算のために玄米で試算することは妥当であるとは思う。ただ、注釈が無いと一般人には伝わりにくいため、注釈の追加を検討して欲しい。

(農水省)玄米の摂取量については、米飯から割り戻して算出した数値となっている。注釈が追記できるか検討する。(資料4(9ページ)の注釈2に「炊飯したお米・おかゆ等」と追記。)

 
(山口氏)PFASの分析法について、サロゲートを入れており、信頼性の高い分析法だと思う。マゴイ、アユ、ニジマスは普段食べることは少ない。また、アユ、ニジマスに関しては、養殖のものと天然のものがあり、養殖は輸入魚粉を使っていることもあり、エサが大きく変わるため、ここは区別していく必要がある。ワカメ加工品については国内天然のものしかないが、乾燥品と塩蔵品でデータが変わるのではないか。土壌によっては特定の物質を保持しやすい特性があるため、農産物を検討する際は土壌の特性も考慮してもらいたい。

(農水省)分析法は米国FDAの分析法を基に、国内の分析機関で単一試験室での妥当性データを取っており、信頼性の高い分析をしていると考えている。本調査は品目ごとに汚染実態を把握することが目的であるため、養殖・天然の区別をしていないが、結果的に両方が含まれる。今後の要因検討では、必要に応じ、分けて考えることも検討したい。ワカメについては乾燥ワカメを分析をしている。摂取量推計の際は、摂取量を乾燥重量に換算している。土壌の特性は考慮していきたい。

 
(堤氏)ワカメ加工品は植物性の食品にも関わらず、乾燥品であるために濃度が高くなっていると思う。サンプリング方法(別紙)へどのようなものをサンプリングしているのか書き込んで欲しい。

(農水省)ワカメ加工品の詳細については別紙に追記する。(資料4(別紙14ページ)の1.サンプリング方法に「乾燥ワカメを」と追記。)

 
(山口氏)アユの試料調製方法は、内臓を含めて魚全体を粉砕している。内臓はPFASを蓄積しやすいため、アユの高い傾向は内臓の影響もあることを触れておきたい。

(森田氏)試料調製方法について、残留農薬と同じく、安全側にたって調製されていると思う。その点、丸ごと食べることの多いアユについては、内臓を含むことが適切であると考えている。

 
〇今後の対応について

(廣田氏)アユについて、地域間や生産地の違いは特定しないとのことだが、原因究明は重要であるため追跡調査はお願いしたい。

(農水省)要因調査として進めてまいりたい。


(松井氏)鶏卵については、魚粉を飼料に用いることがあるため、飼料についても調査してほしい。摂取量試算については健康栄養調査のコメはコメ加工品が入っている。農産物の試料数が少ないため、日本の代表例だと言えるように、更に試料数を増やして欲しい。

(農水省)試料数については、現在の結果で日本全体のおおよその実態はつかめていると考えており、試料数の増加は考えていない。鶏卵中のPFOS等濃度に及ぼす飼料の影響については、どこまで遡って調査する必要があるかを検討していくが、現時点ですぐに調査が必要とは考えていない。

 
(堤氏)鶏卵について、平飼いかケージ飼いか、または飼料によってもPFAS濃度が異なってくると考えられるので、それをふまえて対策に繋げることができる。また、今後に備え、長鎖PFCAの分析法の整備を考えておくとよい。

(農水省)鶏卵については必要に応じ今後検討していきたい。長鎖PFCAについては分析法整備に着手しているところ。今後、国内外の動きにあわせ、必要な調査ができるような体制を整備していきたい。

 
(鈴木氏)アユの高いデータについて、種特異的なものでないとすると、要因の追及が難しくなると思うが、今後の方針について教えて欲しい。

(農水省)アユについては、有識者の助言をいただきながら農水省が検討をリードして進めていきたい。

 
(畝山氏)農林水産省ができることはほとんどやってあると受け止めた。消費者としては輸入食品も含めて気になるところ。消費者が摂取する食品のPFASの全体像を見るためには、海外との比較や他のリスクとの比較を含めて、リスク管理の優先順位の検討が必要となるが、その担当は消費者庁となる。データも知見もより多く持つ農水省が、消費者庁をサポートして欲しい。

 
〇情報発信について

(廣田氏)消費者視点では安心材料が多いことを理解。スライド7は消費者にもわかりやすい資料である。アユに関しては、魚種全体のものではなく、毎日食べるものでもないということは理解するが、消費者がこの資料を見ると衝撃が大きい。リスクコミュニケーション時にはよく注意して欲しい。

(森田氏)資料3スライド7の見せ方はとても良い。37品目だとイラストが入りきらないかもしれないが上手に入れ、また黄色い部分のイラストを除いた方が消費者にはわかりやすいと考える。生鮮のみのイラストだと、加工品についてイメージがわきにくくなる点も気になる。

(西川氏)農水省として、自治体・関係団体への周知をどのように考えているか。グループ内に調査結果を提供してしまって構わないか。

(農水省)自治体の担当者向けには説明会を予定。各自治体から個別の説明会開催の要望があれば対応したい。日本全国の実態調査結果であるので、グループ内に周知していただくことは構わない。

 
〇その他

(廣田氏)激甚化する大雨や水害によって、産業廃棄物や汚泥が河川や農地に流入するといったリスクも含めて環境の変化が著しく大きいという前提で引き続きリスク管理の取組を進めて欲しい。

議題3:農業環境中のPFOS、PFOAの野菜類への移行、蓄積性について

資料5に基づき、事務局から説明。資料内容に関する主な議論は以下のとおり。

(西川氏)生産側の立場ではうれしい情報である。この後、これをどう展開していくか議論していただきたい。地方自治体による対策検討の取組について、消安交付金で支援するとのことだが、具体的にどのような取組を想定しているのか。考えている例を教えて欲しい。

(農水省)試験研究の結果と含有実態調査についてはセットで情報提供していく。今回の試験研究は限られた範囲での結果であるが、土壌の濃度に対して農産物の濃度は高くないということはしっかりと理解してもらえるように発信していきたい。一方、農産物を栽培して問題が無いか生産者が不安を感じておられる地域も想定されるところ。そのような場合、交付金を活用して自らの農産物中のPFAS濃度が測定できることを都道府県等の地方自治体にPRしていきたい。

(西川氏)全農では残留農薬を日頃やっている。補助金を出して検査となると、PFOS、PFOAの検査をできるようにしていた方がいいという認識か。

(農水省)貴機関で実施していただくという方法の他、外部委託という方法もある。

 
(田中氏)有益な情報ではあるが、情報の出し方には留意が必要である。あくまで2地域の試験結果に基づくデータであるため、土壌の性質や有機成分、pHといった情報を明確にした上で、可能であれば、どのような条件では移行しにくく、どのような条件では移行しやすいか、といった情報も示して欲しい。ヒ素やカドミウムの例のように移行を低減するための栽培方法の明示なども検討いただければと思う。

(農水省)公表資料にはどのような環境で試験を行ったか記載しているところ。どのような条件で得られた研究成果なのか丁寧に発信していきたい。

 
(山口氏)水掛け論になって申し訳ないが、試験ほ場は農業用水でPFAS濃度の高いところを選定しているが、農業用水が高いから土壌が高いのか、土壌が高いから水が高いのか、その原因がわかるといいのだが(意見であり、回答を求めるものではない)。

(農水省)ご意見として承った。

 
(森田氏)消費者にとってありがたいデータ。PFAS濃度が高い地域で不安に思っている方には、是非届いてほしい。ただ、今回試験した農産物は大丈夫だが、畜水産物や、そのほかの農産物はどうなのか、といった疑問を生じさせることも考えられ、情報の出し方はとても難しいと思う。

(農水省)ご助言をよく踏まえて、今後の情報発信、リスクコミュニケーションに生かしていきたい。

議題4:その他の報告事項

参考資料4のとおり食品中のPFASに関するQ&Aを更新する旨事務局から報告。

2.今後の予定

必要な修正を行った上で11日夕方に調査結果を公表。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:リスク管理企画班
代表:03-3502-8111(内線4459)
ダイヤルイン:03-3502-7674

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader