第20回 公共サービス改革法に基づく民間委託統計調査に関する技術検討会 議事要旨
1. 日時
令和6年10月4日(金曜日)15時00分~16時20分
2. 場所
農林水産省統計部第1会議室(北別館3階、ドア番号 北314)
3. 出席者
(委員) 安倍澄子座長、助川正文委員、土屋隆裕委員
(事務局)統計部 統計企画管理官、経営・構造統計課、生産流通消費統計課
4. 議題
令和6年度市場化テスト対象2調査(農業物価統計調査、内水面漁業生産統計調査)の民間競争入札について
- 第5期事業の実施要項(第19回技術検討会以降の変更点)について
- 民間事業者からの提案書に対する審査結果について
5. 配布資料
6. 議事及び要旨
(1)事務局から、第19回技術検討会で審議を行った民間競争入札実施要項(案)の官民競争入札等監理委員会における決定までの変更点、各調査ごとに設置した技術審査委員会による民間事業者からの提案書への技術点の配点等の審査結果について説明し、質疑を経た後、了解を得た。
委員からの質疑は以下のとおり。
(2)質疑の概要(〇は委員からの意見等。→は事務局からの回答。)
- 農業物価統計調査
〇 農林水産省で調査を実施していた時のノウハウや調査客体の補充選定手順、選定が困難になった場合のサポート体制について、実施要項に新たに詳細に記載したことにより、民間事業者から提出された提案書の内容に変化は見られたか。
→ 提案書は、補充選定の実施に関する民間事業者の提案であるため、実施要項に詳細な選定手順等を記載したことによる影響は見られない。
〇 調査を実施し始め、実際に困難な状況になった時、影響が現れるものと理解。
提案書の審査結果にも影響はなかったということか。
→ 影響はない。
〇評価項目の組織の専門性について、「類似調査事業の受託実績があり」から「価格に関する公的調査事業の受託実績はあり」に変更しているが、提案書を提出した民間事業者は価格に関する公的調査事業の受託実績があったのか。
→ 実績のない民間事業者もあったが、評価基準である「調査内容に関する専門知識、ノウハウ等」に基づき加点項目として評価を実施した。
〇 「類似調査事業」では分かりにくいが、「価格に関する公的調査事業」とすると、対象となる民間事業者がどの位あるか不明だが、新規の民間事業者の参入を狭めるのではないかと感じる。調査を的確に実施する専門性を確保する観点からは必要と理解するものの、評価としては、受託実績のある現行の民間事業者より低い採点となり、今後、新たな民間事業者が参入しにくくなるのではないかと懸念する。
→ 当該項目は、必須項目ではなく加点項目としており、実績がないからといって失格になるものではないため、参入障壁は生じないと考えている。
〇 技術審査委員会の委員の多くが、現行の民間事業者に高い採点を行っており、提案書による技術点の評価では、新たな民間事業者が入り込む余地がなく、あとは価格による競争のみとなってしまう。現行の民間事業者は、これまでの経験を踏まえて技術的な優位性を提案書に記載することなどにより、評価が高くなっているということは理解できるが、競争性の確保という観点から見れば、重複した内容も見受けられる評価基準の設定の見直しや加点項目の配点の工夫も含め採点方法等を検討する必要もあるのではないかと感じる。
→ 次回の入札に向けて何ができるか検討したい。 - 内水面漁業生産統計調査
〇 内水面漁業生産統計調査の提案書の審査結果も現行の民間事業者の採点が高い傾向となっているのか。
→ 現行の民間事業者への採点が高い傾向とはなっていない。
なお、調査を実施するための新たな工夫に関しては、新たな民間事業者のほうが評価の高い提案を行っていた。 - 共通
〇 調査の受託実績のある民間事業者の提案書は、新規参入当時に比して技術水準や農林水産統計調査に関する知見が向上することにより、レベルの高い提案書を作成してくる。難しい課題であるが、新たな民間事業者が参入しやすくなるよう、提案書の審査方法について検討されたい。
→ 競争性を確保するための新たな民間事業者の参入の観点から見ると、配点・採点方法等について様々な意見があるものと理解している。どのような工夫ができるか、次期事業の実施に向けて検討したい。
以上