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農林水産省

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第1回 (平成26年8月4日) 議事概要

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開催日時

平成26年8月4日(月曜日)13時00分~15時30分

開催場所

農林水産省  第2特別会議室

出 席 者

【委員】

染英昭座長、黒田栄喜委員、中園江委員、平澤正委員、藤川典久委員、山岸順子委員、吉永悟志委員

 

【ヒアリング対象者】

〇生産者
      東  廣明          個人生産者(北海道)
      柄澤  和久      (株)千手  代表取締役(新潟県)     
      丸井 宏文      (有)丸井農場 取締役(兵庫県)

〇道県担当者
      竹内  稔            北海道農政部生産振興局技術普及課(農業研究本部駐在)上席普及指導員
      小林  巧            新潟県農林水産部経営普及課参事新潟米品質向上担当
      小林  哲也       兵庫県農政環境部農林水産局農産園芸課農産班主査

 

【事務局】

      大臣官房統計部長、生産流通消費統計課長 ほか

 

議事概要

生産者及び道県担当者から本年の水稲の生育・作柄、栽培管理状況等の説明を受けた後、委員との質疑応答・意見交換を行った。主な内容は、次のとおり。

(1) 本年の気象と生育・作柄の状況について

  • 北海道では、育苗期間において気温が高めに推移したことから苗の生育はおおむね順調であった。
    田植え後は6月上旬に30℃に達した日もあったが、その後は平年並みに推移し、初期生育は良好となり、茎数が多い状況であった。
    また、7月以降も低温はなく、高温・多照で経過したことから、出穂期は平年に比べ、4~7日早まっている。
    ただし、早期異常出穂の発生が散見されることや茎数が多いため出穂が長期になることが考えられ、出穂のばらつきにより収穫適期の判断が難しいことや、草丈が長いことよる倒伏リスク等が懸念される。
  • 新潟県では、6月上旬植えで田植え期間中の強風により植え傷みがみられたものの、全般的には生育は順調で、6月に入っての高温で茎数は急激に増加しやや多い状況となっている。
    また、草丈は7月中旬まではやや短めであったが、直近でみるとやや長いとなっている。
    出穂期は平年より2日程度早く、今週1週間でほとんど出穂するとみている。
    高温対策として、かけ流しという指導もあるが、現場では水利の関係で難しい面があり、飽水管理というものを実施している。
    この飽水管理は、水温を下げるということよりも根の活力の維持に視点をおいたもので、常時水を貯めるのではなく、湿った状態に保つようにする管理である。
  • 兵庫県では、地域的に生育に差がみられ、県北の但馬地域では茎数がやや多く、県南では少ない状況となっている。
    また、早生種では生育は順調であったが、晩生種では7月上旬の日照不足の影響が懸念される。
    7月以降、高温・少雨で推移していることの影響も懸念される。

 

(2) 稲作技術の展開方向が作柄・収量に及ぼす影響について

ア  環境保全型農業による栽培の展開が近年の気候変動の中で作柄及び収量に及ぼす影響について

  • 環境保全型栽培であるイエス・クリーン栽培と慣行栽培では、収量的に慣行栽培に対してイエス・クリーン栽培は1割少ないという収量差となるが、付加価値をつけることで収益性は確保している。
  • 品質低下の大きかった平成22年より以前は、特別栽培米と慣行栽培ともに一等米比率が90%台であった。
    平成22年は穂肥の時期に雨が多かったなど特殊な年であった。
    特別栽培米にも20年近く取り組んでいるが、ここ数年はほ場によっては高温の影響で心白米等の発生がある。特別栽培米の場合、穂肥の施用時期等に制約があり、施用の判断が難しい。
  • 有機質肥料としてビールかすを使う栽培を行っており、追肥をしなくても収量的には8俵程度を維持している。
    特別栽培米と慣行栽培で収量の差はほとんどなく、また、年々の収量の変動幅もそれ程大きくない。収量よりも食味を良くすることに重点を置いた栽培を行っており、全て一等米となっている。

 

イ   新品種の導入、施肥体系の変化等の稲作技術の展開について

  • 環境や防除労力の軽減に配慮した品種の導入(農薬節減)や、一定品質の確保を前提とし多収や低コストを追求した業務向け品種・栽培法の導入など、多様な用途に応じた米の提供に取り組んでいくこととしている。
  • これまでの基肥と穂肥の施肥体系の中にあって、1枚のほ場の面積を大きくした際の穂肥に係る労力軽減の対応のため、基肥一発施肥の栽培にも試験的に取り組んでいる。
  • 多収の新品種を試験的に導入しているが、新品種に合った栽培技術を確立する必要がある。
    昨年は穂肥としての窒素は施用はせず、リン酸のみだったので、今年は穂肥として有機配合を施してみたが、収量がどうなるか状況をみてみたい。

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