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農林水産省

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水稲の作柄に関する委員会(平成30年度第1回)議事概要

1 開催日時

平成30年8月6日(月曜日) 15時00分~17時30分

2 開催場所

農林水産省 第2特別会議室

3 出席者

【委員】
雨宮宏司座長、荒井裕見子委員、黒田栄喜委員、竹川元章委員、 平澤正委員、山岸順子委員、吉永悟志委員

【ヒアリング対象者】
生産者

  • 藤田 稔 安子島米米倶楽部 代表(福島県)
  • 中川 一男 農事組合法人上望陀 代表理事(千葉県)
  • 森脇 康博 農事組合法人おきす 代表理事組合長(島根県)

県担当者

  • 鈴木 幸雄 福島県農林水産部農業振興課(技術革新支援担当)主査
  • 保坂 信久 千葉県農林水産部担い手支援課専門普及指導室主任上席普及員
  • 野津 孝徳 島根県農業技術センター技術普及部農産技術普及課長

【事務局】
大臣官房統計部長、生産流通消費統計課長 ほか

4 議事概要

生産者及び県担当者から本年の水稲の生育・作柄、栽培管理状況等の説明を受けた後、委員との質疑応答・意見交換を行った。主な内容は、次のとおり。

(1)本年の気象と生育・作柄の状況について

  • 福島県では、育苗期から移植期にかけて天候が順調に推移したため、は種作業及び移植作業は平年並みとなった。また、県内では慣行の2~3倍量の種子を播種する育苗法が増えており、今年、2,000ha以上のほ場で取り組まれた。移植後、県内の水稲の生育は順調に推移した。7月以降、高温に推移したため、幼穂形成期は平年より早まった。その後も高温が続いているため、出穂期は平年よりも4~5日程度、早まると見込まれている。なお、本年は、6~7月の少雨により7月30日時点の県内の農業用ダムの貯水率が40%(平年の66%)になっているため、「飽水管理(田面が乾燥していない、溝などに水がある状態)」での水管理を行っている。
  • 千葉県では、育苗期から移植期にかけて天候が順調に推移したため、移植作業は平年に比べて早かった。その後も天候に恵まれ順調に生育が進み、出穂期は平年より3~4日程度早まっている。成熟期も平年より早まると思われるが、7月中旬から気温が平年より3~4度高く推移しているため、登熟障害による乳白米等の白未熟粒の多発により品質低下が懸念される。
  • 島根県では、平坦部で田植期以降おおむね天候に恵まれ、最高分げつ期が平年より早くなったため、多くが無効分げつとなり、茎数は少なくなった。7月以降、気温が平年より高く推移しているため、登熟障害による乳白米等の白未熟粒の多発により品質低下が懸念される。また、平成30年7月豪雨による影響はあまりみられず、少雨で推移しているため、幼穂形成期から穂ばらみ期は水不足とならないよう十分に注意が必要である。

(2)稲作技術の展開方向が作柄・収量に及ぼす影響について

  • コスト低減のため、数年前から植付株数を減らしているが、品種によっては分げつが足りなく収量が落ちてしまうため、その品種については従来の栽植密度を維持することとしている。
  • コシヒカリはある程度の分げつが確保できるので、疎植でも従来の栽植密度に近い収量が確保できるのではないか。
  • 分げつの確保できない品種については、疎植よりも密苗・密播の方がコスト低減になるのではないか。
  • 追肥作業の軽減、低コスト化から一発型肥料による全量、基肥施用が増えているが、高温で経過するような年は溶出が早まり、穂数、1穂籾数への影響、登熟期の稲体窒素レベルの低下による品質、稔実への影響が懸念されるのではないか。
  • 密播・密苗・疎植等によるコスト削減に取り組むに当たり、収量が落ちないように、品種特性等の適切な情報発信に取り組んでいきたい。

(3)需要に応じた主食用米の生産の着実な実施に向けて、水田経営をどのように考えていくのかについて

  • 水田輪作については、水稲、麦、大豆の2年3作が主流である。最近では大豆の代わりにハト麦、そばが入ってきている。しかしながら、水はけが悪い地域のため、麦の播種期に降雨が多く、安定的な収量の確保が出来ない。そのため、夏作、麦、水稲の輪作体系で行いたいと考えている。

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