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農林水産省

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第5回農業の「働き方改革」検討会 概要

日時

平成30年3月20日(火曜日)16:00~17:15

出席者

出席者:(委員)

会津委員、延與委員、丸田委員、三浦委員、山田委員、鈴木委員、德田委員、名越委員、深沼委員

(農林水産省)

大臣官房   天羽総括審議官、木村政策課上席企画官
経営局   大澤経営局長、德田参事官、森田経営政策課長
佐藤就農・女性課長(司会)
技術会議事務局   菱沼研究総務官
食料産業局   得田企画課長
生産局   坂畜産企画課長、秋葉技術普及課長、谷地域対策官
仙波園芸作物課課長補佐
政策統括官   堺田穀物課長、鳥海地域作物課長

概要

【ポイント】

  • 検討会の取りまとめ骨子案について議論。
  • 取りまとめ案について、委員からは、「なぜ」働き方改革が必要なのか分かりやすく示すべき、ステージ1により注力すべき、農業者向けの媒体の必要性・伝え方を工夫するべき等の意見があった。
  • 今回の議論を踏まえ、取りまとめ案について修正を行い、年度内に公表する予定。

1.取りまとめ案について説明

経営局德田参事官から、資料1に基づき説明。

検討会取りまとめ案については、働き方改革に農業経営者の皆さんが取り組んでいただくため、農業経営者や現場で活動されている委員の皆様から頂いたご意見、ヒアリングで頂いたご意見をそのまま反映する形で作っている。改めてこのような形で案ができたことに、委員の皆様はじめ関係者の皆様に御礼申し上げたい。

2.主要品目毎の課題と経営者の取組(例)(案)について説明

農業といっても品目毎に働き方や導入する技術も違ってくる。品目毎の違いや特性を踏まえより実践的な現場の問題解決のためにまとめたものであり、この検討会報告の別冊参考資料としてまとめたい。

3.意見交換

(延與委員)
「1  今こそ農業経営者」というところでもう少し強く言っていただきたいのは、経営者に情報リテラシーをもっと強く持っていただくことが必要であるということ。特に畜産、酪農は非常に高価な機械がたくさんあり、情報がない中で安易に人手が足りないから機械を買って失敗したとか取り返しのつかないことが非常に多い。未熟な機械もたくさんある。農水省や他の機関からいろいろと出ている情報を自分たちで取りに行くような情報リテラシーが農業者には必要。

(山田委員)
取りまとめの2のステージ1。人数的にはここが多分一番多いと思う。このステージ1をもう少し細かく記載できないか。<経営理念や目標を作る>とあるが、これはかなりレベルが高い。そういう意味ではステージ1が働き方改革の肝の部分だと思う。このステージ1という人たちはどれくらいの割合なのか、数値などもあれば。なお良い。
また、品目ごとの課題のところでは、昨今異常気象によるいろいろな被害等も多く出ているので、そのための対応や回避策の必要性に関する項目もあればよりいっそう具体的な資料になるのでは。

(畜産企画課 坂課長)
延與委員からいただいた意見について、特に畜産だと酪農がよく言われるが、ご指摘の通りモノは買ったが資金が行き詰まったということになってはいけない。国の事業での支援においても、都道府県への申請段階で資金計画・事業計画を地に足のついたものにしてから国に申請するという形にしている。ご指摘の点は重要であると認識している。

(就農・女性課 佐藤課長)
山田委員からいただいたステージ1が肝であるということは我々も同様。法人化していない経営体の経営者の方々にもやはり働き方改革に取り組んでいただきたいので、そこに浸透させていくためにも、我々もしっかり取り組んでいかなければならないと思う。

(園芸作物課 仙波課長補佐)
山田委員から異常気象についてご提言いただいた。なるべく気候変動でも収量が変わらないように努力するとか、実際に影響が起きた時にいろいろな法人間の連携によって対応していくといった取組により、仕事を計画的に進めて人材の確保にもつながるということもあるかと思う。そこを受け止め、工夫して加えたい。

(丸田委員)
取りまとめのターゲティングがどこなのか。目次の1と2は農業者に対しての問いかけ。3と4はむしろ行政の人たちに対しての呼びかけだと感じる。1、2はガイドブック的に冊子になって農業者に配られるべき。成果物の打ち出し方をターゲットとなる人にあわせて工夫してほしい。

(就農・女性課 佐藤課長)
農業者向けには、この取りまとめの中身である働き方改革の重要性について理解していただく必要があるので、別途リーフレットを年度内に作る予定。これらと併せて成果物としてホームページに一緒に載せるよう準備を進めている。

(丸田委員)
取りまとめの15ページで、作業の負担軽減を言っているのに「アシスト機能により夜間作業も可能に」とあると、仕事をたくさんしなさいと言われているように感じた。夜も働くのかと。
もう1つ、検討会取りまとめ案と品目毎の課題と経営者の取組については、一緒に使われるものだと思うので、この2つの資料のリンクを明確にすべき。共通性を持てるような形での造りにしていかないといけないと思った。
また、コメの品目毎課題の部分などもみていて思うのが、大規模化して先端技術を導入しようという段階に行く前にもっと経営者がやるべきことがたくさんある。基盤整備を進めてくれないと、大規模化したとしても先端技術を導入できないので、国がインフラを整えていくということと、実際の農業者が取り組むべきことの両輪でバランスをとるべき。

(就農・女性課 佐藤課長)
頂いたご意見については検討して、また委員の先生方にもご相談していきたい。また取りまとめと品目ごとの資料と連携性を持つことは、働き方改革の推進のあり方にも絡んでくると思うので、そこについても検討していきたい。

(会津委員)
ステージ1のハードルが高いのはその通り。また、「働き方改革をしましょう」とただ冊子を渡され説明しただけでは、中身がなくて意味がない。意識を改革する必要性がもう少しあってもいいのでは。その他は労務関係についても冊子に書いてあるので、読めばやるべきことが書いてあってよい。12ページなど、非常に勉強になることがあり、自分も地元に持ち帰り仕事に反映させていきたいと思っている。

(三浦委員)
1ページ目の「なぜ」を採用していただきありがたい。カギ括弧2つの部分を読んでこの後を読むか決めると思うが、現段階ではここの内容が2つとも人に対してのアプローチが重なっている気がする。例えばもう少しターゲット層を広げるとすると、「事業を発展・継続させたいがどう一歩踏み出せばいいかわからない」など、人が集まらないことだけではなく、1つはアプローチを変えるだけでその後読み続けてくれる人が増えるのでは。

(就農・女性課 佐藤課長)
たいへん的を射たご指摘。前向きに検討したい。

(鈴木委員)
働き方改革とは何か端的に言っているのが1ページ目の「意識改革につなげていくことが重要です!」の冒頭3行。ここはすごく重いことを言っていると思うので、もっと目にしやすいように大きくしてほしい。また2ページの「『選ばれる』経営体に・・・これが『働き方改革』なのです」とここも説明があり、ここがポイントをついたところだと思うので見やすくして欲しい。

(就農・女性課 佐藤課長)
先ほども申し上げたように別途リーフレットを作ろうと思っているので、その際は今のご指摘を反映する形で考えたい。

(德田委員)
新規就農者、準備者、予備軍から見ると2.13が重要。2.13では少し後ろすぎる。どうせならステージ3の「人材を育成しさらに発展する」の前、ステージ3の頭にもってくるべきでは。

(名越委員)
取りまとめの内容をどうやって伝えていくか。どのくらい伝わっているのかを見える化することが大事。例えば、取りまとめの成果目標の1つとして、なりたい職業ランキングで農業がベスト10に入るとか、皆が目に見て納得できる目標設定が大事。また自分も普段の仕事の中で感じるのはSNSの力が大きいこと。ホームページから資料にたどり着くまでにクリックを重ねて進んでいかねばならないことがすごく多くて、どこに情報があるかわかりにくい。いかに簡単に情報に触れられるか、ここで貴重なご意見がたくさん出たので、日常的に簡単に触れられる手段を考えないといけないと思う。

(就農・女性課 佐藤課長)
目標設定については我々も問題意識を持っている。また、SNSの活用にはこれまでも取り組んでいるが、それでも伝わるべきことが伝わっていないようなご意見を現場でいただくことが多い。今後工夫をしてみたい。その際は是非PRに名越委員のお力をお借りしたい。

(深沼委員)
取りまとめの7ページの具体例の下の【2】で「農繁期は休まず働き」という表現がすごく引っかかった。おそらく週休1日くらいは取っている前提での表現かもしれないが。農業では良いかもしれないが他の産業だと完全に労基法違反になる。他の産業と比較して問題となるような働き方を提唱するような表記はいかがなものか。例えば「農繁期は集中して働き」などとするべき。
もう1つ、主要品目ごとの取組のほうについて、最後のほうで労働安全について非常に細かく提言されているが、本体の取りまとめでは8ページ2.7で「労働安全の確保に努めます」というフレーズがあり、しかし内容は何も書いてなかった。おそらく農水省の中では重要な課題の一つであろうと思うので、追加できるようであれば1事例くらい入れられれば良い。

(就農・女性課 佐藤課長)
ご指摘の「農繁期は休まず働き」については推敲したい。労働安全の記述については、検討会で深く掘り下げることが余りできなかったため、書ききれなかった。品目ごとの資料との連携を考える中で整理したい。
また、本日欠席の堀口委員からは、「資料について確認し、幅広い意見を盛り込んでいただいたので特段指摘はない。1点質問として、取りまとめの17ページの一番下に「先端技術の専門家と農業経営者をつなぐ仕組みを作る」とあるが、やはり農業者に向けてプッシュ型で、自動的に情報が配信されるような仕組みがあると良い。」とのご意見をいただいた。これについては、品目ごとにどういう研究が行われているかの情報を掲載した「アグリサーチャー」というサイトがあり、プッシュ型の情報発信はまだできていないが、活用を促していきたい。

(延與委員)
アグリサーチャーは農水省でやっているのか。それとも大学等か。

(技術会議事務局菱沼総務官)
昨年から本格的に始め、大学の先生や農研機構の方々のさまざまな研究やその成果についてわかりやすくまとめている。品目別にもなっている。以前からプッシュ型をどうするのかという話はあり、いろいろな方法があると思うが、生産者の方々も組織化し、一方AIやITCをやっている会社の方々が組織化して一緒にやっていく方法もあり考えていきたい。プッシュ型も何とかうまくできないかと考えている。

4.閉会

(德田参事官)
第5回目の働き方改革検討会がこれで終わりになるが、12月から短期間ではあったが精力的な議論をいただき、このような形で取りまとめられることになった。本日も厳しい意見がいくつか出ており、どう手直ししてくか検討していきたい。この検討会の中身については、現場で先進的に取り組まれている皆様のご意見のお陰で、リアルな取りまとめになり、他の農業者にとっても説得力のあるものになっていると思う。ひとえに委員の皆様方のお力に感謝申し上げる。ご覧の通り、今までの役所の文章にならないよう心掛けて取りまとめたので、最初に佐藤課長が言ったように、検討会でのご意見を踏まえて作成したほうがいいものになるということで、最終的にこういう形とした。働き方改革待ったなしの状況で、我が国全体が人口減少社会に突入、加速化している中、今までは農業ばかりが厳しいと言われていたが、これからはそういう状況でなく、他産業の方がむしろ働き方改革を先行して進めているということで、農水省としては遅ればせながらということになった。これからしっかり我々としても、農業こそが一番魅力があると選択されるように、農業者の皆さんと力を合わせていければと考えている。検討会の取りまとめとしては、農林水産省としてもしっかり内容を周知すべく、先ほどSNSの話も出たが、さまざまな方法を多用して取り組んでいくので、委員の皆様にも引き続き情報発信等についてもご協力いただきたい。最後に改めて感謝申し上げ、閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

(以上)

お問合せ先

経営局就農・女性課

担当者:企画グループ
代表:03-3502-8111(内線5190)
ダイヤルイン:03-3501-1962

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