食育推進ボランティア表彰
更新日:平成28年9月26日
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食育推進ボランティアとは
目的
食育の推進は、国民一人一人の食生活に直接関わる取組であり、これを国民に適切に浸透させていくためには、国や地方公共団体による取組だけでなく、国民の生活に密着した活動を行っているボランティアの役割が重要です。
食育は、子供から高齢者まで生涯を通じて様々な取組を推進する必要があるが、とりわけ若い世代における食生活の在り方が問題になっており、その不適切な食習慣は長期にわたって継続しがちであることから、若い世代の食に対する意識改善を喚起する必要があります。
また、我が国は食品ロスを大量に発生させている一方で、貧困などにより栄養バランスの確保が困難な者もいる。特に子供の相対的貧困率が上昇する中、こうした子供たちに対して食料の提供や共食の場の提供等と併せて健全な食生活に関する情報の提供等を通じて食育を推進することも極めて重要です。
そこで、これらの食育活動の推進を奨励するため、他の地域においても食育活動を推進する上で参考となりうるような先進的な取組をしているボランティアを表彰します。
表彰の対象
表彰の対象は、若い世代(概ね40歳未満の者)を対象とした望ましい食習慣の普及啓発等又は貧困の状況にある子供への食育を推進する活動に関して顕著な功績のあった1.から3.までのいずれかに該当する食育推進ボランティアとしています。
- 各都道府県又は政令指定都市が把握している食育推進活動を行うボランティア団体(食生活改善推進員で構成される団体(市町村を単位とするもの)を含む)
- 上記1.の団体と同等の活動を行う個人
- 大学、短期大学、高等専門学校又は専門学校の学生を主体とする団体であって、上記1.の団体と同等の活動を行うもの
推薦の募集
農林水産省は、都道府県若しくは政令指定都市又は大学、短期大学、高等専門学校又は専門学校から表彰の対象となる者の推薦を募集します。
審査
- 有識者から構成される審査委員会を設置します。
- 審査委員会は、審査基準に基づく審査を行い、表彰の候補を選定します。
受賞者の公表
農林水産省は、受賞者及びその活動概要を取りまとめ、広く関係機関等に配布するとともに、農林水産省ホームページに掲載します。
その他
平成28年度における表彰は、食育推進ボランティア表彰推薦要領(平成21年1月20日内閣府食育推進室長決定)に基づき、内閣府食育推進室長が実施した推薦の募集を、農林水産省で行った推薦の募集とみなして実施しています。
平成28年度の受賞者一覧
団体・個人等 | 主な取組内容 | 推薦 |
須釜 千代 | 食生活改善推進員の一員として、県民の健康水準の向上・食育の推進を継続し、人と人とのつながりを大切にした地域に根ざした活動で、料理教室や食育セミナーをはじめ行政等のイベント協力依頼等に対して、積極的に対応しています。 「私達の健康は私達の手で」をスローガンに、減塩料理・野菜たっぷり料理・郷土料理などの紹介 栄養バランスのとれた食生活の大切さを伝える一声活動 小・中学生を対象とした伝統料理教室 高校卒業生に対する食育活動 食育月間や食育の日の普及啓発活動 長年の活動は、子どもや若い世代の県民にも受け入れられ、食育の大切さや、食文化の継承にもつながり、ひいては県民の健康寿命の延伸と生活習慣病予防にもつながっています。 |
福島県 |
あどぼけの会 | 農地の管理団体の会が地元の保育園児を対象に、将来の後継者の育成を目的として、自分たちで植え付け収穫し、食べるという一連の作業を通じ、食べ物のありがたみを学ぶ食農教育活動を行っています。 ジャガイモやさつまいもの植え付け・収穫 古代米の田植えや稲刈り、 餅つき等の指導及び体験活動の実施 「食べ物や食べ物に関わる自然や人たちへ感謝する心」を育み、好き嫌いなく食べるといった食習慣の基礎を形成するとともに、体験活動を親子や地域コミュニティ(老人会、食生活改善推進員、地域住民)全体で実施して、あたたかい絆を育む取組となっています。 |
群馬県 |
越前市食生活改善推進員会 | 「越前市健康21計画」を柱に『-3gの減塩』『+100gの野菜摂取』について重点的に取り組み、公民館等での料理講習会開催や地区健康まつりでのPRなど継続的に活動しています。 自ら調理することで健康に気を配ることにつながる男性の料理教室の開催 市内全保育教育施設に呼びかけてお釜でご飯を炊く「ごはん塾」や親子の料理講習会の実施 薄味でもおいしい料理を掲載した「かんたん減塩レシピ集」を作成 中学3年生と保護者向けにレシピ集の配布 「次世代につなぐえちぜんの味伝承料理レシピ集」を発刊 各世代、それぞれのライフステージを通じて健全な食生活への実践を促すとともに、地場産物を使った伝承料理のすばらしさを考える機会を作る取組となっています。 |
福井県 |
愛媛県立宇和島水産高等学校 | 水産高校生による保育園児、小学生、保護者を対象とした「魚食教育」の支援や魚加工品の研究・開発で地域経済の活性化に貢献しています。 魚の美味しさや栄養価値を伝える調理実習 地域の魚を使った「ご当地メニュー」を開発し、地元製造業者とコラボレーションした商品販売 国、県、市等が主催するイベンでのまぐろの解体ショーや加工品の販売、「鯛ピザ」等のブースの運営 地元魚「愛育フィッシュ」を使用した加工品(缶詰・瓶詰など)研究・開発 魚を使ったメニューや調理の支援により健全な食生活の支援を行うとともに、加工品の研究や商品開発で愛媛の水産業を全国にアピールする取組を行っています。 |
愛媛県 |
那須塩原市食生活改善推進員協議会 | 市の健康増進計画「健康いきいき21プラン」に基づいた健康づくりを推進し、食育推進活動を実施することにより子供から大人までの各ライフステージを通じ、生活習慣病予防に重点を置いた一貫性のある食育活動を行っています。 また、健康に関心の薄い層への働きかけの必要性から「来所型」から「人が多く集まる場所への訪問型」へとシフトし、様々な機関と横のつながりを持った活動を展開することで、より多くの市民に対する普及活動が可能になるとともに、地域の食生活改善に資する取組となっています。 子育て中のパパママを対象とした食事バランス教室の開催 公民館と連携したおやこの「食育教室」の開催 中学校の総合的な学習の時間における食育「お弁当づくり」への協力 自治会主催「子育てサロン」における減塩推進活動 30歳、35歳節目健診およびがん検診の受診者に対する減塩推進活動 |
栃木県 |
新居を花いっぱいにする会 | 新居小学校5年生を対象に地域住民と一緒になって、自然環境や自身の食生活、食の重要性に関心を持ってもらうことを目的に、農作業で収穫したもち米から赤飯を作る食体験を通じて地域住民と児童のつながりを深める活動をしています。 米作り(5月上旬田植え、9月上旬稲刈り) 赤飯づくり(独居老人に赤飯を届けることで喜んでもらい、感謝される喜びを知る) 経験で感じたことを発表し、交流 日々の生育観察で自然環境や自身の食生活、食の重要性に関心を持つきっかけとなる取組であり、また独居老人に赤飯を届けることで感謝される喜びを実感し、食を通じたコミュニケーションの大切さを知る機会ともなっています。 |
高知県 |
FAS | 栄養学と教育学を学ぶ学生が自身の実践力を養うとともに、食を通じた地域の活性化に貢献するため、児童館にいる子どもたちを対象に食事バランスについての栄養教育を実施しています。 地元企業や地元住民の方々と連携し、地場産品を使った子どもにも親しまれる衛生面、および栄養面にも配慮した災害食レシピを開発 若い世代への地産地消の定着と地域の活性化のための活動 地域の食産業と連携したレシピ「アカモクプロジェクト」(海藻の一種である「アカモク」をPRするための活動)の実施 活動は全て地域と連携しており、災害時の食の問題を考え、子供たちや地域住民への食の備えの大切さを伝えるとともに、地産地消の食材を使用して地域の農林水産業にも貢献する取組となっています。 |
宮城学院女子大学 |
ヘルスチーム菜良協議会 | 各大学ごとあるいは4大学連携で若い世代を中心とした栄養・食生活に関する啓発活動や自治体や他団体、企業等と協働で啓発媒体の作成やイベントや講座の実施協力を行っています。 文化祭での食事診断、食育ゲーム、パネル展示で高校生・大学生への食生活改善・健康づくりの普及啓発 新入下宿生への食事バランス講習・クッキング講習 奈良県「おでかけ健康フェスタ」でのヘルシーブランチの提供や子ども向け食育 学食との協働によるヘルシーランチ開発、販売 高校生向けの健康ガイドブック、簡単料理レシピ、かんたん調理DVD等の作成 栄養・食生活に関する啓発活動は企業等と連携した活動へと広がっており、またメンバー自身が活動を通して得た知識や情報を友人等身近な人に伝えるなど自分自身や周囲の行動変容につながる取組となっています。 |
帝塚山大学 |
県立広島大学 ヘルス・ネット | 地域とともに地元食材のレシピ開発や健康的で栄養バランスに配慮した食生活普及のための食育活動を通じて、地産地消の普及や健康の維持増進に寄与しています。 乳幼児の親子、小学生を対象とした食育講座の実施 学内・外で実施する小学生を対象とした料理・おやつづくり教室等、公開講座の企画・運営 オープンキャンパス時に食堂受託業者と連携し高校生を対象に食事の提供などで普及活動 大学生を対象としたバランスのとれた食事の提供と自作DVD等の放映、講話で栄養教育を実施 広島県産食材を使用したスイーツの開発・販売とレシピ開発・普及 テレビ局と連携し、ホームページに食育情報とオリジナルレシピの掲載 地域住民に対し、減塩の取組実施 乳幼児から小学校、高校~大学生、地域住民への食育講座やマスメデイアを利用した積極的な情報発信を実施するとともに、活動記録による振り返りや課題解決で、常に活動の改善を行い、成果を上げています。 |
県立広島大学 |
弥生母親クラブ「ほっとまま」 | 母親クラブと児童館が協力して、地区内の小学生の希望者に対し、年間テーマに沿って、調理、作物の栽培、食に関する現地見学、手作り食品の販売等を行い、食への関心を高め、考え選択できる力をつけています。 作物の栽培、乳搾り体験 地域の生産現場で食に関する現地見学 保存食作り、手作り食品の販売、 オリジナルレシピによる料理コンテストへの参加 講師学習による学習会の実施 体験内容のパネル展示で発表 地域食材や料理を学ぶことで、世代間交流や地域の活性化にも繋がっています。また、ボランティアメンバーの母親たちは子供を指導するのではなく、ともに体験を共有することで、押し付ける食育ではなく、子供自らの考えでより深く食育を理解していく取組みとなっています。 |
大分県 |
平成28年度食育推進ボランティア表彰事例集(PDF : 1,999KB)
お問合せ先
消費・安全局消費者行政・食育課
代表:03-3502-8111(内線4601)
ダイヤルイン:03-3502-5723
FAX番号:03-6744-1974