このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

2 農山漁村の維持・活性化


農林水産業や住民の生活の場である農山漁村は、食育を進める上でも重要な役割を果たしており、これを支える地域コミュニティの維持・活性化を図る必要があります。

このため、農林水産省は、平成28(2016)年度から「農山漁村振興交付金」により、農山漁村が持つ豊かな自然や「食」を観光・教育・福祉等に活用する地域の活動計画づくりやそれに基づく取組、地域で生産される農産物の加工・販売施設の運営など地域資源を活用した地域の自立及び発展に資するための実践活動の取組を支援し、農山漁村の維持・活性化を促進しています。平成28(2016)年度は全国95の地域協議会に対して、地域の活動計画策定や農産物の加工・販売施設の運営など農山漁村の維持・活性化に資する取組を支援しました。

事例:「教える前に体験しなきゃ!」先生のための農村ホームステイ

北海道農協青年部協議会

北海道農協青年部協議会は、北海道の農業の将来を担う20歳代から30歳代までを中心とした若い農業者の組織です。「食」や「農業」の大切さを伝えるため、これまで多くの関係機関と連携しながら食農教育活動を実践してきました。特に子供たちのための「子ども農業体験」は、道内外の児童・生徒たちにたくさんの学びと気付き、ふれあい、感動の機会を提供してきました。

「農村ホームステイ」での農作業体験

「農村ホームステイ」での農作業体験

「農村ホームステイ」を経験した先生による学校での授業風景

「農村ホームステイ」を経験した先生による
学校での授業風景

これらの取組を更に深化させるため、子供たちに教える立場にある先生たちとの連携が重要であると考え、平成25(2013)年に開始した「食の大切さを伝えるプロジェクト」において、小学校・中学校・高校の先生のための「農村ホームステイ」を実施しています。これは、若手農業者が先生を1泊2日で受け入れ、農家宅のありのままの生活や農作業を体験してもらう取組であり、「教育のプロ」である学校の先生と、「農業のプロ」である農業者及びその家族との交流を通じて、共に「食や地域の大切さ」を子供たちへ伝えることについて考えるというものです。

平成25(2013)年度に道内4地区での取組からスタートし、平成26(2014)年度以降は全道に展開、平成28(2016)年度は全道で29事例の取組を実施しました。さらに、北海道教育委員会が実施する新規採用栄養教諭研修のプログラムとしても「農村ホームステイ」が組み込まれるようになるなど、取組が広がってきています。

「農村ホームステイ」のメリットは、農家宅に泊まってもらい農家の家族との時間を一緒に過ごしてもらうことにより、農作業体験だけでは伝えられない農家の想いや、学校・地域のことなど様々な事を話す機会を持てることだと考えています。参加した先生たちからは、「『いただきます』その言葉の奥にある意味を理解できた」、「一口分の野菜にかかる時間と労力、食べ物との向き合い方を考えさせたい」、「給食の残りが多いので子供たちに食べ物の大切さを伝えていきたい」などの声が寄せられ、大きな手応えを感じています。また、「農村ホームステイ」を終えた先生たちは、自分自身の体験を学校に持ち帰って子供たちに伝えてくれています。

さらに、平成26(2014)年から「農と学びの連携を考えるフォーラム」を毎年開催し、農業者、教育関係者、消費者、行政が一堂に会した場で、「農」、「学び」、「食」、「地域」について考える場を作っています。「農村ホームステイ」の体験を生かした授業の展開について先生から報告してもらい、農業者からは取組にかける想いを発信するとともに、パネルディスカッションでは、農と学びの将来像などについて熱く語り合うなど、「農村ホームステイ」の価値やその意義についても再確認する場となっています。

今後もこの「農村ホームステイ」の取組を通じて、先生と農業者との絆を育みながら、いのちの糧である「食」を育む農業についての理解を広めていきたいと考えています。



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974