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農林水産省

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3 医学教育等における食育推進


大学の医学部においては、医学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の実践的診療能力を学修目標として提示した「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に基づき、医学生に対する教育が実施されています。

本モデル・コア・カリキュラムでは、食生活を含む生活習慣とそのリスクに関して、生活習慣病とリスクファクター等の基本概念を説明できることや、栄養、食育、食生活を説明できること等が学修目標として設定されています。

このほか、文部科学省では、医学部関係者が集まる会議等において、食育の推進に関する教育の充実について周知・要請を行っています。

事例:調理師養成施設(調理師学校)での「食育教室」の取組

公益社団法人全国調理師養成施設協会(東京都)

公益社団法人全国調理師養成施設協会では、全国の調理師養成施設において、近隣住民等を対象とし、調理師養成施設ならではのバラエティに富んだ「食育教室」を開催しています。令和元(2019)年度は65校で実施され、計4千人以上が参加しました。以下に2校の取組を紹介します。

静岡県浜松市(はままつし)の浜松(はままつ)調理菓子専門学校では、令和元(2019)年9月に「災害時の食を考える~パッククッキングについて学ぼう~」をテーマに、掛川市(かけがわし)健康づくり食生活推進協議会の会員を対象に、講義と実習を行いました。

講義では、ポリ袋を活用した調理方法として、災害時にも役立つ「パッククッキング」の特徴、使用する袋や適した食材について解説し、実習に向けて参加者の理解を深めてもらいました。実習では、「パッククッキング」を活用して「鯖のみそ煮」、「鶏と野菜のうま煮」、「お粥」、「おはぎ」、「さつまいものレモン煮」を調理しました。普段行わない調理法のため、最初は参加者が戸惑う様子もみられましたが、手際よく調理することができました。

「パッククッキング」に挑戦する参加者

「パッククッキング」に挑戦する参加者

参加者からは、「災害時の特別な時だけでなく、常に活用して作るようにしたい」、「思ったよりも簡単で、味がしみ込んでいておいしい」、「お粥がいい。高齢者の分を作り分けられるのがうれしい」といった感想が聞かれました。

愛媛県松山市(まつやまし)の愛媛(えひめ)調理製菓専門学校では、令和元(2019)年6月に「スポーツ選手の効果的な食事の摂り方&夏バテしない食の豆知識」をテーマに、プロ野球独立リーグの愛媛マンダリンパイレーツの選手を対象に、講義と実習を行いました。練習で忙しい中、日々自炊を頑張っている選手のため、栄養に関する専門知識がなくても食事のバランスがとれる方法や食材の選び方、手軽に作れるメニューを取り上げました。

調理した食事を一緒に食べる選手と専門学校の生徒

調理した食事を一緒に食べる
選手と専門学校の生徒

選手からは、「自分たちでも作れそう」、「スーパーやコンビニで手に入りやすい食材を用いることで、調理も簡単で食べやすい。寮でも作ります」と大絶賛でした。スポーツ選手を対象とした今回の取組は、地域活性化につながる食育活動の新たな一歩を感じる「食育教室」となりました。

事例:県や金融機関と連携した短期大学の地域食育推進の取組
(第3回食育活動表彰 消費・安全局長賞受賞)

山梨(やまなし)学院短期大学(山梨県)

山梨(やまなし)学院短期大学では、学生たちの食育実践力の育成と地域貢献を目指し、「食育推進ボランティア」を卒業必修科目「社会人基礎力育成講座Ⅱ」に位置付け、山梨県や地元金融機関と連携して、地域の食育活動に取り組んでいます。学内に設置した地域研究連携センターをボランティアの受付窓口とし、食育推進ボランティアの依頼受付や調整、学生への情報の提供、活動支援を行う体制を整えています。学生は、ボランティア先との日程調整や活動内容等の調整を自ら行い、個人やグループで主体的にボランティア活動に取り組んでいます。

保育所・幼稚園での食育活動

保育所・幼稚園での食育活動

学生が作成した教材(絵カード)を用いた食育ゲーム

学生が作成した教材(絵カード)を
用いた食育ゲーム

児童養護施設に入所している児童を対象とした料理教室は、平成19(2007)年度から年2~3回開催し、将来の自立に向けて料理を学ぶ機会を提供し、入所者の調理技術が向上するよう取り組んでいます。また、保育所や幼稚園での食育活動を年40回以上実施しており、実物の野菜や学生が手作りした教材を用いて、子供の食に対する興味、関心の向上等を育む活動を行っています。同時に、これらの活動には、現場の保育士や栄養士にとっても、食育について改めて考えるよい機会になっているとの感想が寄せられています。

さらに、平成23(2011)年から、地元金融機関との連携事業で、小学生以下の子供から夢のケーキのデザイン(構想)を募集し、入賞作品を実際に学生が製作してプレゼントする「ドリームケーキプロジェクト」を実施しています。「ドリームケーキプロジェクト」は、子供に食の楽しさを伝える機会となっており、令和元(2019)年度は約700件の応募がありました。

これらの活動は、学生の食育活動の実践力の育成(食育の重要性の認識、食育活動の企画力、指導力等)や地域貢献の意識の醸成(地域の一員としての自覚、地域で生きる上での社会性の重要性の認識等)にもつながっています。山梨学院短期大学は、次の時代を担う栄養士、製菓衛生師、保育士、幼稚園教諭、小学校教諭を多く地域に送り出しており、県全体の食育県民運動の原動力の一つとなっています。

「ドリームケーキプロジェクト」で子供がデザインしたケーキのイラストと、実際に学生が製作したケーキ

「ドリームケーキプロジェクト」で子供がデザインしたケーキの
イラストと、実際に学生が製作したケーキ



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消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974

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