2 意見交換会等
食品の安全性等に関するリスクコミュニケーションの取組の一つとして、消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省等が連携して、意見交換会を開催しています。
「食品中の放射性物質」については、平成23(2011)年度から関係府省庁で連携し、重点的に取り組んでいます。
生産現場では、市場に放射性物質の基準値を上回る農畜産物が流通することのないように、放射性物質の吸収抑制対策、暫定許容値以下の飼料の使用等、それぞれの品目に合わせた取組が行われています。このような生産現場における努力の結果、基準値超過が検出された割合は、全ての品目で平成23(2011)年以降低下し、平成30(2018)年度以降は、全ての農畜産物において基準値超過はありません。
消費者庁が令和4(2022)年3月に公表した消費者の意識調査によると、放射性物質を理由に福島県産品の購入をためらう人の割合は6.5%となり、調査開始以来最も低い水準となりました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故に起因する風評の主な要因は、食品中の放射性物質に関する検査の結果等の周知不足であり、広く国民に正確な情報を発信することが重要であることから、復興庁が中心となり、関係府省庁と共に、「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」(平成29(2017)年12月12日原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース決定)を策定しました。本戦略では、福島県産品の魅力、その安全性などの情報発信を一層強化することとしています。
令和3(2021)年度は、食品の安全性確保のために生産現場が行っている放射性物質の低減対策の取組、食品中の放射性物質に関する検査結果の現状等について、正確な情報提供、意見交換等を行い、消費者に正しい情報に基づく自主的な消費行動を促すことを目的とした意見交換会「食品に関するリスクコミュニケーション「一緒に未来を考える~食品中の放射性物質~」」を、令和3(2021)年10月から令和4(2022)年1月、滋賀県、福岡県及び東京都で大学生を対象としてオンライン講義で、令和3(2021)年11月及び令和4(2022)年3月には、一般消費者を対象としてオンラインで開催しました。
さらに、令和3(2021)年11月には、企業が東京都で実施した食のイベントに、関係府省庁が連携して出展し、子育て世代等の食品安全に関する理解の増進を目的として、小学生とその保護者等を対象に食中毒予防及び食品中の放射性物質に関する体験型のセミナーを実施しました。イベントの様子はオンラインでも配信されました。
なお、意見交換会等で使用した資料や議事録は、関係府省庁のウェブサイトにおいて公開しています。
これらに加え、消費者庁では、地方公共団体、消費者団体等と連携し、食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションに重点的に取り組んでおり、令和3(2021)年度は93回の意見交換会等を開催しました。また、食品中の放射性物質以外にも、食品に関する身近なリスクと安全について、消費者、事業者、専門家等の情報共有・理解促進のためのリスクコミュニケーションを実施しています。近年は、輸入食品の安全性確保や健康食品に関する意見交換会等を実施するとともに、地方公共団体と協力して食品安全に関する消費者の身近な場において食品安全に関する正確な情報を発信できる人材(食品安全コミュニケーター)の養成にも積極的に取り組んでいます。
食品安全委員会では、毎年度策定する食品安全委員会運営計画に基づき、食品安全委員会が行う食品健康影響評価(リスク評価)結果等への理解の促進等のため、リスクアナリシス、食中毒等をテーマとして取り上げ、地方公共団体とも連携しつつ、意見交換会を開催しています。令和3(2021)年度は「農薬の再評価」や「加熱不足による食中毒を防ぎたい~肉を安全に調理するポイント」などをテーマとして、報道関係者や事業者等を対象に意見交換会を開催したほか、食品関係事業者等を対象として、講座「精講:食中毒を起こす微生物の性質と牛肉を安全に調理するポイントを知ろう」をテーマとして講演を行いました。また、消費者に対する食品安全教育に資するため、地方公共団体と共催の意見交換会の実施、地方公共団体や消費者団体等が主催する学習会等への講師派遣を実施するなど、積極的な情報提供や意見交換に努めています。なお、意見交換会で使用した資料や議事概要は、ウェブサイトにおいて公開しています。
厚生労働省では、消費者に食品の安全性確保についての理解を深めてもらうとともに、食品の安全性確保に対する意見を聴くために、輸入食品等の意見交換会を開催したほか、地方公共団体等が主催する意見交換会や講習会等の機会を活用し、情報提供や意見交換に努めています。
農林水産省では、食品の安全性確保に向けた意見交換会をウェブで配信しています。
また、「こども霞が関見学デー」では、各府省庁において工夫を凝らしながら、取組を進めています。消費者庁では、「あぶない!それ大丈夫?-子どもの安全・食の安全-」をテーマに、子供に予期せず起こりやすい事故とその予防法について、また、食べ物を安全に食べるために気を付けるポイントについて、動画や実演、クイズを交えてオンライン講習を行いました。農林水産省では、「こども霞が関見学デー」の一環として公開されたウェブサイト「マフ塾」にて、「夏休みの自由研究に!食中毒予防を学んで、「食品安全ハカセ」になろう!」をテーマに、自由研究にも使用できる学習テキストやクイズ動画を用いて、食事や調理をする際、食中毒にかからないために、気を付けるべきポイントを紹介しました。
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