2 「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進
(1)子供の生活習慣づくりの推進

高知家(こうちけ)の早寝早起き朝ごはん
フォーラム2022 チラシ
朝食をとることは、栄養補給だけではなく、脳や消化器官を目覚めさせ、体内時計のリズムを整えることになり、適切な生活習慣の育成と、心身の健康の保持につながります。
文部科学省では、子供の健やかな成長に必要となる、十分な睡眠、バランスのとれた食事、適切な運動等、規則正しい生活習慣づくりを社会全体の取組として推進しています。
令和4(2022)年度は、独立行政法人国立青少年教育振興機構と連携・協力し、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を促進するための「早寝早起き朝ごはん」フォーラム事業を全国2か所で実施するとともに、中学生の基本的な生活習慣の維持・定着・向上を図るための「早寝早起き朝ごはん」推進校事業を全国11か所で実施しました。

「早寝早起き朝ごはん」国民運動
(独立行政法人国立青少年教育振興機構)
URL:https://www.niye.go.jp/services/hayanehayaoki/(外部リンク)
(2)「早寝早起き朝ごはん」全国協議会との連携による運動の推進

大型絵本「にこにこ げんきの おまじ
ない」©やなせスタジオ
「早寝早起き朝ごはん」全国協議会(以下「全国協議会」という。)は、平成18(2006)年に発足し、幅広い関係団体や企業等の参加を得て、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を文部科学省と連携して推進しています。令和5(2023)年2月現在、全国協議会の会員団体数は317で、様々な年齢層の子供や保護者に向けたガイドブックの作成・配布、全国フォーラム・総会の企画・運営等、子供の基本的な生活習慣の確立や生活リズムの向上につながる取組を展開しています。
令和4(2022)年度は、独立行政法人国立青少年教育振興機構、体験の風をおこそう運動推進委員会、全国協議会の三者が連携し、「未来を拓く子供応援フォーラム」を開催しました。同フォーラムは、青少年教育関係者をはじめとした多くの方々に、青少年期における体験の重要性や基本的生活習慣を身に付けることの重要性について理解を深めていただくことを目的としています。
事例:「基本的生活習慣の確立をめざして~朝ごはんの大切さ・朝ごはん実習~」
(「早寝早起き朝ごはん」推進校事業)
大阪府羽曳野市(はびきのし)立高鷲南(たかわしみなみ)中学校
高鷲南中学校では、生徒の基本的な生活習慣の確立を目指して、朝ごはん摂取の重要性に対する意識の向上や、睡眠の確保やスマホ・ゲームの利用時間の短縮といった生活習慣の改善に向けた取組を実施しました。
その中でも、特に食育に関する取組として、全学年を対象とした「朝ごはん学習」や、生徒による「朝ごはんあいさつ運動」、生徒自らが考案した朝ごはんのレシピをまとめた「朝ごはんレシピブック」の作成、栄養教諭が作成した指導案を基に生徒が実際に朝食作りを体験する「朝ごはん実習」など、教職員や生徒が主体となり、朝食摂取の重要性や朝食の具体例についての周知に係る活動を行いました。
取組の推進に当たり、生活習慣全般に関するアンケート「元気調査」(4月、6月、9月、11月、1月実施)を通して、効果の検証を図りました。この調査において、「朝ごはんを食べていますか」の設問に対して「毎日食べる」又は「ほぼ食べる」と回答した生徒数の割合の年間の平均値は90%と、本取組における目標の95%には届きませんでしたが、「朝ごはんがなぜ重要か知っている」の設問では、「知っている」と回答した1年生の回答率が取組の前後で44%から95%に大きく上昇するなど、本取組による生徒の意識の向上が見られました。9割の生徒が朝ごはんの重要性を認識して摂取できているものの、1割の生徒については様々な家庭の事情で朝食摂取の習慣が確立できていないことが分かり、本取組を通して、個々の生徒への支援、保護者への個別アプローチや家庭支援機関との連携等、生活習慣の改善に向けた課題を明確にすることができました。
また、校内における取組のほかに、本校通学区域において、幼稚園、小学校、中学校教職員を対象とした食育指導の専門家による「食育指導研修会」や、本校の栄養教諭が幼稚園、小学校を訪問して行う「食育指導」の実施、また全世帯に回覧される本校の広報誌「絆の街」の発行により、関係者が食育指導について共通のビジョンを持つことができ、保護者や地域住民、市の教育委員会、市の健康増進課といった幅広い連携の強化と意識の向上にもつながりました。
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