このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

2 食生活改善推進員の健康づくり活動の促進


地域における食育の推進に当たっては、地域の健康課題、食習慣、食文化等を理解し、地域に密着した活動を幅広く推進していくことが重要です。一般財団法人日本食生活協会は、その傘下のボランティア団体である全国食生活改善推進員協議会と行政との連携を図りつつ、「私達の健康は、私達の手で~のばそう健康寿命 つなごう郷土の食~」をスローガンに、時代に即した健康づくりのための食育活動を進めています。食生活改善推進員は、市町村が行う食生活改善推進員養成事業を修了後、自らの意思により当該協議会の会員となることで活動が始まり、地域における食育推進活動の最大の担い手となっています。

主な活動には、次のようなものがあり、全国各地で行われました。

(1)子供への食育

おやこの食育教室

おやこの食育教室

「おやこの食育教室」は、年長から小学生の親子を対象に、「食育5つの力」である<1>食べ物をえらぶ力、<2>料理ができる力、<3>食べ物の味がわかる力、<4>食べ物のいのちを感じる力、<5>元気なからだがわかる力を理解することを目的としています。「朝食と共食の大切さ」をテーマに、「食物アレルギー」と「食品ロス」についても情報を発信し、親子での調理体験から食事の大切さを学び、親子で共食の大切さを感じてもらうことにもつながりました。

(2)若い世代への食育

高校への出前授業

高校への出前授業

「全世代に広げよう健康寿命延伸プロジェクト」(第2弾)では健康寿命延伸を目指し、各世代のニーズに沿って地域に根ざした活動をしています。高校生・大学生を対象に、「朝食欠食の解消」と「食事バランスの必要性」をテーマに講習会と家庭訪問を実施しました。この世代は環境が変わり食生活も変化する人が多いため、朝食欠食などの偏った食生活は将来、生活習慣病のリスクが高まることや、健康的な食事の選び方を習慣化することの重要性を伝えました。

(3)「働き世代」への食育

職場訪問

職場訪問

「全世代に広げよう健康寿命延伸プロジェクト」(第2弾)や「生涯骨太クッキング」を通して、「生活習慣病予防」をテーマに、高血圧や糖尿病の予防に重点を置き、「減塩」や「野菜350g以上摂取」、「適正体重の維持」の重要性を伝えました。また、成人男性の食生活の自立を目的に、「男性のための料理教室」を開催し、男性の地域社会への参加や仲間づくりのきっかけも提供しました。

(4)高齢世代への食育

シニアカフェ

シニアカフェ

新型コロナウイルス感染症の感染拡大下において長期化する外出自粛等により、高齢者のフレイル予防や閉じこもりによる孤立を防ぐために、居場所づくりと共食の場の提供として、小さなコミュニティ単位でのお茶会等を行う「シニアカフェ」を開催しました。

また、地域ぐるみでよりよい食習慣づくりを行うことや単身の高齢者への食事支援や安否確認の一つとして、家庭訪問(おとなりさん、お向かいさん活動)を実施しました。

(5)「毎月19日は食育の日」全国一斉キャンペーン活動

平成18(2006)年度から「毎月19日は食育の日。家族そろって食事を楽しみましょう」をテーマに食育の大切さや認知度を高めるため、全国各地において訪問活動やチラシ配布等を行っています。

食育の日キャンペーン

食育の日キャンペーン

事例:住み慣れた地でいつまでも暮らすため、島の特徴を生かした「食」と「健康」をサポート
(第6回食育活動表彰 農林水産大臣賞受賞)

十島村(としまむら)食生活改善推進員連絡協議会(鹿児島県)

親子クッキングの様子

親子クッキングの様子

十島村食生活改善推進員連絡協議会は、離島が抱える課題の解決のため、子供たちの自立に向けた食育活動や食を通した高齢者支援、災害時のための食事作り、健康食堂の開催等、様々な活動に取り組んでいます。

十島村は南北160kmに7つの有人の島が点在しており、村には高等学校がなく、大半の子供たちは中学卒業と同時に親元を離れます。中学卒業までに料理の基本を身に付け、健全な食生活を実践し、生きる力を身に付けてほしいという住民の切実な思いから、各島で親子クッキングや地域に伝わる郷土料理実習等、島ならではの食の学びの機会を提供しています。子供たちは「自分で作るとおいしい」、「みんなで食べるのが楽しい」と話し、親世代は「嫌いと言っていたものをおいしく食べている」と話すなど、双方に気付きがあり、多世代の交流の場となっています。

離島の特性上、保健や医療、福祉のサービスを受けにくく、自然災害に多く見舞われる地域です。そのため、高齢者に料理を渡したり、自宅で一緒に料理の盛り付けや食事に係るアドバイスをしたりと各家庭の状況に応じた対応を行っています。また、ポリ袋に食材と調味料を入れて、鍋に沸かしたお湯で加熱調理する「パッククッキング」等、災害時に備えた食事実習を実施して、災害時においても平時と変わらない食事で住民の方が安心できるよう努めています。

健康食堂での地域食材の説明

健康食堂での地域食材の説明

村内には食事ができるお店がないことから、「食改さんの健康食堂」を開催し、地域の食材をふんだんに使った、バランスの良い、栄養のあるメニューを作り、試食しながら交流し、食生活改善の啓発を行っています。

村民の願いである「住み慣れた島でいつまでも暮らす」ため、「豊かな自然のめぐみ」、「風土が育んだ独自の食文化」、「住民の繋がり」を生かし、これからも「食」と「健康」を支える活動を続けていきます。



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課

代表電話番号:03-3502-8111(内線4578)
ダイヤルイン:03-6744-2125

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader