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農林水産省

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1 地産地消の推進


地域で生産したものを地域で消費する地産地消の取組は、消費者に「顔が見え、話ができる」関係で地場産物を購入する機会を提供し、農山漁村の活性化を図る上で重要な取組です。また、農山漁村における6次産業化(生産・加工・販売の一体化等)にもつながる取組です。

直売所や量販店での地場産物の販売、学校や病院・福祉施設の給食、外食・中食産業や食品加工業での地場産物の利用等により、消費者は身近な場所で作られた新鮮な地場産物を入手できるだけでなく、地場産物を使った料理や地域の伝統料理を食べることができます。また、農林水産業を身近に感じる機会が得られ、食や食文化についての理解を深められることが期待されます。特に、直売所は、販売金額における地場産物商品の割合が約9割を占め、地産地消の核となるものであり、消費者にとっては、生産者と顔の見える関係が築け、安心して地域の新鮮な農林水産物を消費できる、生産者にとっては、消費者ニーズに対応した生産が展開できるなどのメリットがあります。また、地場産物の販売だけでなく、地場産物の特徴や食べ方等の情報提供を行っており、消費者と生産者とのコミュニケーションを生かした食育の場にもなっています。

地産地消を推進する際には、地域の自然、文化、産業等への理解を深めるとともに生産者の努力や食への感謝の気持ちを育むことが重要です。また、食料自給率の向上に資する国産の小麦や我が国で唯一の自給可能な穀物である米を原料とする米粉の利用について理解を深めることも重要です。農林水産省では、国産小麦や米粉の利用拡大に向けて、食品関連企業等の新商品開発等を支援しています。また、米や米粉の魅力を広め消費拡大を目的として、「米・米粉消費拡大推進プロジェクト」を立ち上げました。令和6(2024)年度は、ウェブ動画CMの配信や、食の専門家が集って米粉普及の未来を探求するコミュニティサイト「米コ塾」の開設、全国の外食チェーン店約2千店舗と協賛した「米粉のグルメフェア」を開催するなど、広く全国的な取組を実施しました。

地域産品として子供の頃からジビエに慣れ親しんでもらい、農村地域の課題となっている鳥獣被害対策等の現状への理解や命の大切さを知ってもらうため、一部の学校給食で捕獲した鳥獣の肉であるジビエの提供も行われています。また、ジビエの食肉処理施設の衛生管理を推進するとともに、安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図るため、平成30(2018)年5月に「国産ジビエ認証制度」が制定されました。本制度では厚生労働省の「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」の遵守やトレーサビリティの確保等に適切に取り組むジビエの食肉処理施設を認証しており、さらに、認証を受けた処理施設で生産されたジビエ製品等は認証マークを表示することができます。これらのジビエの利用に関する情報については、農林水産省のウェブサイトにまとめ、情報提供しています。

我が国は周囲を豊かな海に囲まれており、多種多様な水産物に恵まれ、地域ごとに特色のある料理や加工品といった豊かな魚食文化が形成され、現在まで継承されてきています。しかしながら、我が国の水産業においては、海洋環境の変化等により生産量が減少するとともに漁業就業者数が減少しており、漁村の活性化を図ることが課題となっています。このような情勢を踏まえ、海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用し交流促進や水産物の消費増進を図る海業を推進するための施策等が行われています。

なお、地産地消については、「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」(平成22年法律第67号)に基づく「農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針」(平成23年農林水産省告示第607号)において、地場産物の使用の促進の目標として、<1>令和7(2025)年度までに年間販売額が1億円以上の直売所の割合を50%以上とすること、<2>令和7(2025)年度までに学校給食において都道府県単位での地場産物を使用する割合(金額ベース)を現状値(令和元(2019)年度)から維持・向上した都道府県の割合を90%以上とすること、<3>令和7(2025)年度にグリーン・ツーリズム施設の年間延べ宿泊者数及び訪日外国人旅行者数のうち農山漁村体験等を行った人数の合計を1,540万人とすること等を設定しています。同法及び同基本方針に基づく地方公共団体による促進計画の取組が進められていくこと等により、地域の実情に応じた地産地消の促進が図られることが期待されます。

農林水産省では、地産地消を含む農山漁村の活性化や所得向上に取り組んでいる優良事例を選定し、全国に発信する取組を行うほか、地域資源を活用した新商品の開発等を進める地域ぐるみの6次産業化の取組を支援しました。また、学校給食におけるメニュー開発・導入実証等への支援や、学校等施設給食における地場産物の利用拡大を促進するため、地産地消コーディネーターの派遣による給食現場と生産現場の間の課題解決に向けた指導、助言などの支援を行いました。さらに、直売所の施設等の整備や、売上げ向上に向け、新商品の開発、消費者評価会の開催、集出荷システムの構築・実証等の取組への支援を行っています。このほか、産品の名称を知的財産として保護する「地理的表示(GI)保護制度」について、その地域ならではの多様な産品の登録を一層推進するとともに、登録産品の観光資源としての活用等を推進しています。

我が国は、多種多様な農畜水産物・加工食品を多くの国・地域から輸入しています。食料の輸送重量に輸送距離を乗じた指標として「フード・マイレージ」があります。これは、1990年代からイギリスで行われている「Food Miles(フードマイルズ)運動」を基にした概念であり、「生産地から食卓までの距離が短い食料を食べた方が輸送に伴う環境への負荷が少ないであろう」という仮説を前提として考え出されたものです。国内生産・国内消費の拡大、地産地消の推進等の取組は、環境負荷の低減に資することも期待されます。

「食料・農業・農村基本計画」(令和2(2020)年3月31日閣議決定)においては、食と農とのつながりの深化に着目した官民協働の新たな国民運動が位置付けられています。そのため、令和3(2021)年7月から、食と環境を支える農林水産業・農山漁村への国民の理解と共感・支持を得つつ、国産の農林水産物の積極的な選択といった具体的な行動変容に結びつくよう、1990年代後半から2000年代に生まれた「Z世代」を重点的にターゲットとした官民協働による国民運動として「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」を展開しています。

事例:地元農産物やジビエを中心とした地産地消と食育の推進
(第8回食育活動表彰審査委員特別賞受賞)

高松(たかまつ)市生活研究グループ連絡協議会(香川県)

高松市生活研究グループ連絡協議会では、昭和32(1957)年から、農村に生きる女性たちによる「かまどの改善」を契機に、多様化する社会における諸課題に対応しながら、郷土料理の伝承や地産地消の推進、食育活動に力を入れて取り組んできました。種まきから食卓までに携わっている農家の女性だからこそ得ることのできる視点で、素材の味を生かしたレシピを考案し、次世代への継承を目指して活動しています。

具体的には、「高松産ごじまん品を中心とした地産地消と食育への取組」をテーマに、高松市内で生産される農産物「高松産ごじまん品」を使用した、新たなメニューの開発に取り組んできました。また、有害鳥獣とされるイノシシやシカのジビエを使用した料理のメニュー開発も継続的に行っており、より多くの方へ高松産ごじまん品やジビエ料理に親しんでもらう機会を作れるよう尽力しています。

そのほか、日常生活で料理に触れる機会が少ない男性や子供たちを対象とした料理体験イベントも開催しています。男性を対象とした「男の料理教室」では、高松産ごじまん品を使用したおせち作りを実践し、郷土料理の伝承を促進しています。また、子供たちを対象とした「親子クッキング」では、親子で料理に挑戦し、料理は楽しいものだと思ってもらえるようなきっかけ作りを提供しています。

活動においては、高松産ごじまん品やジビエをおいしく食べられるメニューを開発することに重点を置いており、多くの方に地元農産物の魅力を発信できるように、今後はSNS等の媒体も活用しつつ、地域との触れ合いを大切にした食育活動を継続し、活動の幅を広げていきます。

ジビエ料理の実演

ジビエを活用したメニューの講習会

親子で野菜を切る様子

親子クッキングの様子



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お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4551)
ダイヤルイン:03-3502-1320

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