第1節 ボランティア活動等における取組
食生活が多様化する中で、地域の郷土料理や伝統料理等の食文化を大切にし、次の世代への継承を図るには、地域の食生活改善推進員等、国民の生活に密着した活動を行っている食育ボランティアの役割が重要です。
食生活改善推進員は、郷土料理や食文化の継承を目的とした「郷土・伝統料理教室」等を実施しており、郷土料理・伝統料理を作る体験学習が各地で行われています。
また、地域に伝わる郷土料理を知ってもらうために作成した「日本の味 郷土料理めぐり」を活用し、郷土料理の伝承に努めました。
さらに、一般財団法人日本食生活協会では、日本の食に対する興味や関心を高め、郷土料理の更なる活性化に寄与することを目的として、平成28(2016)年度に「郷土料理スペシャリスト」の認定制度を開設し、令和6(2024)年度からはeラーニングによる認定を始めました。「郷土料理スペシャリスト」として認定された人々が全国で活動しています。
事例:食生活改善推進員による食文化継承の取組
一般財団法人日本食生活協会
岩手県食生活改善推進員団体連絡協議会
「郷土料理の伝承~遠野(とおの)地方のひなまんじゅう~」
遠野市食生活改善推進員団体連絡協議会では、郷土料理や食文化の継承を目的に、毎年市内中学校で3年生を対象に、遠野地方の郷土料理である「ひなまんじゅう」作りをしています。この事業は平成17(2005)年から継続しており、令和6(2024)年度で20年目を迎えます。家庭科のカリキュラムである「郷土料理を学ぶ」と併せて実施し、学校と連携した活動となっています。
「ひなまんじゅう」は3月3日の桃の節句に作られるもので、花や桃、ひょうたん等それぞれの家に伝わる木型でかたどり、花タネや食紅で彩りよくお化粧したものです。
生徒からは「初めてひなまんじゅうを作った。」、「作り方を覚えて家族に伝えたい。」という感想が聞かれました。
これからも地域に伝わる郷土の味を次世代に伝えていきたいと思います。
岡山県栄養改善協議会
「郷土料理の伝承 ~にいみの食文化~」
新見(にいみ)市栄養改善協議会では、伝統あるふるさとの味や料理、食材を次世代につなぐため、「にいみの食文化の継承」という冊子をこれまでに2種類作成しました。この冊子は、次世代を担う方が参加する山野草(さんやそう)を使った料理教室を実施する時や季節、行事の料理のいわれの話をする時のほか、災害時の食の備えの一つとしての山野草の保存方法や活用方法等を伝える時に使用しています。
令和6(2024)年度は、若い世代から高齢者までを対象に、郷土料理教室で黒豆入り山菜寿司、団子汁、わらびの白和え、しいたけなます、柿菓子の調理実習を行いました。黒豆入り山菜寿司は黒豆を加えて炊いたご飯に、酢を合わせることで、桜を思わせるようなきれいなピンク色になり、見た目にも美しいハレの日の料理にもなります。
今後も、地域で開催する料理教室やサロン等の集いの場で、次世代を担う方々に広く「にいみの食文化」を伝えていきたいと思います。
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