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大阪府 羽曳野市立高鷲南中学校
     
生涯にわたって健康に過ごすために進化した食育教育に取り組む
大阪府 羽曳野市立高鷲南中学校 ぽいんと

規則正しい生活・食習慣を啓発

高鷲南中学校では、生徒の基本的な生活習慣の確立を目指して、朝ごはん摂取の重要性に対する意識の向上や、睡眠の確保やスマホ・ゲームの利用時間の短縮といった生活習慣の改善に向けた取り組みを行っています。2024年度に実施した生徒へのアンケートの結果によると、「(学校が)朝ごはんを食べることの重要性を説明し、そのことを通じて食べることの大切さを教えていると思うか」という項目について、2023年度から1.5%上昇して94.6%の生徒が「とても思う」・「思う」と回答しています。
また、2024年度の重点的な目標として掲げている「意識・行動変容による生活習慣の改善、肥満傾向にある生徒の減少」に向け、家庭との面談や個別指導を行っています。継続的な個別相談指導の結果、個々の肥満傾向生徒については肥満度の軽減が見られました。
このほか、中学1年生については、1時間目に家庭科の授業を設定し、朝ごはんを想定して、わかめおにぎりと豚汁の調理実習を行っています。こうした活動を積み重ねた結果、2024年度の全国学力・学習状況調査では、「毎日朝ごはんを食べている」と回答した生徒が2023年度の67.9%から、74.4%へと、6.5%増加しました。

個別相談指導の案内
個別相談指導の案内
朝ごはん学習の様子
朝ごはん学習の様子

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生徒による委員会活動において食育を実践

保健委員会の活動では、生徒が主体的に朝ご飯レシピの作成やクッキング、地域の小学校へ絵本の読み聞かせなどの活動を行っています。
クッキングでは、生徒から募集した朝ごはんレシピコンテストで上位に選ばれたレシピを、実際に調理・試食する取り組みを行いました。また、コンテストで上位に選ばれたレシピを全生徒に配布しました。
このほか、図書委員と保健委員がコラボして、「桃太郎」を食育版にアレンジした紙芝居を制作し、バランスよく食べてもらうことを目標に地域の小学校で絵本の読み聞かせを実施しています。
食育活動を通して、生徒会や委員会活動など、学校活動の活性化にもつながっています。

委員会活動(クッキング)の様子
委員会活動(クッキング)の様子
委員会活動(食育紙芝居の読み聞かせ)の様子
委員会活動(食育紙芝居の読み聞かせ)の様子

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地域と学校が連携し、つながる食育を推進

校区小中合同のクッキング(乳和食)や、地域住民の方に向けて各学期1回発行される広報誌『絆の街』の配布などを行い、地域や家庭と連携した食育を推進しています。
「校区小中合同大人と子どものクッキング」では、「かつお節削り体験と乳和食調理講習会」を行い、子どもたちが積極的・主体的に料理に取り組み、みんなで一緒に食べる楽しさ・おいしさを実感できるようにしています。
また、地域の方に向けて情報を発信する広報誌『絆の街』では、食と栄養に関する情報を掲載しています。2024年度は「丈夫な骨を作ろう!コツコツ貯めるカルシウム」「災害時の食と栄養 普段の備え」「大人と子どものクッキング」をテーマに、栄養素の重要性やレシピが掲載されています。

広報誌『絆の街』
広報誌『絆の街』
校区小中合同でのクッキングの様子
校区小中合同でのクッキングの様子

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教科横断的な食育の授業を展開

「健康教育」という最終目標に向けて、家庭科や社会科などの教科学習で教科横断的な食育の授業を展開しています。2025年の学校給食週間(1月24~30日)には、中学2年生を対象に、「だしの魅力を探る冒険」と題し、家庭科では、「かつお節を削る、だしを飲む、焼きおにぎりのだし茶漬けを作る」という、3ステップの体験授業を行いました。また、社会科につながる授業として、かつおぶし食育研究会事務局(一般社団法人日本文化教育推進機構)の協賛の下、かつお節を製造・販売しているヤマキ株式会社によるオンライン授業を行いました。
かつお節を削る体験にとどまらず、だしを取って味わうことで和食文化を体験し、食文化の持続性を考える機会や、一番だしを取った後のだしがらを再利用し、おにぎりを調理するなど、環境問題を考えるきっかけにもなっています。
あわせて、世界で注目されている「うま味」について世界での活用方法や食の国際化などを交えて、生徒の理解が深まるように工夫をしています。

「だしの魅力を探る冒険」振り返りシート
「だしの魅力を探る冒険」振り返りシート
「だしの魅力を探る冒険」授業の様子
「だしの魅力を探る冒険」授業の様子

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担当者から

担当者


「進化した食育」とは、「実践をしながら拡張していく」ことです。学校から家庭、家庭から地域へ食育活動を広げることで、生徒自身の食への興味・関心も広がり、健全な自己管理能力を身に付けることができます。本校は「自分でできる」を増やす工夫として、様々な視点から教職員が一丸となって食の学びを提供しています。おいしく食べるとうれしいし、楽しい。生きる力を与えてくれるのも「食」です。これからも、校内での連携や外部の人材活用など、様々な体験活動を通して教育効果を高められるよう進化し続けていきたいと思います。



担当者所属先:
羽曳野市立高鷲南中学校
食育担当   岡﨑亜矢子先生

2025年3月現在

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関連リンク

高鷲南中学校