プレスリリース
平成20年12月19日
農林水産省
タイ産米のカビの分析結果等について
|
タイ産米のカビの分析結果等について
1.検出の経緯等(別紙1参照)
(1)カビ状の異物(180g程度)の発見とカビ毒の検出
[1]農林水産省が、実需者(加工食品メーカー)に加工食品原材料用として販売・引渡したタイ産うるち砕精米(24トン)の一部(1つのフレキシブルコンテナ(1トン))に「カビ状の異物」(180g程度)が混入していたことを、当該実需者からの連絡を受けた地方農政事務所が10月23日に確認した。(10月28日付けでホームページに公表済)
[2]当該「カビ状の異物」について、登録検査機関(食品衛生法に基づき厚生労働大臣の登録を受けた検査機関)において分析を行い、12月3日に、アフラトキシンB1 0.04ppmが検出されたとの報告があった。
(2)同一ロットのタイ産うるち砕精米の状況
[1]同一船により輸入されたタイ産うるち砕精米(3,508トン)のうち、3,421トンは政府が4カ所の民間倉庫に在庫保有しているが、(1)の「カビ状の異物」の混入した米を搬出した倉庫の在庫米からも、他の3カ所の倉庫の在庫米からも、アフラトキシンB1は検出されなかった(検出限界0.001ppm)。
[2](1)の24トンのほかに63トンが加工食品原材料用として出荷されているが((1)の実需者を含めて3社)、いずれからもカビは発見されておらず、また、いずれの製品からもアフラトキシンB1は検出されなかった(検出限界0.001ppm)。
2.安全性に関する考察
[1]当該「カビ状の異物」を発見した実需者が、同一倉庫から搬入した同一のタイ産うるち砕精米(24トン)を原料として製造した製品は、出荷されておらず、また、今後も出荷しないよう要請済みである。
[2]当該製品の取扱いについて、厚生労働省と協議したところ、
- 当該実需者は「カビ状の異物」を除去して製造していること
- 1-(2)のとおり、搬入元の倉庫に残っている同一船により輸入されたタイ産うるち砕精米の政府在庫からアフラトキシンB1が検出されておらず、更に他の3倉庫の米からもアフラトキシンB1は検出されていないこと
ということであれば、食品衛生法違反とならないとの見解であった。
[3]食品の販売者である農林水産省としては、
- 当該実需者に販売した米の「カビ状の異物」から、アフラトキシンB1が検出されたこと
- 当該実需者が「カビ状の異物」を除去した上で全量使用済みで、原料米そのものに問題がなかったことを直接確認できない状況にあること
を考慮し、念のため、当該実需者が同一倉庫から搬入した同一のタイ産うるち砕精米を原料として製造した製品の廃棄を行うよう措置する。
[4]以上のことから、消費者の健康に悪影響を及ぼすとは考えられない。
3.今後の方針
(1)輸入米の引渡前のカビの目視確認の徹底
政府が輸入米を引き渡した後にカビが発見される事態を極力なくすため、引渡前に解袋・詰め替え等を行ってカビの有無を目視で確認するプロセスが必ず入るよう措置することとする。
(2)品質管理状況の点検
本件について、輸出国における収穫から、実需者が発見するまでの間の品質管理状況について、改めて点検を行うこととする。
(3)科学委員会の設置
本件については、専門家の方々に相談しながら対応方針を決めてきたところであるが、今後とも政府米のカビに関する食品安全上の諸問題を専門的・科学的見地から検討するため、専門家から成る「政府米のカビに関する科学委員会」(委員は別紙2参照)を設置することとする。
4.その他
(1)事業者名の取扱
事業者の名称については、食品が市場に流通しておらず、また今後とも流通しないように措置されており、食品危害の発生を防止するために消費者に注意をお願いする必要がない状況であることから、公表しないこととする。
(なお、本年9月の事故米に関する事業者名の公表においても、問題商品を出荷していない事業者は公表の対象としていなかったところである。)
(2)関係機関との連携
本件については、農林水産省総合食料局が消費・安全局と十分協議するとともに、厚生労働省、食品安全委員会、内閣府、関係都道府県等と連絡を密にして対応してきたところであり、引き続き緊密な連携の下に対応することとしている。
<添付資料>
お問合せ先
総合食料局食糧部消費流通課
担当者:大坪
代表:03-3502-8111(内線4031)
ダイヤルイン:03-6744-1364
FAX:03-6744-1702
総合食料局食糧部食糧貿易課
担当者:梶島
代表:03-3502-8111(内線4261)
ダイヤルイン:03-3502-7871