コイヘルペスウイルス病の消毒方法について
平成18年2月7日に開催された第9回コイヘルペスウイルス病に関する技術検討会での議論を基に、本病の消毒方法について以下のようにとりまとめましたので、御参考下さい。
なお、実際に消毒を行う際は、以下の点に注意して実施して下さい。
消毒剤の使用上の注意
(1)消毒剤には魚に対する毒性が強い薬剤が多い、また、環境及び人にも大きな影響を及ぼすと考えられるものもあるので、使用には十分な注意が必要である。
(2)消毒対象物及び使用場所に応じて、消毒剤の種類及び消毒法を選定する。
(3)消毒剤の病原体への作用機序を理解し、人体及び水産生物への影響を念頭に消毒を実施する。
(4)使用に当たっては消毒剤の用法・要領を守り、過剰な使用をさける。
(5)使用に際しては、マスク、ゴム手袋、メガネ及び合羽を着用し、薬剤が身体に付着しないようにする。
(6)薬剤はその都度調整し、保存は低温遮光、暗所、密封などそれぞれの薬剤に応じた方法で行う。さらに、使用後の薬剤の廃棄には十分に留意し、分解あるいは中和が必要な薬剤については、適宜処理して廃棄する。
消毒剤の留意点
(1)塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム)の殺菌作用はいづれも酸化作用によるもので、効果は温度、pH、及び対象物の有機物量によって大きく変動する。
塩素系消毒剤では、皮膚刺激性及び腐食性が強いため、皮膚に付着した薬剤は、直ちに水で洗い流す。また、塩素系消毒剤は魚毒性が強いため、飼育用水への混入には厳重に注意する。
廃液は、チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)で中和する。
次亜塩素酸カルシウムは汚染された排水の消毒に、次亜塩素酸ナトリウムは水槽及び器具類等の消毒に適する。
(2)逆性石けん(塩化ベンザルコニウム液)は、有機物及び金属イオンの影響によって効力が低下するため、2~3日で交換する。普通の石鹸と併用すると効果が無くなる。
手指及び器具等の消毒に適する。
(3)アルコール系薬剤(エタノール)は、手指及び小型の実験器具の消毒に適する。
(4)飼育用水及び排水の消毒では、主に紫外線及びオゾンが用いられている。
紫外線は水中の懸濁物により効果が低下するため、使用に際しては注意する必要がある。
オゾンには残留オキシダントの生物に対する強い毒性が報告されており、この点については十分注意を払う必要がある。
お問合せ先
農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課
水産安全室 水産防疫班
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