担当:農林水産省
令和3年 漁業産出額
統計結果
近年、顕在化してきた海洋環境の変化をはじめとした地球規模の環境変化を背景に、さんまやするめいか等の主要な魚種の不漁が継続していること等から、漁業産出額は減少傾向で推移してきた。
令和2年は、新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ感染症」という。)拡大による外食需要の減少の影響等から、全般的に安値基調だった。
令和3年は、ほたてがいを中心に価格が回復したこと等により、前年に比べ605億円増加し、1兆3,783億円(対前年増減率4.6%増加)となった。
関連データ
1 海面漁業
近年、海洋環境の変化等によりさんま、さけ・ます類、するめいか等の漁獲量は減少傾向で推移し、海面漁業の産出額も減少傾向で推移してきた。
令和2年には、コロナ感染症拡大による価格の低下等の影響から、産出額が7千億円台まで減少した。
令和3年は、前年に比べ338億円増加し、8,058億円(対前年増減率4.4%増加)となった。これは、ほたてがいにおいて、輸出需要の増加と外食需要の回復により、価格安となった前年に比べ価格が上昇したこと等が寄与したものと考えられる。
関連データ
2 海面養殖業
近年、くろまぐろの収獲量の増加等により、海面養殖業の産出額は増加傾向で推移し、令和元年まで4千億円台後半で推移してきた。
令和2年は、コロナ感染症拡大による価格の低下等の影響により、産出額が大きく減少した。
令和3年は、前年に比べ158億円増加し、4,515億円(対前年増減率3.6%増加)となった。これは、のり類において、少雨等天候不順による収獲量の減少及び品質低下による価格の低下の影響を受けたものの、はまちなどのぶり類、まだい、ほたてがい等において、輸出需要の増加と外食需要の回復により、価格安となった前年に比べ価格が上昇したこと等が寄与したものと考えられる。
関連データ
3 内水面養殖業
近年、ニホンウナギ稚魚(シラスウナギ)の取引価格が高水準で推移し、うなぎの製品価格も高水準で推移していたこと等から、内水面養殖業の産出額は令和元年まで増加傾向で推移してきた。
令和2年は、コロナ感染症拡大やシラスウナギの豊漁から価格が下落し、産出額が大きく減少した。
令和3年は、前年に比べ121億円増加し、1,056億円(対前年増減率13.0%増加)となった。これは、シラスウナギの採捕が好調で、製品価格が下押しされたことの影響を受けたものの、前年に比べうなぎの収獲量が増加したこと等が寄与したものと考えられる。
関連データ
4 生産漁業所得
近年、漁業産出額の動向を受け、平成30年以降生産漁業所得は減少傾向で推移してきた。
令和3年の生産漁業所得は、前年に比べ482億円増加し、6,878億円(対前年増減率7.5%増加)となった。
これは、ほたてがいの産出額が増加したこと等が寄与したものと考えられる。
5 都道府県別海面漁業・養殖業産出額(上位5都道府県)
令和3年における海面漁業・養殖業産出額の上位5都道府県(以下「上位5都道府県」という。)は、1位が北海道で2,569億円(対前年増減率27.1%増加)、次いで長崎県が936億円(同4.9%増加)、愛媛県が850億円(同12.9%増加)、鹿児島県 が658億円(同1.9%増加)、宮城県が655億円(同9.0%減少)となっている。
統計表〔Excel:e-Stat〕
統計の概要
統計結果の主な利活用
- 水産業諸施策全般、国民経済計算、産業連関表及び県民経済計算の資料等に利用
お問合せ先
大臣官房統計部経営・構造統計課
担当者:分析班
代表:03-3502-8111(内線3635)
ダイヤルイン:03-6744-2042