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農林水産省

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漁業産出額の概要

調査の目的

漁業産出額は、各地域における漁業生産活動の実態を金額で評価することにより明らかにし、水産行政の企画やその実行のフォローアップに資する資料を整備することを目的としている。

統計の沿革

昭和35年 推計を開始
全国値:魚種別(まぐろ類、貝類等、魚種による分類)
都道府県値:漁業種類別(まき網漁業、底びき網漁業等、漁業の種類による分類)

昭和36年 都道府県別魚種別の推計を開始

昭和39年 算出の基礎データとなる漁獲量・収獲量が、「属地統計」から「属人統計」へ転換(「属地統計」とは、例えば魚を養殖した場所別に集計される統計のことをいい、「属人統計」とは、魚を養殖した人の所属する場所別に集計される統計をいう。)
算出の基礎データとなる価格に、水産物流通調査の産地流通調査から得られる産地市場の価格を採用

平成18年 生産漁業所得の推計を中止

平成19年 漁業種類別、部門別(遠洋、沖合及び沿岸)産出額の推計を廃止

平成28年 平成18年以降中止していた生産漁業所得の推計を再開

平成29年 中間生産物である「種苗」を漁業産出額から除外(昭和35年まで遡及)し、種苗生産額として参考表章

平成30年 内水面漁業産出額において、にしきごい産出額の推計を開始

推計期間

本統計の推計期間は、当年1月から当年12月までの1年間である。

推計範囲

漁業生産活動により生産される水産物であり、主な品目は7のとおりである。推計範囲の品目を対応する日本標準産業分類の概念で示すと次図の矢印の範囲となる。

図 漁業産出額における推計範囲の概念図

統計の作成方法

漁業産出額では、海面漁業、海面養殖業、内水面漁業及び内水面養殖業の産出額並びに生産漁業所得を推計するとともに、参考値として種苗(海面養殖業及び内水面養殖業)の生産額を推計している。それぞれの推計方法は次のとおりである。

1 海面漁業・養殖業産出額

海面漁業生産統計調査結果から得られる都道府県別の魚種別生産量に水産庁「産地水産物流通調査」、主要産地の市場、関係団体等から得られる都道府県別の魚種別産地卸売価格を乗じて推計している。
なお、海面漁業生産統計調査の名簿情報である漁業センサス(漁業経営体調査)において、遊漁船業を含まないこととしていることから、漁業産出額においても、遊漁者の採捕による産出額は含まない。
また、捕鯨業(くじら類)は、全国値のみ推計している。

2 内水面漁業・養殖業産出額

(1) 内水面漁業産出額

ア 漁業センサス実施年(西暦末尾が3又は8の年)
内水面漁業生産統計調査結果から得られる全国の魚種別生産量に主要産地の市場、関係団体等から得られる全国の魚種別平均価格を乗じて推計している。
イ 漁業センサス実施年以外の年
推計対象年の直前の漁業センサス実施年における内水面漁業生産統計調査結果から得られる全ての河川・湖沼に占める主要河川・湖沼の魚種別漁獲量の割合の逆数を主要河川・湖沼の魚種別漁獲量に乗じて推計対象年における都道府県別魚種別総漁獲量とし、これに全国の魚種別平均価格を乗じて推計している。

なお、内水面漁業生産統計調査は平成18年調査から内水面漁業の調査範囲を、販売を目的として漁獲された量のみとし、遊漁者(レクリエーションを主な目的として水産動植物を採捕するもの)による採捕量を含まないこととしたことから、内水面漁業産出額においても、遊漁者の採捕による産出額は含まない。

(2) 内水面養殖業産出額

ア 主要養殖魚種(内水面漁業生産統計調査結果から得られるます類、あゆ、こい及びうなぎをいう。以下同じ。)の産出額の合計(a)については、全国の魚種別収獲量に主要産地の市場、関係団体等から得られる全国の魚種別平均価格を乗じて推計している。
イ 主要養殖魚種以外の魚種も含めた内水面養殖業産出額の合計(I)については、推計対象年の直前の漁業センサスから得られる全ての養殖魚種の販売金額(観賞用を除く。)に占める主要養殖魚種の販売金額の割合の逆数を用いて、次式のとおり推計している。

〔推計式〕

式 調査対象養殖魚種以外の魚種を含むすべての生産額(当該年)

I:内水面養殖業産出額の合計(推計対象年)・・・イ

A:主要養殖魚種の販売金額(漁業センサス結果)

B:全ての養殖魚種の販売金額(観賞用を除く。)(漁業センサス結果)

a:主要養殖魚種の産出額の合計(推計対象年)・・・ア


3 生産漁業所得

生産漁業所得は、次に掲げる方法により算出したそれぞれの金額を合計して所得を推計している。
なお、所得の推計に用いる所得率は、漁業経営統計調査の調査種類別に次式のとおり算出している。

式 所得率

(1)海面漁業及び海面養殖業

1により推計した海面漁業・養殖業産出額に、直近の漁業経営統計調査の経営体階層(漁船漁業、小型定置網漁業、各養殖業)別調査結果から算出した全国の所得率を乗じる。

(2)内水面漁業・内水面養殖業

内水面漁業の場合にあっては、2の(1)により推計した内水面漁業産出額に直近の漁業経営統計調査の海面漁業のうち使用動力漁船規模3トン未満の調査結果から算出した全国の所得率を乗じる。
また、内水面養殖業の場合にあっては、2の(2)により推計した内水面養殖業産出額に直近の産業連関構造調査(内水面養殖業投入調査)から算出した全国の所得率を乗じる。

4 (参考)種苗

種苗は、最終生産物となる水産物の生産のために再び投入される水産物(中間生産物)であり、他の都道府県に販売されたものは当該都道府県の最終生産物に計上するが、漁業産出額では、全ての種苗が自都道府県内に投入されるものとみなし、全国及び都道府県別のいずれにも種苗の「産出額」は計上しないこととし、「(参考)種苗生産額」として別掲している。
なお、海面養殖業により生産される種苗生産額については、海面養殖業産出額の推計と同様、都道府県別の魚種別種苗生産量に主要産地の市場、関係団体等から得られる都道府県別の養殖魚種別種苗価格を乗じて推計している。
また、内水面養殖業により生産された種苗生産額については、ます類、あゆ及びこい(以下「種苗推計魚種」という。)のそれぞれについて、推計対象年の直前の漁業センサスから得られる種苗推計魚種別の販売金額の割合を、2の(2)のアにより推計した種苗推計魚種別の販売金額に占める種苗用の販売金額の割合を、2の(2)のイにより推計した種苗推計魚種別の産出額(c)に乗じて推計し、その推計した金額を合計する。

〔推計式〕

式 種苗の生産額(当該年)

S:種苗別の生産額(推計対象年)

C:種苗推計魚種別の販売金額(漁業センサス結果)

D:種苗推計魚種別の種苗用の販売金額(漁業センサス結果)

c:種苗推計魚種別の産出額(推計対象年)

用語の解説

1 海面漁業とは、海面(サロマ湖、能取湖、風蓮湖、温根沼、厚岸湖、加茂湖、浜名湖及び中海を含む。)において水産動植物を採捕する事業をいう。

2 海面養殖業とは、海面又は陸上に設けられた施設において、海水を使用して水産動植物を集約的に育成し、収獲する事業をいう。

3 内水面漁業とは、公共の河川・湖沼(サロマ湖、能取湖、風蓮湖、温根沼、厚岸湖、加茂湖、浜名湖及び中海を除く。)において水産動植物を採捕する事業をいう。

4 内水面養殖業とは、一定区画の河川・湖沼又は陸上において、淡水を使用して水産動植物を集約的に育成し、収獲する事業をいう。

推計の対象とした水産物の範囲

区分 魚種名
海面漁業 まぐろ類、かじき類、かつお類、さめ類、さけ・ます類、このしろ、にしん、いわし類、あじ類、さば類、さんま、ぶり類、ひらめ・かれい類、たら類、ほっけ、きちじ、はたはた、にぎす類、あなご類、たちうお、たい類、いさき、さわら類、すずき類、いかなご、あまだい類、ふぐ類、その他の魚類、えび類、かに類、おきあみ類、貝類、いか類、たこ類、なまこ類、うに類、海産ほ乳類、その他の水産動物類、海藻類、捕鯨業(くじら類)
海面養殖業 ぎんざけ、ぶり類、まあじ、しまあじ、まだい、ひらめ、ふぐ類、くろまぐろ、その他の魚類、貝類、くるまえび、ほや類、その他の水産動物類、海藻類、真珠
内水面漁業 さけ類・ます類、わかさぎ、あゆ、しらうお、こい、ふな、うぐい・おいかわ、うなぎ、はぜ類、その他の魚類、貝類、その他の水産動植物類
内水面養殖業 ます類、あゆ、こい、うなぎ、にしきごい、その他
(参考)種苗 (海面養殖業)ぶり類、まだい、ひらめ、真珠母貝、ほたてがい、かき類、くるまえび、わかめ類、のり類
(内水面養殖業)種苗計

利用上の注意

1 表中に使用した記号は、次のとおりである。

「-」: 事実のないもの
「…」: 事実不詳又は調査を欠くもの
「x」: 個人又は法人その他の団体に関する秘密を保護するため、統計数値を公表しないもの
「△」: 負数又は減少したもの

2 統計数値については、表示単位未満を四捨五入したため、合計値と内訳の計が一致しない場合がある。

3 秘匿措置について
本統計は、様々な統計情報等から推計した加工統計であり、本来秘匿措置を講じる必要はないが、推計に用いた一次統計において秘匿された数値が本統計の推計値から類推される可能性がある場合には、当該推計値も「x」表示としている。
また、情報収集先から秘匿要請があったものについても、同様に「x」表示とする秘匿措置を施している。
なお、全体(計)からの差し引きにより、秘匿措置を講じた当該結果が推定できる場合には、本来秘匿措置を施す必要のない箇所についても「x」表示としている。

4 本統計の推計に用いた一次統計が訂正された場合は、訂正された年又は翌年の漁業産出額の公表において、訂正された一次統計に係る漁業産出額の遡及改定を行うこととし、その内容はホームページに掲載する。

利活用事例

1 激甚災害制度における激甚災害指定基準のための基礎資料。

2 水産業諸施策全般の策定、評価等の資料。

3 国民経済計算、産業連関表、県民経済計算等の作成のための資料。

その他

公表後に数値の修正があった場合、正誤情報をホームページでお知らせする。

お問合せ先

大臣官房統計部経営・構造統計課
担当者:分析班
代表:03-3502-8111(内線3635)
ダイヤルイン:03-6744-2042