農業協同組合及び同連合会一斉調査の概要
調査の目的
農業協同組合及び同連合会一斉調査は、信用、共済、販売等の事業を総合的に行う総合農協、特定業種に特化して事業を行う専門農協及び特定の業務に特化して事業を行う農業協同組合連合会の指導・監督や制度の見直し等のための資料を整備するとともに、広く国民に情報を提供することを目的としている。
調査の沿革
昭和24年:調査開始
平成19年:農業組合法人一斉調査を廃止
平成20年:専門農業協同組合に対する調査(農業協同組合一斉調査票(専門農協))は、2年周期で実施することに変更
平成24年:行政データの活用による調査項目の簡素化
調査の根拠法令
調査は、統計法(平成19年法律第53号)第19条第1項の規定に基づく総務大臣の承認を受けた一般統計調査である。
調査体系
専門農協一斉調査は、2年に1回の周期で調査を実施
調査の対象
農業協同組合及び同連合会一斉調査は、以下の農業協同組合及び農業協同組合連合会を調査対象としている。
- 総合農協一斉調査 全国の総合農協
- 専門農協一斉調査 全国の専門農協
- 農業協同組合連合会一斉調査 都道府県の区域を地区とする農業協同組合連合会
抽出(選定)方法
行政記録情報を基に作成した農業協同組合名簿(総合農協)、農業協同組合名簿(専門農協)及び農業協同組合連合会名簿に記載された全ての総合農協、専門農協及び農業協同組合連合会を調査の対象としている。
調査事項
- 総合農協一斉調査
(1)組合の名称、住所及び設立登記年月日
(2)組合の地帯分類
(3)複数正組合員制
(4)役員選出方法
(5)職員
(6)組合員の資格
(7)組合員組織
(8)給与・定年制
(9)実施した事業
(10)共同利用施設等の状況
(11)事業契約
(12)貸借対照表
(13)この事業年度中に支払った諸税
(14)損益計算書
(15)信用事業
(16)系統外出資等の状況
(17)販売事業
(18)加工事業
(19)購買店舗数
(20)補助金等
(21)奨励金・特別配当 - 専門農協一斉調査
(1)組合の名称、住所等
(2)調査票に記入した事業年度の始期と終期
(3)組合員数
(4)役員数
(5)職員数
(6)職員の給与状況
(7)株式会社への株式取得状況
(8)財務状況
(9)損益状況
(10)信連貸借対照表の明細
(11)補助金
(12)この事業年度中に支払った諸税
(13)購買事業
(14)販売事業
(15)加工事業
(16)その他の事業
(17)共同利用施設所有状況 - 農業協同組合連合会一斉調査
(1)連合会の名称、住所及び設立登記年月日等
(2)会員数
(3)附加議決(選挙)権
(4)役員数
(5)補助金・助成金
(6)本事業年度中に納付した諸税
(7)外部出資
(8)職員数及び本所、支所、出張所、代理所数等
(9)職員給与状況
(10)信連貸借対照表の明細
(11)購買・販売事業
(12)加工(製造)事業
(13)共同利用施設等の所有状況
調査の時期
- 調査対象期間
事業に関する調査事項の調査対象期間は、毎年4月1日から3月31日までの間に終了した事業年度であり、その他の調査事項は、毎年3月31日現在によって調査を実施している。 - 調査実施期間
(1)総合農協一斉調査、農業協同組合連合会一斉調査
調査票の配布:毎年5月下旬
調査票の回収:毎年10月下旬
(2)専門農協一斉調査(隔年)
調査票の配布:5月下旬
調査票の回収:8月下旬
調査の方法
- 総合農協一斉調査
都道府県から調査対象に対して、郵送により調査票を配布・回収する自計調査の方法で実施している。
ただし、調査対象の希望があった場合は、電子メールにより調査票を配布・回収する自計調査の方法で実施している。 - 専門農協一斉調査
都道府県から調査対象(都道府県を超える区域を地区とする専門農協にあっては農林水産省本省から調査対象)に対して、郵送により調査票を配布・回収する自計調査の方法で実施している。
ただし、調査対象の希望があった場合は、電子メールにより調査票を配布・回収する自計調査の方法で実施している。 - 農業協同組合連合会一斉調査
地方農政局から調査対象(北海道にあっては農林水産省本省から調査対象)に対して、郵送により調査票を配布・回収する自計調査の方法で実施している。
ただし、調査対象の希望があった場合は、電子メールにより調査票を配布・回収する自計調査の方法で実施している。
集計・推計方法
本調査の集計は、経営局協同組織課において行っている。
- 総合農協一斉調査
都道府県別の数値は、各都道府県の調査対象農協の調査結果を単純積み上げで算出し、全国計の数値は、都道府県ごとの計を積み上げて算出している。 - 専門農協一斉調査
全国計の数値は、調査対象農協の調査結果の単純積上げにより算出している。 - 農業協同組合連合会一斉調査
全国計の数値は、調査対象連合会の調査結果の単純積上げにより算出している。
本調査は全数調査のため、実績精度の算定は行っていない。
用語の説明
- 総合農協
信用、共済、販売等の事業を総合的に行う農業協同組合をいう。 - 専門農協
信用事業を行わず、特定業種に特化して事業を行う農業協同組合をいう。 - 専門農協区分
(1)一般農協
信用事業を行わない農業協同組合をいう。
組合の行う事業が特定の農業部門を対象としておらず、また、1事業に限定されていない組合をいう。
(2)畜産
養豚、養兎、牛馬、緬羊、養蜂等の畜産に関する指導、販売、購買、加工、施設の共同利用等の事業の一部又は全部を主たる業務とする組合をいう。
(3)酪農
乳牛に関する飼育指導、原乳の集乳、処理、加工及び販売、酪農に関する購買等の事業の一部又は全部を主たる業務とする組合をいう。
(4)養鶏
鶏に関する飼育指導、鶏卵の販売、ふ卵育すう、養鶏に関する購買等の事業の一部又は全部を主たる業務とする組合をいう。
(5)牧野管理
牧野の管理を主たる事業とする組合をいう。
(6)園芸特産
野菜、果樹、花き等の園芸作物及びその種苗並びにい草、麻、茶等一般に工芸作物といわれる作物を対象とし、これに関する事業の一部又は全部を主たる業務とする組合をいう。
(7)農村工業
主として組合員の労働力を使用し、農産物若しくは農村必需物資の加工場又は農村資源を活用する工場の経営を主たる業務とする組合をいう。
(8)農事放送
農事放送を主たる業務とする組合をいう。
(9)その他
前記に該当しない組合をいう。
なお、畜産、酪農、養鶏、牧野管理の組合については、組合の行う事業の実態に応じて分類することを原則とするが、これが不可能の場合は、組合の名称によって分類した。 - 農業協同組合連合会区分
(1)信連
信用事業を行う連合会をいう。
(2)経済連
販売、購買事業を主たる業務とする連合会をいう。
(3)厚生連
厚生事業を主たる業務とする連合会をいう。
(4)畜産連
養豚、養兎、牛馬、緬羊、養蜂等の畜産に関する指導、販売、購買、加工、施設の共同利用等の事業の一部又は全部を主たる業務とする連合会をいう。
(5)酪農連
乳牛に関する飼育指導、原乳の集乳、処理、加工及び販売、酪農に関する購買等の事業の一部又は全部を主たる業務とする連合会をいう。
(6)その他連
前記に該当しない連合会をいう。 - 実践的能力者
農畜産物の販売その他の当該農業協同組合が行う事業又は法人の経営に関し実践的な能力を有する者をいう。 - 実務精通者
実務に精通し、組合の事業内容につき十分な見識と能力を有する者をいう。 - 営農指導員
主として生産出荷についての技術指導、農家の経営指導等の業務に従事する職員をいう。 - 支所(支店)、出張所
従たる事務所であって、代理権と一部の決定権を有する責任者が存在し、独立して事業経営を行うことのできる事務所をいう。
ただし、「支所(支店)」については、主たる事務所の、「出張所」については、主たる事務所又は他の従たる事務所の名義をもって業務が行われていることが必要。 - その他事業所
支所(支店)及び出張所以外で独立して事業運営を行っている工場・店舗・給油所等であって専従職員を配置している事業所をいう。 - 耕種
水稲、陸稲、麦又は雑穀の栽培をいう。 - 集落組織
農家が生産面、生活面で共同しあっている集落単位の農家集団をいう。 - 生産組織
水稲、果樹、養豚部会(協議会・組合等)などの名称で呼ばれている組合の下部組織であって組合が指導援助を実施しているものをいう。 - 購買店舗
単なる商品展示場ではなく、一定の売場面積を有し、かつ、1人以上の専従(実質的に専従状態にあるものを含む)職員(パート等の臨時職員を除く)のいるもの(給油施設を除く。)をいう。 - 農業地帯別分類
(1)都市地帯
組合地区内の全面積(山林、水面を除く。)に対する都市計画で定める市街化区域の面積の比率が80%以上のものをいう。
(2)都市的農村地帯
組合地区内の全面積(山林、水面を除く。)に対する都市計画で定める市街化区域の面積の比率が50%以上のもので都市地帯に該当しない地帯をいう。
(3)中山間地帯
組合地区内の全面積(山林、水面を除く。)に対する特定農山村地域(特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律)の指定面積が80%以上のものをいう。
(4)農村地帯
組合地区内が、都市地帯、都市的農村地帯、中山間地帯のいずれにも属さないものをいう。
調査票
利用上の注意
- 表中に用いた記号は、次のとおりである。
「0」、「0.00」:単位未満(例:0.4千円→0千円)
「-」:調査は行ったが事実のないもの
「…」:事実不詳又は調査を欠くもの
「△」:負数又は減少したもの
「x」:団体に関する秘密を保護するため、統計数値を公表しないもの
「nc」:計算不能 - 秘匿措置について
統計調査結果について、調査対象数が2以下の場合には、団体に関する調査結果の秘密保護の観点から、当該結果を「x」表示とする秘匿措置を施している。
なお、全体(計)からの差引きにより、秘匿措置を講じた当該結果が推定できる場合には、本来秘匿措置を施す必要のない箇所についても「x」表示としている。 - 消費税の取扱いについて
総合農協一斉調査は、総合農協における事業報告等の決算値を記入することとしており、本調査結果は、全て税抜き金額である。また、専門農協一斉調査及び農業協同組合連合会一斉調査は、専門農協及び農業協同組合連合会における事業報告等の決算値を記入することとしており、本調査結果には、税抜きと税込み金額が混在している。
なお、農業協同組合及び農業協同組合連合会が作成する計算書類(貸借対照表、損益計算書等)、事業報告等は、関係法令及び一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の会計の慣行に準じることとされている。 - この統計表は、統計法(平成19年法律第53号)に基づく一般統計調査結果と農業協同組合法(昭和22年法律第132号)に基づく行政記録情報により作成している。
なお、一般統計調査で把握した項目と行政記録情報で把握した項目の分類は、参考「総合農協一斉調査項目分類一覧」及び「農業協同組合連合会一斉調査項目分類一覧」(PDF:448KB)のとおり。 - 専門農協については、2年に1度の調査である。
- 結果の公表は、こちらを確認してください。
利活用事例
- 農地法、農漁協金融の機能強化のための再編強化法等法改正の検討資料に活用。
- 農業施策全体の企画・立案を行うための基礎データとして活用。
- 農協系統組織が作成している「JAグループ経済事業基礎統計」(全国農業協同組合連合会)、「農林漁業金融統計」(農林中金総合研究所)等において、統計数値が引用・活用。
その他
調査項目の、購買事業及び販売事業における、品目別の分類は以下のとおり。
購買、販売品目別分類表(PDF:163KB)
お問合せ先
大臣官房統計部経営・構造統計課センサス統計室
担当:農林漁業構造統計班
代表:03-3502-8111(内線3664)
ダイヤルイン:03-3502-8093
経営局協同組織課経営・組織対策室
担当:組織・調査班
代表:03-3502-8111(内線5225)
ダイヤルイン:03-3502-6663