森林組合一斉調査の概要
調査の目的
森林組合一斉調査は、森林組合及び生産森林組合の組織・執行体制、財務及び事業全般にわたる実態を把握し、今後の諸施策の基礎資料を得ることを目的としている。
調査の沿革
昭和27年:調査開始
調査の根拠法令
調査は、統計法(平成19年法律第53号)第19条第1項の規定に基づく総務大臣の承認を受けた一般統計調査である。
調査体系
調査の対象
- 森林組合
森林組合法(昭和53年法律第36号)第79条の規定により設立の認可を受けた森林組合 - 生産森林組合
森林組合法第100条第3項で準用する第79条の規定により設立の認可を受けた生産森林組合
抽出(選定)方法
都道府県が作成した調査組合名簿に記載された全ての森林組合及び生産森林組合を調査の対象としている。
調査事項
- 森林組合
(1)森林組合の組織、執行体制の現況
(2)森林組合の財務状況
(3)森林組合の各種事業の実施状況
(4)その他必要な事項 - 生産森林組合
(1)生産森林組合の設立動機
(2)生産森林組合の組織の現況
(3)生産森林組合の財務状況
(4)森林組合の各種事業の実施状況
(5)その他必要な事項
調査の時期
- 調査対象期間
事業に関する調査事項の調査対象期間は、毎年4月1日から3月31日までの間に終了した事業年度であり、その他の調査事項は、毎年3月31日現在によって調査を実施している。 - 調査実施期間
調査票の配布:毎年6月
調査票の回収:毎年9月
調査の方法
林野庁-都道府県-調査対象(森林組合・生産森林組合)
本調査は、都道府県から調査対象に対して、郵送又は電子メールにより調査票を配布・回収する自計調査の方法で行っている。
集計・推計方法
本調査の集計は、林野庁経営課において行っている。
また、集計方法については、都道府県別の数値は、各都道府県の調査対象(森林組合及び生産森林組合)の調査結果を単純積み上げで算出し、全国計の数値は、都道府県ごとの計を積み上げて算出している。
本調査は全数調査のため、実績精度の算定は行っていない。
用語の解説
- 森林組合
森林組合法に基づき、森林所有者の経済的社会的地位の向上並びに森林の保続培養及び森林生産力の増進を図ることを目的として設立される、森林所有者を正組合員とした協同組織をいう。 - 生産森林組合
生産森林組合は、森林所有者である組合員が資本(森林)と労働と経営能力を提供して、森林経営の共同化を目的として、自ら森林を保有し、当該森林の経営を行う組織をいう。 - 国有林
国が所有する森林をいう。 - 民有林
国有林以外の森林のことで、個人が所有する私有林の他、都道府県や市町村が所有する公有林も含まれる。 - 製材工場
製材機械によって原木から製材品を木取りする又は木取りされた製材品を製造する工場をいう。 - チップ工場
木材を細かな削りくずにする機械(チッパー)を使用し、パルプ、紙、繊維板等の原材料に用いる木材チップを製造する工場をいう。 - 集成材工場
ひき板、小角材などの部材を木目方向を平行にして、長さ、幅、厚さの方向に集成接着した材を作る工場をいう。 - 土場、貯木場
(1)土場
木材の輸送又は保管の必要から一時的、長期的に利用する木材の集積場所をいう。
(2)貯木場
木材流通過程において森林から伐木造材された原木が市場に細分出荷される前に素材業者又は製材業者によって貯材される場所をいう。 - 分収林
土地を借りて造林又は育林し、利益を所有者(地主)と分けあうこと(分収)で造成された森林をいう。 - GIS
地理情報システムをいう。 - 一般用材
建築の構造的部分に使用される製材品となる丸太をいう。 - パルプ材
パルプ用原料となる丸太をいう。 - 間伐
育林過程の林分で林間がうっ閉し、林木相互間で競争を開始した後、目的樹種を主体にその一部を伐採して林分密度を調整することにより種内競争を緩和し、林木の利用価値の向上と森林の有する諸機能の維持増進を図るための伐採をいう。抜き切りともいう。 - 製材品
製材木取りに基づいて規格に合った寸法に引き割った木材をいう。 - 高性能林業機械等
(1)フェラーバンチャ
立木を伐採し、切った木をそのままつかんで集材に便利な場所へ集積するという2工程を行う機械をいう。
(2)スキッダ
丸太を牽引集材する集材専用のトラクタをいう。足回りはクローラ式とホイール式があり、欧米では走行速度が速く、維持費が安いホイール式が普及している。
(3)プロセッサ
林道や土場などで全木集材した材の枝払い、玉切りを専門に行う機械をいう。
(4)ハーベスタ
従来チェンソーで行っていた伐採、枝払い、玉切りを集材しやすいように玉切りした材の集積を一貫して行う機械をいう。北欧では皆伐、間伐に活躍している。
(5)フォワーダ
玉切りした短幹材を荷台に積んで運ぶ集材専用の車両をいう。荷台に丸太を積み込むためのクレーンを装備している。
(6)タワーヤーダ
手軽に架線集材ができる人工支柱を装備した移動可能な集材機をいう。急傾斜地での作業に向いている。
(7)グラップルソー
土場に集積され、枝払いされた全幹材を玉切り、集積を専門に行う機械をいう。
(8)切捨間伐
間伐した材(間伐材)を搬出しないで林内にそのまま放置する方法をいう。 - 主として伐出事業
作業員が林内の木を伐採し、所定の寸法に裁断し、木材を搬出するまでの工程をいう。 - 主として造林事業
作業員が伐採された跡地に苗木を植え、下草刈り、枝打ち、間伐等までの工程をいう。 - 入会林野
ある地域(村)の人が昔からのしきたり(慣行・慣習)等に従って、薪炭材、茅、まぐさ、草などを採取するために使われていた山林原野をいう(その原野から使用収益できる人の範囲などは、掟や規則等により千差万別であるが地域により決まっている。)。 - 従事割配当
生産森林組合の組合員が事業に従事した割合に応じて配当された剰余金をいう。なお、森林組合には認められていない。
調査票
利用上の注意
- 統計表の数値については、集計値の原数を四捨五入しており、合計値と内訳の計が一致しない場合がある。
- 表中に用いた記号は、次のとおりである。
「0」:単位未満(例:0.4千円→0千円)
「-」:調査は行ったが事実のないもの
「…」:事実不詳又は調査を欠くもの
「△」:負数又は減少したもの
「x」:団体に関する秘密を保護するため、統計数値を公表しないもの - 秘匿措置について
統計調査結果について、調査対象数が2以下の場合には、団体に関する調査結果の秘密保護の観点から当該結果を「x」表示とする秘匿措置を施している。
なお、全体(計)からの差引きにより、秘匿措置を講じた当該結果が推定できる場合には、本来秘匿措置を施す必要のない個所についても「x」表示としている。
利活用事例
- 森林組合がその役割を十分果たすことができるような諸制度を企画立案する上で、実態把握等重要な基礎資料として活用。
- 政策評価の目標設定における実績データとして利用。
- 都道府県、市町村等における森林組合関係の行政施策の推進及び関係団体、大学等研究機関における森林組合等に関する調査・研究に利用。
お問合せ先
大臣官房統計部経営・構造統計課センサス統計室
担当者:農林漁業構造統計班
代表:03-3502-8111(内線3664)
ダイヤルイン:03-3502-8093
林野庁林政部経営課
担当者:組合組織班
代表:03-3502-8111(内線6082)
ダイヤルイン:03-6744-2287