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農林水産省

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1 地域資源を活用した所得と雇用機会の確保


(1)中山間地域等の特性を活かした複合経営等の多様な農業経営の推進

中山間地域等直接支払制度により生産条件の不利を補正しつつ、中山間地農業ルネッサンス事業等により、多様で豊かな農業と美しく活力ある農山村の実現や、地域コミュニティによる農地等の地域資源の維持・継承に向けた取組を総合的に支援しました。

米、野菜、果樹等の作物の栽培や畜産、林業も含めた多様な経営の組合せにより所得を確保する複合経営を推進するため、地域の取組を支援しました。

地域のニーズに応じて、農業生産を支える水路、圃場(ほじょう)等の総合的な基盤整備と生産・販売施設等との一体的な整備を推進しました。

(2)地域資源の発掘・磨き上げと他分野との組合せ等を通じた所得と雇用機会の確保

ア 農村発イノベーションをはじめとした地域資源の高付加価値化の推進

(ア)農林水産物や農林水産業に関わる多様な地域資源を新分野で活用した商品・サービスの開発や加工・販売施設等の整備等の取組を支援しました。

(イ)農林水産業・農山漁村に豊富に存在する資源を活用した革新的な産業の創出に向け、農林漁業者等と異業種の事業者との連携による新技術等の研究開発成果の利用を促進するための導入実証や試作品の製造・評価等の取組を支援しました。

(ウ)農林漁業者と中小企業者が有機的に連携して行う新商品・新サービスの開発や販路開拓等に係る取組を支援しました。

(エ)活用可能な農山漁村の地域資源を発掘し、磨き上げた上で、これまでにない他分野と組み合わせる取組等、農山漁村の地域資源を最大限活用し、新たな事業や雇用を創出する取組である「農山漁村発イノベーション」が進むよう、農山漁村で活動する起業者等が情報交換を通じてビジネスプランの磨き上げが行えるプラットフォームの運営等、多様な人材が農山漁村の地域資源を活用して新たな事業に取り組みやすい環境を整備し、現場の創意工夫を促しました。また、現場発の新たな取組を抽出し、全国で応用できるよう積極的に情報提供しました。

(オ)地域の伝統的農林水産業の継承、地域経済の活性化等につながる世界農業遺産及び日本農業遺産の認知度向上、維持・保全及び新規認定に向けた取組を推進しました。また、歴史的・技術的・社会的価値を有する世界かんがい施設遺産の認知度向上及びその活用による地域の活性化に向けた取組を推進しました。

イ 農泊の推進

(ア)農泊をビジネスとして実施するための体制整備や、地域資源を魅力あるテーマ性・希少性を活かした観光コンテンツとして磨き上げるための専門家派遣等の取組、農家民宿や古民家等を活用した滞在施設等の整備の一体的な支援を行うとともに、日本政府観光局(JNTO)等と連携して国内外へのプロモーションを行いました。

(イ)地域の関係者が連携し、地域の幅広い資源を活用し地域の魅力を高めることにより、国内外の観光客が2泊3日以上の滞在交流型観光を行うことができる「観光圏」の整備を促進しました。

(ウ)関係府省が連携し、子供の農山漁村宿泊体験等を推進するとともに、農山漁村を都市部の住民との交流の場等として活用する取組を支援しました。

ウ ジビエ利活用の拡大

(ア)ジビエ未利用地域への処理加工施設や移動式解体処理車等の整備等の支援、安定供給体制構築に向けたジビエ事業者や関係者の連携強化、ジビエ利用に適した捕獲・搬入技術を習得した捕獲者及び処理加工現場における人材の育成、ペットフード等の多様な用途での利用、ジビエの全国的な需要拡大のためのプロモーション等の取組を推進しました。

(イ)「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」の遵守による野生鳥獣肉の安全性確保、国産ジビエ認証制度等の普及及び加工・流通・販売段階の衛生管理の高度化の取組を推進しました。

エ 農福連携の推進

「農福連携等推進ビジョン」に基づき、農福連携の一層の推進に向け、障害者等の農林水産業に関する技術習得、農業分野への就業を希望する障害者等に対し農業体験を提供するユニバーサル農園の開設、障害者等が作業に携わる生産・加工・販売施設の整備、全国的な展開に向けた普及啓発、都道府県による専門人材育成の取組等を支援しました。また、障害者の農業分野での定着を支援する専門人材である「農福連携技術支援者」の育成のための研修を実施しました。

オ 農村への農業関連産業の導入等

(ア)「農村地域への産業の導入の促進等に関する法律」(昭和46年法律第112号)及び「地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律」(平成19年法律第40号)を活用した農村への産業の立地・導入を促進するため、これらの法律による基本計画等の策定や税制等の支援施策の積極的な活用を推進しました。

(イ)農村で活動する起業者等が情報交換を通じてビジネスプランを磨き上げることができるプラットフォームの運営等、多様な人材が農村の地域資源を活用して新たな事業に取り組みやすい環境の整備等により、現場の創意工夫を促進しました。

(ウ)健康、観光等の多様な分野で森林空間を活用して、新たな雇用と収入機会を確保する「森林サービス産業」の創出・推進に向けた活動を支援しました。

(3)地域経済循環の拡大

ア バイオマス・再生可能エネルギーの導入、地域内活用

(ア)バイオマスを基軸とする新たな産業の振興

a令和4(2022)年9月に閣議決定された新たな「バイオマス活用推進基本計画」に基づき、素材、熱、電気、燃料等への変換技術を活用し、より経済的な価値の高い製品等を生み出す高度利用等の取組を推進しました。また、関係府省の連携の下、地域のバイオマスを活用した産業化を推進し、地域循環型の再生可能エネルギーの強化と環境に優しく災害に強いまち・むらづくりを目指すバイオマス産業都市の構築に向けた取組を支援しました。

bバイオマスの効率的な利用システムの構築を進めることとし、以下の取組を実施しました。

(a)「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律」(平成20年法律第45号)に基づく事業計画の認定を行い支援しました。

(b)家畜排せつ物等の地域のバイオマスを活用し、エネルギーの地産地消を推進するため、バイオガスプラントの導入を支援しました。

(c)バイオマスである下水汚泥資源等の利活用を図り、下水汚泥資源等のエネルギー利用、りん回収・利用等を推進しました。

(d)バイオマス由来の新素材開発を推進しました。

(イ)農村における地域が主体となった再生可能エネルギーの生産・利用

a「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律」(平成25年法律第81号)を積極的に活用し、農林地等の利用調整を適切に行いつつ、再生可能エネルギーの導入と併せて、地域の農林漁業の健全な発展に資する取組や農山漁村における再生可能エネルギーの地産地消の取組を促進しました。

b農山漁村における再生可能エネルギーの導入に向けた現場のニーズに応じた専門家派遣等の相談対応、地域における営農型太陽光発電のモデル的取組及び小水力等発電施設の調査設計、施設整備等の取組を支援しました。

イ 農畜産物や加工品の地域内消費

施設給食の食材として地場産農林水産物を安定的に生産・供給する体制の構築やメニュー開発等の取組を支援するとともに、農産物直売所の運営体制強化のための検討会の開催及び観光需要向けの商品開発や農林水産物の加工・販売のための機械・施設等の整備を支援しました。

ウ 農村におけるSDGsの達成に向けた取組の推進

(ア)農山漁村の豊富な資源をバイオマス発電や小水力発電等の再生可能エネルギーとして活用し、農林漁業経営の改善や地域への利益還元を進め、農山漁村の活性化に資する取組を推進しました。

(イ)市町村が中心となって、地域産業、地域住民が参画し、担い手確保から発電・熱利用に至るまで、低コスト化や森林関係者への利益還元を図る「地域内エコシステム」の構築に向け、技術者の現地派遣や相談対応等の技術的サポートを行う体制の確立、関係者による協議会の運営、小規模な技術開発等に対する支援を行いました。

(4)多様な機能を有する都市農業の推進

都市住民の理解の促進を図りつつ、都市農業の振興に向けた取組を推進しました。

また、都市農地の貸借の円滑化に関する制度が現場で円滑かつ適切に活用されるよう、農地所有者と都市農業者、新規就農者等の多様な主体とのマッチング体制の構築を促進しました。

さらに、計画的な都市農地の保全を図る生産緑地、田園住居地域等の積極的な活用を促進しました。



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